農産物の売り方

超久々のブログ更新となりました。
年度末で大変多忙でした。補助金の申請&報告書が大量にあったので一時はどうなるかと思いましたが、なんとか山は越えました。風邪をひいたりせず乗り切れたのはよかったです。

今回は農林水産省の補助金をいくつか申請しました。農林水産省の補助事業は最近6次産業化関連のものが中心となっていますが、今回の6次産業化ではなくエコフィード関連のものを申請しました。

6次産業化とは、「第一次産業である農林水産業が、農林水産物の生産だけにとどまらず、それを原材料とした加工食品の製造・販売や観光農園のような地域資源を生かしたサービスなど、第二次産業や第三次産業にまで踏み込むこと」というもので、私の周りの農家も販売に力を入れているひとが多くいます。

そんな中、この前、近所のスーパーでお米を買ったときにちょっと気になることがありました。最近はスーパーも様々な産地、品種のお米を販売しているのですが、米の品種名は書いてあってもその品種がどんな味なのかが全く書かれていないし、どんな栽培方法をしているかも書かれていないのです。

今回買ったのは北海道産の「ゆめぴりか」。仕事でよく北海道へ行き何回か食べたことがあり印象がよかったので購入しましたが、そうでなければおそらく購入しなかったのではないかと思います。ゆめぴりかは評判がたかいようで、なんと新潟県産コシヒカリより高い価格で販売されていました。ただ、愛知県の一般消費者にそこまでの知名度があるとは思えません。もちろんスーパーがポップなどで説明を書けば一番いいのでしょうが、米袋にスペースがあるのにもかかわらずそこに書かれているのは米の炊き方などのたいして意味のない情報ばかりです。

極めつけは「北海道産米の新たなブランド形成協議会認定」という消費者にはまったく役に立たないロゴが[E:sweat02]名前をつければ売れると勘違いしているのかと思いますが、せっかくの良食味米をなぜPRしないんでしょうね。

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ちなみに、米の販売元はあいち経済連でした。優秀な人材が揃っている経済連ですらこの体たらくでは普通の農家の6次産業なんて夢のまた夢ではないかと思います。

日本の農業の強みは品質であると思います。特に、日本人は食に対してのこだわりは世界有数であると思います。そんな日本で揉まれた日本の農産物は美味しいものがたくさんありますが、伝える努力を怠っているのではないかと思います。

米はまだ品種と産地が表示されますが、そうでない農産物もたくさんあります。キャベツやタマネギで品種の名前が書かれて販売されているもの見たことがある記憶がありません。複雑な流通も原因の一端ではありますが、生産者の伝える努力が足りないのも間違いない事実であると思います。これだけ情報発信が容易になっている中、積極的に発信している農家はごく一部に留まっています。6次産業化の補助金で加工設備を作るのも結構なことですが、それ以前に消費者への目線がなければ加工も販売も茨の道となってしまうのではないでしょうか。