今年もありがとうございました。

今年もあと数時間で終わろうとしています。今年は私もとうとう40歳の大台になってしまいました。
事業を始めたのが32歳。ずいぶん時間が経ってしまったものだと感慨深いです。

今年は会社の移転という大きなイベントがあったためとても慌ただしい一年でした。なにか本当にあっという間に一年が過ぎ去ってしまったように思います。

そして今日は決算日です。こうして決算を無事迎えられるのも応援してくれる皆様のおかげだと感謝しています。
今年はおおむね予定していた予算は達成しましたが、新しい試みに取り組んだことがどれも道半ばになっていることがとても悔やまれます。
来年は会社の経営計画に対し更に真摯に取り組みたいと思います。

巷間ではアベノミクス効果による好景気が言われていますが、中小企業が置かれている環境はとても厳しいものです。
最近、会社経営をしていて強く思うのは会社の経営では「存在意義」がとても重要だということです。
当社の存在意義はどこにあるのか、自問自答をつねにしていきたいと思います。

来年も環境テクシスをよろしくお願いします。

設備投資とリース契約

11月も半ばとなりすっかり冷え込みが厳しくなってきました。今年は10月まで異常に暖かかったのでこの寒さが身に染みます。
今年も残すところあと1ヶ月と少々。ついこの間正月だった気がするのですが、一年経つのが早いことには驚くばかりです。

当社は12月末決算なのでいよいよ追い込みが入ってきました。と言っても決算だからと言ってなにか特別なことをする訳では無いのですが、当期利益の着地点を最終予想して、来期の投資計画などをごにょごにょと考える時期です。

最近、ちょっと高額なものを購入しようとするとよくリースを勧められます。たしかにリースにすると月々の支払金額は一見少なくなり、銀行の与信枠も維持できます。ただ、リースと言っても投資することに変わりはありません。

投資をすると言うことは投資回収ができるかどうかが問題であり、キャッシュフローの計算は別の問題です。投資回収ができないものに投資をすると言うことはROA (Return On Assets=総資産利益率)の低下を招き、結局は経営を圧迫していきます。

経営者の責務でもっとも重要なものの1つに、次の投資をいつ、何に、どれくらい行うか判断するということがあると思います。企業は常に適切な投資を続けなければ競争力を失っていきますが、過剰な投資を行えば資金回収ができず事業の継続が難しくなってしまいます。
ROAは10%程度が目標とされていますので、投資したものに対して10%以上の利益がなければいけないわけです。
それぞれの物的、人的投資が果たして10%以上の利益がでるかどうか、投資の度に悩み所です。

例えば新規の仕事で必要となる運搬容器などの備品は計算すれば償却できるかどうかは割とはっきりと見えます。しかしながら直接利益につながらないもの、たとえばハカリだったり安全衛生の設備だったりは直接利益には寄与しないため、投資するかどうかとても悩みます。ハカリを買っても売上が増えるわけではありませんので。

中小企業の経営者は投資判断から労務管理や人材育成まで、常に悩んでいるから一年が早く過ぎていくのかもしれませんね。

経営者の健康管理

昨日、午後からお休みをいただいて地元の本宮山に登ってきました。山登りはわりと好きですが、ちゃんとした趣味にするほどではなくハイキングに毛が生えた程度の登山をたまにやる程度です。

本宮山は登山口まで車で20分ぐらいと手近なのもあり、お気軽に登ることができます。登山道も整備されているため、小学生ぐらいの子供からお年寄りまで幅広い年齢層から親しまれています。ただ、標高差が700m程度と案外あるため、ちょうどよいトレーニングになります。

今回登山したのは、最近デスクワークが非常に多いため運動不足がきわまって体脂肪率がじりじりと上がってきたことも理由の1つです。

体重コントロールに気をつけて摂取カロリー量のコントロールをしているので、体重は以前と変わらないのですが、いかんせん運動不足のため筋量が落ちていっている訳です。

というわけで、健康増進のために山登りをしてきました。

スマホアプリで見ると高低差がよくわかります。やや誤差はあるようですが。

会社経営をしていて思うのが、経営者の健康問題は非常に大きなリスクだと言うことです。会社経営はリスク要因を潰していくことがとても重要です。

私ももうすぐ40歳、数えの41歳なので前厄です。健康には気をつけていきたいと思います。

売掛金の回収と六次産業化

最近、農業の6次産業化が話題になっており、農水省も力を入れて6次産業化の支援を行っています。

農水省のサイト
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/6jika.html

6次産業化に関しては以前も少し書きましたが、早い話農家が生産物を加工販売していくというものです。

前回の記事にも書いたように、私は6次産業化には少し懐疑的な立場です。農家が6次産業化にとりくむ優位性というものがないと成功は難しいと思っています。従来流通や加工業者が行ってきたことを農家が取り組むという存在意義(レゾンデートル)がなければビジネスとして成立し得ないとと思います。

農家がやらなくてもすでに加工流通はなんらかの形で行われているわけです。それを新規にやる以上は、たとえば流通経路を通らないので新鮮なものが販売できる、規格外品の利用ができるなどの特徴がなければ存在意義はありません。どんなビジネスでも存在意義がなければ成立しないのは自明です。

もうひとつ、私が6次産業化における問題として感じているのが農家のビジネス常識の欠落です。
6次産業化を行うと言うことは一般消費者や企業の顧客と取引を行うということです。従来市場出荷や農協出荷してきた農家の場合、取引というものをしたことがないため、一般的な商習慣に関する知識やビジネスの基本が不足しているケースが多々あります。

たとえば、安易に販売先を開拓して、売上が不良債権化しているケースを聞きます。商売をやっていると売掛金の回収をいかに行うかと言うことは基本中の基本です。サラリーマン時代、新入社員研修で一番最初に習ったのは「売上回収の仕方」「倒産しそうな会社の見分け方」です。取引先の信用調査と債権回収は取引にとって最重要課題であり、「代金を回収してはじめて売買契約が成立する」というのはビジネスとしては当たり前です。これができてないと、農家でも売上が不良債権化してしまうわけです。

また、取引だけではなくビジネスとしての取り組み方が間違っているケースも散見されます。たとえば農家レストランなども増えてきていますが、立地条件を考えず、ターゲット顧客を想定できない店の作りになっていたりする例もあります。そもそも大きな投資をするのにもかかわらずろくに事業計画がなかったりすることもあります。

新しい事業をするのでしたら、最初にマーケティングを行い、事業収支をシミュレーションすることは当然だと思いますが、それができてないことが往々にしてよくあるわけです。

商売をやったこと無い人に商売を勧める農水省の施策は少々無謀すぎるのではないかと思う次第です。もしやるのでしたら、まず商売のやり方をレクチャーすることから始めた方がいいのではないでしょうか。もちろん成功している例もたくさんありますが、その影にはたくさんの失敗例があると思います。

もっとも、農水省も商売をしているわけではないのでそういう発想にはなかなか至らないのかもしれませんけど。

地元の展示会

金曜日、土曜日と地元の信用金庫の展示会でした。ご来場頂いた方、ありがとうございますm(__)m

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ここ4年ぐらいずっと出展しています。正直言ってあまり来場者数は多くないのですが、最近は知り合いが多くなった事もあり、たいくつせずに2日間過ごすことができました。思えば東三河に出てきて6年、最初は誰一人知り合いがいなかったので、その頃を思うと非常に人脈も広がりました。

この展示会、実はここ何年か成果が十分に得られていませんが、地元の方に知って頂く事も大事かと思い参加しています。

当社の経営理念は

社会貢献  技術力、総合力を基に、資源循環により環境保全と地域社会に貢献する

誠心誠意  お客様、従業員、取引先、株主、家族、関わるすべての人に対し誠実・喜ばれる存在となる

革新創造  常に変革を続け、時代と社会の要請に応える

というものです。地域社会に貢献することが第一義ですので、地域密着型の展示会には今後も継続的に参加したいと思います。

ワタミはブラック企業なのか

参議院選挙が近づいてきました。だれがなっても同じという諦観が蔓延しているようですが、、選挙に行くことが何より重要だと思います。

さて、今回話題になっている候補者の一人がワタミ会長の渡邉氏です。世間ではブラック企業の筆頭のように言われているワタミですが、同じ創業者から見て少し分析してみたいと思います。

さまざまな情報をみると、渡邉氏は従業員に対しとにかく全力で休み無く仕事をすることを求めているようです。このあたりがブラックとよばれるゆえんかと思われますが、その背景にあるのが自身がひたすら働いて会社を大きくしてきたその経験があるのではないかと思います。佐川急便で1年間ひたすら働いて300万円貯めて創業資金とした話は有名ですが、創業者というのは多かれ少なかれがむしゃらに働くものですし、休みなしで働く事は普通です。
私もサラリーマン時代は休日出勤がとてもイヤでしたが、創業してからは休日働くことはまったく苦にならなくなりました。

ただ、創業者と同じようながんばりを従業員まで求めるのは酷だと思います。社長、特に創業者と従業員は同じメンタルにはなり得ませんので。佐川急便で働いたとはいえ、それは創業の一部のようなものでしょうから一般的な雇われ人をしていない渡邉氏にはそういう従業員の意識があまりわからないのではないかと思います。

ところで、渡邉氏はワタミの離職率が低いことなどを理由にブラック企業批判に反論しています。
http://www.watanabemiki.net/journal/post-475.html

また、本当にブラック企業ならここまで成長できないという趣旨の発言も行っています。確かに従業員を酷使して使い捨てる中小企業はそれほど珍しくなく、そういう会社は成長できません。ワタミが大きくなれたのは単なるブラック企業ではない要素があるのは確かです。

私の友人がワタミ関連会社に勤めていた経験があるのですが、曰く渡邉氏はカリスマ的な雰囲気があるとのことです。渡邉会長を信奉している従業員も多く、従業員大会では熱狂的な雰囲気があると聞きます。

そういう状況を見ると、ワタミという会社は一種の宗教組織的な要素があるのではないかと推察されます。渡邉氏という「教祖」の教えがあり、教義にしたがって滅私奉公的に会社に尽くすのですが、信奉している人にとってはつらさがないのではないかと思います。しかし、その宗教に帰依できないまま会社に所属してしまうと辛い思いをすることになる・・・そんな構造ではないでしょうか。

そういうことを書いていて、オウム真理教がやっていたパソコンショップ、マハポーシャを思い出しました。大須にも店舗があったのですが、信者が無報酬で組立していたので、安かったです。

 

カリスマ的人格で従業員を鼓舞して従業員が死にものぐるいでがんばる、そういう経営スタイルはある意味会社経営としては非常に優れた形かもしれません。ただ、属人的な経営はその人がいなくなってしまうと終わりです。アップルにおけるジョブスのようなものです。
また、果たしてそういうスタイルが普遍的な組織運営のスタイルとして成立するものなのか、国家運営に馴染むものなのかというのは考えてみる必要があると思います。

ただ、私は常々国会議員には民間企業の経営経験がある人がもっと増えるべきだと思っています。いまの国政の混乱(特に民主党に関して)は、組織マネージメントの経験不足がかなりの原因だと思います。そういう意味で組織運営のスキルの高い民間企業経営者が国会に増えて欲しいと思っています。

今回の選挙ではおそらく渡邉氏は当選することと思います。当選のあかつきには国民が滅私奉公するような社会になることだけは避けてほしいものです。

株式投資のブームにみる会社経営の投資

最近、株式市場の乱高下が世間の話題になっています。週刊誌の見出しを見ていると、つい1ヶ月前までは「このまま二万円に」「今買うべきはこれだ」みたいなのが多かったのが、先週になると「アベノミクス崩壊」あまりの変わり身の速さに失笑です。

小さいながら会社経営をしていると、証券会社の営業マンが来たりします。事業を始めて知ったのですが、会社の金を使って投資することを勧めるんですね。私も少しだけ株はやっていたのですが、自分の金ならいざしらず会社の金を使って投資するなんて論外だと思っています。

当社はベンチャーで最初の投資は借り入れはおこさず、ほぼ自己資金(+親からの借り入れ)で始めました。少しずつ売上が増えて手持ちにキャッシュができたらほぼ次の投資に回し、徐々に会社は大きくなってきました。
そういうやり方をしてくると、投資の重要性が実感できます。経営者の重要な責務の1つに、限られた資本というリソースをどこに投資するかの判断があります。人材マネージメントや営業活動も重要ですが、株主でもあり経営者でもある社長は投資をどう行い、それをどうやって回収するかを考える必要があります。

 

キャッシュがじゃぶじゃぶにあふれているのならともかく、多くの中小企業は余剰キャッシュが潤沢には無い中、株式投資にそのキャッシュを割くと言うことは本業への投資活動を怠ってしまうということです。どんな事業でも資本は永遠に利益を生み出すわけではなく、つねに投資を行い資産の維持を計っていかなければじり貧になってしまいます。

私の知り合いでもバブル期に株式投資に手を出し大きな借金を作り、二十年間耐えて続いて今年になり経営破綻した会社があります。設備は古く陳腐化し、みるからに事業の継続は難しい状況でした。事業に適切な投資を継続して行なう事の重要性を痛感させられる事件でした。

そもそも、会社経営における投資というのはとても奥が深いものだとおもいます。社会情勢を見て、会社の経営状況、キャッシュフロー、取引先の動向、自社のリソースを見ながら投資を行うわけです。投資した後もその投資を有効に活用するための経営が求められます。さまざまな要因が絡み合い、難しくもあるのですが経営者の手腕が求められ面白くもあります。一方、株式投資は株主として経営に関与すると行っても、一般的な個人の投資規模では株主総会で質問をする以上のことはかなわないわけです。

自社に投資せずに株式投資をすると言うのは経営者の楽しみを逸失していると思います。

当社も今年の夏に大きな投資をすることになりました。これが吉と出るか凶と出るか、正直言って非常に心配ですが、また楽しみでもあります。今までもぎりぎりのラインでやってきましたが、当面は勝負の日々が続きそうです。

アベノミクスでフォークリフトの購入

いままで使っていたフォークリフトの調子が悪くなってきたので、新しいフォークリフトを購入しました。本当は中古でもよかったのですが、最近中古のフォークリフトは玉不足で欲しいスペックの物がなかったため新車購入となりました。

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購入記念の記念撮影

今回のリフトは購入金額200万円強。毎回のことですが、高い買い物をすると投資回収できるのか心配になります。もちろん投資回収できるという計算はしているのですが。

ところで、リフト購入のための融資を銀行に相談したところ驚くほど好条件の提示がありました。はっきり言ってまだまだ小さい当社のような会社にそういった条件を提示するのは、よほど融資先が不足しているということなんだろうなと妙に感心しました。

銀行は集めた預金を運用することにより利潤を得るわけですが、中小金融機関では株式などリスクの高い運用の比率は低く、貸出金と国債や社債が中心となっています。ところが、ディスクロージャーを見ると企業への貸出先が減ってきています。日本の企業数が減っているわけですから当然と言えば当然ではあります。どうしても国債の運用比率が高まってきているわけです。

アベノミクスにより日本の国債の先行き不透明さがますます増大してきています。国債運用に頼らざる得ない中小金融機関は相当な危機感を持っているのではないかと推察します。おかげで(あくまで)相対的に当社のような中小企業の信用度が増すという皮肉な結果がうまれているように思います。ある意味アベノミクスの恩恵を受けている訳です。

現在の金融政策は非常にリスキーであり、また、小手先の金融政策で景気がよくなるほど簡単な物ではないと個人的には思います。日本の財政破綻による混乱に対しどう対処するのかというのは中小企業にとっては想定できる範囲を超えた事態ではありますが、念頭に置くべき時が来ているような気がしてなりません。

あけましておめでとうございます。

遅ればせながらあけましておめでとうございます。
新年早々から多忙な日々を送っており、ブログ更新もままならない状態です。

一昨年度より、愛知中小企業家同友会という会に入っています。この会は中小企業の経営者の集まりです。経営の勉強を行うことを主眼として集まっています。

今月末に例会があり、私がパネラーを務めることになりました。というわけで、その準備が結構大変だったりします。

Photo今回の例会のテーマは「これからの農業経営を考える」というものです。
私が常々思うのは、日本の農家に一番かけているのは、「経営」という意識だと思います。農業も経営であり、事業を営んでいるのですがその意識が希薄な農家が多いように思います。

愛知の中小企業家同友会では農業部会、農業研究会という分科会があり、そこで農業の経営を勉強しています。ただよい農畜産物を作れば成り立っていた時代は終わっており、経営について真摯に向かい合わねば事業が継続できない時代になりつつあると思います。

最近農業経営が厳しさを増しており、農家の資金繰りも苦しくなってきています。ただ、この前から確実に利益をだしている何件かの農家とお話ししていると、「お金をきちんと支払う」という姿勢が一様に強いことにちょっと感銘を受けました。
農家は昔からの習慣でいろいろな支払を収穫時期にまとめて払うのは当然とか、支払の日をきちんと決めていないという事がよくあります。
しかしながら、一般的な商取引において支払が不確実というのは取引の継続性に影響が出る大きな問題です。きちんと支払を行うからこそ取引業者と毅然とした態度で交渉ができるわけです。支払が滞っていたら見積合わせもできなくなってしまいます。こういったところにも農家の経営に対するスタンスの甘さが露呈しているのだと思います。

今回の例会はそういった経営の様々な基本について学ぶ機会になるようにしていきたいと思います。個々の経営者が経営をしっかり勉強することが日本の農業や産業競争力の強化につながっていくのではないかと思います。

今年一年ありがとうございました。

大晦日ですが、今年は月曜日なので出勤をしています。そして、今日は決算日でした。
会計ソフトを改めて見ていると反省すべき点がたくさんあります。

売上はそれなりに進捗があったのですが、いろいろと投資がかさんだため当初目標としていた利益を確保することはあたわず。
設備投資がたくさん必要な業種ですので、どうしても投資がかさみます。投資が適正規模なのかいつも悩み、そしてぎりぎりまで投資していますのでお金が残らない(^_^)

 前にも書きましたが、基本的にものを創る事業というのは投資が大きいので脱サラして始めるのには向いていません。また、スケールメリットが求められますので、ある程度の投資規模が必要となってきます。昔は自動車メーカーもカメラメーカーもたくさんあったそうですが、いまからそういうメーカーを始めることはとても困難です。
向いていないのを無理矢理始めているので苦労しているわけです。

いわずもがな、事業規模に対しどれくらいの投資を行うかというのが経営者の判断です。そんな現在の投資規模はかなりぎりぎりだと思っているのですが、銀行の担当者はもっとお金を借りて投資をして下さいとのたまいますので、「そんなことを言ったら不良債権が増えますよ」と言ったら苦笑していました。

昨今はどこの銀行のディスクリージャーを見ても資金運用に苦労していることが伺えます。預金残高は増えているのに貸出残高が増えていません。新たな投資を行う会社が減っていますから貸出残高も増えないわけです。事業を始めて実感するのは投資回収をする難しさです。特に、ものを創る事業は投資額も大きく、その割に投資回収の効率が悪くなりがちです。そういう投資が大きい事業が減っているので当社のような小さな会社まで銀行が声をかける時代になっているわけです。当社ももう少し総資本利益率を改善しなければと反省をしています。

と言うご時世ですので、政府の経済対策で「金融緩和」と言われると、違和感を禁じ得ません。銀行にこれだけお金が余っているのに金融緩和しても景気がよくなるはずがないです。企業はお金を借りることができなかったり、金利が高いため事業が行えないわけではないのです。社会システムが高度に完成しているため、新しいビジネスを創出する余地が無い、それがポスト高度経済成長の現代社会だと思います。

というわけで、とても困難な道のりではありますが、私はものを創る事業を行っていることに誇りを持っています。士農工商ではありませんが、ものを創り出すと言うことは全ての産業の基本であります。また、もの創りというのはとてもおもしろいものです。特に、当社の事業は価値がないものから価値を創り出すという意味で「ものと価値を創る」二重のもの創りではないかと自負しています。

来年は今年以上に新しい価値を創造できることを目標にがんばりたいと思います。皆様よろしくお願い致します。