たまには土壌肥料専攻っぽい話を書いてみようかと思います。
世の中には堆肥と呼ばれるものがいろいろありますが、そもそも堆肥ってどういうものか、はっきりとした定義がある訳ではありません。一般的にはバークたい肥、生ゴミ堆肥、刈草堆肥、牛糞堆肥などがあるかと思いますが、同じように堆肥と名前が付いていても実は結構性質が異なります。
そもそも堆肥とはなんぞやですが、基本的には発酵させた肥料のことを指します。作り方によっては腐葉土に近いものから有機肥料に近いものまで幅広い製品があります。
堆肥の性状を大きく決定するのがC/N比というものです。これは、肥料に含まれる炭素(C)と窒素(N)の比です。この値が大きいほど炭素が多く含まれることを示しています。
土の中にいる微生物は光合成をしませんので自分でエネルギーとなる有機物を合成することはできません。ので、植物が作った有機物を利用してエネルギーを獲得します。有機物=炭素を含んだ化合物ですので、C/N比が高いということは微生物の栄養となる有機物がたくさん含まれているということです。この有機物がたくさんある状態では、微生物はこの有機物を利用して増殖、呼吸を盛んに行います。しかし、微生物が増殖するためにはエネルギー源だけではなく、菌体のタンパク質を合成するための窒素化合物が必要となります。堆肥の中に窒素化合物が潤沢にあればよいのですが、足りない場合には微生物は土壌の窒素化合物を利用して菌体のタンパク質を合成しようとします。こうして、土の中の窒素化合物を植物が利用する前に菌体が横取りしてしまう訳です。これにより、植物は利用できる窒素が少なくなってしまうため、あたかも窒素肥料を施用していないかのような窒素不足の状態となってしまいます。これを窒素飢餓といいます。だいたいC/N比が20以下となると、窒素飢餓が起こらないといわれています。
堆肥のC/N比は製品によってもまちまちです。また、生ゴミ堆肥のようなものは作り方によって大きくC/N比が変わります。木くずのように、分解しにくくタンパク含量が少ない原料を使用しますと、堆肥のC/N比はいつまでも高いままとなります。逆に、分解しやすい米ぬかなどの副資材を利用すると、製品堆肥のC/N比は低くなります。牛糞堆肥なども、水分調整のため分解しにくいオガコを使うことが多いのでC/N比が高い傾向があります。
生ゴミ堆肥や、当社が製造している汚泥堆肥などは分解しにくい炭素源が少ないため、副資材として木くずを使用しなければ製品のC/N比が低くなる傾向にあります。当社の堆肥「ゆうきのススメ」はC/N比が6程度と非常に低い値となっています。C/N比が低い堆肥はすぐに効く堆肥であり、有機肥料に近いもの性状を示します。
堆肥を買われるときにはC/N比をチェックすると、その品質がよくわかります。当社のゆうきのススメはC/N比も低く即効性の高い高品質な有機肥料です。って、また宣伝ですみません。