フランス料理を食べながら

今日はひさしぶりにフレンチを食べに、お客様でもあるホテルアークリッシュのメインダイニングkeiに行って来ました。

前菜は旬の柿を使ったもの。柿はベルファーム鈴木さんのところの早秋です。 

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ホテルの生ゴミはこちらの柿畑で堆肥として使われています。

メインディッシュはもちろんお客様であるトヨタファームの三州豚です。

 

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ホテルのパンは当社で加工されてこの豚肉を育てる飼料として利用されています。

と言うわけで、いろいろとお付き合いのある食材を美味しくいただいてきました。
美味しいものを食べる機会がたくさんある仕事って役得ですね ^^;

地元の展示会

金曜日、土曜日と地元の信用金庫の展示会でした。ご来場頂いた方、ありがとうございますm(__)m

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ここ4年ぐらいずっと出展しています。正直言ってあまり来場者数は多くないのですが、最近は知り合いが多くなった事もあり、たいくつせずに2日間過ごすことができました。思えば東三河に出てきて6年、最初は誰一人知り合いがいなかったので、その頃を思うと非常に人脈も広がりました。

この展示会、実はここ何年か成果が十分に得られていませんが、地元の方に知って頂く事も大事かと思い参加しています。

当社の経営理念は

社会貢献  技術力、総合力を基に、資源循環により環境保全と地域社会に貢献する

誠心誠意  お客様、従業員、取引先、株主、家族、関わるすべての人に対し誠実・喜ばれる存在となる

革新創造  常に変革を続け、時代と社会の要請に応える

というものです。地域社会に貢献することが第一義ですので、地域密着型の展示会には今後も継続的に参加したいと思います。

農家のビジネス

今日まで3日間近畿方面を出張で廻っていました。毎日6~8時間ぐらい運転していたので流石に腰がちょっと痛いです。

水曜日は京都で行われた野生牛肉を食べる会に参加してきました。
北海道で放牧で草だけで育てられたアンガス牛を食べるイベントです。

イベントと野生牛肉については今回主催された新保さんのブログにくわしくありますのでこちらをご覧ください。

業界の人は誰でも知っていることですが、黒毛和牛というのは主に輸入トウモロコシを主体とした穀物を多給することによってあのようなサシの入った肉が作られています。サシが入った肉自体の価値を否定するわけではありませんが、穀物価格が高騰している現代において果たして穀物を多給することがいいことなのか、また「和牛」なのに輸入飼料に依存した体系でいいのかという疑問はあります。

また、個人的には赤身肉の方が好きということもあり、今回のイベントに参加しました。

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食べてみると、しっかりとした味わいですが同じように草を食べて育てられたオージービーフ程の草の香りはしませんでした。(最近はオージービーフも穀物肥育のものが多いですが)

肉質的には私の好みではありますが、やはり少し固いので一般的な消費者には受けが悪いと思います。レストランなどでこう言ったタイプの肉が欲しいところには向いているのではないでしょうか。

ただ、厳しいことを言うと商売的にはかなり難しいかなと思いました。
上記ブログには生産者の西川さんの手紙が掲載されています。非常にご苦労されている様子がうかがえますが、販売という面からみるとプロダクトアウトな部分が目立つように思います。
いくら良い商品を作っても消費者のニーズと乖離していれば値段はつきません。現代社会はニーズの多様化がすすんでいるのでニッチなマーケットにターゲットを絞ればニーズとのマッチングは可能ではありますが、そのためには商品の魅力や特徴を消費者に伝達する必要があります。特にストーリー性などに特徴がある場合はそれを知らしめることがとても重要です。

当たり前ですが、特徴がある商品を作りそれを消費者に伝達していくより、一般的な規格の商品をつくって市場出荷する方が手堅いことは間違いありません。

手紙を読む限り、いままでそういった商品の販売に対しての努力があまり感じられないように思われました。もっとも、世間のほとんどの農家が商品のPRなどを行っているとは言い難いのは確かですし、ニーズを無視した商品の開発や品種の選定などはよくある光景です。

これからは農家も売る事を考えながら商品を作るという当たり前のことをできるようにならなければいけないのかも・・と肉を味わいワインをしこたま飲みながら考えていました(^_^)

工場移転工事

忙しさにかまけてすっかり更新を怠ってしまいました。
忙しかったのは会社の移転があったためです。当社は今月全面移転を行いました。
古い工場をすっかり引き払い設備をすべて移動させたのですが、思っていた以上に大事でした。

仕事の性格上、業務を止められないため稼働をさせながら移動させたのですが、まずそれが一苦労でした。移転工事に使える期間が短く、大変でした。

しかし、大変だった一番の理由は工事をかなり自分で行ったことです。新工場の床のペンキ塗りから始まり、堆肥ピットの据付、旧工場の片付けや修理などを行いました。
通常の業務もあったので8月は本当に忙しく、結局休みなしで働いていました。おかげで体脂肪率が結構下がりました。

自分で工事をするのは効率的でないと指摘されることもありますが、コスト低減という意味だけではなく、特に新しい設備などの場合自分で工事を行うことにより構造や仕組みがよく理解できることは大きなメリットだと思います。


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また、1回やってみることにより、次回業者に委託するとしても金額や内容が適正かどうかがよく理解できるというメリットもあります。

 

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ただ、本質的でないところで自分で工事をするのはあまりメリットはないと思われます。
例えばOAフロアとタイルカーペットを一生懸命自分で施工したのですが、忙しい中そんなことはやるべきでなかったと反省しています。仕上がり自体はかなり良かったのですが ^^;

今回の移転工事ではちょっとしたハプニングもありました。現場で鉄板を置いているときに指をはさんで骨折をしてしまいました。

 


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1週間経っても痛いと思ったら、しっかり折れてしました。ばっちり労災です。

そんなこんなで今年は大変な夏でした。なにはともあれ無事移転ができホットしています。

日本で畜産を行うという意味

梅雨がそうそうに明けて暑い日が続いていると思ったら、一転してすっきりしない天気となっています。そんな中、北海道へ出張に来ています。

北海道へ来るといかにもな景色が広がっており、陳腐な表現ですが見渡す限りの畑や雄大な景色に圧倒されます。
また、草を食む牛や牧草のロールを見ると、畜産が盛んな地域であることを改めて感じます。農業に関連するビジネスを行っているならば、北海道は欠かすことができない地域であると感じます。

ですが、実はここ愛知県も農業がさかんな地域です。農林水産統計によると、愛知県の農業出荷額は全国6位です。愛知県の農業の特徴はすべての農業がまんべんなく盛んなこと。花卉出荷額は全国一位ですが、米も野菜も畜産も全国上位の生産額です。

そのなかで、乳牛の生産額も全国6位です。大消費地の近郊と年間通じて温暖な気候を背景に酪農も盛んな地域です。

乳牛を飼育するためにはたくさんの牧草が必要です。ところが都市近郊であるが故、愛知県は牧草地を確保することが難しいです。とくに当社がある東三河では大規模な農家が多いこともあり、粗飼料の生産を行っていないケースが多くあります。

ちょっと古いデータですが、2001年に愛知県農業総合試験場が愛知県の牧草(粗飼料)生産のついて調査を行った報告があります。
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010642075.pdf

これをみると、2001年時点で粗飼料をまったく生産していない農家が41%、1ha以下の農家が15%であわせて56%の農家がほぼ粗飼料生産を行っていないという結果が出ています。

それから10年以上経ち、さらに粗飼料生産は減っていると思われます。おそらく東三河では粗飼料を生産している農家は1~2割ではないかというのが当社の実感です。

粗飼料を生産していないということは、購入した粗飼料を使用するということです。東三河では主にアメリカやカナダから輸入された粗飼料が使用されています。この仕事を始めた頃、豊橋港の倉庫に大量の牧草がストックされているのを見て衝撃を受けたことを覚えています。
大規模な農家になると40フィートの海上コンテナで購入するケースも多くあります。

粗飼料を自給すると天候や技術により品質が安定せず、結果として乳量に影響が出てきます。(雨が多い日本では牧草の品質が安定しにくいです)飼料を購入すると品質が高いものが選べます。

実は愛知県は飼料の価格が全国的に見ても安い地域です。名古屋港という全国有数の貿易港が近いこともあり、輸入粗飼料も安く供給されてきました。
このため、愛知県の酪農は「大規模な農家が安価な輸入飼料を使用し、乳量をたくさん出させる」というスタイルが主流となっています。
これまではこういうやり方をしたほうが経営的にはよかったことは事実です。

しかし、昨今の穀物価格の上昇は配合飼料だけではなく、粗飼料の価格にも影響を与えています。トウモロコシや小麦の価格が上昇すると、アメリカやカナダの農家は牧草を生産するのをやめて穀物を生産するようになります。供給がへった結果牧草の価格が上がっているのです。

海外からの購入資材に依存すると言うことは、グローバリゼーションの流れに身を置くと言うことです。本来は地域の天候などが主な経営の影響要因だった農業が、世界情勢によって経営が左右されるようになってしまうわけです。不安定化が増している世界情勢に一介の農業生産者が振り回されるのはリスクがとても大きいです。
石油ショック後の数十年は海外の資源が安定して入手できる時代が続いていました。しかし、人口が増大している今、輸入資源に依存するやり方は見直すべき情勢になってきています。

資源高という背景のもとでは購入資材を使い付加価値率が低い農産物を大量に生産するのではなく、高い付加価値率で少量生産を行っていくことが重要になってくると思います。従来の経営手法を見直していくことが日本の畜産が生き残れるかの分かれ道ではないかと思います。

ワタミはブラック企業なのか

参議院選挙が近づいてきました。だれがなっても同じという諦観が蔓延しているようですが、、選挙に行くことが何より重要だと思います。

さて、今回話題になっている候補者の一人がワタミ会長の渡邉氏です。世間ではブラック企業の筆頭のように言われているワタミですが、同じ創業者から見て少し分析してみたいと思います。

さまざまな情報をみると、渡邉氏は従業員に対しとにかく全力で休み無く仕事をすることを求めているようです。このあたりがブラックとよばれるゆえんかと思われますが、その背景にあるのが自身がひたすら働いて会社を大きくしてきたその経験があるのではないかと思います。佐川急便で1年間ひたすら働いて300万円貯めて創業資金とした話は有名ですが、創業者というのは多かれ少なかれがむしゃらに働くものですし、休みなしで働く事は普通です。
私もサラリーマン時代は休日出勤がとてもイヤでしたが、創業してからは休日働くことはまったく苦にならなくなりました。

ただ、創業者と同じようながんばりを従業員まで求めるのは酷だと思います。社長、特に創業者と従業員は同じメンタルにはなり得ませんので。佐川急便で働いたとはいえ、それは創業の一部のようなものでしょうから一般的な雇われ人をしていない渡邉氏にはそういう従業員の意識があまりわからないのではないかと思います。

ところで、渡邉氏はワタミの離職率が低いことなどを理由にブラック企業批判に反論しています。
http://www.watanabemiki.net/journal/post-475.html

また、本当にブラック企業ならここまで成長できないという趣旨の発言も行っています。確かに従業員を酷使して使い捨てる中小企業はそれほど珍しくなく、そういう会社は成長できません。ワタミが大きくなれたのは単なるブラック企業ではない要素があるのは確かです。

私の友人がワタミ関連会社に勤めていた経験があるのですが、曰く渡邉氏はカリスマ的な雰囲気があるとのことです。渡邉会長を信奉している従業員も多く、従業員大会では熱狂的な雰囲気があると聞きます。

そういう状況を見ると、ワタミという会社は一種の宗教組織的な要素があるのではないかと推察されます。渡邉氏という「教祖」の教えがあり、教義にしたがって滅私奉公的に会社に尽くすのですが、信奉している人にとってはつらさがないのではないかと思います。しかし、その宗教に帰依できないまま会社に所属してしまうと辛い思いをすることになる・・・そんな構造ではないでしょうか。

そういうことを書いていて、オウム真理教がやっていたパソコンショップ、マハポーシャを思い出しました。大須にも店舗があったのですが、信者が無報酬で組立していたので、安かったです。

 

カリスマ的人格で従業員を鼓舞して従業員が死にものぐるいでがんばる、そういう経営スタイルはある意味会社経営としては非常に優れた形かもしれません。ただ、属人的な経営はその人がいなくなってしまうと終わりです。アップルにおけるジョブスのようなものです。
また、果たしてそういうスタイルが普遍的な組織運営のスタイルとして成立するものなのか、国家運営に馴染むものなのかというのは考えてみる必要があると思います。

ただ、私は常々国会議員には民間企業の経営経験がある人がもっと増えるべきだと思っています。いまの国政の混乱(特に民主党に関して)は、組織マネージメントの経験不足がかなりの原因だと思います。そういう意味で組織運営のスキルの高い民間企業経営者が国会に増えて欲しいと思っています。

今回の選挙ではおそらく渡邉氏は当選することと思います。当選のあかつきには国民が滅私奉公するような社会になることだけは避けてほしいものです。

施肥量と窒素含量

久々の更新になってしまいました。連載を抱えているとなかなかブログに手が回りません。
今日は久々に肥料の話を書こうかと思います。

大学は農学部の農学科で、肥料の研究室でした。普通、土壌肥料の研究室というのは農芸化学科にあることが多いのですが、所属していた研究室は耕地利用学研究室という研究室で農学科的なアプローチで土壌肥料に関わっていました。

農学部全体としては生物化学という分野となりますので農学と農芸化学に明確な線引きがあるわけではなく、それぞれオーバーラップしている分野があります。その中での違いを端的に言うと、農学は生物学的な手法が中心となり、農芸化学は化学的な手法が中心であると言うことです。

そんな耕地利用学研究室での実験は肥料の効き方を調べるという物でした。以前も少し書きましたが、さまざまな肥料を使用して栽培し、それがどれくらい植物体に吸収されるかを調べていくという物です。

そんな実験を行っていくと、肥料の違いによって肥料の効き方に差がでて、そして肥料の効き方によって植物の色がびっくりするぐらい変わるのに驚きました。窒素肥料は植物体の緑色に顕著な影響を与えます。植物の緑色は葉緑体に含まれる葉緑素の色です。葉緑素の分子には窒素が含まれていますので、窒素がすくないと葉緑素の合成が進まず、色が薄くなるわけです。

ちなみに、葉っぱの色を計る葉色計という機械があります。
http://www.konicaminolta.jp/instruments/products/color/chlorophyll/

これで色をデータ化することにより、施肥の状態が適切かがわかるわけです。

学生の時の実験では葉っぱの窒素含量を実際に分析するのですが、色が薄い物はちゃんと窒素濃度が低くなっているのにいたく感心したおぼえがあります。

窒素の量が減ると葉緑体が減少するだけではなく、植物体に含まれているアミノ酸量も減ります。つまり、旨味が減ってしまうわけです。お茶の旨味はテアニンというアミノ酸だと言われています。このため、お茶は旨味を出すために多量の窒素肥料を施肥します。

また、トマトの旨味もグルタミン酸ですので、これも窒素化合物です。

最近は飼料取り扱っているのでよく成分分析を行い、タンパク含量を調べます。改めてお茶の窒素含量が高いことに驚かされます。食品成分表によるとお茶のタンパク質含量は30%近くあり、これはおからより高い値です。
最近、輸入トウモロコシの高騰により、配合飼料の原料トウモロコシがアメリカ産から他産地にシフトしていますが、産地が変わるとタンパク質含量が大きく変わるため配合飼料メーカーは苦労していると聞きます。

肥料というのは植物の生理に大きく影響を与えることに改めて気づかされます。

環境展に出展しています

昨日から東京ビッグサイトで行われている環境展に出展しています。

「環境展」というと、環境全般にわたる展示会のような感じですが、実際は廃棄物関連の業界向け展示会です。来場者も廃棄物関連の人たちが多いです。→データ

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一緒にいるのはイベントスタッフとアルバイトさんです。

ただ、まれに当社の顧客ターゲットである食品メーカーの方や、養豚農家の方も来場されるのでそこをターゲットとしています。こういうお客様には↑の写真にある「エコフィードあります」ののぼりが強力に集客効果を発揮しているように思います。

また、同業もブースに立ち寄られることも多いですが、当社は基本的に同業であっても仕事の融通をお互いにするなど友好的な関係が多いので来場歓迎です。機械メーカーも仕事をお願いすることもあるかと思い、積極的に話を聞いています。

というわけで、あらゆるお客様に熱心に対応していると非常に疲れます。
何分貧乏性なので、ブース代回収しなければとがつがつとしています。

あと2日がんばりたいと思います。

夕飯のカロリー

ゴールデンウィークもすっかり終わりですが、皆様いかがお過ごしですか。
当社は年中週休二日、祝日は完全出勤という勤務体系です。というわけで、連休は土日のみのお休みでした。
普段は土日も出勤したり家で仕事をしたりすることが多いのですが、今週末は久しぶりにのんびりと過ごしました。

というわけで?週末の夕食を披露します。

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ホタルイカの酢味噌和え。酢味噌は家で作ります。

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春大根と豚肉の煮物

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菜園で取れたてのソラマメ

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そしてビール。上面発酵。

その他にご飯と味噌汁です。というわけで、春を満喫しました。

仕事柄豚肉を食べる機会が多いですが、魚もイカも貝も好きです。普段摂取カロリーが多めになるので、肉を食べない日はカロリーが比較的少なくタンパク質含量が多いイカ、貝は意図して食べるようにしています。、、って言うと、うっとうしい奴と言われてしまいがちですが ^^;
要は高カロリーでなくてもおいしい物はたくさんあると言うことです。この夕飯で800kcalぐらいかな。

 

 

ソラマメから考える無農薬栽培と食料生産

肥料の実験と趣味を兼ねてソラマメを栽培しています。昨年は冬のうちからアブラムシが大量発生し、春になったときにはすっかり株が弱ってまともに収穫できませんでした。

今年度は昨年の反省を生かし、いろいろと試験をしてみました。

まず、移植を行うと植え傷みがおきて初期生育に響くようなので、直播としました。ソラマメの種子は結構高いので余分に播種する直播は割高感がありますが、やむを得ずです。

温暖な東三河ですが、一番寒い時期には氷点下2℃ぐらいまで下がります。霜にやられるとその後の生育に響くようなので、霜よけとして寒冷紗をかけました。
寒冷紗は播種したあと発芽前にかけてありますので、アブラムシよけにもなります。

また、バンカープランツとして大麦を混播しました。大麦にはムギクビレアブラムシというアブラムシが発生します。ムギクビレアブラムシは麦類にしかつきませんが、これが増えると天敵であるヒラタアブやテントウムシが発生します。天敵を貯めておくからバンカー(銀行)という訳です。ソラマメにはマメアブラムシやソラマメヒゲナガアブラムシが発生しますが、これは麦にはつきませんので麦を植えてもソラマメにつくアブラムシが増えることはないのです。

春先に見たら大麦にみっちりとアブラムシがついていましたが、1ヶ月後には全く姿が見えなくなっていました。それだけ天敵が増えたと言うことです。今はソラマメに多少アブラムシがついていますが、この分で行くと大きな被害無く収まりそうです。

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ソラマメが増えるかどうかは環境にも依存しているような気がします。現在の畑はまわりにカラスノエンドウなどのマメ科雑草がたくさん生えており、これが悪さをしているように思います。以前、実家(長久手)の近くの畑でソラマメを作ったときはほとんどアブラムシが発生しませんでした。

というわけで、無農薬でソラマメを栽培してみたのですが、(東三河で無農薬栽培するには)けっこうな手間がかかります。家庭菜園レベルでは採算度外視でも大丈夫ですが、商業ベースでこれができるかというと疑問です。

私はもちろん農薬は少ないにこしたことは無いと思いますし、日本の農薬使用量は多すぎると思います。ただ、無農薬栽培は簡単ではないとも思いますし、できたとしても非常にコストがかかるのは事実です。現代日本では食品の価格が非常に安価になっており、無農薬栽培によるコストアップも許容できる社会環境となっています。でも、世界では多くの人が飢えています。飢えというのは食料生産の問題ではなく、貧富の問題です。日本は豊かなので食糧自給率40%であっても飢えることがないのです。

農薬を使用することにより、安価で安定した食料生産が可能となっています。享保の大飢饉では虫害により西日本の収量は平年の27%に過ぎなかったと伝えられています。
参照:ウキペディア
農薬と化学肥料が70億の人口を支えている訳であり、それを無視した無農薬栽培は金持ちの道楽のような気がしてならないです。

これから世界の食糧事情が悪化し、国内の財政が逼迫して貿易赤字が増大している中、札束で世界中の食品を買い集めるようなことがいつまでもできるとは思えません。農業とは食料生産であり、生命維持に必要な行為であるという基本をわすれてはならないと思います。