養豚に新規参入

気がつくと1月も終わってしまいました。年月の過ぎるのが非常に早く感じる44歳です。
当社は12月末決算です。昨年は新規投資をいろいろと行ったので、決算内容は不本意なものがありました。
当社は決算の結果を持って経営指針書の発表を行っています。経営指針書はいわゆる事業計画ですが、経営理念、経営方針(戦略)、経営計画(戦術)をまとめたものです。私が所属している中小企業家同友会では、この経営指針書を作ることを会の方針としています。決算の実績をふまえ、今期以降の会社経営のあり方を社員、取引先の皆様に発表致しました。

昨期の投資のうち大きいのは、新卒採用と新規事業の開始です。昨年は4月に大卒新人を初めて採用し、今年の4月にも入社予定です。採用が難しい時代において多くの応募があり、優秀な人材が入社してくれるのは本当に感謝しています。当社が存在意義ある事業を行い、また経営指針書の発表など含めた将来展望を明示していることが、採用ができている理由の一つでは無いかと思います。

新規事業の方は、1月より養豚を開始しています。非常にささやかな規模にもかかわらず、大きな投資となり畜産を始めることの大変さを感じています。
なぜ、当社が養豚を始めるのかについて、指針発表でもお話ししましたが、お取引先からもよくお問い合わせ頂くのでこちらに記します。

・リサイクル飼料で食糧生産を行うという社会的存在意義
世界人口は増大し、日本の相対的GDPは低下しています。日本人がいつまでも海外の食糧、飼料を輸入できるとも限りません。国内でリサイクル飼料を利用した養豚を行なうことは大きな意義があります。

・事業シナジー効果
飼料を作っているため、安価で良いエサを提供することができます。

・ビジネスとしての魅力
国内養豚生産が減少しており、国産豚肉価格は高止まりしています。安価な飼料を利用することができるため、収益性も期待できます。

・実験農場として
新しい飼料の給与試験や、嗜好性の試験を行います。

・マーケティングの実験
養豚業界にいると、マーケティングを的確に行うことで販売拡大できる要素がまだ大きいのでは無いかと感じます。販売の取り組みを実験的に行いたいと思っています。最終的には飲食店経営もできたらと考えています。

創造と野望と希望を実現するために、新たな分野に踏み出していきます。皆様のご支援のほどよろしくお願いします。

事業戦略の定義

今週は木曜日、金曜日、土曜日と展示会出展していました。
当社は展示会にはかなり良く出るので慣れたものですが、その間会社にいなくて業務が滞るのはいつまで経っても変わりません。今回は少しですが成果が上がりそうなのが救いです。

と言うわけで展示会も終了したので、今は一人音楽を聴きながら晩酌をしつつ来期の事業計画などについて思索しています。当社は12月末決算なので、残すところあと4半期だけになりました。来年の計画を固める時期に来ています。

 

スコッチ

私は中小企業家同友会という経営の勉強会に入っており、そこで経営指針という名の事業計画の勉強をしています。事業計画にもいろいろなフォーマットがありますが、中小企業家同友会では「経営理念」「ビジョン」「方針(戦略)」「計画(戦術)」という様式で経営指針と呼んでいます。

経営者たるもの、もちろん数字や日々の業務管理を疎かにすることはできませんが、やはり根幹となるのは経営理念であることは間違いありません。中小企業家同友会では経営理念について非常に重きを置いていますが、一方、ビジョンや戦略に関しての取組には少し弱く、中小企業家同友会の会員でも戦略をきちんと確立できていない企業がままあるように思います。

よくあるのが、「これが戦略だ」と言っているのがただの戦術であるケース。では戦略とはなにかと言うと、基本的には事業ドメイン(領域)をどうするかという点であると思います。激変する時代において、事業ドメインの定義は会社の存亡にかかわるものであり、中小企業に限らず、コダックや日本の家電メーカーなども事業ドメインの方向性が誤っていたことが凋落の原因となった訳です。その根底となるのは自社分析や情勢分析の甘さ、リソースの配分の誤り、ビジョンや理念の欠落などがあるのではないでしょうか。もっとも、中小企業の場合、儲かりそうだからなどの安易な発想で新規事業始めたりするケースも多くありますが(^^)

中小企業家同友会での学びを通じて、当社も新たな事業分野に進出しようとしています。自社分析を行い勝算ありとみて戦線拡大していますが、脆弱な企業基盤の元での戦線拡大は、第二次世界大戦における日本軍における兵站線のごとくリスクを伴うものです。
社内組織をどう確立していくかが今後の勝負の分かれ目になるかと思います。皆様のご指導ご鞭撻のほどお願いします。

養豚農家と経営方針

以前も書きましたが、一昨年より愛知中小企業家同友会という中小企業の経営者の集まりに入っています。

この会では経営指針を重視しており、そういったものを作成する講座があったりします。また、経営者と使用者という対峙する関係ではなく、従業員と共に育つ会社を目指すことを基本としています。

サラリーマン時代の経験から、経営指針の重要性については感じていましたので、そういう方針に共感を覚え入会した次第です。
やはり、経営者が目指すべき方針をしっかり打ち立てなければ従業員は不安になってしまいますし、自分が行っている仕事の意味が理解できなくなります。仕事の意義が感じられることが何よりも高い仕事に対するモチベーションになると思います。

また、会では経営指針の1つとして経営理念、経営戦略も位置づけられています。自社の強みを十分に把握し、次なる戦略を構築することが経営者には求められています。

養豚農家さんとお話ししていて思うのが、農業であってもこういった経営に対する取り組みが必要であると言うことです。養豚農家は特にこの経営指針が重要であるように感じます。

養豚は外部へ支払うお金が多く、付加価値率が非常に低い農業です。また、一般的には販売価格は安いのですが、逆に言うと販売手法によっては通常の価格と大きな差額で販売ができるポテンシャルを秘めています。

飼料も配合飼料を選択すればあまり差はありませんが、当社の取り扱うようなエコフィードの場合、選択によって肉質や成長に大きな差が出ますし、当然価格にもかなりの幅があります。
農場の施設に対する投資も大きく、また投資の多寡は農場の成績に大きな影響を与えます。

このように、パラメーターが大きく投資が多く、なおかつ付加価値率が低い場合、農業の技術だけではなく経営の手腕が問われます。利益が出たときに適切な投資を怠ると農場の成績に影響しますし、無用に投資をすると短期間に経営に対する影響を与えます。経営者はどれぐらいの投資をし、どういった農場にしていくかという方針をきちんと打ち立てることが必要です。

また、特にエサは短期間に影響が出ます。コストだけを重視すると1月で肉質が悪くなってしまいます。一度評判を落とすとそれを取り返すのは大変です。
どれくらいのコストをかけ、どれくらいの肉質を求めるのか、それをきちんと方針として決めておくことがとても重要です。たまに、「とにかく低コストで、でもブランド豚を作りたい」と言われる方が見えますが、それは相反する要求で実現は厳しいです。とにかく安いエサでそれなりの豚肉を作るのか、それとも肉質を求めるのかめざすものをしっかりと決めることがとても重要です。

昔の農家はよい農産物さえ作ればよかったのですが、良くも悪くも今の農家は経営者としての資質が求められる時代になってきている、そんな気がします。