エコフィードと食糧自給率

食糧自給率に関するこんな雑誌の記事が載っていました。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100413-00000000-rnijugo-soci
この記事で筆者はカロリーベースの食糧自給率に疑問を示しています。畜産物は飼料の自給率が低いため、自給率は低く計算されますが、実際は国内で生産されているのにおかしいのではないかという主張です。
結局、食糧自給率を算出する目的がなにかが重要だと思います。色々と批判の多いカロリーベースの自給率ですが、国の安全保障を重視するならば採用も間違っていないと私は考えます。
実際、畜産関連の仕事をしていると、日本の畜産が海外の安価な飼料に依存していることを痛切に感じます。牧草やワラなどの粗飼料もトウモロコシや魚粉などの濃厚飼料も、みな海外産です。みなさんが飲んでいる牛乳は海外から輸入された牧草で作られ、卵も輸入トウモロコシに依存しています。
豚肉も鶏肉もここ数十年ほとんど値段が変わっていないのは、海外の安価な飼料を利用して効率的な生産が行われてきたからできたことなのです。逆に言うと、もしこの海外から調達する飼料の価格が上がったら成立しなくなるのが日本の畜産です。
そこで、エコフィードの出番ですと言いたいところですが、私はエコフィードで食糧自給率を上昇させるのはかなり難しいのではないかと常々思っています。廃棄食品を有効にリサイクルすることは非常に重要だと思っていますし、だからこそこの仕事を行っています。でも、畜産農家が使う余りに多くの飼料を目の当たりにすると正直なところ無力感があります。
当社のお客さんはエコフィードを活用しているのですが、そういった農家はごく一部。規模と効率化を優先するとなかなかエコフィードという選択がとることができません。例えば養鶏農家は非常に大規模化、効率化が進んでいるため、ほとんどエコフィードを活用することがないのが実情です。
逆に言うと、当社のターゲットとなる市場は未開拓で非常に大きいということでもありますが、国家の安全保障を考えると非常に複雑な心境であります。

注文

今日は名古屋の展示会などを回りました。風がすごい強かったですね。暑かったり寒かったりで服装を選ぶのにも困ります。
先ほどお客さんから電話があり、肥料の注文が入りました。空いている日が日曜日しかないので、日曜日出勤決定です。
当社のお客さんの農家は、有機肥料を買って頂いている方、エコフィードを買って頂いている方どちらも相当なこだわり農家ばかりです。
やっぱり、特にこだわり無ければ化成肥料を使い、配合飼料を使った方が正直ラクですからね。なんらかの目的、信念があってこそ新しいものに挑戦を続けているんだと思います。
特にうちのお客さんを見ていますと、養豚農家は政府からの保護がすくないため、逆に経営というビジョンをしっかりと持っているのを感じます。持っていない人は淘汰されていったということもあるのでしょうが。
畜産農家、とくに養豚農家は経営規模が大きいので、経営概念がないととてもやっていけないんだと思います。養豚の場合、夫婦二人の場合、母豚100頭強程度まで管理できます。すると年間出荷2000頭以上、売上げ5000万以上となります。夫婦二人でやって5000万円の売上げがある農業は他にあまりないんじゃないかと思います。
もっとも、当然ながら売上げと利益は全く別物ですが。

人脈

社長をやっていて、サラリーマンと一番違うと思うのが人脈です。零細企業でも社長なので、相手も社長がでてくることが結構あります。東証一部上場の社長と親しくなったりできるのはサラリーマンに無い経験です。
成功している会社の社長と会うと、いろいろと感心したり勉強になったりします。
人脈作りにはいろいろと努力しています。展示会と名の付くものには出来る限り出展して、プレゼンする機会があればできるだけ参加しています。このごろ、名刺の消耗量が多いです。
おかげで、最近「高橋さんって顔が広いね」ってよく言われるようになりました。東三河は仕事始めるまで全く縁がなかったのですが、最近すっかり地元で顔が売れてきたようです。これで、悪いことが出来なくなりました(^-^;

顔も実際大きいですが・・・。[E:upwardright]

運搬車両

今日は暖かい日でしたね。知り合いが肥料を買ってくれたので配達で瑞浪まで行ってきました。暖かくて車運転していると猛烈な眠気が。危険です。
前よりくどくどと書いていますが、食品廃棄物やそれからつくられた飼料、肥料を運ぶときに問題になるのが運送コストです。最近は過積載に対して厳しいのでトラックの最大積載量が重要です。
運搬効率を上げるために食品廃棄物の保存処理等を行っていますが、量をまとめた後に運搬する車両がちょうどよい積載量でないと運送コストが下がりません。
当社では運搬は基本的に外注しています。廃棄物扱いになるときは産廃の収集運搬業者に、有価物は飼料問屋にお願いします。
しかし、収集運搬業者が持っている車両は会社によってまちまちです。フックロール(着脱コンテナ)車はどこもあるのですが、平ボディー、ユニック、ウイングなどは会社によって持っていたり持っていなかったり。それぞれ大きさ、積載量も違いますし、できればルート回収したいので普段どこのあたりを走っているかをだいたいこちらでも把握して、どこの収集運搬業者にお願いするか決めています。
同じ平ボディーでもユニックが付くと最大積載量が800kg程度下がります。ウイングも同様に減トンされます。この仕事を始めて最大積載量がいつも気になるため、運転中も隣を走っているトラックの最大積載量をいつも見て、「うわ、積載良くとれているな」とか「フォワードで積載2100kgってきびしいなあ」とか思っています。
個人的に飼料原料関係の運搬で比較的使い回しがしやすい車は4トン車ベースの増トンで車両総重量11トン、幌ウイングパワーゲート付で最大積載量6トン弱っていう車です。って、こう書いても知らない人にはほとんど意味不明でしょうが・・。

豚肉のブランド化勉強会

暖かくなり花粉症がひどくなってきました。スギ花粉ではなくイネ科花粉が原因のため年中花粉症ですが、3月~11月ぐらいが特にひどいですね。なんか年ごとにひどくなっていくような気もします。
昨日はうちのお客さんと豚肉のブランド化勉強会というものを実施しました。非常に活発な議論が行われて長時間の打合せで少々疲れました。
はっきり言って直接的には当社の業務と関係ないのですが、せっかく良いエサを使って美味しい豚肉が作られているのに、なかなか市場で評価されないのが残念なのでお手伝いしています。
にしても、このごろは業務の幅が広がりすぎて収拾が付かなくなってきている気がします・・。

環境ベンチャー

この頃、暖かかったり寒かったりが激しいですね。会社のあたりは今日はすごく寒かったです。

学生の頃、大学の部室の裏で花見をしていたらすごく寒くて部室の中へ行き熱燗で宴会したことを毎年思い出します。その頃からもう15年も経っているんだなぁとしみじみ思います。

環境ベンチャーだけに限りませんが、ベンチャーはいろいろな苦労があります。その1つが資金調達です。ベンチャーは資金力がたいがい不足しています。零細ベンチャーに出資してくれるところはあまりありませんし、創業間もないと銀行もお金貸してくれません。

IT系のベンチャーですとパソコン1台あれば仕事始められるかもしれませんが、環境ベンチャー、特に当社のように工場を構えると初期投資と固定費が非常に大きくなります。

行政は「ベンチャー支援」とか言っていますが、実際のところベンチャーに対する金融支援は無いに等しいです。だから、ベンチャーは初期投資の少ないIT系のものか士業が多いのだと思います。

また、銀行からお金を借りるとかならず代表者の連帯保証が付きます。(これはベンチャーに限りませんが)日本の会社は借入金を資本とすることが基本ですので、株式会社、有限会社と言っても無限責任を負う形になるわけです。これでは初期投資の多いベンチャーはなかなか始められませんね。銀行員の友人にこのことを言ったら「個人債務保証は上場企業でもならない限り外れないよ」と言われてしまいましたw

以前ネットの記事に載っていたのですが、イスラエルでは政府がまとまった金額をベンチャー向けに確保し、保証人無し、担保無しでベンチャーに出資しているそうです。もちろん回収不能の割合も高いようですが、そこはベンチャー育成費用として割り切っているようです。

日本の政府もつまらない中小企業支援の施策をてんこ盛りにするのではなく、毎年数百億でもいいからベンチャー向けに資金枠を確保して、ドブに捨てるつもりでベンチャーに出資すればいいのにと思います。

政府系のベンチャー向けファンドとかもあることはあるのですが、以前説明を聞いたら「上場して株式売却で投資を回収することが基本です。上場できなかった場合には出資を引き上げることもあり得ます」と言われました。頭おかしいですよね。

と、ぐちをいろいろ書きましたが、当社は少ない利益から次の投資を行い少しずつ規模を拡大しています。少ない利益を投資に回しているために全然残りませんが・・。当社ではいつでも出資歓迎です[E:dollar]

事業系一般廃棄物(その3)

事業系一般廃棄物の話しの続きです。
最近、大手スーパーなどでは食品リサイクルに熱心に取り組まれているところがあります。そういったところでは、食品廃棄物を単にリサイクルするだけではなく、リサイクルループの構築までを行っているケースがあります。
しかし、リサイクルする立場から言うと、一般廃棄物は産業廃棄物と比べて適しているとはあまり言えません。産業廃棄物となる食品廃棄物は食品工場や製薬工場から出るものですので、製造に際して発生した副産物が多いです。成分も安定していますし、ロットもまとまります。しかし、スーパーや飲食店などからの一般廃棄物は食べ残しなども多く、塩分や油分が多かったりして堆肥や飼料にはあまり向いているとは言えません。
ですが、事業系一般廃棄物を受け入れると違ったメリットがあります。リサイクルループを作るためにリサイクル肥料、飼料を使ってできた農産物をスーパーなどが買い上げます。買い上げてもらえるために農家がリサイクル肥料、飼料を積極的に購入してくれるので、リサイクル肥料、飼料の販売が容易になるというメリットです。
ただ、事業系一般廃棄物を受け入れると、リサイクル品の品質は下がる傾向にあります。品質が下がったほうがよく売れるというのも皮肉な話です。
当社では今のところ事業系一般廃棄物を処理する許可がありませんので受入はできませんが、受け入れできるようになってもきちんと分別が出来て品質が高いリサイクル品が出来るものだけにしたいと思っています。リサイクルすることが目的ではなく、リサイクルによって高い品質の商品が安い価格でできるということを目標にしたいと思っています。

今年度のテーマ

新年度に入り少し仕事が落ち着いてきたので、今は一生懸命営業活動をしています。平日はお客さんのところへ行くことが多いので、色々仕事が溜まって今日は休日出勤していました。明日もお客さん訪問の予定です。なかなか成約まで至りませんが、引き合いだけは増えています。
今年度の仕事のテーマとしていくつか決めていることがあります。
・豚肉のブランド化事業・・お客さんの養豚農家の販促をお手伝い
・食品廃棄物のオンサイト処理・・小ロットの食品廃棄物の飼料化
・液状飼料化プラントの導入・・現在機器の選定中
・マニフェストを含めた業務管理データベースの構築・・VBを覚えないといけないかなぁ。
テーマが多すぎてなんとも散漫ですが・・。
今日はその中の1つ、食品廃棄物の簡易乾燥機をテストしていました。順調に開発が進んでいます。
食品廃棄物は水分が多いものが多く、すぐに悪くなってしまいます。乾燥処理すれば価値が出るものが多いのですが、乾燥機は高価なためなかなか導入できないことが多いです。
現在開発している乾燥機は低コストを第一義に設計しています。うまくいけば非常におもしろい商品になると思います。

食品リサイクルの容器

食品リサイクルに限らず、廃棄物を扱っていると大きな問題なのが運搬、保管容器です。
しつこく書いているように非常に低価格なものを扱っていますので相対的に運賃が高いわけですが、それ以外に容器コストの比率も非常に高いです。
たとえば、一般的な建設、製造業系の廃棄物によく使われる8m3の着脱コンテナ。あれはだいたい30万円くらいします。一方建設系のものでしたら廃棄物の処分費としてお客様から頂けるのは8万円/コンテナぐらいが相場です。粗利30%(実際そんなにないとのことですが)とすると、2万円ちょっとの利益。そこから減価償却するとすると、10回以上使ってはじめて利益が出る計算です。容器の償却費を原価とするか、販管費でみるのかという部分はいろいろ考え方があるとは思いますが。
コンテナの回転が良ければいいのですが、現場によっては半年とか1年に一回引き上げってこともあります。そんな使い方ですと減価償却の年数がすごいことになりますね。
食品廃棄物でよく使われるのが、サンコーというメーカー(大きい会社です)のジャンボックスっていう容器。これがまた高い。1m3のもので10万円ぐらいはします。何とかならないかと思い、数々の容器をテストしていますがいまだにジャンボックスを越える容器がありません。困ったものです。
内容物より容器の方が高いのはリサイクル業界ぐらいかと思いますね。

会社の名前

前に色々書きましたが、会社を始めたこと自体は後悔しているわけではありません。やっぱり会社経営はいろいろとサラリーマンにはない醍醐味があります。一番はいろんな人に会えるっていうことですね。サラリーマン時代の10倍くらい名刺をもらいますし、社長同士のつながりみたいなものも増えてきました。
ですが、会社の名前は少し後悔しています。テクシスっていうのはテクノロジー&システムズの略ですが、これがよく間違えられます。
テクノス、テキシス、アクシス、テキスト、etc。電話で聞き返されることもしばしば。
やっぱり覚えやすく間違えにくく、しかもオリジナリティがある名前がいいですね。あとはネットで検索したときにノイズが乗りにくいことも重要です。
ちなみに、領収書書いてもらって気づくのが、「環境」って漢字が書けない人が多いです。自分もパソコン依存症で恐ろしいほど漢字書けないのであまり大きなことは言えませんが。