野菜くずのリサイクル

1週間の東京出張も無事終わりました。
去年は終わってからあまりに疲労困憊で家に帰ってから風呂にも入らずに寝てしまったのですが、今年は自重したので昨日の夜もまだ元気が若干残っていました。

長期出張の時は毎度毎度現場のラインでトラブルが発生したりしていたのですが、今回は何も起こらず平和な1週間でした。ホットしています。

今回の環境展でもさまざまな業種の方がブースに立ち寄られました。食品メーカーさんや農業関連の方はもちろん顧客ターゲットであるのですが、当社は機械メーカーや同業のリサイクル業、学生さんにも懇切丁寧に対応しています。そういうやり方をしているのでブースでの対応に追われてかなり忙しくなるわけです。

そういう中でお問い合わせがあったのが「野菜くずをなんとか飼料として利用できないか」というお話しです。実は、最近野菜くずのお問い合わせが非常に増えています。しかも、発生量がかなり多い場合が多いです。

野菜くずが発生するのは、サラダ工場、カット野菜工場、漬け物工場などです。私が聞いたことがある範囲では1日20トンのハクサイを廃棄している漬け物工場があるとのこと。実際に見に行った現場では1日5トンぐらいの廃棄野菜が出ているところがありました。かなり小さい町工場のようなところでも1日1トンぐらいの廃棄野菜はそれほど珍しくありません。

以前は野菜は家庭や飲食店で調理するのが普通だったのが、昨今はサラダも総菜として買ってくるケースが増え、漬物も家で漬けなくなってきているためそういった加工業が伸びてきているのが背景にあると思われます。
チェーンの焼肉屋さんでは厨房に包丁が無いそうです。アルバイトが袋に入ったカット野菜を皿に出すだけですむようになっているわけです。

 

と、お問い合わせが多くなっているのですが、野菜くずは飼料として利用することがなかなか難しいです。水分が多いため、普通の配合飼料を利用している養豚、養鶏では利用しにくいです。また、葉物野菜には硝酸態窒素が含まれており、反芻動物である牛では障害が発生するため給与できる量が限られます。

豚のリキッドフィーディングでは利用できるのですが、当社も参画した愛知県農業総合試験場の試験では野菜くずを多給すると繊維の膨満感により飼料の摂取量が減ってしまうと言う結果が得られました。野菜ダイエットというのは理にかなっていることが証明されたわけですが、豚がダイエットしては困ります。

しかし、野菜というのは実はタンパク質含量が案外高いです。たとえば、キャベツは食品成分表によると水分92.7%で100gあたりタンパク質が1.3g含まれています。乾物に換算するとタンパク質含量は17%となり、豚用の配合飼料のタンパク質含量に匹敵する量となります。タンパク質原料の高騰している中、野菜はもっと注目されるべきではないかと思います。

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というわけで、現在野菜をうまく利用できないか鋭意検討を行っています。いくつか試案もあり、今後それを実験していく予定です。
新しい手法ですのでうまくいくかはわかりませんが、新しい技術に取り組むのはとてもわくわくします。

エコフィードの連載(5回目)

告知を忘れていましたが、中央畜産会発行の畜産経営情報最新号がWebで公開されています。

私が執筆している「中小規模畜産経営のためのエコフィード給与の現状と課題」の第5回目連載が掲載されていますので、よろしければご覧ください。

今回は養豚におけるエコフィード利用のポイントおよび実例紹介です。

http://jlia.lin.gr.jp/cali/manage/

次の回はリキッドフィードについて掲載します。

環境展に出展しています

昨日から東京ビッグサイトで行われている環境展に出展しています。

「環境展」というと、環境全般にわたる展示会のような感じですが、実際は廃棄物関連の業界向け展示会です。来場者も廃棄物関連の人たちが多いです。→データ

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一緒にいるのはイベントスタッフとアルバイトさんです。

ただ、まれに当社の顧客ターゲットである食品メーカーの方や、養豚農家の方も来場されるのでそこをターゲットとしています。こういうお客様には↑の写真にある「エコフィードあります」ののぼりが強力に集客効果を発揮しているように思います。

また、同業もブースに立ち寄られることも多いですが、当社は基本的に同業であっても仕事の融通をお互いにするなど友好的な関係が多いので来場歓迎です。機械メーカーも仕事をお願いすることもあるかと思い、積極的に話を聞いています。

というわけで、あらゆるお客様に熱心に対応していると非常に疲れます。
何分貧乏性なので、ブース代回収しなければとがつがつとしています。

あと2日がんばりたいと思います。

養豚における管理会計的手法

今日は滋賀県に出張中です。写真は近江ちゃんぽんなる物です。自分のイメージするちゃんぽんとはやや異なりますが、おいしかったです。

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写真と本文は関係ありません

閑話休題

 

仕事柄養豚農家にお伺いしていろいろとお話を聞くことが多いのですが、この仕事を始め養豚農家さんの話を聞いて「企業経営」という視点から見て感心することがいろいろとあります。その1つは経営状態がいい養豚農家は非常にこまかく数値管理を行っているという点です。

日本では多くの養豚農家は一貫経営、すなわち繁殖-肥育を一体に行っています。一貫経営は管理するべきパラメーターが多いため、緻密に数値を追うことが求められています。
繁殖を行うためには当然母豚(ぼとん)を飼う必要があり、母豚を管理して繁殖させ子豚を産ませます。管理する指標として、1回に出産する頭数、年間の出産回数、生まれてきた子豚の体重、離乳するときの体重などがあります。こう言った数字が最終的に1年間に母豚1頭あたり何頭出荷できるかに影響してきます。母豚1頭あたりの出荷頭数が少ないと言うことは母豚に与える飼料が多く必要となり、母豚を飼う豚舎のスペースも広く必要になります。

また、日本では母豚はたいてい2種類の品種の掛け合わせです。養豚農家によってはこの雑種を自分の農場で交配して生産しているところも多くあります。この場合、2種類の品種を飼育して、母豚の更新頭数に応じた数の豚を育てなければいけません。母豚は適切な産歴で更新しなければいけないため、母豚の育成が適切に行われないと母豚の数が足りなくなったりすることもあります。

このように様々なパラメータが絡み合って養豚生産のコストが決まります。相手が生き物であるのにかかわらず、非常に緻密な原価計算をすることが要求されるわけです。一般の中小企業経営者は案外原価計算に無頓着だったり原価削減目標がなかったりします。養豚農家は経営勉強会などで集まってそれぞれの管理項目を比較したりしますので、一般の中小企業以上に経営を意識しているように見受けられます。

この前ある養豚農家さんとお話ししていたら、「養豚経営でもっとも影響が大きい項目は肥育豚の飼料要求率だ。」という話題になりました。飼料要求率とは体重が増えるのに必要な飼料の量のことです。養豚でもっともコストがかかるのは肥育豚の飼料代です。この要求率は成績がいい農家と悪い農家では1割以上異なります。
たとえば、年間出荷6000頭の農家で飼料要求率が3.0だったとすると、年間の飼料必要量は

6000頭×110kg(出荷体重)×3≒2000トン

となります。要求率が1割異なると200トン飼料必要量が変わる計算であり配合飼料が50円/kgとすると年間の飼料コストは1000万円変わってくるわけです。年間出荷6000頭というのは家族経営規模であり、そんな農家でも年間コストがこれほど変わるというのは耕種農家ではあまり無いケースだと思います。それだけ養豚経営がシビアであると言うこと証拠ではないかと思います。配合設計の重要性がよくわかるかと思います。

養豚経営はとてもシビアな数値管理が求められますが、それだけにとても面白さがあります。当社が販売している飼料もお客様の経営を大きく左右する場合もあり、それだけに慎重に販売することが必要であると感じています。

夕飯のカロリー

ゴールデンウィークもすっかり終わりですが、皆様いかがお過ごしですか。
当社は年中週休二日、祝日は完全出勤という勤務体系です。というわけで、連休は土日のみのお休みでした。
普段は土日も出勤したり家で仕事をしたりすることが多いのですが、今週末は久しぶりにのんびりと過ごしました。

というわけで?週末の夕食を披露します。

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ホタルイカの酢味噌和え。酢味噌は家で作ります。

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春大根と豚肉の煮物

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菜園で取れたてのソラマメ

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そしてビール。上面発酵。

その他にご飯と味噌汁です。というわけで、春を満喫しました。

仕事柄豚肉を食べる機会が多いですが、魚もイカも貝も好きです。普段摂取カロリーが多めになるので、肉を食べない日はカロリーが比較的少なくタンパク質含量が多いイカ、貝は意図して食べるようにしています。、、って言うと、うっとうしい奴と言われてしまいがちですが ^^;
要は高カロリーでなくてもおいしい物はたくさんあると言うことです。この夕飯で800kcalぐらいかな。