農協は不要な存在なのか

久々の更新です。今年に入って種々の書類の締め切りに終われ、余裕のない状態が続いていました。社長兼営業部長兼工場長兼営繕担当みたいな動きをしているとにっちもさっちも行かなくなってきていますので、いいかげん組織としての体制と構築していきたいと考えています。と言いつつ、今晩も会社に導入する新しい設備の検討をして夜が更けていくわけですがw 組織と言えば、日本の農業組織の代表である農協が「農協改革」の名の下に批判を浴びています。農協不要論がマスコミを賑わせていますが、果たして本当に農協はオワコンな存在なのでしょうか。

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昨今は六次産業化がもてはやされ、農家が直接販売に乗り出すケースも多く見られます。有力な農家ほど農協の流通経路を敬遠し、自ら販売ルートを切り開いています。商系の流通問屋へ納品することもありますが、商品を直接流通販売することも増えてきています。 直接販売を行うようになると、ある程度ロットをまとめ、規格をそろえ、物流コストを下げることを目的として農家が集まり共同の集荷設備や保管設備を作る・・そんな事例があります。 販売を行うと、与信管理、代金回収も大きな問題です。代金を回収するために、回収代行業者を利用したりします。 肥料や飼料などの資材も個々の農家で購入するよりもまとまって購入したほうが安上がりになります。当社のお客さまでも飼料を入札、共同購入してコストを下げている人もいます。 こういったことはみな農協がやっていることです。アンチ農協の優秀な農家ほど農協のような取り組みをしているのは皮肉なものです。

 

結局のところ、農協の事業自体には存在意義があるのでしょうが、(多くの)単位農協が仕事をきちんとしていないことが問題の本質であると思います。 肥料飼料や段ボールなどの資材は農協の取扱高が圧倒的であり、本来はどのルートよりもっとも安価に農家に提供できるはずであり、農協に出荷すると一番高くなってもよいはずなのに、そうでないケースが多々あります。しかも、それでいて多くの農協では営農事業が赤字です。商系で成立する事業が成立しないのは組織のあり方が間違っていると言わざる得ません。

 

組織が大きく古くなると、組織の維持が目的となり本来の目的を見失っていくものです。農協が本来の目的を見据えた組織に変革していくことが日本の農業の発展に必要なのではないかと思います。そのためには農協を構成する組合員が農協を”自分たちの組織”であるという意識を持つことが重要だと思います。 今の”農協改革”と呼ばれる動きは既得権益の奪い合いやパフォーマンスに過ぎません。アメリカの輸出団体やニュージーランドの乳業メーカーで明らかなように、組織というのは非常に強いものです。見せかけの改革ではなく、これからますます社会のグローバル化が進む中、農協が理念と長期的な戦略をもった組織となり、日本農業を支えていって欲しいものだと願います。

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