食品リサイクルから見た科学リテラシー

相変わらずあわただしい日々を送っていますが、先日台風上陸に伴い参加予定していたセミナーが中止になったおかげで3日間ぽっかり予定が空いてしまいました。おかげでたまっていたデスクワークを若干ですがこなすことができました。
来週からはまた出張行脚の日々が続きます。最近は関東方面の案件が多く、月に1回は関東出張している状況です。

関東出張が多いのは、首都圏の人口集中や、中食、外食の比率増大に伴い食品工場の生産量が上昇し、食品残さの発生量が増えていることが背景にあります。関東でのお仕事の場合、多くは当社に食品残さを搬入するのではなく、「オンサイト処理」と呼ばれる手法を取っています。食品工場内で飼料に加工し、それを畜産農家へ直送する仕組みです。脱水や濃縮などのプロセスにより、保存性を高め品質を安定化することで飼料としての利用ができるようになります。
現在、実績があるものとしてはモヤシサイレージ、パイナップルサイレージ、ゴボウサイレージ、小豆皮サイレージなど多種多様なものを飼料化しています。最近はとくにパイナップルの皮の引き合いが多くあります。

また、現在取り組みを行っているものの一つにゆで卵のリサイクルがあります。ゆで卵の場合、食品工場で乾燥処理を行い、飼料とすることを計画しています。

この取り組みのために、現在乾燥機メーカー数社と打ち合わせを行っています。図面や仕様書を提出してもらい打ち合わせを行います。書類の一つに設計計算書がありますが、設計計算書をみると製造メーカーの技術水準がよくわかります。

乾燥機

乾燥機の場合、主に熱伝達効率と乾燥に必要なエネルギー量から必要なランニングコストが算出されます。
重油などの燃料を燃焼させることで熱が発生し、伝達効率に応じた熱量が被処理物に伝わります。水分を蒸発させるのに必要な熱量は決まっていますので、そこから必要燃料や電力量が算出できるわけです。
ところが、驚くことにメーカーによってはエネルギーの伝達効率が100%を超えるような計算書を提出してくることがあります。燃焼エネルギーは燃料種別に決まっており、また水分蒸発に必要なエネルギー量も決まっています。伝達効率が100%を超えることは理論上あり得ません。エネルギー伝達効率が120%という計算書を見ると、思わず「波動砲かよ」と突っ込みを入れたくなります。投入されたエネルギー以上の働きをすることはエネルギー保存の法則を超えた神の世界です。

乾燥飼料

自分は超理系人間ですので、理論を超越した書類を見るとムズムズしてしまいます。最近はなるべく自重しているのですが、それでも我慢できなくなり論破してしまうことがあります。

ちなみに、乾燥機の場合はボイラーの効率や乾燥機の熱伝達効率などトータルで計算するとだいたい投入されたエネルギーの50%程度が水分蒸発に使われることが多いようです。今のA重油の値段から計算すると、だいたい水分1㎏蒸発させるのに10円弱程度の燃料費がかかる計算です。熱回収(ヒートポンプ)などを使用していないケースでメーカーの計算これ以下の場合はおかしいと思ったほうが良いです。
こういったエセ科学的なものが跋扈する理由の一つが日本人の科学リテラシー不足にあるのではないかと思っています。もっと理系教育を充実させたほうがいいのではないかと痛感します。科学の基礎的知識は技術的な分野はもとより、日常生活において広く役に立つものでありますし、つきつめれば国家の発展にもつながるものだと思うのですが。

といったことを書き綴っていると、学生の頃、飲み会で女子大の子に「高橋君理屈っぽい」って言われたことを思い出しますw

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