ちょっと休憩

時々思い出したように出てくる音楽ネタ。

コリーヌ・ベイリー・レイはいぶし銀ですね。こういう声に自分は弱いです。この曲はYouTubeにライブバージョンがたくさんアップされていますが、それぞれアレンジが結構違います。あんまり飾らないアレンジが合っているように思いますね。

日本人の栄養バランス

30代も半ばを過ぎて太りやすくなってきたので食べるものにはかなり気をつけています。1日の摂取カロリーがだいたい2000kcalぐらいになるようにしていますが、それでもこの頃飲みに行く機会が多くてどうしてもカロリー摂取量が増え気味です。結果は如実に体に出ますね。
エコフィードを取り扱ってる業界の人間が集まると、日本人の食べているものは脂肪が多すぎだと言う話題がよく出ます。豚は消化器や代謝が人間と割とよく似ているのですが、脂肪が多い飼料を与えてぶよぶよになった豚を見ると(当社のお客様のところではまず見ないですが)恐ろしくなりますね。
太るのが嫌と言うこともあるのですが、零細企業なので私の健康は会社の将来に対する最大のリスクだと思っていますので健康には気を遣っています。リスクを最小化するため、人生のクオリティーを上げるために食生活のバランスは重視しています。前述の摂取カロリーもですが、夕食は一汁三菜を守り、1日30品目の食品を取ることを目指しています。
統計的にはガンの発病には食生活のバランスが非常に寄与していることが知られています。栄養バランスと適度な飲酒量、たばこを吸わないことは健康維持の第一歩です。
 
いつも不思議に思うのは、放射能を気にしている人は非常に多いにもかかわらず、食生活のバランスを気にしている人は驚くほど少ないと言うことです。栄養バランスの重要性は小学校の時の家庭科でも習うと思うのですが・・。確率論から言うと今のレベルの放射能汚染なんてタバコや暴飲暴食に比べれば非常に矮小です。太っている人が放射能汚染を気にしているのは、飛行機事故が嫌で車に乗って事故に遭うようなものです。
また、食品添加物を問題にする人も多いですが、少なくとも健康に悪影響が出るということが公的に認められたものは食品添加物に使用できませんので、健康に悪影響がでると認められている栄養バランスの乱れの方が影響は間違いなく大きいわけです。
矛盾するようですが、私は食品を購入するときにできるだけ添加物の入っていないものを避けています。添加物の影響を気にしているのではなく、添加物の多い食品は味が濃かったり油が多かったりするものが多く栄養バランスがよくないことが多いこと、また、そういった食品はなによりも美味しくないことが多いからです。いい素材を使ってしっかり調味したものはシンプルな材料でおいしい食品になります。
生活の上でリスクはできるだけ低減する必要はありますが、最大のリスクからやっつけていかなければ意味がありません。品質管理、マーケティングなどではABC分析と言われる重点項目の洗い出しが行われますが、生活においてもリスクの重要度に応じて対策を行うことが必要ではないかと思います。
栄養バランスのよい食事って、食べても美味しいですよ。

エコフィードのハンドリング

今月も書類作成と営業活動、出張で忙しい毎日が続いています。12月は今のところあまり予定が入っていないのですが、だいたい毎月初めになると予定が埋まってしまい身動き取れなくなるのがここ1年ぐらいの状況です。ちょっとやらなければいけないことがたまってきているので何とかしなければいけないのですが・・。
 
というわけで、今日も営業活動にいそしんでいました。お客様のところにエコフィードのテストです。今日はリキッドフィーディングの原料にパン生地を使う試験をしてきました。
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パンはエコフィードとして活用されており、肉質もよくなるためかなりの人気です。しかし、パンの原料であるパン生地は取り扱いが難しいためあまり利用されていないのが現状です。
パン生地は酵母が含まれているため、夏場は発酵が進みやすくすぐに膨れてきます。容器からあふれ出たり、容器にへばりついたりして取り扱いが面倒なのでなかなか使用が進まない訳です。粘りがあるものは普通の配合飼料の様に取り扱えないので敬遠されます。
リキッドフィーディングでしたら混ぜてしまえば取り扱いには問題ありません。しかし、リキッドフィーディングでもパン生地に含まれる酵母が問題になることがあります。条件が整うと急激に発酵するのでタンクからあふれたり配管にエア噛みしたりします。
一方、発酵している生地は酵母の働きでアルコール分が生成されるため、カビが生えにくいというメリットもあります。上手く使えば価格も安くいい材料であることは確かです。
 
エコフィードは様々な種類の原料がありますが、取り扱いがちょっとやっかいだったりすると相場が低くなります。飼料コストを抑えるための方策として、ちょっと工夫をして取り扱いが難しいものを上手く使うことが重要かと思います。

菌の話

展示会に肥料を出展していると時々「なにか菌を使っているのか?」聞かれます。当社では○○菌と言うものは特に使用せずに肥料を作っていますが、世間では特定の菌を使用していることを謳っていることがよくあります。ただ、微生物を長く取り扱ってきた経験からすると、堆肥とか排水処理において特定の菌を入れたからと行って肥料の品質が上がったり製造が簡単になったりすることは考えにくいです。
排水処理槽や堆肥の中にはもともと膨大な量の微生物が生きています。そのなかに別の菌を投入しても環境が合わなければ増えることができません。例えば、木が生い茂った森に野菜の種を播いても野菜は増えることはありません。野菜を育てるためには森の木を切って草を抜かなければ育ちませんが、これは菌の世界でも同じです。ある菌を増やそうと思うと他の菌がいない状態にする必要があるわけです。
たとえば、酒造りや納豆、ヨーグルトなどの発酵食品を作るときには一旦加熱などを行い他の菌がいない状態にしなければ発酵は進みません。例えば、納豆では大豆は蒸し上げてワラもお湯に浸します。ワラにはたくさんの菌がいるのですが、納豆菌(バチルスナットウ)は熱に強いため生き残り、他の菌が死滅した状態となります。納豆菌は拮抗作用を持つと言われており、納豆菌が一旦増え出すと他の菌が増えにくい状態となります。このため納豆菌だけ増殖するのですが、腐った大豆(他の菌が多い状態)に納豆菌を入れても納豆にはなりません。バチルスの強力な作用はよく知られているので、微生物製剤としてのバチルス菌は多いのですが、堆肥にバチルスを接種するのは腐った大豆を納豆にしようとするようなものです。
排水処理や堆肥ではコスト的に滅菌処理はできません。リサイクル飼料製造では滅菌処理をするケースもありますが、そういったケースでは菌の投入は有効と言えると思います。
ただ、大量の菌体を継続して投入すれば効果はある可能性があります。例えば液状飼料の製造時、パン生地を大量に投入するとパン生地中の酵母が作用し一気に発酵することもあります。でも、このようなことは相当大量の菌を投入しなければ起こらないです。 
セミナーなどでよく例としてお話しするのに、「おばあさんのぬか床」があります。おばあさんのぬか床は漬物を美味しくする菌がたくさん入っているのですが、それをもらってきて新しい糠と混ぜてぬか床を作っても、毎日かき混ぜなければ美味しいぬか漬けはできません。一旦ぬか床をもらってきて混ぜれば後は管理が問題であり、たとえば毎日おばあさんのぬか床を混ぜても管理が悪ければ美味しいぬか漬けはできないわけです。つまり、「この菌を混ぜればどんな原料でも切り返しをしなくてもよい堆肥ができる」ということはあり得ないわけです。逆に、一旦よい菌が増えればできた製品を種菌として繰り返し利用すればいいだけの話です。
 
「いやいや、微生物製剤が効いたよ」と言われる方もあるかもしれません。でも、そういうケースの中には微生物が効いたのではなく、製剤に入っているぬかや糖蜜が栄養分として効いているのではないかと思われるケースも多いです。
私が一番疑問に思うのは、微生物製剤を販売してる業者が検証を行っていないことがほとんどだと言うことです。例えば堆肥に微生物製剤を入れたのでしたら、製剤を入れる前と後で堆肥に含まれる微生物製剤の菌が増えているかどうかを検証するべきだと思います。きちんと対照試験を行ったり菌の分析を行わず、結果だけ示して「すごくよくなった」と言うケースが多いように思います。
結果さえよければいい・・という考え方もあるのかもしれませんが、微生物がきちんと効いているかどうか確認していないために効果の再現性が無かったりするわけです。前職で排水処理メーカーに勤務していた時には本当に頻繁に微生物製剤の売り込みがあったのですが、業界で安定した技術として継続的に採用された例は残念ながら知りません。
当社のお客様の農家でも「○○菌」を肥料や飼料に利用しているケースがたくさんあります。あまりお客様の批判をするようなことはしたくないのですが、技術屋としてはちょっと科学的に疑問なことがまかり通っているのは我慢できないのでかきつくりました。皆さんの理解の一助となれば幸いです。

廃棄物処理施設の投資計画

昨日一昨日と関東出張していろいろ回ってきました。予定の1つに、破綻して操業を停止している著名な某リサイクル施設の見学がありました。
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数十億かけて工場を新設したにもかかわらず2年足らずで破綻していまい、この施設は今は別の会社にわたっています。破綻するぐらいですので施設にいろいろ問題があり、なんとか活用のお手伝いできないかと見に行った次第です。
ここに限りませんが、廃棄物のリサイクル施設は過大な投資やプラントメーカーの言うがままにつくって使えない施設が原因で経営が傾く例が非常に多いです。そもそも、どう計算しても減価償却できないような施設を作るのは正気とは思えません。銀行もちょっと計算すればすぐにわかるのに何故お金を貸すのでしょうね。
プラントメーカーも廃棄物のことを理解していない・・・というか、プラントメーカーは自動処理できる施設を作りたがるのですが、廃棄物は千差万別なので、自動的に処理させようとするとトラブルの元です。プラントメーカーにお任せで設計させるとコンベアだらけの図面を書いてきます。リサイクル業界では搬送機器は本当にトラブル多いです。
前から何回も書いていますが、リサイクル、廃棄物業界は設備投資の比率が非常に大きいので、過大な投資、使えない施設は命取りです。
 
銀行員(に限りませんが)と話していると、「リサイクルってすばらしいですね」とかよく言われますが、理念はすばらしくても経営に結びつくとは限りません。マーケットは拡大していますが、だからといってずさんな投資を行えばダメになるのは当たり前です。雰囲気に流されず、業界を冷静に見る必要があると思います。

日本人とリサイクル

当社は基本的に飛び込み営業はしないことにしていますので、営業活動はもっぱらホームページからの問い合わせと人からの紹介、それと展示会です。ま、営業マンが私1人なのでこれ以上手を広げるのが難しいというのもありますが、ニッチな商売なので飛び込み営業しても効率が悪いというのも理由です。
 
ホームページからのお問い合わせは1週間に何回かはありますが、最近多いのが「食品廃棄物を買い取って欲しい」というお問い合わせです。
そういうお問い合わせ頂くものには、小麦粉や菓子くずなど飼料として価値が高いものも多いので、当社ではできるだけ適正な価格で買い取りたいと思っています。
ただ、こういった商品、量が少ないものが多いです。排出される方にとっては100kg200kgは結構な量なのですが、飼料として扱うには半端すぎて扱いにくいのが正直なところです。量が少ないとどうしても運賃を頂かなければいけなくなり、買取価格より運賃が高いため廃棄物としての取り扱いをするケースも多いです。
こうなるとリサイクルしているといっても排出事業者にとってコストメリットが出ないのが申し訳なく思います。ですが、最近あまりコストメリットがでなくてもご依頼を頂くケースが増えています。
もちろん、環境保全の意識の高まりというのはあるのでしょうが、私が思うに日本人特有の「もったいない」精神のなせる技ではないかと思います。本当に食べられそうなものを廃棄するのは心苦しくてリサイクルのご依頼を頂いているように思います。
 
 
日本人は細かくて几帳面なのでリサイクルするのには向いているのかもしれません。例えば日本は古紙やペットボトルのリサイクル率が非常に高く、おそらく世界一番です。ペットボトルをマメに洗ってスーパーの回収コーナーに持っていくというのは、日本ならではの光景ではないかと思います。食品廃棄物も破袋した商品とかマメにストックしているのは日本人の性格なのかもしれませんね。

TPPについて考える

世間で話題のTPPですが、農業に関連する仕事に携わる身としてやはり触れておかなければいけないだろうと思い書かせて頂きます。
 

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そもそも自分はTPPに賛成か反対かどちらかというと、今の時点ではよくわからないというのが正直なところです。いろいろな報道、資料を見てみても、TPP参加のメリットがよく見えてこないのは確かです。メリットが無ければ参加する意義もないわけですので、そういう意味では反対に近いスタンスと言えるかもしれません。
ただ、農業団体を中心としたTPP反対の議論には同調しかねます。現在の日本の農業が衰退の方向へ向かっているのは間違いない事実です。農業人口の減少、高齢化、耕作放棄地の増加等々、様々な問題がありますが、そういった問題について手をこまねいてきたにもかかわらず、TPPに反対するというのは理屈に合わないです。TPPに参加しなかったら日本の農業にバラ色の未来が来るのか・・というと、従来のやり方を続けていたらTPP参加してもしなくても日本の農業はダメになってしまうでしょう。
 
そもそもグローバリゼーションの波はあらゆる分野に押し寄せてきて農業も例外ではありません。肥料や飼料は海外に依存していますし、エネルギーにかんしても言わずもがなです。
 
TPPの影響を非常に大きく受ける分野の1つとして養豚があります。豚肉は関税率が高いため、その撤廃の影響は大きいです。関税が撤廃されたらアメリカ産の豚肉がたくさん流入してくるのは間違いないでしょう。でも、養豚の生産原価の6割は飼料費であり、その飼料原料のほとんどがアメリカ産のトウモロコシと大豆です。つまり、付加価値率が非常に低い畜産、言い換えると飼料を肉に変換しているような畜産で飼料に関税がかからず肉に関税がかかっているためにかろうじて成立しているのが日本の養豚業界であるわけです。
当社もお客様の養豚農家の事業継続を何よりも願っていますが、それはそうとこのようなビジネスモデルである養豚を未来永劫続けることができるとは思えないです。アメリカ産の輸入穀物に依存している以上、お釈迦様の手のひらで踊っているにすぎないわけですから。
グローバリゼーションの波はよけられないので、波を一生懸命防ぐのではなく、どうやったら関税に依存しない、輸入穀物に依存しない、そしてエネルギーに依存しない農業をやっていけるかを考えていく必要があるかと思います。そもそも、完全に自由化されても穀物も飼料も輸入できない時代が目の前に迫ってきているのに自由化阻止もへったくれもありませんので・・。
 
この前、こんなレポートを見かけました。
大和総研 農業復活は価格補助金のばら撒きで可能に
ちょっと強引なロジックもあり全面的に賛成できるわけではないですが、大事なのはグローバル化した世の中でどうやって産業としての農業の競争力を高めていくかについて議論していくかが大事ではないでしょうか。こう言った提言があって始めてTPPについて反対することができるのだと思いますね。

豚肉の値段

思うところがありブラウザを10年近く使用していたOperaからChromeに変えて戸惑っている今日この頃です。Chrome、軽くていいのですが細かい部分はOperaが上かなと思うところがあります。でも、Operaはどうも表示できないページが多いのが不満で・・。なかなか難しいものです。
 
昨日は三河トコ豚極め隊の活動の一環で生ハムの試作を行いました。出来上がるまでは1年間。試行錯誤の部分が多いので自信がありませんが、うまくいくと嬉しいですね。
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ところで、生ハムを作るのにはちょっと隠された意味があります。もちろん商品開発を行いPRをしていくのが一番の目的なのですが、もう一つの目的はもも肉の消費です。
育てた豚をと場に出荷したときには相場に応じた価格で取引されます。今は非常に豚肉の枝肉価格が下がっているので、格付けで一番よいものでも350円/kg程度です。枝肉はだいたい75kg前後ですので、生産者は1頭出荷すると25000円程度の手取りがあるわけです。
枝肉は75kg程度ですが、これは骨がついた状態です。骨やよぶんな脂身を取り除くと、だいたい50kg強となります。50kgで25000円ということは、1kg500円という計算になります。皆さんがスーパーで買い求められる豚肉は100円~250円/100gですので、1kg当たりにすると1000円~2500円ということになります。つまり、枝肉価格に比べるとかなり高いことがわかります。
なぜそんなに価格差があるのかというと、高い部位と安い部位があり、また売れない部位も出てくるからです。今、豚肉で一番人気がある部位はバラです。ところがバラは1頭から取れる量が限られています。逆に、ももや肩はあまり人気がないので、どうしても余りがちになりミンチなどにして安く販売する必要があります。安値でしか売れない部位があるため、枝肉価格と精肉価格に差が出てしまうわけです。
というわけで、生ハムは、不人気部位が高付加価値となる可能性を秘めているわけです。部位の販売量のバラツキの調整ができる訳です。
 
もっとも、三河トコ豚極め隊事務局の私が生ハムに目がないから作っているという面もあったりします。生ハムとワイン、想像しただけで楽しみですね[E:pig]