廃棄物の管理会社

リサイクル・産業廃棄物業界に足を踏み入れてはや5年が経ちました。最初は業界の習慣とか雰囲気に驚くこともありましたが、今はすっかり業界人?です。
驚いたことの1つに、管理会社の存在があります。産業廃棄物の許可を取得するためには講習会に行く必要があります。講習会では「ブローカー行為の禁止」と習います。ところが、業界では普通に管理会社というものが存在しており、仲介を行っているわけです。
もっとも、ブローカー行為とはなんぞやという定義が曖昧ではあります。産業廃棄物の処理に関して仲介行為が禁止されているのは、仲介によって廃棄物の処理委託先が不明確になることがその理由の1つです。処理を委託する場合、必ず排出事業者と処理業者が直接契約書を結ぶことが義務づけられています。
管理会社が仲介を行う場合、もちろん契約書は排出事業者と処分業者の間で結びます。ただし、金銭の授受は管理会社が行うケースがほとんどです。もちろん、この際に管理会社は管理手数料を得るわけです。
大手飲食店チェーンやコンビニなどでこの管理会社の仲介が行われることが多いです。また、食品製造業の会社でも全国に工場を展開している大手では管理会社がマネージメントを行っているケースがあります。なぜ費用を払ってまで管理会社に管理を委託するのか、その理由はいくつかありますが、一番は「適切な料金で適切な業者に委託するため」というものだと思います。
廃棄物の処理業者が全国展開しているケースはほとんどありません。このため、処理を委託するのは地域によって違う業者になってしまいます。その地域で事業を行っている廃棄物業者を探すことが第一のハードルです。また、廃棄物の処分費は地域によって相場が大きく異なります。廃棄物処理に関する情報が少ないため、果たして適正な価格がどれくらいなのかがわかりにくいです。たくさんの管理契約を持っている管理会社なら、適正な価格がどれくらいか把握できるわけです。
当社にも管理会社からのオファーがあることがあります。ところが、当社では食品リサイクルにより飼料や肥料を製造しています。特に、飼料は原料成分や取り扱いがシビアなため管理会社が持ってくる情報では十分な判断ができないことが多いです。結局、話が回りくどくなるだけでいいことがあまりないケースが多いです。
先日も管理会社から話があり、話がスムーズに進むか心配だったことがありました。ところが、今回の管理会社はきちんと必要な情報をまとめて記録を作成し、お客様にこちらの条件を提示してくれたので感心しました。本来、管理会社とはかくあるべきとの思いをあらたにしました。
 
私は前職で設計業務を行っており、商社との交渉をする機会がよくありました。使えない商社が多く、「見積が出るのが遅くなる以外の仕事をしていない」と思ったものです。インターネットが普及して情報が収集しやすい今日、商社や代理店、管理会社は無用の長物になりかねません。仲介をすることにより対価を得るためには、相応の仕事をする必要がある、当たり前のことですけどできていない事業者が多いのではないかと思いますね~。