農作物の品種

年度末~年度初めで補助事業の報告書&申請書などの業務が山積して忙しい日々が続いていました。すっかりブログ更新が滞っています。

忙しい日々の合間を縫って、先日はイチゴ狩りに行ってきました。イチゴはかなりすきなので、春先は毎日イチゴを食べています。
イチゴはとちおとめ、とよのかなどが好きでよく購入していますが、愛知県の場合、あきひめが主流で、イチゴ狩りもあきひめが多いのが残念なところです。あきひめは粒が大きく酸味が少ない品種で、市場価格は良いのですが味にキレがないように感じます。

リンゴやイチゴだと、ほとんどの場合品種名が書かれて販売されています。ジャガイモもたいてい品種が表記されて販売されています。しかし、キャベツや玉ねぎで品種の名前が書かれていることはみたことがありません。
私の地元はキャベツの生産が盛んですが、秋冬キャベツは季節特性に応じ毎週のように違う品種を栽培したりします。生産農家と話をすると「キャベツは〇〇は美味しいんだよね」って教えてもらえたりするのですが、その知識が購入の際に役立たないのは残念です。家庭菜園で栽培すると品種間で相当食味の差があることを実感します。

食味による価格差がないと、生産者はどうしても生産性、見栄え品質のよい品種を選択することになります。美味しさを基準に品種を選択することが増えるような選択が行われるような仕組みがもっとあってもよいのではないかと思います。知り合いでも野菜の直売をやっている農家はたくさんいますが、残念ながら消費者への直接販売を行っている生産者でも、特に野菜に関しては品種の情報をきちんと開示伝達しているケースは少ないように思います。

話はそれますが、個人的には「在来種」をありがたがるのはおかしいと思っています。サ〇タのタネやタキ〇種苗の努力の結果、農作物の品種は日々進歩しており、美味しくて生産性の良い品種がどんどん出ており、昔ながらのモノがいいというのはノスタルジーに過ぎないと思います。もっとも、生産性や規格の問題で食味が良いにもかかわらずスポイルされている品種があるのも確かなので、一概には言えないところがありますが。愛知県の在来品種の大根に方領大根という品種があります。美味しいのですが、まっすぐでないため流通に乗りにくく市場に出回らないです。こういった品種でしたら在来種重用の意味があるのではないかと思います。

これだけ情報過多の社会になっているのにもかかわらず、トマトなど一部の作物を除き多くの農作物(特に野菜)で販売の際に品種の情報が表示されないのは残念な限りです。大手種苗メーカーのカタログを見ると、キャベツでもタマネギでもきちんと「食味良好です」と記載があるにもかかわらず、生産者も、中間流通も品種名を表示しないことが当たり前になっているように感じます。
一消費者として、美味しい食材を購入するためにもタマネギもキャベツもブドウやイチゴのように品種を表示して販売する習慣が根付いて欲しいと願っています。