農業参入の難しさ

昨日は午後、環成経というグリーンビジネスのネットワークに参加していました。東三河の環境などに意識が高い会社の方が参加しており、いろいろと勉強になります。

その中で農業参入についての話題が出ていました。農業参入は今とても注目を浴びています。でも、農業ってなかなか儲からないんですよね。特に米は儲かりません。

ちょっと試算してみます。米は1反(10a=1000m2)あたりだいたい8俵、500kgぐらいの収量です。今、米は1俵1万5千円ぐらいです。つまり、10aあたり12万円にしかなりません。愛知県の兼業農家ではだいたい10反は無いぐらいだと思いますので、100万円ぐらいにしかならない訳です。粗利ではなく売上で100万円なので、田植機とコンバインを買ったら間違いなく赤字です。

農業法人で300町歩(300ha=300万m2)あったとしても3億円の売上にしかなりません。300町歩がまとまった1.7km×1.7kmの土地なら5人もいればやっていけますが、あちこち点在していると相当な人数が必要となります。

ちなみに、養豚農家の場合、母豚が300頭の中堅規模の農家では年間出荷頭数6000頭ぐらいです。1頭あたり2万5000円程度の売上がありますので、年間売上が1億5千万円。家族経営でもこんなに売上が上がるのですが、エサ代、資材費等の費用が多く利益率は低いです。

日本の農業は世界で一番農薬と肥料などのインプットが多いのは間違いありません。たくさんお金と労力をかけてたくさんの収量、高い品質を誇ってきたわけです。ただ、これからの時代、農業はもっとローインプットであるべきでないかと思います。こんなに多投入な農業は今後継続できないのではないのでしょうか。

農業参入の難しさ” への7件のフィードバック

  1. こんにちは。先日は環成経のグリーンビジネス塾へのご参加ありがとうございます。
    おっしゃる通り、農業で生計を立てるのは簡単なことではありませんよね。
    環成経の会員さんに長田竜太さんという方がいらっしゃいます(会員名としては日本キヌカ(株)になっています)。この方は石川県小松市で約6haの田んぼでコシヒカリを有機栽培されています。つくったお米はJAを通さず全て直売。10kg6,000円~7,000円程度で販売されています。1俵にすると36,000円~42,000円ですから市場で売る15,000円と大きな違いです。
    全ての農家さんができることではありませんが、ローインプットでコストを下げる、流通に工夫をして売価を上げるなど、工夫をする必要があるということでしょうね。ネットが普及し、宅配網も整備された今、30年前よりはいろいろ工夫の余地はあるのではないでしょうか。
    ちなみに、長田氏は直売ルートをゼロから作り上げるために田園調布の高級住宅街に一軒一軒飛び込み営業したそうです。
    ※長田氏の著書「米で起業する!」
    http://www.amazon.co.jp/dp/4806713635

  2. 農業ビジネスはやっぱりいかに売るか、いかに原価を抑えるかがポイントだと思います。ただ、私もいろいろと農家の方とお話しをしていると感じるのが、農産物を売るというのは難しいですね。そもそも農家は販売の経験が少ないというのがネックです。
    そういう意味では、流通系の会社が参入するのはハードルが低い気がします。逆に、建築会社が参入っていうのは苦労するんじゃないでしょうか。
    何はともあれ、相手が生き物のビジネスはいろいろと大変だなぁと思いますね。
    家庭菜園すら苦労するわけですから・・。

  3. おっしゃる通りだと思います。地方ゼネコンの農業参入が一時流行りましたが、多くは失敗に終わってしまったようです。重機を使って土地を造成するところや、農機を運転する抵抗感がない、社員に体力がある、などの強みは生かせそうですが、その他は?ですものね。
    週末にそら豆(高橋社長ご推奨)、スナックインゲン、カブの種を買ってきました。これからササッと播いてこようと思います。

  4. レストランが自家消費する分を作ったりするのは向いていると思います。そう言えば、某大手コンサルF総研でも農業ビジネス参入コンサルをやっていますね。かなり怪しい内容だと思いますが・・・。
    そら豆、インゲンは今週末だとすこし早いかもしれません。愛知県ですと10月下旬ぐらいです。今後の天候次第なので何とも言えませんが、早すぎると寒くなる前に大きくなってしまい、霜にやられやすくなります。遅すぎてもダメなので難しいところですが。

  5. そら豆、芽が出てきました。確かに、霜・雪の前に大きくなりすぎる懸念はありますね。これも勉強。推移を見守りたいと思います。
    F総研、農業参入コンサルに力を入れていますね。食品リサイクル法に合わせ、食品残さのたい肥化(液肥化)に力を入れているようです。農業に詳しい某氏によると、「全然使えない」そうですが・・・。あとご自分でも有機栽培で畑作にチャレンジしている模様。

  6. こちらではそら豆を昨日播種しました。秋の作物は植え付け時期が難しいです。白菜は少々早かったようでもうすでにかなり大きくなっています。
    F総研の液肥はかなり怪しさ漂っていますよね。農業は地域や作物によってさまざまな違いがあるので、1つの手法でばっちりみたいなのはあり得ないと思っています。

  7. 今年は白菜を播き損ないました。昨シーズンは遅めの播種で、ミニサイズのものが収穫できたのですが。サツマイモは近々収穫予定です。
    さて、先日グリーンビジネス塾で金沢に行き、5年前にF総研のコンサルを受けて食品残さから液肥を作るビジネスに参入した産廃業者さんの話を聞きました。
    その会社は液肥を作る傍ら、農地を借りて農業生産にも乗り出しているのですが、5年間赤字続きとのこと。液肥の出口がなかなか確保できないそうです。県境をまたいで移動もできないというのもネックだとのこと。
    コンサルフィーもばかにならない金額のため、コンサル計約は打ち切り、今後どうすべきか悩まれていました。

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