飼料米について

急に寒くなりましたね。今まで暖かかったので寒さが身にしみます。寒くなってくると水や肥料を扱う仕事では手荒れが多くなります。前職では下水を扱っていたのですが、あれが手に付くとホントにあれるんですよね。もちろん普段はゴム手袋していたんですが。

今日は飼料米の話です。当社でも飼料米を取り扱っています。とは言っても、流行の減反に対応して作っている飼料米ではなく、流通倉庫などの不良在庫などで廃棄されるものなどを買取しています。世間ではあまり知られていませんが、こういった商品はかなり流通しています。米だけではなく、小麦、コーンスターチ、米粉等々。変わったところでは大豆タンパクとか。

ただ、こういった商品の価格は非常に安いです。そもそもトウモロコシの値段が末端で30円/kgしないわけですから、それより高くてはまず売れません。飼料米も同様です。1kg30円ぐらいが限界です。

一般的な米は、生産者が販売する価格で1kg200円です。これをコストダウンすると言ってもいくら多収米でも限界があります。いまの穀物市況からいうと、飼料米が採算に乗るためには生産した米を一旦買い上げて、買い上げ金額を無視して30円/kgで販売する・・ぐらいのことをやらないと無理でしょう。

また、米はエサとしてあまり扱いがいいものではありません。豚の場合、生の米粒では消化できませんので、破砕処理や加熱処理が必要です。鶏は消化できるのですが、卵の黄身の色が白くなります。黄身の色は黄色くないと売れませんので、飼料米を使ったときはパプリカなどの色素を入れてやる必要があります。そんな手間をかけるなら・・となかなか米を使ってもらえません。

以前より何回か書いていますが、日本の(カロリーベース)の食物自給率が低い一番の理由は、日本の畜産が海外の安い穀物を使って育てる仕組みになっているからです。農水省もそれはよく知っているので食品リサイクル法では飼料化を優先すると言うことになっているのですが、従来採算ベースに乗っている部分は既に食品リサイクルが進んでいるわけであり、ちょっとぐらい施策を行っても価格競争力がないためエコフィード普及が進むはずないですね。