1月は泊まりの出張予定がないのですこし余裕がある毎日です。ですが、作成しなければ行けない資料やプレゼンデータが色々あるので会社にいる割にはばたばたしています。最近は畜産農家からも新規の問い合わせが多くなってきており、その対応にも追われています。
配合飼料メーカーや農協、畜産農家の方々と話していると、やはり昨今の飼料価格の高値推移に対し危機感を持たれています。これだけの円高で今の水準ですので、為替が振れたらその影響は計り知れないものがあります。今のように日本の畜産が海外の輸入穀物に依存するようになったのはここ数十年に過ぎないわけで、もしかすると今までのような海外のトウモロコシを使った畜産ははうたかたの夢のように消え去る可能性も否定できない状況です。そのような背景もあり、当社への問い合わせが増えているのだと思います。
ただ、農林水産省はエコフィードを利用して飼料の自給をはかるつもりのようですが、正直言ってエコフィードの利用にはさまざまなハードルがあり、そんなに簡単に進むことはないと思います。いろいろな「施策」が行われ補助金が投じられていますが、そんな施策よりトウモロコシの価格が上昇することがなによりのインセンティブになると思います。ただ、エコフィードがもっと普及していくためには相当の価格上昇がなければ状況は大きく変わらないでしょう。
エコフィードの普及を阻害している要因の1つに、ハンドリングの悪さがあります。今の畜産農家は多くは飼料を自動的にパイプを使って供給するシステムを使用しています。水分が多かったり、粘性が高いと仮に配合飼料と混合してもうまくエサを送ることができなかったりします。
当社の取り扱っているものの1つにバームクーヘンを乾燥したものがあるのですが、乾燥しているにもかかわらず配合飼料と混合してタンクに入れたところブリッジを起こして詰まってしまったことがあります。
自動給餌の仕組みは便利なものですが、多種多様なエコフィードを利用するには障害になります。これを回避するためにはエサを手でやればいいのですが規模が大きくなると手でやると言っても大変な労力です。(だからこそ自動給餌というシステムがあるわけですが)
今まで配合飼料を使用していた畜産農家がエコフィードを利用しようとして、配合飼料に少し混ぜて使う・・と言うケースはよくあります。ですが、これは手間がかかる割にはコストの削減効果が少ないため結局使用を断念してしまうケースがよくあります。エコフィードを使うなら、せめて50%、できれば60~70%程度はエコフィードを使用しなければ効果が上がらないことが多いです。ある程度人員を確保して手間をかけてエコフィードを使用する体制を作らなければうまくいきません。当然、それぐらいの使用割合になるときちんと配合設計を行わなければいけない訳です。
中途半端にエコフィードを使用して、手間はかかる、コストは下がらない、成績は落ちるという三重苦では当然普及は進みません。
今はTPPの問題などもあり先行きが非常に不透明ですが、穀物を始めとした資源高が継続するのは間違いないです。そんな時代に畜産や農業はどうあるべきかを考えていかなければいけない時期に来ているのは確かです。今までのやり方をドラスティックに変えていかなければ持続不可能な状態が来るときも近いと思います。