バイオガスプラントの見学

会社の移転工事も一段落したので(まだ終わっていませんが)、9月はしばらく抑制していた出張をたくさんする予定です。

第一弾として先週は北海道出張してきました。業界団体である「全国食品リサイクル登録再生利用事業者事務連絡会」の総会と、その見学会として函館近郊の七飯町にあるバイオガス施設の見学に参加してきました。

バイオガス(メタン発酵)のプラントを見るのは初めてでいろいろと勉強になりました。
プラントの仕組み自体はシンプルでした。食品リサイクルに限らずリサイクル施設はできる限りシンプルにすることが重要です。そういう意味でバイオガスは事業性が高い手法ではないかと思います。

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発酵槽と消化液貯留タンク

 

 

再生エネルギーの固定買取制度の影響でバイオガスプラントの注目が非常に集まっています。それもあり今回の施設見学では多くの人が見学に参加したのではないかと思います。

ところが今回驚いたのがこの施設では売電を行っていないこと。生成したバイオガスを使って発電を行っているのですが、発電した電力は場内で使用しています。余ったガスはタンクで輸送しガスとして販売しているとのことです。
試算によると売電するよりも直接ガスとして販売する方が収益が上がるとのことです。バイオガスプラントはFITを使わないと成立しないと思っていたのですが、意外でした。

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ガス輸送用のタンク

 

しかし、ちょっと疑問だったのが投入している食品残さです。この施設では家畜ふん尿と食品残さを原料としています。
この食品残さが非常に高品質で、飼料として十分利用できるレベルのものでした。

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食品リサイクル業界が危惧しているのは、FITによる買取価格が高く食品残さが資料や肥料ではなくメタン発酵に流れてしまうのではないかということです。
今回の見学でエネルギー価格の高騰を背景に、FITがなくてもそういったことが起こりえることが確認できました。

エネルギーと食糧供給の問題が表裏一体であることが改めて思い知らされた見学でした。