忙しい日々を過ごしているうちにすっかり夏になってしまいました。春は展示会の出展など多く、引き合いがたくさんあり対応に追われています。対応できないのに展示会出展するなと言う話もありますが・・。
当社はさまざまな廃棄物をリサイクルしていますが、特定の業種からたくさん問い合わせがくる傾向があります。最近特に増えているのがパイナップルのリサイクルの案件です。カットフルーツ工場から発生するパイナップル残さリサイクルの問い合わせが増えています。
カットフルーツ工場では様々なフルーツをカットしていますが、中心となるのはパイナップルです。パイナップルが多いのには理由があります。
- 通年入手できる
- 比較的安価
- カットした後の保存性がいい(賞味期限を長く取れる)
といったことでパイナップルが選択されています。パイナップルをカットフルーツとして処理すると皮と芯が廃棄されます。パイナップルは可食部位の割合が低く、場合によっては歩留まりは40%程度しか無く半分以上は廃棄されることもあります。加工品にはほとんどフィリピン産が使用されています。輸入統計から見るとフィリピンからのパイナップル輸入量は約15万トン、輸入金額は160億円に上ります。ここから逆算すると、パイナップルは輸入金額で110円/kg程度になります。カットフルーツとして販売されるとおおむね100gあたり200円程度での販売が主流です。100gのカットフルーツを作るために必要なパイナップルは250g程度で、原材料原価は45円程度となります。つまり、パイナップルは安価であるため利益率が大きく、その一方副産物として廃棄物が大量に出るという特性があります。他方、カットフルーツとしてみるとメロンやブドウはどうしても原価が高くなる傾向があります。

また、カットフルーツのマーケット自体が伸長しており、当社の既存取引先も毎年売上が増えています。特に、都心部での売上が大きい傾向にあります。単身世帯の増加で世帯人口が減っていること、共働き世帯が増え家で調理が減っていることなどにより加工食品のマーケットが伸長していて、カットフルーツもその流れから増えていると推察されます。
また、カットフルーツは比較的少ない設備投資で事業を行うことができます。完全に手作業だけで切っている工場も多くあります。参入障壁が低いため、新規参入も増えています。
リサイクルの仕事をしていると食品マーケットの動向がよくわかるのがとても面白いです。パイナップルは飼料としても有用であり、畜産農家からも非常に好評をいただいています。大量に発生しているカットフルーツ残さをもっと有効に利用されるようお手伝いをしていきたいと思います。