思うところがありブラウザを10年近く使用していたOperaからChromeに変えて戸惑っている今日この頃です。Chrome、軽くていいのですが細かい部分はOperaが上かなと思うところがあります。でも、Operaはどうも表示できないページが多いのが不満で・・。なかなか難しいものです。
昨日は三河トコ豚極め隊の活動の一環で生ハムの試作を行いました。出来上がるまでは1年間。試行錯誤の部分が多いので自信がありませんが、うまくいくと嬉しいですね。
ところで、生ハムを作るのにはちょっと隠された意味があります。もちろん商品開発を行いPRをしていくのが一番の目的なのですが、もう一つの目的はもも肉の消費です。
育てた豚をと場に出荷したときには相場に応じた価格で取引されます。今は非常に豚肉の枝肉価格が下がっているので、格付けで一番よいものでも350円/kg程度です。枝肉はだいたい75kg前後ですので、生産者は1頭出荷すると25000円程度の手取りがあるわけです。
枝肉は75kg程度ですが、これは骨がついた状態です。骨やよぶんな脂身を取り除くと、だいたい50kg強となります。50kgで25000円ということは、1kg500円という計算になります。皆さんがスーパーで買い求められる豚肉は100円~250円/100gですので、1kg当たりにすると1000円~2500円ということになります。つまり、枝肉価格に比べるとかなり高いことがわかります。
なぜそんなに価格差があるのかというと、高い部位と安い部位があり、また売れない部位も出てくるからです。今、豚肉で一番人気がある部位はバラです。ところがバラは1頭から取れる量が限られています。逆に、ももや肩はあまり人気がないので、どうしても余りがちになりミンチなどにして安く販売する必要があります。安値でしか売れない部位があるため、枝肉価格と精肉価格に差が出てしまうわけです。
というわけで、生ハムは、不人気部位が高付加価値となる可能性を秘めているわけです。部位の販売量のバラツキの調整ができる訳です。
もっとも、三河トコ豚極め隊事務局の私が生ハムに目がないから作っているという面もあったりします。生ハムとワイン、想像しただけで楽しみですね[E:pig]
展示会つづき
今週はちょっと忙しかったです。金、土、日と展示会続きでした。ちょっと眠いです。
昔は8時間睡眠とらないと耐えられない人でしたが、最近は6時間睡眠でも平気になりました。でも、さっき行きつけのほしの珈琲へ行ってマスターと話していたら1日の睡眠時間平均4時間って聞いて驚愕しました。自分はまだまだ寝過ぎなのかな~。
金曜日の展示会はポートメッセ名古屋で行われたしんきんビジネス交流会というものです。東海地区の信金顧客の中小企業による展示会です。完全にBtoBに絞った展示会のなので来客の客層がよくいい展示会でした。当社、堆肥を一般消費者にも販売していますが、原料の仕入、飼料肥料の販売ともほとんどが業務向けなので一般消費者が多い展示会だとちょっと・・・。
展示会もいろいろ出しましたが、当たり前ですが展示会によって客層も全く違いますし集客もかなり違います。今後は効果を見極めて出展しようと思います。
土壌肥料と物質循環
昨日はベジモ主催の有機農業カルチャースクールで講師をしてきました。今回のテーマはずばり「肥料について」です。でも、「キャベツには肥料を何kgやる」と言う話ではなく、施肥設計と物質循環について話をしてきました。
物質循環というのは、広義には地球上で元素が循環していく状況ですが、土壌肥料的には耕地における元素の循環を示しています。
たとえば、耕地には施肥、用水、空気などからさまざまな窒素化合物が供給されています。空気中の窒素は窒素固定能がある藍藻やマメ科植物によって耕地に供給され、用水からは硝酸態窒素やアンモニア態窒素が供給されます。供給された窒素は作物に吸収され、利用されなかった窒素は流出したり耕地に蓄積したりします。こういった一連の流れを物質循環といい、土壌肥料の分野ではこの収支をよく調査します。収支というのは、供給された窒素がどれくらい作物に吸収されているかということです。
愛知県施肥基準より抜粋
施肥するということは、外部に持ち出した元素を補給するというプロセスです。必要な施肥量は土壌や環境によって大きく変わりますので、具体的な数値よりも考え方が重要かと思ってこういう話をしましたが、ちょっと難しかったかもしれません。
最近はわかりやすさが求められる時代、「キャベツには牛ふん反あたり○○トン」って言う話の方が受けが良かったかもしれないですね。でも、考え方が理解できていなければ応用もできません。意外に長くやっている農家でも基本的な施肥設計ができていないケースをよく見ますので、カルチャースクールの生徒さんはそうならないようにして欲しい・・という思いで話をしました。思いだけでも伝わっているといいのですが・・。
西三河豚友会での講演
今日は朝から大失敗。お客さんとのアポをすっかり忘れていてドタキャンしてしまいました。10年くらい前、サラリーマン時代にも同じようなことがあったことを思い出しました。深く反省しています。申し訳ありませんでした、KSさんm(__)m
昼からは西三河豚友会という集まりで飼料と豚肉の脂肪酸組成についての講演を行いました。1時間半しゃべり続けたのでかなり疲れました。講演を頻繁にやっている人、本当にエライと思います。私はたまにある講演ですっかりグロッキーです。大学講師とかなれそうにないですね。
今日の講演では飼料が豚肉の脂肪酸組成に与える影響について解説を行いました。以前にも書きましたが、豚肉は飼料によって脂肪酸組成が大きく変わります。ちょっと飼料の組成がかわると大きな影響があります。今回は、西三河豚友会会員全員が脂肪酸組成を分析して比較を行ったのですが、その解説を行いました。
脂肪酸とは何か・・と言う話を最初に30分ぐらいしていたのですが、予想通り豚屋さんは結構寝ていました(^_^) やっぱりちょっと話が難しかったかもと反省しています。高校化学レベルの話だったのですが・・。でも、資料を作っていて高校生の家庭教師をしていた頃を思い出しました。資料を作るのは正直かなりしんどかったですが。
嬉しかったのは、知り合いの豚屋さんから、「今度うちに来て餌の配合見てよ」と言われたことです。飼料を取り扱い始めて4年、頼られるような存在になれたことは身に余る光栄です。
美味しい豚肉を作るのに貢献して愛知県の農業発展に微力ながら寄与できたらと願っています。
農業とITリテラシー
男もすなる日記といふものを・・ではありませんが、最近Twitterに加えてフェイスブックも始めました。フェイスブックはさすがに良くできていますね。ただ、思ったより知り合いがいません。もともと友人が少ない[E:sweat02]というのもありますが、知り合いがアカウントを持っていないと言うケースも多いようです。以前にも書きましたが、廃棄物業界に限らず中小企業はITリテラシーが低い企業が多いと思います。もっとうまく活用できれば様々な効果を生むのにと思います。
中小企業だけではなく、農家でもIT化が遅れています。ただ、私は植物工場みたいなのには少々懐疑的な立場です。センシングと制御も無駄ではないですが、それ以前の問題で農家の場合データの記録と収支管理ができていないケースが多いです。
たとえば、農家の多くは複数の圃場を持っていますが、それぞれの圃場毎の収支を取っているケースはまれです。それぞれの圃場での反収、施肥量、農薬使用量、売上等々を管理していくことは次年度の改善につながります。農業の一番難しいところは(作物によっては)1年に一回しか収穫できません。その一回のデータを次に繋げていくことが重要ですので、きちんと比較を行っていくことが大事です。
当社も肥料を販売していますが、なかなか使用してもらうまでには時間がかかります。一畝でも試験をしてもらえばどれくらいの効果があるかわかるのですが、そういった試験をしてもらうことが難しいです。いきなり1反施肥して、効果がよくわからないからと2年目がない・・そんなことがよくあります。試験をするときは対照区をきちんと置くことが重要です。
普及員の人も営農指導として「試験の仕方」「データ整理の仕方」みたいなことを実施した方がいいのではないかと思う今日この頃です。
全国食品リサイクル登録再生利用事業者事務連絡会の総会
今日は東京で行われた全国食品リサイクル登録再生利用事業者事務連絡会の総会に出席してきました。ただいま帰りの新幹線でうだうだしています。指定席ですが混雑していてなんか落ち着かない雰囲気ですね。
総会では多くの方と名刺交換することができました。始めてお会いした方に「ブログいつも読んでいます」って言われると嬉しいですね。
食品リサイクルを営んでいる事業者はたくさんありますが、私が残念なのはともすれば「食品をリサイクルして新たな価値を生み出す」ことよりも「処理を行う」ことに重きを置く会社が多いことです。いまはそれでもいいかもしれません。でも、長期的に見るとこれからは人口が高騰し資源が不足することはまちがいありません。そういった時代においてはリサイクルによってしっかりとした商品を作ることが求められますし、そうでなければ競争に勝ち残っていくことができないと思います。
最近、ちょっと驚くことがありました。会社のホームページなどを見て中国へ商品を輸出している商社の中国人などから「肥料を買いたい」という問い合わせが何回かありました。それ自体は良いのですが、どこも希望価格はほとんどただで、しかもビニール袋に詰めて海上コンテナに入れる条件を提示してきました。ビニール袋もそれなりの値段しますので、実質逆有償で提供することを求めているわけです。
話を聞いていると、どうもほかの食品リサイクル業者から同様の条件で取引をしているようです。おそらく低品質な肥料を作って販売先がないため、このような条件でも取引をしているものと思われます。そんなビジネスをしていていいのだろうかとはなはだ疑問です。
全国食品リサイクル登録再生利用事業者事務連絡会の参加企業ではこのようなことがないと思いますし、無いようにしていく必要があると思います。そういう団体であってほしいですね。
大根の種の自家採種
今日は実家の近くで借りている実験圃場(貸し農園)へ行ってきました。ブロッコリー、コールラビの定植と、春菊の種播きです。
ブロッコリーほかは寒冷紗をかけています。無農薬でこの時期定植するとあっという間に虫に食べられて何も残りませんので、寒冷紗は必須です。
今日は大根の間引きをしました。その時に驚きの発見がありました。今回、大根は聖護院大根を播きました。いや、聖護院大根を播いたつもりだったのですが、間引きしてみるとびっくり、聖護院大根じゃない大根になっていました。
実は、今回の種は自家採種したものを使っています。大根などのアブラナ科は自家採種すると交雑しやすくて難しいと言う話は聞いていたのですが、まあものは試しにと自家採取してみた所ものの見事に交雑しています。あまりに見事なので逆に感心しました。
写真を見てもらうとわかるように、全く聖護院大根でなくなっているだけではなく、3本それぞれが違う形をしています。特徴的なのは、どれもちゃんと大根だと言うことです。葉っぱもみんな大根の形をしていますので、どうも交雑するのは大根同士のようですね。貸し農園と言うことで、まわりにいろんな大根が植わっているので交雑したものと思います。
また、聖護院大根っぽいものが無いところを見ると、聖護院大根の特徴の遺伝的形質は劣性遺伝なのかもしれませんね。
とりあえず聖護院大根は食べられそうにないですが、おもしろい大根ができそうなので収穫がちょっと楽しみです。こういう結果もなにごともとりあえずやってみるという性格所以ですね。
畜産農家の経営スタイル
というわけで、北海道へ行ってきました。スキーしに行ったことはあったのですが、しっかり仕事して来たのは今回が初めてで、とても充実した出張でした。充実しすぎて少々お疲れモードです・・。ちなみに、昨日自宅に着いたのは夜の11時半でした。
今回は食品工場、畜産農家、リサイクルプラント等々様々な場所を見学、営業してきたのですが、その中でも特に畜産農家の経営について印象に残りました。北海道の畜産、特に酪農は都府県とはだいぶ違います。愛知県では酪農家でもほとんど牧草をつくっておらず、ほぼ輸入された牧草と配合飼料を使っています。このため、売上に対する飼料コストの比率が高いです。北海道では粗飼料はおおむね自給されており、配合飼料の使用量も圧倒的に少ないです。つまり、売上に対する飼料コストがかなり低いです。
もちろん、配合飼料の使用量が少ないので乳量も少ないですし、北海道は乳価が安いという違いがあります。ただ、個人的には大量の高価な飼料を購入し、売上も多いというスタイルは今後は難しくなってきていると思います。今後もトウモロコシの価格(=配合飼料)が今以上に上がっていくのは間違いないですので・・。
農業って、本来は作物や家畜を育てて付加価値を産むものだと思うのですが、今の都府県の畜産では飼料が畜産物に変換されるプロセスのように感じてしまいます。付加価値率が著しく低い「農業」に違和感を感じますね。付加価値率が低いので規模を拡大せざる得ないわけです。億単位で売上がないと家族経営ですら成り立たないというのが実体です。利益率から言うとほとんど商社並です。
また、北海道では配合飼料の価格もかなり高いように思いました。もちろん農家によってはだいぶ違うようですが。ただ、配合飼料の使用割合が低いので影響が少ないように思われます。愛知県の養豚農家を回っていても相当配合飼料の購入価格にバラツキがありますが、養豚農家や養鶏農家の場合、飼料コストの比率が非常に高いので配合飼料の購入価格が高くなるのは致命的です。
養豚、養鶏農家の場合、豚や鶏をいかに上手に飼うかというよりも、実は「エサ屋と交渉していかに飼料コストを低減するか」ということのほうが経営に寄与する場合も多いです。もちろん、あまりに成績が悪ければ問題ですが、逆にいくら飼育が上手でも購買コストを抑えられない場合、経営が立ちゆかなくなることもままあります。こういう面からも、今の畜産がいかに商社的であるかがわかるかと思います。
これからの農業は購入資材のコストがますます高騰すると思います。エコフィードやリサイクル堆肥だけがその解決策ではなく、農業従事者たるもの外部に落ちる金をどうしたら少なくできるかを考えなければいけない時期に来ているのだと思います。今までは農業も安い資源を大量に浪費してきたことを反省しなければいけないのではないかと思いますね。
エコフィードの普及とリキッドフィーディング
今、北海道に出張で来ています。とても気持ちいい秋晴れで仕事をするのが嫌になりますね~。学生時代の友人もいるのですが、今回の出張はタイトな日程なのでちょっと会えそうにないですね。もっとも、会うとススキノに拉致されるので会わない方がいいかもしれませんが ^^;
先日、当社も参加している豊川地域農業研究・普及協議会が愛知県の補助金の採択を受けました。これは、「循環型社会形成推進事業費補助金」というもので、産廃税(産業廃棄物を埋め立てると課税される)が活用されて、リサイクル施設の整備に関し補助が出ます。協議会では補助を使って施設整備を行います。協議会の主体となっている地元のJAひまわりに施設を整備するだけではなく、当社と農家にも設備を設置することになっています。
農家に設置する設備というのは、リキッドフィーディング給餌装置です。リキッドフィーディングは飼料を液状にして給餌するという方法です。リキッドフィーディングには
・ホコリが立たないので衛生環境がよい(ほこりっぽいと呼吸器系の病気の原因になる)
・消化吸収がいいので成長がよい
・餌をこぼす量が少ないのでロスが少ない(通常の配合飼料では数%程度こぼれていると言われている)
等のメリットがあると言われていますが、特に
・水分の多い食品残さを利用することが可能である
というのが非常に大きなメリットとして挙げられます。
逆に、デメリットとしては
・給餌施設にコストがかかる
・水分が多いため、保存性が劣る(乳酸菌発酵させるのは保存性を上げるため)
・運搬すると運賃が割高
などがあります。このうち、とくに設備投資額が大きいことがリキッドフィーディングの普及を大きく阻害しています。どこまでを自動的に行うかによって設備の金額は大きく異なりますが、タイマー制御を行い自動的に豚に給餌するようなシステムでしたら、肥育頭数1頭あたり1~2万程度の費用がかかる場合が多いようです。愛知県の平均規模の養豚農家で3000頭ぐらい肥育している場合、3000万円~6000万円程度の投資が必要となります。最近の養豚業はそれほど利益率が良いわけではないので、これだけの投資をおこなうのはそれなりのリスクがあります。上記のメリットで理論的には回収できるのですが、投資金額が大きいのはリスクが大きいと言うことです。
今回の補助金を使うことにより、投資金額が圧縮できるので農家も設備投資に踏み切ることができたのですが、補助金がないとなかなか踏ん切りがつかないケースが多いです。養豚業自体がそれほど儲からないので、リキッドフィーディングを入れないと完全な赤字だけどいれても赤字額が減るだけというのでは投資に踏み切れないわけです。
通常の給餌システムでは使えない牛乳などの液状食品残さもリキッドフィーディングなら飼料として活用が可能であり、多種多様の食品残さを活用するには有効な手段ですが、設備投資をいかに抑えるかを検討していく必要があるかと思います。