今週はポートメッセ名古屋で開催されているメッセナゴヤに出展しています。今月は出張も多く会社にいない日々が続き例によって仕事が溜まっています。
全国飛び回っていて実感するのは外国人雇用の増加です。特に、東京や名古屋の都心部ではコンビニの店員、飲食店店員の外国人比率が急激に上がっています。この前も名古屋の錦にある手羽先の山ちゃん行ったら、店員がほぼ外国人で驚きました。(世界の山ちゃんだから?w)
余談ですが、コンビニのPOSレジは店員側の画面外国語表示できるようになっているのか気になります。コンビニのオペレーションはかなり複雑なので、外国語のガイダンスでもないと難しいように思います。
当社のお客様の農家でも外国人雇用はもはや欠かせないものとなっており、技能実習生や技術者として多くの外国人雇用が行われています。10年ぐらい前までは中国人主体でしたが、最近はベトナム、ミャンマーなどの方が増えています。
また、お客様の食品工場でも外国人技能実習生が多く雇用されています。もともと食品工場は稼働時間が長く休日が少ないため、パートなどの集まりが悪い傾向にあります。とりわけ自動車が好調な愛知県はその傾向が強く、コンビニのベンダーなどの夜勤は外国人の技能実習生や派遣労働者によって成立している側面があり、現場を見ると4か国語で作業指示が掲示されていたりします。
こういった慢性的な人手不足を背景に、入国管理法の改正が国会審議されています。事実上の外国人受け入れ拡大政策ですが、私はいろいろな現場を見ていますので、なし崩し的に外国人雇用を増加させることには懐疑的です。
現在、技能実習生では様々な問題が発生しています。パワハラ、セクハラ、過酷な労働条件、それに伴う脱走、そして不法就労と犯罪の増加。これらの問題に対し、今回の入国管理法改正が解決する方向に行くとは思いません。
そもそも、こういった問題が起こる根本的な原因は、安い賃金で過酷な労働のため日本人が集まりにくい職場において充当するために外国人労働者を受け入れようとする現在のスタンスにあります。
一方、現在、日本の一人当たりGDPの世界における順位は急激に下がっており、日本の所得水準がグローバルで見た際に低くなってきています。(だからこそ輸出企業が利益向上し、日本の一般庶民の生活が苦しくなっているわけですが)
こういう背景で、過酷な労働で低賃金な日本に外国人労働者が果たして来るのでしょうか。先日、オーストラリアへ行って感じたのが所得水準の高さです。香港、シンガポールも一人当たりGDPは日本より高く、平均所得も高くなっています。今のような施策では優秀な人材はみんなそれらの国に行ってしまい、日本にはまっとうな人が来なくなるのではないかと危惧します。
国籍を問わず、優秀な人材がいることは何よりも国力の増加につながります。そのためにはいかに優秀な人材に来てもらうかを考え制度設計することが必要であり、場当たり的な法改正でお茶を濁すのはいかがなものかと思います。
個人的には、外国人労働者は最低賃金を日本人より一律上げ(たとえば時給2000円とか)、その代わり雇用に関する制限を撤廃するという案を提唱しています。今の法案では技能や試験で判断するようですが、そういったものは制度の複雑化、形骸化につながりかねません。能力を判断する一番の手法は給料です。高い賃金を払ってもいい人材は間違いなく優秀な人材です。シンプルで分かりやすく、明朗な制度が必要だと思います。
今のような政策が続くと、人材レベルの低下につながりかねません。外国人の受け入れどころではなく、日本人の優秀な人材の流出が起きてしまうでしょう。実際、私の周りでも優秀な友人はどんどん海外へ行っています。資源がない日本で一番大事なリソースである人材レベルの低下は国家の衰退にかかわる憂慮すべき事態かと思います。
友人の話を聞いていると、果たしてこれから日本で事業を行っていくことが得策なのか少し考えてしまうこともありますが、語学力が低く、日本酒と和食をこよなく愛する身としては海外では暮らすことは難しそうだと熱燗をすすりながら思う次第ですw