飼料利用による排水処理の負荷低減方法

最近、物忘れがひどくなっているような気がする44歳です。いろいろなところで忘れ物をしてきます。そそっかしい性格なので昔から忘れ物や落とし物が多かったので、物忘れが昔よりひどくなったかどうかは確かではありませんが(笑)

かって勉強したこともいろいろと忘れていて、子供が大きくなったらなにも教えられ無さそうな気がします。そんななかでも、前職の排水処理メーカーで勉強したことはしっかりと覚えていて、今の仕事で役に立っていることもいろいろあります。統計処理や品質管理の考え方などはメーカー勤務していたおかげで身につきました。

前職での排水処理の知識は業務にも直接役立っています。今、取り扱っている飼料原料のうちいくつかは排水処理上の理由で当社に廃棄物として供給されているものです。

たとえばその中の一つにキャラメル工場の廃液があります。これは、キャラメルを製造した際に釜を洗ったときの排水です。こういった糖分が高い排水は非常に濃度が高いため、少し流しただけでも排水処理の負荷が高くなります。排水処理施設に十分なキャパシティがあれば排水処理に流すことができますが、食品工場では排水処理施設に余裕が無いケースも多く、こういった高濃度排水を放流することができない場合があります。
一般的な家庭の排水はBOD200mg/l程度ですが、食品工場では床の清掃水など濃度が薄いものでもこれより高く、糖液や製品廃棄などの高濃度排水はBODが数万にも達することがあります。ただ、高濃度のものは量が少ない場合が多いため、別途処分するケースした方が合理的なことが多いです。わずかな量の高濃度排水を流すだけで、排水負荷が数倍にもなることがあります。

逆に言うと高濃度の排水ということは、有機物が多い、すなわち栄養価が高いと言うことを意味しており、飼料とするには適しているということです。当社では高濃度糖液を主に豚のリキッドフィーディングの原料として利用しています。

他に当社で取り扱いしているものは、焼酎蒸留廃液、酒、ジュース、シロップ廃液、酵母廃液などがあります。いずれも飼料として有効なものばかりです。豚はアルコール濃度が高いと酔っ払いますが、飼料中にアルコールが1~2%程度含まれていると嗜好性が向上します。醸造関係のお取引が増え、お取引先のお酒を飲む機会も増えたのは左党の私としては嬉しい限りです(^^)

これからも幅広い業務範囲の特性を生かし、さまざまな廃棄物のリサイクルに取り組んでいきたいと思います。

浄化槽

商売をすると言うこと

当社は新卒採用を行っています。今年度も新入社員が入社しましたが、来年度もまた1名入社予定です。今は新入社員教育のカリキュラムを考える時期で、来年度の教育計画を策定しています。
思えば、自分も二十数十年前は新入社員でした。新入社員の時は3週間にわたって研修があったことを覚えています。
その中の一つに営業研修がありました。営業研修の中で、代金回収がいかに重要かという内容の講義があったことを今でも覚えています。
この前、当社の新入社員にも「お金をきちんと回収できなければ、それは売上とは言えない」という説明をしたら「お金を払わない人いるんですか?」と驚いていました。商売をやっている人はたいてい経験があると思いますが、お金を払わない「お客さま」はたくさんみえます。

お金を払わないor払えない理由は様々ですが、当社の関連する業界である農業では特に支払遅れがあるケースが多いように感じます。農業で支払が遅れる理由として、
・農家の場合農協取引が多く、支払をする行為の習慣がない
・収穫時での支払などの慣例があり、すぐに支払うという意識が乏しい
などがあるのではと思います。場合によっては、1年分以上の支払が滞っている場合もあります。畜産の場合、飼料代などの購入費が大きいこともあり、溜まった支払が数千万円以上になっているケースもあります。
しかし、支払が行われないというのは当然ながら商取引においては信用の欠如につながる行為です。次回の取引に差し障りがでる場合もありますし、価格もリスクを織り込んだ価格となってしまい、購買商品の場合値段が上がることになります。
つまり、支払をきちんとしないことは、結局は自分が損をすることになります。もし、キャッシュフローが厳しいなら金融機関から借入を行い、支払を行うべきです。(もちろん、金融機関への返済が遅れることも問題になることは言うまでもありません。)
とくに疑問に思うのは、6次産業化に取り組んで直接販売を行っている様な農家でも支払がきちんとなされないケースがあるということです。販売を行っておきながら商売の基本ができていないのには残念ですらあります。
農業であってもこれからは「経営」を考えなければ生き残りが難しい時代になって来つつあります。経営には決算書を読めることも必要ですが、商売を行うとはどういうことか理解をすることがまずは大前提だと思います。
私自身も、経営者として未熟な部分も多いので姿勢を正すことを忘れずにいきたいと日々反省をする次第です。

渡辺崋山 商売八訓

養豚に新規参入

気がつくと1月も終わってしまいました。年月の過ぎるのが非常に早く感じる44歳です。
当社は12月末決算です。昨年は新規投資をいろいろと行ったので、決算内容は不本意なものがありました。
当社は決算の結果を持って経営指針書の発表を行っています。経営指針書はいわゆる事業計画ですが、経営理念、経営方針(戦略)、経営計画(戦術)をまとめたものです。私が所属している中小企業家同友会では、この経営指針書を作ることを会の方針としています。決算の実績をふまえ、今期以降の会社経営のあり方を社員、取引先の皆様に発表致しました。

昨期の投資のうち大きいのは、新卒採用と新規事業の開始です。昨年は4月に大卒新人を初めて採用し、今年の4月にも入社予定です。採用が難しい時代において多くの応募があり、優秀な人材が入社してくれるのは本当に感謝しています。当社が存在意義ある事業を行い、また経営指針書の発表など含めた将来展望を明示していることが、採用ができている理由の一つでは無いかと思います。

新規事業の方は、1月より養豚を開始しています。非常にささやかな規模にもかかわらず、大きな投資となり畜産を始めることの大変さを感じています。
なぜ、当社が養豚を始めるのかについて、指針発表でもお話ししましたが、お取引先からもよくお問い合わせ頂くのでこちらに記します。

・リサイクル飼料で食糧生産を行うという社会的存在意義
世界人口は増大し、日本の相対的GDPは低下しています。日本人がいつまでも海外の食糧、飼料を輸入できるとも限りません。国内でリサイクル飼料を利用した養豚を行なうことは大きな意義があります。

・事業シナジー効果
飼料を作っているため、安価で良いエサを提供することができます。

・ビジネスとしての魅力
国内養豚生産が減少しており、国産豚肉価格は高止まりしています。安価な飼料を利用することができるため、収益性も期待できます。

・実験農場として
新しい飼料の給与試験や、嗜好性の試験を行います。

・マーケティングの実験
養豚業界にいると、マーケティングを的確に行うことで販売拡大できる要素がまだ大きいのでは無いかと感じます。販売の取り組みを実験的に行いたいと思っています。最終的には飲食店経営もできたらと考えています。

創造と野望と希望を実現するために、新たな分野に踏み出していきます。皆様のご支援のほどよろしくお願いします。