展示会出展と名刺

今日、明日と浜松市で行われているはままつメッセという展示会に出展しています。当社は飛び込み営業というものを原則行っていないので、展示会とホームページは重要な営業ツールとして位置づけています。

浜松のある静岡県西部地域は食品メーカーも多く当社からの距離も近いので重要な営業エリアです。ですが、今回の展示会は来客数も少なく、正直かなり暇です。様々な展示会に出展していますが、展示会によって驚くほど客数、客層が違います。当社のような業務形態ではやはり環境関連や農業関連の展示会の方がより効率的な出展となるように思います。
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展示会に出展していると、いろんなお客さんがブースにいらっしゃいます。その中で気になるのが身分を隠して来場する人です。だいたいの展示会では名刺などをホルダーに入れて首から提げるようになっているのですが、ホルダーに名刺を入れなかったり、ホルダーを上着の中に入れたりして隠していて、こちらから名刺交換をお願いしても「名刺は切らしている」と渡していただけなかったり。どんな業種ですか?とお聞きしても「まあ、その」みたいな返答。どういう仕事をしていて、どういう分野に興味があるのかを言わなければこちらも説明のしようがありません。

わざわざ展示会に足を運んで説明を聞くならば、名刺を渡さないまでもせめてどういった業種なのかを説明した方がより有意義な情報収集になるのではないかと思います。特に、当社の取り扱う商品やサービスは非常に特殊なので相手の業務内容がわからなければ的確な説明をすることができません。食品メーカと畜産農家では説明をする内容が全く異なります。

情報が氾濫している現代社会ですが、インターネットを含め逆に的確な情報を集めることが難しくなってきているように思います。情報のアンテナをたててどういう情報を集めることができるか、その能力が問われるようになってきているように思います。

あけましておめでとうございます。

遅ればせながらあけましておめでとうございます。
新年早々から多忙な日々を送っており、ブログ更新もままならない状態です。

一昨年度より、愛知中小企業家同友会という会に入っています。この会は中小企業の経営者の集まりです。経営の勉強を行うことを主眼として集まっています。

今月末に例会があり、私がパネラーを務めることになりました。というわけで、その準備が結構大変だったりします。

Photo今回の例会のテーマは「これからの農業経営を考える」というものです。
私が常々思うのは、日本の農家に一番かけているのは、「経営」という意識だと思います。農業も経営であり、事業を営んでいるのですがその意識が希薄な農家が多いように思います。

愛知の中小企業家同友会では農業部会、農業研究会という分科会があり、そこで農業の経営を勉強しています。ただよい農畜産物を作れば成り立っていた時代は終わっており、経営について真摯に向かい合わねば事業が継続できない時代になりつつあると思います。

最近農業経営が厳しさを増しており、農家の資金繰りも苦しくなってきています。ただ、この前から確実に利益をだしている何件かの農家とお話ししていると、「お金をきちんと支払う」という姿勢が一様に強いことにちょっと感銘を受けました。
農家は昔からの習慣でいろいろな支払を収穫時期にまとめて払うのは当然とか、支払の日をきちんと決めていないという事がよくあります。
しかしながら、一般的な商取引において支払が不確実というのは取引の継続性に影響が出る大きな問題です。きちんと支払を行うからこそ取引業者と毅然とした態度で交渉ができるわけです。支払が滞っていたら見積合わせもできなくなってしまいます。こういったところにも農家の経営に対するスタンスの甘さが露呈しているのだと思います。

今回の例会はそういった経営の様々な基本について学ぶ機会になるようにしていきたいと思います。個々の経営者が経営をしっかり勉強することが日本の農業や産業競争力の強化につながっていくのではないかと思います。

今年一年ありがとうございました。

大晦日ですが、今年は月曜日なので出勤をしています。そして、今日は決算日でした。
会計ソフトを改めて見ていると反省すべき点がたくさんあります。

売上はそれなりに進捗があったのですが、いろいろと投資がかさんだため当初目標としていた利益を確保することはあたわず。
設備投資がたくさん必要な業種ですので、どうしても投資がかさみます。投資が適正規模なのかいつも悩み、そしてぎりぎりまで投資していますのでお金が残らない(^_^)

 前にも書きましたが、基本的にものを創る事業というのは投資が大きいので脱サラして始めるのには向いていません。また、スケールメリットが求められますので、ある程度の投資規模が必要となってきます。昔は自動車メーカーもカメラメーカーもたくさんあったそうですが、いまからそういうメーカーを始めることはとても困難です。
向いていないのを無理矢理始めているので苦労しているわけです。

いわずもがな、事業規模に対しどれくらいの投資を行うかというのが経営者の判断です。そんな現在の投資規模はかなりぎりぎりだと思っているのですが、銀行の担当者はもっとお金を借りて投資をして下さいとのたまいますので、「そんなことを言ったら不良債権が増えますよ」と言ったら苦笑していました。

昨今はどこの銀行のディスクリージャーを見ても資金運用に苦労していることが伺えます。預金残高は増えているのに貸出残高が増えていません。新たな投資を行う会社が減っていますから貸出残高も増えないわけです。事業を始めて実感するのは投資回収をする難しさです。特に、ものを創る事業は投資額も大きく、その割に投資回収の効率が悪くなりがちです。そういう投資が大きい事業が減っているので当社のような小さな会社まで銀行が声をかける時代になっているわけです。当社ももう少し総資本利益率を改善しなければと反省をしています。

と言うご時世ですので、政府の経済対策で「金融緩和」と言われると、違和感を禁じ得ません。銀行にこれだけお金が余っているのに金融緩和しても景気がよくなるはずがないです。企業はお金を借りることができなかったり、金利が高いため事業が行えないわけではないのです。社会システムが高度に完成しているため、新しいビジネスを創出する余地が無い、それがポスト高度経済成長の現代社会だと思います。

というわけで、とても困難な道のりではありますが、私はものを創る事業を行っていることに誇りを持っています。士農工商ではありませんが、ものを創り出すと言うことは全ての産業の基本であります。また、もの創りというのはとてもおもしろいものです。特に、当社の事業は価値がないものから価値を創り出すという意味で「ものと価値を創る」二重のもの創りではないかと自負しています。

来年は今年以上に新しい価値を創造できることを目標にがんばりたいと思います。皆様よろしくお願い致します。

年末

年の瀬を迎えてリサイクル業界は一番忙しい時期を迎えております。
現場は現場で忙しいですが、私は新規営業であっちへ行ったりこっちへ行ったり。慌ただしい日々が続いており、ちょっと体力的に辛い感じです。

そんなときにストレス解消はやっぱり音楽。今日、ラジオを聞いていて久しぶりにおおっと思った一曲を。

是非ちゃんとしたスピーカーで聴いてみて下さい。

物質循環と食品リサイクル

ただいま北海道出張中です。北海道へ来て思うのが、やはりバイオマス、食料といった分野では北海道は抜きんでているということです。食料生産は広大な土地があって初めて成立しうるものなのだと改めて気づかされます。

北海道は食糧自給率100%以上あり、その中でも今回行った十勝はとくに地域での食糧自給率が非常に高い地域とのことです。カロリーベースの食糧自給率が高いということは物質の循環の観点から見ると大きな意味があります。

日本はトウモロコシを毎年1600万トン、大豆を300万トン輸入しています。食料を輸入している訳ですが、これは見方を変えると窒素、リン酸、加里などの肥料分と有機物を輸入しているということになります。
日本で使われている化成肥料由来の肥料成分と匹敵する量の肥料成分が輸入されている食物に含まれているのです。

例えば、輸入されている穀物からは60万トンの窒素成分が含まれています。これは使用されている化成肥料に含まれている窒素分とほぼ同等の量となります。つまり、家畜ふん尿を適切に利用すれば理論的には化成肥料の窒素は必要ないこととなるわけです。

逆に言うと、現時点では化成肥料がそれだけ使われているわけですから、輸入穀物由来の肥料分、すなわち家畜糞尿由来の分が過剰になっていると言うことです。日本全体としてみた場合、物質が輸入超過になっているわけです。

輸入超過になっている分はどこかで帳尻を合わせなければ行けません。そのため、排水処理を行い、窒素のなどの肥料成分=富栄養化の原因物質を除去しているわけです。極論を言えば、物質収支が取れていれば、つまり肥料成分での自給率が100%であれば排水処理は不要となる訳です。

食品リサイクルの意義とは、単に廃棄物のリサイクルという意義に留まらず、日本国内の物質収支を改善するという意味があります。輸入穀物の使用量が減ると言うことはそれだけ国内で物質循環が完結するということです。無論、家畜ふん尿を利用し国内で飼料生産を行なう事も同様の意義があります。
大量の輸入穀物に依存し、その結果として環境負荷の原因となる畜産は持続可能であるとは言えないと思います。

最初の話に戻りますが、十勝は食糧自給率が非常に高いということは、地域内循環を行うのに非常に適した環境にあるということです。逆に、適切に循環を行えば、家畜ふん尿の問題が発生しない地域でもあると言うことです。

物質収支のバランスをとるのは、まず農家レベルから始め、農家から地域、地域から地方、地方から国、国から世界全体の物質収支の釣り合いを目指していく必要があります。この、物質収支のバランスをとることが持続可能な世界の形成につながることに他なりません。

廃棄物のリサイクルは単なるゴミの処理に留まらず、人類の未来を構築する重要な鍵となるでしょう。と思ってがんばって事業を行っています。
とはいえ、零細企業たる当社を見ても人類の重要な鍵とは見えないとは思いますが(笑)

日本の未来とロストジェネレーション

もうすぐ選挙ですね。私は誰に投票すべきか、かなり迷っています。地元の選挙区は自民、民主、未来と勢揃いですが、どうも投票に値するような人はいないような気がしてなりません。

今回の選挙では景気対策が争点になってます。大学を96年に卒業して以来、景気がよかったという実感がないままずっと過ごしてきたので、「公共投資で景気対策」と言われると、非常に違和感があります。乗数効果がうんぬんとのたまう人たちがいますが、乗数効果が本当ならポストバブル時代にあれほどの公共投資をしてきたのですから、我々の世代はロストジェネレーションなどと言われなくてもすんだはずです。

公共投資の乗数効果とは、単に建築土木により建設関係に金がわたるだけではなく、インフラ整備などの効果により新たな経済価値を創出することに意義があります。たとえば、道路を作ることにより工場ができ、空港や港を整備することにより流通が盛んになり、用水を整備することにより農業が盛んになる、それが乗数効果というものです。

今のような社会情勢で道路を作っても、道路を作っている人に金が落ちるだけにとどまり、工場ができるなどそこから波及して経済が活性化していく度合い、つまり乗数効果が著しく落ちているわけです。

そもそも、現在の財政悪化の原因は社会保障費の増大によるものであるわけですから、政府支出は少なくとも国民に渡っているわけです。国民に渡った金が使われずに貯め込まれているので経済が好転しないわけで、社会保障費ではなく公共投資の形で国民に金を渡したらお金が使われるなんて事は有り得ない話です。

結局、政府の信用がないためどんな形でお金をばらまいてもみんな貯金として貯め込んでいるだけです。社会保障の信用が失墜しているから、信用をきちんと確立しない限りいくらお金を振りまいても銀行預金が増大するだけで、その預金が国債にまわるという笑えないループができるだけです。
 

企業経営をしていて思うのが、ビジョンを確立して将来像を描き、目標に向かって行程を作っていくことの重要性だと思います。50年後、100年後の国家未来像をうちたて、それに向かって戦略を立てていく、それが国家運営の基本であり、「脱官僚」「景気回復」なんてスローガンを打ち立てているのは戦略無き企業経営者が「見積数アップ」「今年度利益10%増」とか言って現場スタッフにパワハラしているようなもので、そんなことで企業体質が変わらないのと一緒で国家運営がうまくいくはずがありません。

企業でも、将来ビジョンがきちんと描けていないと従業員のモチベーションや定着率に影響します。日本の官僚は優秀ですが間違ったベクトルでその能力を発揮しているだけだと思っています。指針無き戦略が多すぎるので官僚が勝手にやってしまうのであり、将来像があれば官僚もきちんとした戦略を打ち立てていくことでしょう。
国民だって、国家像が確立できていないから将来が不安になっているわけです。

そもそも、今の選挙制度では選挙区に利益を誘導することが当選への近道である事が根本的な原因であり、またそういった政治家に投票する我々国民がこのような結果を招いている訳です。地元の選挙区でもダムを造る計画があります。国家の計画としてダムを造ることがどれくらいの意義があるのかを精査すべきところ、結局人の金(国の金)だから、作って欲しいという要望になってしまうわけです。今回の選挙公報を見ても残念ながら、国家ビジョン的なものには全くふれられておらず、「安心できる社会」「経済のたてなおし」そんなものばかり。ちょっとがっかりしてしまいますね。

ということをつらつらと書きつくっていたら誰に投票すべきかいよいよわからなくなってきました。明後日の投票日、投票箱の前で考えてしまうかもしれませんね・・。

母豚の栄養管理と繁殖成績

というわけで、また出張中にブログ更新です。来週は長期出張ですのでブログ更新がたくさんできるような予感 ^^;

この前、お客様の養豚農家のこまかなデータを見る機会があり、同じようなエサを使って同じような品種なのに、だいぶ(1頭あたりの)コストや(母豚1頭あたりの)出荷量が違うのに驚きました。養豚は本当にセンシティブで管理のちょっとした違いの積み重ねで成績が大きく変わってきます。

同じ品種でも母豚(「ぼとん」と読みます)あたりの出産頭数がかなり違ってくるのは、安定的に繁殖させる難しさの現れかと思います。

繁殖成績を左右するものに母豚の太り具合があります。太りすぎても痩せすぎてもうまく種がつかなかったり、流産が増えて繁殖成績が悪くなります。このため、妊娠中の母豚1頭ごとに超音波測定で皮下脂肪の厚さを測定し、それによりエサの給与量を変えたりします。太りすぎは禁物ですが、痩せすぎていても繁殖成績が悪化し、出産後の乳の出に影響があります。

今、人間でも若い人たちの不妊が増えていると聞きますが、今の若い女性は痩せすぎているのもその1つの原因かと思います。

また、母豚は日が短くなる秋には繁殖成績が悪化します。イノシシの繁殖期の本能が残っているからです。ので、豚舎では明かりを一定時間点灯してリズムが崩れないようにします。
人間も不規則な生活が続くと不妊の原因になっているのではないかと思います。

以前、西日本新聞に「豚にコンビニ弁当をやったら流産が増えた」という記事が載り、「コンビニ弁当は危険」「食品添加物により流産が増えた」なんていう情報となって広まっていますが、業界関係者からみるとこの記事はナンセンスです。

そもそも、栄養管理をてっていしなければいけない母豚に食品残さを給与することはほとんどありません。食品残さを使って養豚をしている農家でも、母豚と子豚は飼養管理が難しいので配合飼料を与えていることがほとんどです。特に過肥が問題となる母豚に明らかに高カロリーなコンビニ弁当を与えるなんて事は考えられません。

また、実際給与して流産が増えたとしても、おそらくコンビニ弁当の栄養バランスが原因です。食品リサイクル業から見るとコンビニ弁当は高カロリーかつ高脂肪すぎて扱いにくいです。そんなものを給与すると過肥になり、健康状態に影響が出ることは想定されます。おそらく、コンビニ弁当から添加物を抜いて与えても同じ結果になるでしょう。

食品リサイクル事業に従事し、さまざまな食品と接していると今の日本人の食生活で健康に影響を与えているのは、放射能でも添加物でもなく、栄養バランスの崩れです。少なくとも放射能も添加物も健康に影響があるというコンセンサスが得られているようなものは流通はしていません。(コンセンサスに反論する人はもちろん存在しますが)
ところが、栄養バランスの崩れに関しては「悪影響がある」というコンセンサスが得られています。コンセンサスの得られていないものより、コンセンサスが得られているものを軽視することはバランスを欠いた意見だと言わざる得ません。

飼料を取り扱つかい、食品残さを考えなしに給与してぶよぶよに太った豚を見たりすると、きちんと栄養バランスを考えて食事をすることの重要さを考えされられます。本当に食は健康の基本ですよね

ドラえもんとエネルギー代謝

相変わらず忙しい日々が続いています。ブログのネタが大量にたまっているのですが、他にもプレゼンの原稿を作らないといけない上に、業界紙の連載執筆依頼まで来ています。にっちもさっちもいかなくなっている今日この頃です。過去のブログの更新時間を見たらほとんど夜10時頃。この時間帯ぐらいしか時間がとれない証左の様な気がします。

不規則な生活がたたったのか、最近体脂肪率がじりじりと上がっています。40歳近くなって新陳代謝が低下してきているのも1つの原因なのは間違いありません。摂取カロリー>代謝カロリーが体脂肪率の蓄積となって現れているのだと思います。

一応、飼料を取り扱っているので、自分の食べるものの摂取カロリーと、栄養バランス(タンパク質、炭水化物、脂質のバランス)はそれなりに気にして計算しながら食事をしていますが、おそらく酒の分が余分なのではないかと推察されます ^^;

栄養計算をしていると人間は本当にいろいろなものを摂取してエネルギーに変えられることに感心します。もっとも、反芻動物は胃の中に飼っている微生物の力で人間では代謝できないセルロースなどの多糖類を分解吸収できるのでさらにすごいわけですが。

このエネルギーを吸収し体に必要な栄養素を合成していくプロセスが代謝なのですが、この代謝経路というものが非常に複雑かつ合理的にできていて感心します。

例えば、デンプンは消化管内に分泌された消化酵素でブドウ糖に変換され、それが吸収されます。ブドウ糖はTCA回路という代謝系でエネルギーに変換されます。

TCA回路について詳しく解説すると非常に長くなりますが、たくさんの酵素と反応系が複雑に絡み合って最終的にエネルギーになるわけです。大規模な化学プラントのような反応が体内で起きているのはすごいことだと思います。

生化学のすごさを人に説明するのに、ドラえもんの話をすることがあります。ドラえもんはどら焼きを食べて動きますが、現代の技術ではどら焼きをエネルギーに変えてパソコンに動かすことはできません。ガソリンやメタノールのようにエネルギー密度の高いものを利用して電力を生成しコンピューターを動かすことはできますが、どら焼きのようにエネルギー密度が低く、複合物質であるものを利用してエネルギーを生成することはまだまだできない訳です。メタン発酵などのプロセスを利用すればエネルギーは生成できますが、それとて生物の力に頼っているわけです。

技術進歩により生体についての理解や解析が深まっていますが、それでもまだまだ生物の神秘には遠く及ばない部分があると思います。それだけに勉強をしていくと無限の面白さがあるのが生物の世界だと思います。

私の取り扱っているのは「エコフィード」という1つの商品ではあるのですが、代謝系の話を抜きに取り扱うことはできません。それだけに、奥が深いものだとしみじみ思います。

ホームページセミナーと農家のSWOT分析

このところ本当に忙しい日々が続き、ブログの更新もままなりません。
忙しい理由の1つに、ホームページの大幅リニューアルを予定していてその準備をしているせいもあります。

実は当社はホームページからのお問い合わせでかなり受注を頂いております。柳の下のドジョウではないですが、ホームページをもっと強化すればもうすこし売上が増えないかなと期待してホームページの改訂を計画しました。そのためにはもっと勉強しようと思い、ホームページのセミナーも受講しました。ってやっていたら忙しくなったわけです。

ホームページのセミナーで最初に言われたのが、何を売りにするのかということです。ホームページのセミナーなのにSWOT分析をすることになるとは思いませんでした。ご存じの方が多いと思いますが、SWOT分析とはStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)を評価するというものです。

ホームページも漫然と作成するのではなく、自社の強みを把握し、顧客ターゲットを見据え、戦略を持って内容を構築していくことが重要だと言うことです。

と、このセミナーを受けていて農家の6次産業化のことが思い浮かびました。6次産業化がもてはやされ、農家が自ら商品開発したり、小売をしたり、といったことが増えてきています。ただ、これも「強み」、つまり農家が自ら商品開発や小売をする意義を考えなければ成功しません。

そもそも、農産物加工品や小売業務はすでに食品加工メーカーや食品スーパーで行われていることであります。これを農家がやったら成功するのか?食品加工メーカー以上の商品加工ができたり、スーパー以上の販売力があればいいのですが、そんなことはまずありません。

たとえば、養豚農家が肉の直売所を作ることが良くあります。町の肉屋さんがどんどんなくなっていくこのご時世に養豚農家が肉を売ることによりどれだけ肉屋との違いを出せるのか、そこが問題です。「農家がやること」の強みがなければ肉屋で買った方がマシと言うことになりかねません。とくに、肉は一旦と畜場でと殺して、そこから肉として商品化されるので農家と肉屋が同じ土俵に立つことになります。農家ならではの強みが出しにくいのは確かです。

思うに、農家が6次産業化をやる最大の強みは「規格にとらわれず商品化できる」ということです。どんな農産物でも規格外の商品の価格は非常にやすいものとなり、これが商品の価格の足をひっぱります。6次産業化でこう言った商品が有効に活用できれば、農業経営に大きく寄与することとなります。
残念ながら現時点では無闇に6次産業化に乗り出している農家がほとんど・・そんな気がしてなりません。

にしても、農家が6次産業化に取り組めば国内農業の活性化につながるなんて農水省の方針は甘すぎると思います。今まで販売なんて無縁だった農家がいきなりものが売れるほど商売の世界は簡単ではないです。
残念ながら農家の多くは商習慣に疎く、ビジネスの常識も持たないことが多いです。6次産業化の前に、「名刺の渡し方」「見積書の書き方」「電話の応対」なんかを学ぶことが重要ではないかと私は思います。電話の応対ができていない、というか電話にちゃんと出てくれない農家がけっこう多かったりするんですよね~。

エコフィードと刑務所の食事

今日まで4日間ポートメッセ名古屋で行われた展示会「メッセナゴヤ」出展でした。
展示会に出展していると必ず聞かれるのが、「コンビニ弁当とかレストランの残飯はリサイクルしていないのですか」という質問です。
当社は現時点でこう言ったものはリサイクル原料として受け入れていません。

受け入れしない理由はいくつかあります。

1.許可の問題

 

コンビニなどから廃棄される食品は「一般廃棄物」に分類されます。
当社は今年の春一般廃棄物処分の許可を得ましたが、それまでは許可がなかったため受入できませんでした。

 

2.分別の問題

 

コンビニ弁当など容器入りの食品は容器との分別が難しいです。当社には分別する機械があり、包装入りのお菓子などはきれいに分別できますがコンビニ弁当は分別することが難しいです。特に、飼料にする際にはプラスチックが混入すると問題になります。手作業で分けることは可能ですが、コストがかかりすぎます。

3.コストの問題

 

食品廃棄物を排出する事業者の方は「リサイクルを推進したい」と言われますが、それには条件があります。「コストアップしないこと」です。
一般廃棄物は通常は市町村の処理施設で焼却処理します。豊川市の一般廃棄物処理単価は1kg12円です。当社が処理を行う場合、この単価以下で処理をする必要がありますが、上記に述べたように分別が必要なものですとコストがかかりこの価格で行なう事は難しいです。

4.成分の問題

一般廃棄物処分業の許可は飼料化施設で取得しています。飼料化の原料としてみた場合、コンビニ弁当やレストランの残飯は油脂が多すぎます。油分が多いため豚に給与すると肉質に悪影響が出ます。

 

いろいろ食品廃棄物を見ていると、現代日本人がいかに高脂肪、高カロリーな食品を摂取しているかがわかります。一般廃棄物を受け入れしている乾燥処理プラントを見学するとだいたい最後の工程で機械を使って油を搾っているのですが、油が大量に出てくるのを見るとちょっとぞっとしますね。

というわけで、一般廃棄物、とりわけ食べ残し系はあまり受入ができないのですが、そんななかで比較的内容が良好な一般廃棄物があります。刑務所と学校給食、病院食の残飯です。どれもキチンと栄養計算されているのは伊達ではなく、残飯も比較的ヘルシーです。分別も比較的されているのでリサイクルしやすいです。

ところが、これらの事業所は食品リサイクル法の適用外になっています。このため、食品リサイクルを行う意識が非常に低いのが現状です。結局営業に行っても、「安くなるなら」で終わってしまいます・・。

当社もできるだけ低コストなリサイクルを目指していますが、税金が大量に補填されている市町村の焼却と価格競争するのはいろいろと大変です。市町村の焼却単価の問題は食品リサイクル行政の一番の矛盾点と言えるかとおもいます。