来週の環境展の準備が忙しくてばたばたです。来週一週間出張なので、その前に溜まった仕事をこなさなければいけないので大変です。明日の日曜日も出勤して来週の仕事を前倒しでする予定です。
暑くなってきたので冷や奴とかが食べたくなる時期です。当社はリキッドフィーディングというヨーグルト状の飼料を製造しています。どろどろの液状なので豆腐のようなものも設備的には使用することができます。ですが、実は豆腐は豚の餌として向いていません。意外なのですが、「油が多すぎるから」使用が難しいのです。
豆腐も種類によって成分がかなり変わりますが、木綿豆腐の成分は食品成分表によるとこんな感じです。
水分 86.8%
タンパク質 6.6%
脂肪 4.2 %
炭水化物 1.6%
水分が多いので固形物の割合が低いのですが、乾物あたりで計算すると
タンパク質 50%
脂肪 31%
炭水化物 12%
となります。確かにタンパク質が多いのですが、脂肪が30%も入っている食品は牛乳と豆腐ぐらいです。たとえば、脂が多い印象がある牛肉ですが、もも肉ならタンパク質:脂肪は2:1ぐらいですので、豆腐より脂肪分が少なくヘルシーということになります。
豚の飼料はカロリーが低いことが求められていますので、油脂含量が高い豆腐は使用しにくいです。
豆腐に含まれる油はリノール酸という不飽和脂肪酸です。動脈硬化にいいと言われている不飽和脂肪酸ですが、摂取した脂肪が体内に蓄積しやすいという特徴があります。融点が低いリノール酸が多くなると豚肉のしまりが悪くなり、食味に影響が出る場合があります。そういった意味からも使いにくい素材ではあります。
豆腐工場では角が欠けたり等の理由でかなりの量の豆腐が廃棄されています。利用したいのは山々なのですが、どんなものでも飼料になるわけではないのです。
豆腐は禅寺のお坊さんがあれで生きていけるぐらいですので、かなり高カロリー、高タンパクな食品だということです。よく、自然食とかを推進している方は「肉は脂が多くて栄養バランスが」っていうことを言っていたりしますが、食事の栄養計算をすると案外高カロリーで肉食べていた方が栄養バランスがいいケースもあったりするわけです。
飼料の仕事をして思うのですが、栄養成分は一般的なイメージと案外違っていたりします。きちんと分析した値を見て判断することが重要だと思います。