有価物と廃棄物

最近の不法投棄等の案件を見ると、単純なものは少なく、巧妙になってきているように思います。
よくあるのが有価偽装。有価物を保管しているだけ、土壌改良剤として利用している等々の主張をするというもの。
当社の関連する食品リサイクルですと、堆肥として販売しているといいつつ、土地を高い値段で借り上げており実質的に畑が安定型処分場になっているという手口です。
ところで、そもそもなぜ廃棄物に関して厳しい規制が行われているのか。
廃棄物は受け入れたときにお金をもらえます。その時にお金と一緒にゴミも引き渡されるわけです。このゴミを捨ててしまえばすぐに儲かるわけです。
逆に、一円でも払って買った場合、そんなに簡単に捨てることはない訳です。木くず裁判とよばれる裁判では、木くずのように一般的に価値があると見なされるものは逆有償でも総合的な判断で有価物として見なすという判例が出ています。
しかし、逆有償である以上、捨ててしまった方が簡単にお金になるわけです。環境省、都道府県が「基本は有価かどうか」で判断するのはこのためです。
同じ理由で、買取価格より運搬費用の方が高く逆有償になっている事例においても、運搬業者と買取業者が別であり、運賃を直接排出元が負担している場合、買取業者は廃棄物処分の許可が不要です。(都道府県によって見解がことなることもありますが)
買取業者はあくまで有価で買い取っているため、これを不法投棄する可能性は低いわけです。
ただ、トータルで逆有償になっている場合、運搬業者から買取業者へ金が流れていることもあります。つまり、実質的に買取業者は買取と言いつつ処分費を取っている状態になっているということです。
こういう事例もあるので、都道府県によってはたとえ運搬業者と買取業者は別であっても逆有償になっていることに関して認めないこともあるようです。
この理屈は養豚業者にもあてはまります。処分費をもらっていると、楽するために捨てる可能性が常に付いているため、受入にあたってそれなりの要件が求められるわけです。

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