エコフィードと堆肥の関係

年末から煩っていた風邪がようやくだいたい治りました。約10日間、かなりしつこい風邪でした。一番辛かったのは臭いが全くわからなくなっていたこと。食べ物が美味しくなかったです(+_+)
当社では肥料と飼料の製造を行っています。もともと学生自体は農学科の肥料系の研究室を出ていますので、専門は肥料ですが図らずともエサも扱うことになりました。でも、飼料と肥料って似ている部分が結構あります。植物の栄養分と、動物の栄養分という違いはありますが、窒素系の動態が重要なのは同じですし、分析方法も同じものが結構あります。役所の管轄も旧の肥飼料検査所、現在の農林水産消費安全技術センター(FAMIC)です。タンパク質が土壌中で分解してアンモニアや硝酸になっていくように、動物はタンパク質を消化して吸収していきます。そんなこんなで割と取っつきやすかったのは確かです。
 
ところで、エコフィードは様々なメリットがあるのですが、いくつかの欠点も当然あります。大きな欠点の1つに養豚の場合、堆肥の発酵が悪くなるとことがあげられます。そんな論文とか報告を見たことがあるわけでありませんが、当社のお客様の事例を見ている限り多分間違いないと思います。
エコフィードはパンだったり、お菓子のくずだったり、ジャガイモの皮だったり、小麦粉だったりと熱がかけてあったり粉末になっているものがほとんどです。このため、非常に消化率がよくなります。以前、愛知県の試験場での実験でも糞量がかなり減少していました。
一般的な配合飼料では、トウモロコシが多く、皮などの難消化物は消化吸収できず糞にそのまま出てきます。これらのセルロース、リグニン類が糞に入っていると、発酵の基質として利用され、温度が上がりやすくなります。また、繊維系のものが含まれることにより、堆肥の空隙率が高くなり、発酵されやすくなるわけです。
また、エコフィード利用のためにリキッドフィーディングを採用するケースも多いですが、リキッドフィーディングでは尿量が増えるため、糞に混合されて水分量が上がりやすくなります。このため堆肥の発酵が悪く、尿にも糞が混ざりやすいため浄化槽の調子も悪くなる傾向にあります。
可消化率がよいことは飼料としては良いことなのですが、思わぬ弊害があると言うことですね。エコフィードを扱っていて堆肥の知識が役に立つのは、この2つの分野に携わっていたからだからかなと思います。仕事でこんな風に飼料と肥料が結びつくとは予想外でしたが。
最近、当社では堆肥の発酵促進、水分調整材も販売しています。これは、油分をヤシ殻に吸着させたもので、水分をよく吸い、カロリー源ともなるという優れものです。少し混合すると驚くほど品温が上がります。エサを売るだけではなく、トータルでお客様サポートすることを目標としています。
もちろん、お客様と一緒に三河トコ豚極め隊の活動も継続して実施していますよ。