農業参入の施策

いつまでも暑い日が続きます。去年の秋も暑かったですが、それよりは若干マシな気がします。来週からは涼しくなるようですね。

 

この前、こんな記事が出ていました。

農水省、39歳以下に就農交付金 平均100万円超で調整

農林水産省は13日、39歳以下の若い世代の就農を支援する交付金制度を2012年度に創設する方針を明らかにした。交付額は平均で100万円を超える規模とする方向で、政府・与党内の調整を今後本格化させる。12年度予算の概算要求額は数十億円規模になる見通しだ。

9/13 時事通信

ってことですが、色々と疑問な点があります。

・100万円では農業は始められません。露地でもトラクターとか買ったりしたら結構な投資になりますし、運転資金も要ります。施設園芸や畜産ではハッキリ言ってこの金額では端金にもなりません。

・農水省はここ数十年にわたって様々な交付金の施策を実施してきたにもかかわらず、食糧自給率が上がらず耕作放棄地が増えてきたことをもっと真摯に反省し分析を実施するべきでしょう。毎年何千億もドブに捨ててきたようなものです。

・こういう施策を農水省がマスコミにリークしてその後政府与党と調整って、おかしいですよね。「政治主導」ならば「政府与党が就農者を増やす施策を農水省に検討指示し、その結果案が出てくる」というのが筋だと思います。

と、こんな交付金を始めたって就農者は増えませんし、自給率が上がらないのは自明です。農業従事者が減ってきているのは単純な話、儲からないからです。例えば、それなりに利益が上がる渥美半島の畑作地帯では耕作放棄地なんて見かけませんが、同じ渥美半島でも田んぼでは耕作放棄地が目立ちます。儲かるのなら黙っていても耕作放棄地にはなりません。当たり前ですよね。

国家公務員は非常に優秀な人材が揃っていると思いますが(嫌みではなく)、従来のやり方に固執するのではなく産業構造まで立ち入った施策を実施して欲しいものだと思います。個人的には、税制で誘導するのがもっとも効率的だと思いますが、ほかにもいい方法があるかもしれません。幅広い議論を行いもっと意見を募っていくべきでしょう。