牛の勉強

昨日は京都まで出張してきました。お寺を巡るのが好きなので、京都は年一回ぐらいは行っているのですが、仕事で行くのは初めてです。時間に余裕があればのんびりと初夏のお寺を回りたいところでしたが、残念ながらとんぼ返りです。

京都へ行ったのはエコフィードの打合せです。今まで当社ではおもに養豚用のエコフィードを扱っていたのですが、今回は牛向けの素材です。パイナップルの絞り粕をエコフィードとして活用することを検討しています。

豚向けの飼料に関しては勉強をしてきてかなり詳しくなったつもりですが、牛向けはまだ勉強を始めたところなのでまだまだです。反芻動物は奥が深いです。胃が4つもあるわけですから。牛向けの飼料はまず繊維の分画が必要となります。ADF(酸性デタージェント繊維)とNDF(中性デタージェント
繊維)と言う物を分析する必要が出てきます。ADFは酸に不溶な繊維分であり、セルロースとリグニンが含まれます。セルロースとリグニンは反芻を促すのに必要な成分であり、特に反芻動物では重要な要素です。

ADFとNDFの違いはヘミセルロースが含まれているかどうかです。酸性溶液でヘミセルロースは溶解しますので、ADFというのは酸性溶液でも溶け残ったセルロースとリグニンだけを測定しているという訳です。

 

牛と豚を見ていて一番違うと思うのは、養豚は結構農家自身が飼料の設計までする(とはいえそういう農家の割合はそんなに高くないですが)のに対し、牛はコンサルタントを入れて飼料設計を依頼していることが多いという点です。牛の方が飼料の設計が難しい証左かもしれません。

 

飼料のことをいろいろ勉強してわかってきたのは、今の畜産は非常に精緻に組み立てられていると言うことです。この組立の積み重ねが畜産農家の経営を大きく左右します。賛否あるでしょうが、今の畜産は世間で思われているような牧歌的な物ではないのは確かです。大規模化、効率化を進めてこなければやっていけない市場になっている訳です。もちろん効率化は重要かと思いますが、それだけでない価値を創出できたらいいなと壮大な野望を頂いています。