最近は政策論だとか肥料の話が多かったので、久しぶりに法律の話を書いてみます。
この前、人と話していたら食品リサイクル法の報告義務の話が出ました。その中で、食品工場から出る廃棄の飲料は、「現状は廃酸として産廃処理しているから食品リサイクル法の報告は必要ないのではないか」と判断されていることが判明。実はこれは間違っています。
食品リサイクル法(正式には「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」)では、以下のような記載があります。
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この法律において「食品」とは、飲食料品のうち薬事法 (昭和三十五年法律第百四十五号)に規定する医薬品及び医薬部外品以外のものをいう。
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ちゃんと飲食料品と書いてあるので、液体の飲料であっても、廃油であっても食品として分類されるものに関しては食品リサイクル法が適用となるわけです。また、以前も書きましたが、食品廃棄物を有価物として売却しても、それが食品としての売却でなければ食品リサイクル法の適用となります。
このあたりが廃掃法と食品リサイクル法の微妙なちがいですが、個人的には食品リサイクル法のほうが明確で好ましいと思います。同じ廃棄物がちょっとした性状の違いや行政判断で廃掃法における分類が変わってくるのは非常にやっかいです。
要するに生ゴミ=動植物性残さというわけではないことに注意が必要と言うことです。そもそも一般廃棄物でしたら動植物性残さという区分もないわけですし。
同じような違いは肥料取締法にも関係してきます。肥料の登録を行う際、原料が「汚泥」であるかどうかで扱いが大きく変わるのですが、肥料取締法で言う汚泥というのは排水処理等から発生する余剰汚泥をさします。ところが、廃棄物として見た場合、「泥状のもの」はなんでも汚泥になりますので、廃掃法のほうが汚泥に含まれる範囲がひろいことになります。したがって、汚泥としてマニフェストを切っていても肥料取締法では汚泥肥料として取り扱わない場合もあるわけです。このことはFAMICの内規にも記載されています。
しかし、日本の法律は本当に複雑ですね。読み込むといろいろと矛盾点がいろいろ見えてきます。この原因の1つに縦割り行政がありますが、振り回されれる立場だと大変です。法律が厳密でも実際の運用が柔軟ならいいのですが、廃棄物行政の場合法律違反に対しては非常に厳格な運用がなされていますので。違法行為=許可の取り消しや刑事罰につながるケースもありますし。