乾燥菌体肥料

まだ6月だというのに東三河は暑い日々が続いています。流行に乗って日よけにすべく植えたゴーヤの苗が活着する前にこの暑さで、なんか枯れそうな雰囲気です。ゴーヤに日よけをするという本末転倒状態ですw

 

最近、ホームページからの問い合わせで「乾燥菌体肥料」の登録をしたいというお話しをよく頂いています。乾燥菌体肥料っていうのは食品工場から出る排水を活性汚泥処理して乾燥した物を肥料として利用する物です。排水処理を行うと、汚泥という物が発生します。この汚泥というのは基本的に微生物の菌体です。これを乾燥すると肥料となる訳です。

ただし、汚泥には様々な不純物まで入ってしまう恐れがあるので、植物に対する害を調査する試験が義務づけられています。これを植害試験というのですが、当社ではこの試験と肥料の登録の書類作成まであわせて実施しています。

今は某県への登録書類を作成していますが、この県は妙に提出書類が細かくてちょっと面倒くさいですね。この案件だけではありませんが、都道府県によってルールが違うのはちょっと変ですね。

ま、およそ普通の食品工場からの排水から発生する汚泥では植害試験で異常を示すことはまずありません。だったらやらなくてもいいような気もするのですが、一応義務づけられていますので試験を行わなければいけません。ところで、この試験をしてみてわかったことがあります。当社の肥料も汚泥を発酵させて作っているので、原料は同じなのですが乾燥機態肥料の方が肥料の効きが遅いです。やはり発酵させることにより菌体の難分解性有機物が分解することにより窒素の無機化が進行しているようです。見た目は似ていますが、発酵させると性状がやはり異なります。

 

ところで、汚泥は廃棄物として処理がする際に処分費用がほとんどの場合必要です。乾燥菌体肥料になると有価物として販売することができます。一見すごくお得なように見えますが、そもそも乾燥菌体肥料を作ってもたいした金額では売れません。乾燥させるのにかなりのエネルギーが必要ですので、それなりにコストもかかります。たいていの場合はそのまま外部で処理を委託する方がコストがかからないのですが、それでも食品工場で乾燥機を導入してまで乾燥菌体肥料を作るのはいくつかの理由があります。

・汚泥を速やかに乾かすことにより、衛生環境が保たれる。

・廃棄物を排出するとマニフェストなどの管理のコストが結構かかる。

・廃棄物を排出しないと言うことで環境負荷低減に貢献できる。

等々の理由があります。当社では乾燥機の販売から肥料の登録、販売先の斡旋までトータルでお手伝いしています。なかなかそこまでのお話しは多くないですけど。