経営者の健康管理

昨日、午後からお休みをいただいて地元の本宮山に登ってきました。山登りはわりと好きですが、ちゃんとした趣味にするほどではなくハイキングに毛が生えた程度の登山をたまにやる程度です。

本宮山は登山口まで車で20分ぐらいと手近なのもあり、お気軽に登ることができます。登山道も整備されているため、小学生ぐらいの子供からお年寄りまで幅広い年齢層から親しまれています。ただ、標高差が700m程度と案外あるため、ちょうどよいトレーニングになります。

今回登山したのは、最近デスクワークが非常に多いため運動不足がきわまって体脂肪率がじりじりと上がってきたことも理由の1つです。

体重コントロールに気をつけて摂取カロリー量のコントロールをしているので、体重は以前と変わらないのですが、いかんせん運動不足のため筋量が落ちていっている訳です。

というわけで、健康増進のために山登りをしてきました。

スマホアプリで見ると高低差がよくわかります。やや誤差はあるようですが。

会社経営をしていて思うのが、経営者の健康問題は非常に大きなリスクだと言うことです。会社経営はリスク要因を潰していくことがとても重要です。

私ももうすぐ40歳、数えの41歳なので前厄です。健康には気をつけていきたいと思います。

リキッドフィードの嗜好性

いつまでも暑かった今年の秋ですが、この頃ようやく秋らしくなってきました。食欲の秋到来です。

食欲が増すのは人間だけではなく、豚も季候がよくなることで食欲が増します。
今の豚の飼料は栄養バランスを細かく計算しているため、成長速度は早いです。
このエサをしっかり食べさせることが存外難しいです。

当たり前ですがしっかり食べなければ豚も人間も大きくなりません。

当社で製造しているリキッドフィードは主原料がジャガイモです。豚はジャガイモを好みますが、ジャガイモは味があまりないのですこし味をつけてやった方がよく食べるようになります。今までいろいろなものを入れてみましたが、基本的には甘くした方が嗜好性が向上する傾向にあります。
また、甘いだけではなく適度な旨味と塩分があった方が嗜好性がよくなります。今まで一番嗜好性がよかった組み合わせはジャガイモにめんつゆ、あんこを入れた時です。めんつゆを受け入れして知ったのですが、ストレートのめんつゆの場合塩分は4%程度ですが、糖分は10%以上ありかなり甘いです。しかも、鰹だしが入っているのでうまみも十分あります。

先日、五平餅のタレの廃棄品を受け入れしました。これも相当な甘さと旨味があるとおもわれますので、嗜好性はかなり期待できそうです。

当社ではリキッドフィードだけではなく、乾燥したエサも作っています。乾燥したエサの1つとしてバームクーヘンがあります。当社では熱をかけずに乾燥処理を行っていおり、このため乾燥したバームクーヘンは非常に良いにおいがして、これをすこし飼料に混ぜるだけでエサをたくさん食べるようになります。

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バームクーヘンの乾燥風景

いろいろと試行錯誤していますが、豚の気持ちはまだまだわからないことが多いです。
豚に喜んでもらえるエサをがんばって作りたいと思います。

売掛金の回収と六次産業化

最近、農業の6次産業化が話題になっており、農水省も力を入れて6次産業化の支援を行っています。

農水省のサイト
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/6jika.html

6次産業化に関しては以前も少し書きましたが、早い話農家が生産物を加工販売していくというものです。

前回の記事にも書いたように、私は6次産業化には少し懐疑的な立場です。農家が6次産業化にとりくむ優位性というものがないと成功は難しいと思っています。従来流通や加工業者が行ってきたことを農家が取り組むという存在意義(レゾンデートル)がなければビジネスとして成立し得ないとと思います。

農家がやらなくてもすでに加工流通はなんらかの形で行われているわけです。それを新規にやる以上は、たとえば流通経路を通らないので新鮮なものが販売できる、規格外品の利用ができるなどの特徴がなければ存在意義はありません。どんなビジネスでも存在意義がなければ成立しないのは自明です。

もうひとつ、私が6次産業化における問題として感じているのが農家のビジネス常識の欠落です。
6次産業化を行うと言うことは一般消費者や企業の顧客と取引を行うということです。従来市場出荷や農協出荷してきた農家の場合、取引というものをしたことがないため、一般的な商習慣に関する知識やビジネスの基本が不足しているケースが多々あります。

たとえば、安易に販売先を開拓して、売上が不良債権化しているケースを聞きます。商売をやっていると売掛金の回収をいかに行うかと言うことは基本中の基本です。サラリーマン時代、新入社員研修で一番最初に習ったのは「売上回収の仕方」「倒産しそうな会社の見分け方」です。取引先の信用調査と債権回収は取引にとって最重要課題であり、「代金を回収してはじめて売買契約が成立する」というのはビジネスとしては当たり前です。これができてないと、農家でも売上が不良債権化してしまうわけです。

また、取引だけではなくビジネスとしての取り組み方が間違っているケースも散見されます。たとえば農家レストランなども増えてきていますが、立地条件を考えず、ターゲット顧客を想定できない店の作りになっていたりする例もあります。そもそも大きな投資をするのにもかかわらずろくに事業計画がなかったりすることもあります。

新しい事業をするのでしたら、最初にマーケティングを行い、事業収支をシミュレーションすることは当然だと思いますが、それができてないことが往々にしてよくあるわけです。

商売をやったこと無い人に商売を勧める農水省の施策は少々無謀すぎるのではないかと思う次第です。もしやるのでしたら、まず商売のやり方をレクチャーすることから始めた方がいいのではないでしょうか。もちろん成功している例もたくさんありますが、その影にはたくさんの失敗例があると思います。

もっとも、農水省も商売をしているわけではないのでそういう発想にはなかなか至らないのかもしれませんけど。

フランス料理を食べながら

今日はひさしぶりにフレンチを食べに、お客様でもあるホテルアークリッシュのメインダイニングkeiに行って来ました。

前菜は旬の柿を使ったもの。柿はベルファーム鈴木さんのところの早秋です。 

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ホテルの生ゴミはこちらの柿畑で堆肥として使われています。

メインディッシュはもちろんお客様であるトヨタファームの三州豚です。

 

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ホテルのパンは当社で加工されてこの豚肉を育てる飼料として利用されています。

と言うわけで、いろいろとお付き合いのある食材を美味しくいただいてきました。
美味しいものを食べる機会がたくさんある仕事って役得ですね ^^;

高濃度糖液の処理方法

北海道へ出張中です。飛行機の中でブログ書いています。作成しなければいけない書類がたまってしまいちょっと気が滅入っている今日この頃です。

昨年の春にリキッドフィーディングのラインを増設してから液体の飼料原料の受入を強化しています。受け入れているものの1つに糖液の廃液があります。

食品メーカーからは様々な廃棄物が発生しますが、液体の廃棄物というものも結構あります。ある程度の規模以上の食品メーカーにはほとんど排水処理設備があります。機械の洗浄や原料の処理水などを浄化するためにこういった設備があるのですが、糖液はこういう排水処理設備に放流しないで別途当社のような業者に委託しているケースが多いです。

排水処理設備は水に含まれる有機物を処理するように設計されているのですが、排水処理槽は無闇に作られているわけではなく、有機物の量に対応して計算を行い設計しています。有機物量が多くなるとその分大きな排水処理設備となります。また、当初の設計以上の負荷がかかると所定の能力を発揮できなくなったりもします。

糖液は微生物による分解性が非常に高いです。排水の汚れの程度はBOD(生物学的酸素要求量)という単位でしめします。これは排水を密閉した瓶にいれて5日間置いておいたときにどれぐらい酸素を消費するか・・という分析によって測定されます。微生物が有機物を分解するときに酸素を消費しますので、それを測定するわけです。分解性が高いということは酸素消費量も多いと言うことで、BODも高い値となります。

排水処理設備にもよりますが、だいたいBODが10,000mg/L~100,000mg/Lを越えてくると別途処理した方がコストメリットが出てきます。100,000mg/Lというと排水処理の世界では相当な高濃度なのですが、糖液では15%程度がこれに該当し、フルーツ缶詰やジュースなどが相当します。これぐらいの糖液は食品製造業ではよく使う濃度なので当社によくお引き合いがあるわけです。

糖度が15%ぐらいになってくると排水処理はかなり難しい感じなのですが、10%以下の場合は排水処理をするのか、別途外部に処理委託をするのかは微妙なラインです。最近そういうお問い合わせが増えており、当社ではお客様に濃縮装置のご提案をしています。濃縮することにより処分費用が下がったり、買取ができるようになります。また、糖度が高いと浸透圧の関係で菌の繁殖が難しくなり、保存性も向上します。

 

排水処理に流せば単なる負荷源でもうまく使えば飼料となる・・そういったものはたくさんあります。そういうモノを営業して発掘するとなんか宝探しに成功したような感じでちょっと楽しいですね ^^;

地元の展示会

金曜日、土曜日と地元の信用金庫の展示会でした。ご来場頂いた方、ありがとうございますm(__)m

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ここ4年ぐらいずっと出展しています。正直言ってあまり来場者数は多くないのですが、最近は知り合いが多くなった事もあり、たいくつせずに2日間過ごすことができました。思えば東三河に出てきて6年、最初は誰一人知り合いがいなかったので、その頃を思うと非常に人脈も広がりました。

この展示会、実はここ何年か成果が十分に得られていませんが、地元の方に知って頂く事も大事かと思い参加しています。

当社の経営理念は

社会貢献  技術力、総合力を基に、資源循環により環境保全と地域社会に貢献する

誠心誠意  お客様、従業員、取引先、株主、家族、関わるすべての人に対し誠実・喜ばれる存在となる

革新創造  常に変革を続け、時代と社会の要請に応える

というものです。地域社会に貢献することが第一義ですので、地域密着型の展示会には今後も継続的に参加したいと思います。

農家のビジネス

今日まで3日間近畿方面を出張で廻っていました。毎日6~8時間ぐらい運転していたので流石に腰がちょっと痛いです。

水曜日は京都で行われた野生牛肉を食べる会に参加してきました。
北海道で放牧で草だけで育てられたアンガス牛を食べるイベントです。

イベントと野生牛肉については今回主催された新保さんのブログにくわしくありますのでこちらをご覧ください。

業界の人は誰でも知っていることですが、黒毛和牛というのは主に輸入トウモロコシを主体とした穀物を多給することによってあのようなサシの入った肉が作られています。サシが入った肉自体の価値を否定するわけではありませんが、穀物価格が高騰している現代において果たして穀物を多給することがいいことなのか、また「和牛」なのに輸入飼料に依存した体系でいいのかという疑問はあります。

また、個人的には赤身肉の方が好きということもあり、今回のイベントに参加しました。

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食べてみると、しっかりとした味わいですが同じように草を食べて育てられたオージービーフ程の草の香りはしませんでした。(最近はオージービーフも穀物肥育のものが多いですが)

肉質的には私の好みではありますが、やはり少し固いので一般的な消費者には受けが悪いと思います。レストランなどでこう言ったタイプの肉が欲しいところには向いているのではないでしょうか。

ただ、厳しいことを言うと商売的にはかなり難しいかなと思いました。
上記ブログには生産者の西川さんの手紙が掲載されています。非常にご苦労されている様子がうかがえますが、販売という面からみるとプロダクトアウトな部分が目立つように思います。
いくら良い商品を作っても消費者のニーズと乖離していれば値段はつきません。現代社会はニーズの多様化がすすんでいるのでニッチなマーケットにターゲットを絞ればニーズとのマッチングは可能ではありますが、そのためには商品の魅力や特徴を消費者に伝達する必要があります。特にストーリー性などに特徴がある場合はそれを知らしめることがとても重要です。

当たり前ですが、特徴がある商品を作りそれを消費者に伝達していくより、一般的な規格の商品をつくって市場出荷する方が手堅いことは間違いありません。

手紙を読む限り、いままでそういった商品の販売に対しての努力があまり感じられないように思われました。もっとも、世間のほとんどの農家が商品のPRなどを行っているとは言い難いのは確かですし、ニーズを無視した商品の開発や品種の選定などはよくある光景です。

これからは農家も売る事を考えながら商品を作るという当たり前のことをできるようにならなければいけないのかも・・と肉を味わいワインをしこたま飲みながら考えていました(^_^)

バイオガスプラントの見学

会社の移転工事も一段落したので(まだ終わっていませんが)、9月はしばらく抑制していた出張をたくさんする予定です。

第一弾として先週は北海道出張してきました。業界団体である「全国食品リサイクル登録再生利用事業者事務連絡会」の総会と、その見学会として函館近郊の七飯町にあるバイオガス施設の見学に参加してきました。

バイオガス(メタン発酵)のプラントを見るのは初めてでいろいろと勉強になりました。
プラントの仕組み自体はシンプルでした。食品リサイクルに限らずリサイクル施設はできる限りシンプルにすることが重要です。そういう意味でバイオガスは事業性が高い手法ではないかと思います。

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発酵槽と消化液貯留タンク

再生エネルギーの固定買取制度の影響でバイオガスプラントの注目が非常に集まっています。それもあり今回の施設見学では多くの人が見学に参加したのではないかと思います。

ところが今回驚いたのがこの施設では売電を行っていないこと。生成したバイオガスを使って発電を行っているのですが、発電した電力は場内で使用しています。余ったガスはタンクで輸送しガスとして販売しているとのことです。
試算によると売電するよりも直接ガスとして販売する方が収益が上がるとのことです。バイオガスプラントはFITを使わないと成立しないと思っていたのですが、意外でした。

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ガス輸送用のタンク

しかし、ちょっと疑問だったのが投入している食品残さです。この施設では家畜ふん尿と食品残さを原料としています。
この食品残さが非常に高品質で、飼料として十分利用できるレベルのものでした。

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食品リサイクル業界が危惧しているのは、FITによる買取価格が高く食品残さが資料や肥料ではなくメタン発酵に流れてしまうのではないかということです。
今回の見学でエネルギー価格の高騰を背景に、FITがなくてもそういったことが起こりえることが確認できました。

エネルギーと食糧供給の問題が表裏一体であることが改めて思い知らされた見学でした。

工場移転工事

忙しさにかまけてすっかり更新を怠ってしまいました。
忙しかったのは会社の移転があったためです。当社は今月全面移転を行いました。
古い工場をすっかり引き払い設備をすべて移動させたのですが、思っていた以上に大事でした。

仕事の性格上、業務を止められないため稼働をさせながら移動させたのですが、まずそれが一苦労でした。移転工事に使える期間が短く、大変でした。

しかし、大変だった一番の理由は工事をかなり自分で行ったことです。新工場の床のペンキ塗りから始まり、堆肥ピットの据付、旧工場の片付けや修理などを行いました。
通常の業務もあったので8月は本当に忙しく、結局休みなしで働いていました。おかげで体脂肪率が結構下がりました。

自分で工事をするのは効率的でないと指摘されることもありますが、コスト低減という意味だけではなく、特に新しい設備などの場合自分で工事を行うことにより構造や仕組みがよく理解できることは大きなメリットだと思います。


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また、1回やってみることにより、次回業者に委託するとしても金額や内容が適正かどうかがよく理解できるというメリットもあります。

 

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ただ、本質的でないところで自分で工事をするのはあまりメリットはないと思われます。
例えばOAフロアとタイルカーペットを一生懸命自分で施工したのですが、忙しい中そんなことはやるべきでなかったと反省しています。仕上がり自体はかなり良かったのですが ^^;

今回の移転工事ではちょっとしたハプニングもありました。現場で鉄板を置いているときに指をはさんで骨折をしてしまいました。

 


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1週間経っても痛いと思ったら、しっかり折れてしました。ばっちり労災です。

そんなこんなで今年は大変な夏でした。なにはともあれ無事移転ができホットしています。

エコフィード連載7回目(最終回)

というわけで、中央畜産会発行の畜産経営情報での短期連載が無事終了しました。思ったより大変でした。

http://jlia.lin.gr.jp/cali/manage/

最終回は牛の話です。牛はまだ取り組み始めたばかりで勉強が不十分で、なんとか書き上げたという感じです。

ただ、案外いろいろな人から「読んでいるよ」と言われ、ちょっと嬉しかったです。でも、連載はしばらくは遠慮したいですね(^_^)

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