低糖飲料は太るのか

朝晩めっきり冷え込むようになりました。

天高く馬肥ゆる秋というわけで、食欲旺盛になってきています。食欲旺盛なのは人間だけではなく、豚も餌をたくさん食べるようになり、当社も出荷に追われています。

エサを作る際に豚が餌をたくさん食べるように嗜好性には注意しています。いろいろと試してみた結果、豚が餌をよく食べるためには「甘いこと」「適度な塩分があること」「旨味成分(アミノ酸)があること」「香りがいいこと」などが重要であるようです。特に甘みは絶大な効果があります。甘みを出すためにジュースなどの廃棄品を飼料として利用しています。

ジュース
炭酸飲料

 

賞味期限の長いジュースとか炭酸飲料がなぜ廃棄されるのかはよくわからないところですが、ともかくたくさんのジュースが当社に入荷してきます。写真はサイダーの類ですが、炭酸はすっかり抜けてただの糖液状態です。

飲料の廃棄品は多いですが、ジュースなら何でも飼料として利用できるわけではありません。コーヒー飲料はカフェインが飼料にはあまりよくないという意見が多く、当社では受入を行っていません。また、最近はジュースも低カロリーのものが増えているため、カロリーが高いものだけを選択して利用しています。

ところで、最近「合成甘味料の飲料はかえって太りやすい」と言った論調を見かけます。

「カロリーゼロ」、太って病気まっしぐら!

これ、嘘です ^^;
合成甘味料やステビアなどは消化できなかったり砂糖より甘みが強い(=少しでも効く)ので、カロリーの絶対値は低いです。たとえば、他の全ての条件を同じにして砂糖を投与する処理区と合成甘味料を投与する処理区を設けたら、間違いなく砂糖を投与した処理区のほうが太ります。
私が思うに、合成甘味料を摂取した方が太るっているデータが出てくるのは単に「ダイエットコーラをがぶ飲みするようなやつは甘いものやジャンクフード好きが多い」って言うだけだと思います。

統計調査を行う際、一番気をつけなければいけないのは「交絡」というものです。
たとえば、缶コーヒーをよく飲む人がガンになる確立が高い・・というデータがあったとします。ところが、缶コーヒーを飲むひとはタバコを吸う傾向が高い場合、実はガンになる原因はタバコにあり缶コーヒーではない・・と言った可能性があります。交絡を防ぐためには、タバコの喫煙率が同じで缶コーヒーを飲む群と飲まない群をわけて統計処理をすればタバコの影響を排除することができます。ただ、交絡する因子を見落としてしまうと、これを排除することができません。ですので統計を用いて調査を行う場合、いかに因子を見つけるかがもっとも重要な点です。

ま、甘味料を使うとホントに太るなら配合飼料メーカーも苦労しませんし、当社も低糖飲料をもっと受け入れします。世の中そんなに「甘くありません」ちゃんちゃん。

産業廃棄物の現地確認

1ヶ月ぶり&新ブログになって初めての更新です。相変わらず落ち着きのない日々を過ごしています。

先日、お取引のある排出事業者の担当の方が来社されました。
※「排出事業者」とは、廃棄物業界で言うところの廃棄物を出す事業者です。

廃掃法12条にはこのような記載があります。

「事業者は、前二項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、当該産業廃棄物の処理の状況に関する確認を行い、当該産業廃棄物について発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるように努めなければならない。」

また、愛知県条例には現地での確認行為を義務づけしています。

「県内産業廃棄物の運搬又は処分を産業廃棄物処理業者に委託した事業者は、当該委託に係る県内産業廃棄物の 適正な処理を確保するため、当該県内産業廃棄物の処理の状況を定期的に確認しなければならない。」

このような記載があるため、排出事業者の方は定期的に当社を訪問され適切な処理が行われているかを確認するわけです。
排出事業者の方が見えると工場で説明を行います。当社のような小規模な事業所では現地確認の頻度はそれほどでもありませんが、大規模な産業廃棄物処理施設では頻繁に現地確認が行われ、工場の担当者は年中対応に追われていたりします。

ところで、県の条例で処理の状況を確認するように記載するのはおかしいのではないかと常々思っています。そもそも廃棄物処分業の許可は県が出しており、その際に適切な処理が行われることを確認しているわけです。それなのに排出事業者に現地確認をさせるということは自ら出した許可の正当性を担保してないと言うことになります。
また、廃掃法を熟知した県の担当者が適正処理しているか現地での確認を行っているのに、一般の排出事業者が確認してもあまり意味がないのではないかと思います。

個人的には排出事業者さんが来て頂けると営業に行く手間が省け、新規のお仕事につながったりするので現地確認自身はむしろ歓迎だっりしますが ^^;

 

一方、このような法や条例があるにもかかわらず、排出事業者によってはどこで廃棄物を処分しているか把握していないケースが多々あります。産業廃棄物を処分する際には最終的な処分先と契約書を締結します。また廃棄物を出す都度マニフェストを発行しますが、こちらには処分を行う事業所が書かれています。にもかかわらず、どこで処分しているかすら知らない排出事業者が珍しくありません。そういうお客様のところに新規営業で行き、「今まではどのような処分していますか」とお聞きすると「○○に委託してます」と運搬業者の名前を言われます。いつも引き取りに来てお金を払っている運搬業者=処分業者と思われている訳です。

廃棄物処理に負担をしているのですから、どのような内容で廃棄物の処理を行うか把握することは廃掃法うんぬん以前に商取引上からも当然のことではないかと思います。商取引という側面から、価格だけではなく、品質や内容も加味して委託先を選定して欲しいものだと思います。当社も品質の高いリサイクルとコストの低減を実現し、排出事業者の要求に応えていく所存です。(宣伝ですw)