名古屋大学附属農場での連用試験

今日は恒例の名古屋大学附属農場での作業がありました。30年にわたって連用試験を行っている圃場での収量調査です。当社の肥料も(無理にお願いして)試験区を設けて頂いていますので毎回作業に参加しています。
いつもはさらっと写真を載せるだけなのですが、最近知り合った北海道のリープス鈴木社長のブログが技術的な話も多く勉強になることに感銘を受けたので、私も今後はちょっとだけ詳しく書くようにしてみようかと思います。
 
名古屋大学附属農場は愛知県の東郷町にあります。名古屋の東部に位置し、一帯は小高い丘がある丘陵地帯です。冬の気温は名古屋よりやや低く、氷点下3度ぐらいまで下がることもあります。夏は逆に名古屋より暑いです。面積はおよそ28haあり、水田、果樹園、温室、畑地、採草地、放牧牧草地と様々な圃場があります。研究のための生産だけではなく、生産物の販売も行っています。私の研究室もこの農場の中にあり、4年生の1年間は毎日通っていました。
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農場の風景。写真は実験用の山羊です。

連用圃場は同じ肥料を長期間施用することによる影響を見る試験を行っている畑です。当社の実験区の他に、厩肥多用区(20t/10a)、慣行区(厩肥2t/10a+化成肥料)、化成肥料区、無肥区、その他何種類かの試験区があります。この厩肥多用区の施用量は一般的な堆肥施用量の10倍ぐらいのレベルです。
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連用圃全景

それぞれの区画は1aあり、畝が2つたてられています。畝はマルチされており、それぞれの畝に千鳥で作物(今作はハクサイ)が40本×2列植えてあります。今回はこのハクサイの収量を調査しました。
ぱっと見た感じでも厩肥多用区が一番生育がいいのがわかります。当社の処理区はだいたいその次ぐらい、慣行区よりは良さそうな感じに見えます。
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こちらが厩肥多用区

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こちらが当社の「ゆうきのススメ」実験区

ちなみに、無肥料区は当然ながら非常に生育が悪いです。結球しないのでハクサイに見えません。
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無肥料区。ロゼットみたいになっています

生育調査はこの処理区毎に上位20個体をサンプリングし、重量を測定していきます。今回は学生さんを含めて30人ほどで作業を行いました。
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生育試験の結果は現在まとめ中ですが、だいたい見た目が外れることはありません。サンプリング方法が割に適当な気がするのですが、いつも同じ傾向になっているところをみると実は適切なサンプリングなのかもしれないと感心します。
生育調査した後の土壌を見ると、処理区毎に見た目や触感に大きな差があることがわかります。
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一番手前が厩肥多用区ですが、色が濃いのがわかりますか?歩くとふかふかになっているのに驚きます。もともと粘土が多い黄色い土なのですが、ほとんど黒ボク土のようになっています。もう少し拡大してみると・・
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これが厩肥多用区。いかにも”団粒が形成されている土”といった感じです。
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ちょっとわかりにくいですが、化成肥料区は色も黄色く粘土鉱物がそのまま残っている感じです。
そして、当社の肥料の処理区は
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見た目は厩肥多用区と化成肥料区の中間ぐらいの感じです。分析すると有機物の量が本当に中間なので、見た目に違わないですね。ちなみに、白いのはハクサイの細根です。当社の処理区は実験開始して4年目ですが、割と差が出てきました。
にしても、やはり肥料は長期間連用してみないと結果が出ないですね。
収量調査の後は収穫したハクサイで鍋です。このとき、大学の先生方といろいろお話しするのが非常に勉強になります。
やっぱり、土壌肥料の世界は奥が深いですね。
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おまけ:農場の牛(黒毛和牛)です。牛の舌って伸びるんですよね~。私が学生の頃(もう15年以上前!)は乳牛を飼っていて搾乳もしていたのですが、今は肉牛だけです。
最後になりましたが、今日の作業にお付き合い頂いた三河ミクロン渡辺さん、いつもありがとうございます。多謝。

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