MA米の行方

年度末で非常に忙しい日々続いていました。1月頃からずっと忙しかったので、体重が2kgも減りました。ダイエットにはちょうどいいですが、いささか不健康か感じですね。ブログの更新もすっかりご無沙汰になってしまいました。ネタ帳にはだいぶネタがたまってきています。ともあれ、忙しいのもようやくピークを過ぎたので、ちょっとホッとしています。
 
この前、地産地消を目指すべく活動しているNPOの集まりがあり、ちょっと興味があったので参加してきました。活動の予定の中で、「食糧自給率を上げるために消費者を啓蒙する」と言うような内容があったので、少し疑問に思いました。地産地消については賛同するのですが、食糧自給率をあげるために消費者を啓蒙しても無駄だろうと思いました。
たとえば、スーパーに並んでいる野菜、一時は中国産がたくさんならでいましたが、いまはほとんど見かけることはありません。ところが、野菜の自給率は80%に過ぎません。20%は輸入野菜というわけです。この野菜はどこへ行っているのでしょうか?加工食品や外食産業など、消費者が直接選択することない分野では輸入の野菜がたくさん使われています。
一番顕著なのは、米だと思います。米の生産量はおよそ800万トン、それに対し、MA米の輸入量は80万トン前後で、米の生産量の一割が輸入されているわけです。ところが主食用に回っている米はほとんどありません。多くは加工用と飼料用に利用されています。加工用に回る分は40万トン弱、つまり人間の口に入る米のうち5%程度は輸入米というわけです。一般消費者をいくら啓蒙してもこの加工用に使われている分に対して影響を与えることができないとおもいます。(米トレーサビリティー法施行の影響はありますが、それはまた別の機会に)
そもそも、カロリーベースの食糧自給率を押し下げているのは輸入穀物です。そして、その多くは加工品や飼料に使用されています。もっとも輸入量が多い食品はトウモロコシですが、輸入量の6割程度が飼料に、残りが加工用に使用されています。加工品として多いのがデンプン原料であり、このデンプンを更に加工したものが清涼飲料水によく使われる異性化糖(果糖ブドウ糖液糖と表記されているもの)となります。
つまり、本当に食糧自給率に対して危惧しているなら、コカコーラは飲むべきではありませんし、輸入飼料を使って育てられた畜産物は食べるべきではないです。
こんな社会構造になったのは、輸入トウモロコシがここ数十年来安値安定だったからです。しかし、その安定も崩れてきています。自分が食べているものがどこから来ているのかを考える時期ではないかと思います。食卓で何気なく口にしているものの原料が地球の裏側から来ているわけですから。