食料価格の高騰と炭素税

最近、食料価格の上昇に関するニュースをよく見かけるようになりました。エジプトの混乱の原因の1つは食料価格の上昇もあるようです。

ただ、不謹慎なようですが食料価格の上昇はリサイクルビジネスにとっては追い風です。当社が扱っているエコフィードの分野でも飼料価格が上がるほど引き合いが増えます。いくら製品の質に自信があっても、結局お客さんから見ると所詮は再生品なんですよね。プラスチックでも鉄でも燃料でもリサイクル品がありますが、ヴァージンのものよりも高くなることはありません。

日本は資源が少ない国ですので、リサイクルに対する気運は高いですが、現代社会はグローバル化が進んでいて海外から非常に安い資源がたくさん流入してきています。海外から資源が入らなくなれば自ずからリサイクルが進みます。つい数十年前まで人糞が有価物としてリサイクルされていたわけです。江戸時代は火事があると燃え残りからみんな競って釘を集めたそうです。暴言かもしれませんが、リサイクルに必要なのは資源高です。

そういう意味でリサイクルに対する各種施策が行われていますが、そういった施策よりも海外からの資源に対して課税すれば間違いなくリサイクルは進みます。燃料分野で言えば例えば炭素税などは有効な施策だと思います。

ただ、新しい課税は今の世の中難しい部分もあるかと思います。ここで大胆に政策提言をしてみたいと思います。たとえば、燃料分野で言うと、今はガソリン税や軽油引取税など様々な税金がありますが、これを全部炭素税に一本化してしまい、更に消費税もやめて、廃止した税収=炭素税の税収となるように炭素税の税率を決めるべきです。エコカー減税でCO2排出量が減る可能性はほとんどありませんが、こういう税制を行えばリサイクルだけではなくリデュースが進むのは間違いないでしょう。本気でCO2を25%削減する気があるならこれぐらいのことをやらないと無理でしょうね。

多分、今後資源高が進めば新しい税金をかけなくても同じ事にはなると思います。でも、資源高になってから対応するよりも高くなる前に耐性をつけておくことが必要だと思いますね。

2.11追記

私は何でもリサイクルすればいいという考えを持っているわけではありません。でも、日本はガソリン税が高かったから数年前の燃料高騰の時のガソリンの上昇率はアメリカより低かったわけだし、ガソリンが高いから燃費の良い車も多いわけです。中長期的に見ると資源の上昇トレンドは揺るぎないわけですので、今から値段を上げておくことが吉だと思います。トータルの税負担が変わらなければ、資源を浪費している人が負担することになる訳なので公平ですしね。