補助金の功罪

補助金の報告書類も提出し終わった・・と思いきや、次の補助申請の準備をしています。いつもは大変なので補助年間一件ぐらいにしているのですが、諸般の事情で今年は二件申請です。

補助金をもらっておきながらこんなことを言うのはちょっと問題があるかもしれませんが、補助金ははっきり言って税金の無駄になっているケースが多いです。

 

実際に受けている側から見た問題点を挙げてみると、

 

1.補助金のための書類が非常に多く、無駄な労力がかかる。これは補助の申請側だけの労力ではなく、審査する場合や交付する際にも労力がかかり、行政の仕事を増やしています。数千万円程度の交付金のためにほぼ一人の担当がついたりすることもあり、あきらかに補助額と比べ人件費がかかりすぎていることも多いです。

 

2.当然ながら補助金は申請した人、団体しか受け取ることができません。補助金の申請に手慣れた特定のところだけが何回も受け取ることになりがちです。このため、普遍性に欠けるものとなり、また補助金を受け取るためのコンサルティングなどの仕事を増やすことになります。

 

3.申請時期が短期間である場合が多く、補助を受け取るためにはかなり前から準備が必要となります。また、申請時期に合わせるため事業の計画などをたてにくい原因となります。

 

社会が複雑化している現代社会において補助金や助成金で社会システムを変えるという事はほぼ無理だと思います。

 

 たとえば、当社が事務局をやっている協議会では「エコフィード緊急増産事業」の補助金採択を受けています。これはエコフィードの普及により食糧自給率を向上させることを目標としています。エコフィードの使用量に応じて補助金がもらえる仕組みになっています。

しかし、採択件数が数十件の規模では到底自給率が上がるわけがありません。プールの水をひしゃくですくっているようなものです。

他方、昨今の飼料価格の高騰により当社へのエコフィード関連の問い合わせは非常に増えてきています。このことからもわかるように、社会システムの変革は経済的なインセンティブによるものが一番影響が大きいと言うことです。
配合飼料は税金も投入されている基金により価格が高騰した場合の補填があります。片方で配合飼料を安値誘導しておき、もう片方でエコフィードの普及に補助を出すというのは自己矛盾をしています。
食糧自給率を向上させるならできるだけ輸入トウモロコシを使わせないように経済誘導するのは当然であると思います。

 

同様に、飼料米に関する補助も非常に煩雑な手続きがあり、事務処理のコストがばかになりません。飼料米を作付けすると補助が出るのですが、飼料米が食品に転用されていないかいちいち証明書を出す必要があります。

個人的には飼料米は政府の備蓄米の買い上げ数量を増やし、古米の飼料分野への放出量を増やすのが合理的だと思います。

 

 

当社では雇用に関する助成も受けたことがあります。特定の条件に合致する人材を雇用すると一時金が出るというものですが、中小企業経営者の立場から言うと一時金が出るからと言って雇用が促進されるとは思えないです。

雇用に関する助成を出す一方で、社会保険料の金額は毎年上がってきており、会社負担分も増加しています。雇用を増やそうとするなら、補助に使っている同じ財源を使って社会保険の会社負担額を減らせば一番効果的かつ効率的だと思います。

税制や社会保険制度で誘導するのは、シンプルかつ効率的です。どんな事業者でも影響があるわけですから。

 

昨今は公務員バッシングを頻繁に目にしますが、私は日本の公務員はとても優秀で、熱心に働いていると思います。また、全ての補助が無駄だとも言えません。ただ、今している仕事が本当に社会のために役に立つのか、それをもう一度考えて業務の内容を見直す必要があるのではないでしょうか。

 

なお、念のために補足しますが当社への利益誘導的な政策を是としているわけではありません。もちろん当社には政策を誘導する権力があるわけではありません^^;

豚祭り

年度末、年度初めと多忙ですっかり更新が滞っています。以前は年度末と言ってもいつもと変わらない感じだったのですが、ここ数年は補助金を受けており、どうしてもこの時期忙しくなってしまいます。このあたりの問題については後日また書かせて頂きたいと思います。

さて、一週間以上経ってしまいましたが、三河トコ豚極め隊では3月24日(日)に豊橋市にあるこども未来館ココニコにて第1回三河トコ豚豚祭りを開催しました。

このイベントは「豚とふれ合い、豚を学んで、豚を味わう」をテーマとしており、豚について理解を深めてもらうと共に、おいしい豚肉を食べて地元の養豚への理解を深めていただくことを目標としています。

イベント内容として

・生ハムの試食

・子豚とのふれ合い

・豚肉の解体体験

・ソーセージ教室

・食育ビデオ

・地元の銘店による豚肉料理の露店

といった盛りだくさんの内容で行いました。おかげさまで参加して頂いた方々からは好評であったように思います。

 

 

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ソーセージ造り

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子豚とのふれ合い

いろいろとイベント開催までには苦労が多かったですが、盛況だったのでほっとしました。

個人的には食育ビデオはプロにお願いしましたが撮影、編集とこちらで企画を練ってたいへんだったので、とくに思い入れがあります。

なにはともあれ、今回のイベントはたくさんの人たちの協力がなければできませんでした。ご協力頂いた方々、参加して頂いた方々、その他皆さん全員に多謝!

リキッドフィードの保存性から見た浅漬けの危険性

出張で山梨に向かっています。身延線の初めて乗りましたがスピードが遅い・・。山梨で大して滞在時間がないのですが、今日は丸1日つぶれてしまいます。

 

リキッドフィードを扱っているとよく、「製造したエサはどれくらい日持ちするのですか?」という質問を受けます。実際に試験をしてみると、25℃ぐらいの一番厳しい条件でも一ヶ月以上問題がないという結果が出ています。

試験する際には一般細菌数、大腸菌群数、サルモネラ菌数を測定します。場合によっては乳酸菌数や酵母数、カビ数も測定します。一般細菌数には乳酸菌数も含まれます。食品の場合は酸敗は問題になることが多いので、一般細菌数(含む乳酸菌数)が増加するのは嫌われますが、リキッドフィードは乳酸発酵させていますので、一般細菌数は問題にしません。問題になるのは大腸菌群数とサルモネラ菌数です。もちろん、腐敗原因になる菌はほかにもいろいろありますが、大腸菌群数を指標にすることができます。

大腸菌群を抑制するために、リキッドフィードではpHのコントロールを行います。pHを4.0程度より低くすることにより常温でも大腸菌群を抑制することができます。リキッドフィードはエサなので当然デンプンや糖、タンパク質が多く含まれており、そのままでは菌の培地状態になってしまいますが、pHをコントロールすることにより腐敗を防止することができます。

当社ではリキッドフィードを製造する際にはギ酸を添加します。ギ酸は決して安いものではなく、危険な薬品でもあるのですが、製品の品質を保持するためには無くてならないものです。ギ酸を添加してpHが3.8より低くなるように管理しています。
 

昨年末、浅漬けで食中毒が発生して死者が出るという事件がありました。上記のような試験結果を見ると、浅漬けというのはとても危険であると思います。浅漬けは漬物のように見えますが、実際は乳酸発酵させているわけではなく、生野菜を調味液に漬け込んでいるに過ぎません。塩分濃度もそれほど高いわけではなく、pHも5.0ぐらいあります。アミノ酸や糖も入った調味液は培養液のようなものです。野菜を次亜塩素酸ナトリウムで消毒していますが、でこぼこや切り口のある野菜は次亜塩素酸ナトリウムぐらいでは完全に滅菌できません。腸管出血性大腸菌などでは非常に少量の菌数でも発症してしまうので、とても危険です。
本当はこういう危険性の高い食品は保存料などの添加物を使った方が安全だと思いますが、昨今の低添加志向では添加物は嫌われますので、無添加のものが増えています。

昔は漬物というとしっかりと漬け込んで乳酸菌発酵した酸っぱいものが当たり前だったのでしょうが、最近の消費者の嗜好がこういった危険性を産んでいるとも言えると思います。

飼料や微生物を取り扱っていると、通常食べているものでも結構危ないなと思うことがよくあります。逆に、食品メーカーの人や飲食店の人も微生物学的な知識があればもっと食品の安全性って担保されるのではないかなと思う今日この頃です。

コカコーラと食の安全、安心について

近年、「食の安心、安全」が強く求められるようになってきており、皆さん念仏のように安心安全と言われています。
ただ、安心と安全は別の物であり、安全であっても安心とは限りませんし、逆もまたしかりです。

コカコーラに含まれている砂糖を表現したこんな画像がネットで出回っています。

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これを見るとコカコーラってなんて砂糖が多いのだろう、これは危険だと思わされます。でも、私は食品リサイクルに携わって普段から多くの食品の成分を見ていますので、この画像をちょっと疑問に思いました。

コカコーラの成分はWebサイトに掲載されています。それによると、100mlあたりの炭水化物量は11.3gです。原料から見て炭水化物=糖類ですので、350mlだと40g近い糖類が入っていることとなり、この画像は間違っていないことがわかります。(この画像には記載がないが、サイトによると39gを角砂糖で表現)

ところが、コカコーラ社のサイトには他の飲料の成分も掲載されています。
果汁飲料を見てみると、たとえばミニッツメイドオレンジは100mlあたりの炭水化物量は11.9g、グレープに至っては12.7gとコーラより多く含まれています。果汁の場合も炭水化物=糖類とみてほぼ間違いありませんので、コーラよりむしろ果汁飲料のほうが糖類の量が多いことになります。

逆に、スポーツ飲料などを見てみると、アクエリアスの場合は100mlあたり4.7gしか炭水化物が含まれていません。果汁飲料よりずっと低カロリーと言えると思います。

無論、糖類の過剰摂取は肥満だけではなく健康に悪影響ではありますが、そういった面で見るとコカコーラも果汁も変わらないわけです。極端な話、糖度が15度を超えるようなものもあるスイートコーンの方が糖の含有量が高かったりします。もっとも、飲料の方が摂取量が多くなりがちですし、果汁にはビタミンC等の成分も含まれていますのでそういう意味では同列では並べられませんが。

世間では「コカコーラ=健康によくない飲み物」と言ったイメージがありますので角砂糖が並んでいる画像をみると「やっぱり」と思いがちになってしまうのだと思います。
こういったセンセーショナルな画像が拡散しやすく、データを見ずに判断しがちな世間の傾向はゆゆしきものだと思います。データよりもイメージが主体となっている「安心」がいかに情緒的なものかという証左ではないかと思います。

センセーショナルなものは人々の関心を集めるものですから、マスコミに限らず耳目を集めたいがためにセンセーショナルな喧伝をする人は多くいます。個人的には、「○○の真実」のようなセンセーショナルなものこそ疑う姿勢が重要なのではないかと思っています。

ちなみに、私はコカコーラの味があまり好きでなく炭酸飲料がむしろ苦手なので基本的に飲みませんし、コカコーラを推奨しているわけではありません。念のため。

ギ酸による酵母発酵の抑制

当社ではリキッドフィーディングという液状のエサを扱っています。液状飼料はさまざまなメリットがありますが、欠点もあります。あまり知られていないのですが、実は酵母発酵しやすいというのも欠点の1つです。

そもそも酵母とはなんでしょうか。ウィキペディアによると、真核微生物で細胞壁を持ち、出芽によって増えるものをさす、とあります。単細胞の真菌であり、アルコール発酵を行う種類が含まれています。

酵母は好気的な環境では通常の呼吸を行いますが、嫌気的な環境では糖を基質としてアルコール発酵を行います。この際、二酸化炭素を放出します。パンが膨らむのはこの二酸化炭素の作用です。酵母は糖は資化できますが、デンプンなどの多糖類は資化できません。このため、日本酒では最初に麹をつかい米のデンプンを糖化させ、それから酵母発酵を行います。ビールでは麦芽の糖化酵素を使い、デンプンを糖化させ酵母発酵を行います。

当社の製造しているリキッドフィードは原料に糖質がたくさん含まれています。シロップや砂糖など糖のそのものも多く含まれています。また、ジャガイモの皮も原料として利用しており、ハンドリングを良くするため糖化酵素を利用してデンプンを分解しています。

さらにリキッドフィードは保存性をよくするために、酸素の入らないように密閉状態で保管します。このように条件が揃っているため、リキッドフィードではかなり酵母発酵が発生しやすい状態にあります。

酵母発酵が起こると、含まれている糖がアルコールと二酸化炭素に変化します。つまり、有機物の一部が二酸化炭素として放出されてしまい、エネルギーのロスが発生します。その量はすさまじく、固形分の10%以上がロスすることもあります。

もう一つの重大な問題は発泡です。二酸化炭素の放出により発泡がおき、タンクなどからのあふれが発生しやすくなります。あふれるだけならいいのですが、発酵によりガスが発生し圧力が高まったため、当社ではタンクを何個か壊しています。

当社ではリキッドフィードにギ酸を添加しています。これはpHを低下させることにより保存性を向上させることが第一の目的ですが、ギ酸を添加することにより酵母発酵を抑制することができます。ギ酸には静菌作用があるため、酵母やカビの増殖を抑制することができるわけです。この前文献を見ていて知ったのですが、同じpHであっても有機酸の種類によりかなり静菌作用に差が出ます。酢酸やクエン酸では代わりにならないのです。

しかし、微生物というのはコントロールが本当に難しいです。エサを作るときも、杜氏になった気分で仕事していますw

含水率のワナ

忙しさにかまけてすっかり更新を怠っています。反省です。

最近、野菜のリサイクルの話をよく頂きます。この仕事を始めてから知ったのですが、世の中にはカット野菜工場というものがたくさんあり、そこから野菜の切れ端がたくさん廃棄されています。

ご存じのように、野菜というものは水分が多いです。キャベツなどの野菜では90%以上水分です。
しかし、水分というものはくせもので、見た目では水分量がわからないです。

キャベツは92%ぐらい水分です。ということは、固形分が8%ぐらいしかないわけです。固形分が8%だと完全に液体になるものもあります。りんごジュースは固形分が10%以上ありますが、液体です。液体になるかどうかは水分量だけではなく、組織がしっかりしているなど分子構造が強固であったり、溶解度が低かったりすると固体になります。
キャベツもジューサーなどで完全に粉砕するとスラリーになるのは水分が多い証左です。

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野菜の粉砕作業

例えば、こんにゃく。こんにゃくは水分が97%もありますが、あれだけの機械強度があります。当社では寒天ゼリーを飼料原料として扱っていますが、こちらは逆に固形分が90%もあります。これが増粘多糖類を使ったゼリーですと固形分が15%ぐらいしかないこともあります。

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甘酒

甘酒も飼料原料として取り扱っていますが、こちらは固形分が60%ぐらいありますが、スラリー状です。これは、甘酒の主成分がブドウ糖であり、溶解度が高いからです。

飼料の価値は固形分の量で大きく変わります。見た目で判断できないところが難しい部分です。様々な原料をうまく調合して狙いの含水率にするのが当社の腕の見せ所です。

エコフィードに関する連載(2回目)

このところ忙しい状態がひどくなっており、にっちもさっちもいかない感じです。
たまっている書類、案件を考えると気が重いです・・。

そんな中、中央畜産会発行の畜産経営情報に連載しているエコフィードに関する記事2回目が掲載されました。
 

 

2回目が掲載されたと思ったら3回目の締め切りが近づいていて、かなり焦っております。

連載は大変です。

炭水化物ダイエットと栄養バランス

珍しく連投です。

最近、炭水化物ダイエットが流行っているみたいですね。
食品リサイクルに携わっていると、炭水化物ダイエットには懐疑的です。

日本人の食品栄養バランスの調査をみると、基本的に炭水化物の摂取量は減少してきており、現在の摂取量はちょうどいいぐらいになっています。

摂取カロリーが過剰なのは、ひとえに脂質とアルコールの摂取過剰にあるのはまちがいありません。

なによりの証左として、一般的な飲食店やコンビニの残飯を豚に給与するとぶよぶよの豚になってしまいます。こう言った残飯を乾燥処理すると、油分が20%程度になります。乾燥処理をしてできたエコフィードが油でべたべたしているのをみるとちょっと恐ろしくなります。

というわけで、私は「脂質ダイエット」を推奨しています。とりあえず、揚げ物と生クリームを絶てばたいていの人は痩せるはずです。

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ちなみに、我が家の食事は

朝:パン、カフェオレ、ヨーグルト、フルーツ、ソーセージor卵orチーズ、野菜、パン

昼:揚げ物以外

夜:肉or魚、野菜×2、味噌汁、ご飯、酒

といった感じです。

・各食事で必ず野菜を食べる。

・夜は肉と魚を日替わりで

・家での晩酌は1日に日本酒換算1号程度まで

・揚げ物は家では食べない、自分では注文しない

・間食は油の少ないものをできるだけ選ぶ

というルールを決めています。こういうルール決めをきちんとしていくことが栄養バランスを保つ秘訣だと思っています。きちんとポイントを押さえていれば、ダイエットしていてもご飯を普通に食べることができますし、肉だってがっつり食べても問題ありません。

栄養バランスはすべての健康の基本です。偏った考えが蔓延しているのにはちょっと危惧しますね。

養豚農家と経営方針

以前も書きましたが、一昨年より愛知中小企業家同友会という中小企業の経営者の集まりに入っています。

この会では経営指針を重視しており、そういったものを作成する講座があったりします。また、経営者と使用者という対峙する関係ではなく、従業員と共に育つ会社を目指すことを基本としています。

サラリーマン時代の経験から、経営指針の重要性については感じていましたので、そういう方針に共感を覚え入会した次第です。
やはり、経営者が目指すべき方針をしっかり打ち立てなければ従業員は不安になってしまいますし、自分が行っている仕事の意味が理解できなくなります。仕事の意義が感じられることが何よりも高い仕事に対するモチベーションになると思います。

また、会では経営指針の1つとして経営理念、経営戦略も位置づけられています。自社の強みを十分に把握し、次なる戦略を構築することが経営者には求められています。

養豚農家さんとお話ししていて思うのが、農業であってもこういった経営に対する取り組みが必要であると言うことです。養豚農家は特にこの経営指針が重要であるように感じます。

養豚は外部へ支払うお金が多く、付加価値率が非常に低い農業です。また、一般的には販売価格は安いのですが、逆に言うと販売手法によっては通常の価格と大きな差額で販売ができるポテンシャルを秘めています。

飼料も配合飼料を選択すればあまり差はありませんが、当社の取り扱うようなエコフィードの場合、選択によって肉質や成長に大きな差が出ますし、当然価格にもかなりの幅があります。
農場の施設に対する投資も大きく、また投資の多寡は農場の成績に大きな影響を与えます。

このように、パラメーターが大きく投資が多く、なおかつ付加価値率が低い場合、農業の技術だけではなく経営の手腕が問われます。利益が出たときに適切な投資を怠ると農場の成績に影響しますし、無用に投資をすると短期間に経営に対する影響を与えます。経営者はどれぐらいの投資をし、どういった農場にしていくかという方針をきちんと打ち立てることが必要です。

また、特にエサは短期間に影響が出ます。コストだけを重視すると1月で肉質が悪くなってしまいます。一度評判を落とすとそれを取り返すのは大変です。
どれくらいのコストをかけ、どれくらいの肉質を求めるのか、それをきちんと方針として決めておくことがとても重要です。たまに、「とにかく低コストで、でもブランド豚を作りたい」と言われる方が見えますが、それは相反する要求で実現は厳しいです。とにかく安いエサでそれなりの豚肉を作るのか、それとも肉質を求めるのかめざすものをしっかりと決めることがとても重要です。

昔の農家はよい農産物さえ作ればよかったのですが、良くも悪くも今の農家は経営者としての資質が求められる時代になってきている、そんな気がします。

 

忙しい日々

1月は本当に忙しくてブログの更新もままなりませんでした。ちょっと疲れ気味です。

忙しかった理由の1つとして、業界団体である中央畜産会の発行している雑誌に寄稿する原稿を作成していた・・というのもあります。

こちらにアップされています。

エコフィードについての連載です。

これ、恐ろしいことに6回連載なのであと5回原稿を作らなければいけません。

しばらくは忙しい日々が続きそうです。