自給飼料と堆肥

当社が取り扱っているエコフィード、以前は豚向けが中心でしたが最近は牛向け飼料の取り扱いが増えています。その結果として牛屋さん(主に酪農)へ行く機会が増えています。

初めて農場へ行ったら、買っている牛の頭数、牛乳の生産量、使っているエサの種類、エサの配合をどうやって設計しているかを聞きます。

牛の頭数・・エサの飼料量がわかります。
牛乳の生産量・・1頭あたりどれぐらい牛乳が出ているかによってエサの配合が変わってきます。農場によって量はかなり異なります。
使っているエサの種類・・濃厚飼料(配合飼料)と牧草の組み合わせを聞きます。
エサの配合・・今の酪農は栄養バランスを綿密に計算してエサの組み合わせを決めています。配合設計は人間で言うと栄養士のような仕事です。農家自身が設計をしているケースは少なく、主に飼料メーカーや獣医の先生が担当することが多いです。

この配合設計をしている人がエコフィードに対して理解が無いとなかなか当社の飼料を使ってもらえないという事態が発生します。

当社は「お客様の利益が出ること」を経営理念にしていますので、当社の飼料は価格設定、品質を含め大なり小なり使用することによるメリットがあるのですが、それをうまくお伝えできないことがあるのは残念です。

Kimg0250

最近の営業アイテム 脱水モヤシ

と、あわせて農家でお聞きするのは自給飼料(牧草)を作っているかどうかです。「え、牛屋さんなんだから牧草を作るのは当たり前でしょ?」と思われるかたが多いかもしれませんが、実はここ愛知県では牧草を作っている農家さんの方が少ないです。多くは牧草を作らずに海外の輸入乾草を購入しています。

ここ数十年為替が円高になる傾向にあったため輸入の牧草が安くなってきたこと、現在の酪農では上記のように細かく飼料の栄養バランスを整えているため成分が不安定な自給飼料が敬遠されることが主な理由です。

ところが、牧草を育てないということは、牛舎から発生した堆肥の利用先に困ることになります。飼料を完全自給した場合、牛乳を出荷するのですからその分物質収支から見ると不足が発生します。牛糞由来の堆肥だけでは物質、すなわち肥料成分不足するため、そのため肥料を飼料畑に投入する必要が出てきます。
ところが逆に飼料を自給しないと堆肥(=肥料成分)が過剰となります。あまった肥料分を処理するために排水処理のためのエネルギーを投入する必要が出てきます。

エコフィードを使うと言うことは換言すれば日本全体での物質循環を高めるという行為です。海外からの輸入飼料を使うと言うことはそれだけ物資が過剰となります。牧草を自給すると言うことは農場内での物質循環ができるということです。

私は物質循環の不均衡を是正していくことには合理性があり、食品リサイクルも飼料の自給も合理性にもとづいた重要な存在だと考えています。農業とは本来物質循環行為そのものであるわけです。今の日本の農業、とりわけ畜産はそこから乖離していることについて自覚を持っていく必要があると思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。