酵母の力

というわけで、旅行から帰ってきました。すっかり日焼けしてリフレッシュできました。たまには旅行も必要なものですね。

 

それにしても、帰ってきて実感するのは愛知は暑い。日差しは石垣の方が強いですが、なんというか空気が重いですね。中部空港で電車の時間がぎりぎりだったので走ったら滝汗です。幸い、会社と家は東三河にあるので名古屋よりも最高気温が4~5℃も低いのが助かっています。

暑いと食中毒が心配になります。一月ぐらい前には家でカボチャの煮付けを作って昼間一日放置しておいたらカビがすっかり生えていたことがありました。でも、実はカビや酵母ってあまり暑いと増殖が抑えられます。

ちょうど最近入荷している飼料原料に「缶詰」があります。なぜか賞味期限が切れていない缶詰が廃棄されて、当社で受入をしています。それも結構な量が毎年毎年廃棄されれるのが不思議です。さて、この缶詰、ほどよい糖分があるため酵母発酵しやすいっていう問題があります。早い話、酒になってしまう訳です。缶詰の状態では無菌状態なのですが、酵母というのは実はどこにでもたくさんいますので、当社で缶詰を開けた瞬間から酵母が混入してしまう訳です。

酵母発酵自体はむしろ嗜好性がよくなったりすることもあるので問題がある訳ではないのですが、発酵が進むと糖分が一部二酸化炭素として放出されてしまいますので若干飼料カロリーが下がってしまうのが問題です。それ以前に問題なのがあまりに急激に発酵するのでタンクからあふれたり、タンクが壊れたりするという問題があります。当社で普段使っている1m3入るポリタンク、これはUN規格という海上輸送の基準を満たしたかなり丈夫なタンクですが、これが酵母発酵の炭酸ガスの圧力によって破損するって言う事件がありました。驚くほどの力です。

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酵母の発酵で壊れたタンク

酵母発酵を抑えるためにギ酸を入れてpHを抑えているのですが、本当に発酵しているときには効きは正直微妙なところです。で、発酵が一番盛んなのが春先、秋口の20~25℃ぐらいの時です。それが過ぎて今の時期になるとほとんど発酵しなくなります。パンの発酵だと35℃ぐらいにするのですが、酵母の種類が違うからではないかと睨んでいます。本当は酵母の種類を調べたら面白いのでしょうが、趣味でそこまでの分析をする訳にはいかないですね。なんか美味しいパンやうまい酒が造れる酵母が混ざっているような気もしますが ^^;