廃棄物に手間をかけたくない

相変わらず慌ただしい日々が続いています。お客様から引き合いがいろいろあるのですが対応が疎かになりがちで反省しています。

 

そんなこんなで最近はいろいろな食品工場から引き合いが来ています。

当社はきちんと分別をしていただき、リサイクルすることでコストを下げていただく提案をさせていただくことが多くあります。そういう提案をするとよく、「廃棄物の処理に手間をかけたくない」「うちの会社は食品工場で飼料工場では無い」と言った話になるケースはよくあります。

言われる趣旨はわからないでも無いですが、何の手間もかけずにコストが下がるというのは廃棄物に限らず難しいです。「分ければ資源、混ぜればゴミ」であり、いったん混ざったものを分けるのには非常な労力がかかります。発生源で分別処理を行った方が効率がよいことは言うまでもありませんし、コスト削減につながります。排出事業者が人件費をかけてもコスト削減ができるケースも多々あります。

こういったコストを定量的に評価すことができるのが環境会計です。環境会計を活用することで、コストダウンを実現することができ、環境負荷低減にもつながります。また、環境会計を導入することで社内説明がしやすくなり、社内での決済がおりやすくなるという効果もあります。

 

一般的に廃棄物に対して細かく管理ができている企業は会社経営が良いケースが多くあります。廃棄物の管理をしっかりするということは製造時のロスや失敗が少なくなることにもつながります。当然ながら廃棄物の処分コストも低減でき、トータルでの費用削減につながるわけです。そもそも、廃棄物のような裏方の仕事まで管理ができているということは社内統制がきめ細かくきちんとできているからであり、会社の経営力向上にもつながるわけです。

バックヤード家業をしていると企業の真の姿が見えやすくかったりします。企業の姿勢をきちんと示すためにも廃棄物処理に関する積極的な取り組みをしていただきたいものです。

アベノミクスの行方

アベノミクスの金融緩和により、円安傾向が続いています。輸出を行っていない中小企業や内需中心の食品メーカー、海外の資材に依存する畜産農家など、当社の周りでは厳しい経営環境が続いています。

金融緩和により市場に出回るお金は増えましたが、人口減少を見据えた日本社会では投資意欲が増えることは無く、金融機関は融資先の確保に苦慮しているのが実情です。

今のような政策は永続することはできず、いつかは終わらせなければいけませんが、もはや出口が見えなくなっているのが実情ではないでしょうか。

そもそも、円安誘導とは国民資産を毀損する行為です。輸出競争力が増えたり、海外投資リターンが円ベースで膨らむというのは相対的に日本国民が貧乏となっているからということに他なりません。国民を貧乏にして輸出企業だけが潤う政策を支持するのは国家に対する重大な背信行為であり、国賊であると思います。

私は、このままいくと早晩財政破綻への道を歩むのでは無いかと危惧しています。私が思う財政破綻後の社会情勢は

・国債の信任が失われ、紙切れに。

・国債の利子が高騰し、政府機能が麻痺状態になり、公共サービスが停止。

・銀行の預金は国債運用分が消える。

・円の価値が暴落し、1ドル200円を超える円安に。

ってことになりかねないと思っています。国債の残高が増えてきて国民資産を超えたとき、日本国債が海外から信認されず、さばけなくなったときが最後の時では無いかと考えます。
仮に、そのような社会情勢となったときに、当社の事業や、自分のような市井の人々の生活はどのような姿になるのか想像することは非常に困難ですが、激動する社会の中での自社と自分の立ち位置を模索し、日本社会の未来のために貢献する道を探していきたいと思います。

 

自分で生産したものを食べるということ

秋はイベントシーズンで展示会出展が続き忙しい日々が続いています。
とはいえ、子供が生まれてから家で夕食を食べることが増えました。若干家庭的になったかなと自負しています。(苦笑)

家では通常は粗食なのですが、このところ肉を食べる機会が増えています。Facebookのほうでは食べ物ネタのアップが多いため、肉ばかり食べているように思われるのことが多くやや心外です。肉を食べる機会が増えたのは、会社で飼料を取り扱ってから、お客様のところの肉を食べるようにしているためです。豚肉を食べることも多くなりましたし、今までほとんど食べなかった黒毛和牛を食べる機会も増えました。
近江牛
お客様のところの肉を食べる・・・というと普通のことに聞こえますが、実はこれが存外難しかったりします。家畜は自分でと畜してはいけないという法律がありますので、畜産農家は生産した豚や牛をと畜場に出荷します。と畜場でと殺された後、市場にかけられ、流通します。畜産農家は自分が生産したものを誰が買っているのか、どこで売られているのかを知らないことも多くあります。野菜や米でしたら生産したものを一部取り分けておくことも容易ですが、畜産農家の場合、生産物を入手するのが難しいわけです。と畜場から買い戻すこともできますが、1頭で豚で50kg、牛でしたら数百kg単位となり販売を行っていない農家が簡単に自家消費できるようなものではありません。

自分で食べなければ今生産しているものがどういう状態であるか、わかりません。逆に言うと、自分で生産したものを食べることによってより美味しい畜産物の生産を行えるようになっていくのではないかと思います。

最近お取引をしている、黒毛和牛を生産している木下さんは自分のところのお肉を食べられています。驚くべきことは種付けする牛の血統を選ぶとき、以前食べて美味しかった血統を種付けされています。日本の黒毛和牛はと畜された枝肉の状態がフィードバックされて「サシが入る」「枝肉重量が大きい」遺伝子を持った牛が選抜されています。しかし、あくまでもそれは見た目であり、味を基準に選ばれているわけではありません。
また、当社のお客様の養豚農家さんの多くは生産した豚肉を食べられていて、肉の状態を見て飼料の配合を変えたりしています。通常は配合飼料を使っていますので、飼料の組成を変えることができませんから、自分でエサを混ぜて、出荷した肉を買い戻している農家だけができることです。
こういう取り組みが継続することによって、より美味しい農産物が生産されていき、それが日本の農業の強みになるのではないかと思います。というわけで、私も取り扱っている飼料のいっそうの品質向上のため、美味しい肉をたくさん食べることにします(^_^)