学生の頃の話(その3)

久しぶりに「学生の頃の話」シリーズの続きを書きます。前回はこちら

学生の頃は肥料の実験に付随してある分析も結構やっていました。肥料の分析で必要な硝酸態窒素とアンモニア態窒素の分析を高速液体クロマトグラフィーを使い分析を行います。ちょうど私が4年生になって研究室に配属になったときに新しい機械が入ったので、機械の立ち上げから関わっていました。今思うと、うん百万円もする機械をずぶの素人で適当な学生に触らせるのは危険きわまりない話だと思うのですが、大学って結構学生にやらせたりするんですよね。

液体クロマトグラフィー(イオンクロマト)はイオン吸着性のカラムを使い検出器に電気伝導率計を用いた分析です。移動相という液体を流しながらサンプルを注入します。この移動相を作るのが結構面倒くさいので、学生の時は敬遠していました。(その後会社に入った後も移動相を作ることになったのですが・・。)まあ、性格が雑なので細かい作業はあんまり向いていないんです。

肥料の実験なので土壌抽出液とかを分析するのですが、土壌抽出液は当然のようにいろんな有機物、キレート物質、イオンがたくさん含まれているので、こいつを分析するためにカラムに注入すると、そのあとずっとピークの調子が悪くなってしまいます。そのたび毎にカラムの洗浄作業をすることになり、大変でした。

また、土壌の分析とあわせて植物体の分析もしました。植物は窒素のとり込み量を確認するために、CHNアナライザーという機械で全窒素の分析を行います。これまた1千万ぐらいするおニューの機械を取り扱うことに。オートサンプラーで自動分析するのですが、オートサンプラーの調子が悪く、サンプルが引っかかって朝来たらしっちゃかめっちゃかになっていたことも。

 

となんとかで今思うとかなり適当な分析をしていたのですが、これが後日会社に入った後にも案外役になって環境計量士を取るときにも参考になったので、学生の経験は無駄にはなっていない感じです。ただ、環境計量士の試験は学生の時に受けておくべきでした。学生の時は「すごい忙しい」と思っていたのですが、ハッキリ言って社会人と比べるとすごく暇でした。資格試験なんて暇な学生が受けるものですね。

今は含水率の分析ぐらいしかしていませんが、分析をするっていうのは科学的な考え方が身につきますので非常に良い経験です。学生の皆さん、学生実験はさぼらずに受けましょう。