三河湾の水質

台風の影響で午前中は大雨でした。今年は暑い暑いと言われていますが、最近は結構すっきりしない天気が続きます。平成6年の大渇水の時は大学生で名古屋にいたのですが、あのとき名古屋ではたしか1月以上1滴も雨が降りませんでした。本当に暑かった覚えがあります。
それよりもその当時自分の部屋にエアコンがなかったことが今思うと驚異的です。ま、その後もエアコン無しで暮らしてきて結婚するまでエアコンとは無縁でした。
暑いのと、海が近くなったので今年はよく海水浴へ行きました。自宅から40分ぐらいで行けるのでお気軽です。この前、三河湾にある某海水浴場へ行ったところ、緑色に濁っており透明度が非常に低くて驚きました。もっとも、おなじところに2週間後に行ったらかなり透明度が高かったので一時的なものではあるようですが。透明度が低かったのはおそらくプランクトンの発生が原因です。三河湾は閉鎖性水域であり、富栄養化が進んでいます。この原因の1つに当社のお客さんも含めた畜産農家があることは間違いないです。
日本の畜産は海外からの飼料に全面的に頼っており、豚ではカロリーベースでの飼料自給率は10%以下です。海外からエサが入ってくると言うことは、餌の成分である窒素、リンも持ち込まれている訳です。マテリアルフローを見ると、日本は海外から全く窒素肥料を輸入しなくても家畜の糞尿ですべて肥料はまかなえます。現状では肥料も輸入しているわけですので、家畜糞尿と人間の糞尿の分は余剰となり水質汚濁の原因となっているわけです。
畜産農家では糞尿処理に大変苦労しており、多大なコストをかけています。食糧自給率が100%となれば、理論上家畜ふん尿をすべて耕地還元して水域への流出が無くなるわけです。
ただ、輸入の穀物は非常に安く、飼料の国産化は非常に厳しいものがあります。この状況が変わるのは食糧危機が本当に起きない限り難しいのではないかと思います。食糧自給率を挙げるために様々な「施策」が行われていますが、日本の農業のビジネスモデルを根底から変えなければ食糧自給率が上がることは無いでしょう。