焼却処理施設の見学

10月が終わり今年もあと2ヶ月になってしまいました。10月は本当に忙しかったです。書類作成仕事はそれほど多くなかったのですが、とにかく出張が多かったので全然会社にいませんでした。スケジュールが埋まりすぎてやらなければいけないことが全然進みませんでした・・。

そんなスケジュールの1つに焼却処理施設の見学がありました。産業廃棄物の中間処理施設です。脱サラして静脈ビジネスに携わりまだ5年しか経っていないので、勉強のために機会があればいろいろな施設の見学を行なうようにしています。

ところで、世間では「廃棄物処理」といえば「焼却」というイメージがかなりありますが、実は焼却処分する割合はどんどん低下してきています。もちろんリサイクル推進が求められていると言うことはあるのですが、焼却というのはかなりコストがかかる処理だというのもその理由の1つです。

今の焼却炉は環境対策などのために非常に高度なシステムで構築されています。このため、焼却炉の機器コストが増えてきています。たき火をしてみるとわかりますが、ものを完全に燃やすというのは案外難しいものです。完全燃焼しなければ有害物質などの発生の原因となってしまいます。廃棄物は特に様々な種類のものが混ざっているため、これを安定的に完全燃焼させるための設計がされています。
廃棄物処理施設では機器の減価償却の比率が大きいため、このコストが大きい焼却処理はどうしてもコスト高となります。

食品廃棄物の処理はたいていは当社のようなリサイクルによって処理されているのですが、どうしてもリサイクルできないものは焼却処理されています。今回の見学はそういった焼却される食品廃棄物の状況を見ることも目的の1つでした。実際のところうまく分別ができればリサイクルできるものもかなりありそうな感じでした。

産業廃棄物の焼却炉というととかく反対運動の対象になりがちですが、今の焼却炉は安全を非常に重視して設計されていることを理解頂けたらと思います。また、無闇に焼却処理しているわけでもなく、焼却処理業者もできるだけリサイクルしていきたいという意識は常に持っています。

なによりも、実は燃やしているものはそんなに特殊なものでもなく、我々の日常生活に関連した産業から出てきている廃棄物がほとんどだったりします。

今回見学して思ったのは、本当に「どうしてこんなものを捨てるのだろう」といったものがすてられているということです。廃棄物処理施設に反対される気持ちはわからないでもないのですが、根本的な大量消費社会に生活しながら廃棄物処理に反対するというのはあまりに利己主義的ではないかと思います。大量消費社会をどう変えていくのかを1人1人がもう少し真剣に考えなければいけない時期なのではないか・・と強く思います。

6次産業化の手法

最近忙しい日々が続いていてブログの更新をまた怠っていました。今日は四国に出張しています。相変わらず出張中しかブログを書く時間が取れない状態です。(その割に飲み会にはよく行っていますがw)

先日、浜松の農商工研究会というところでお話をする機会がありました。

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当社は農業者ではありませんが、三河トコ豚極め隊の活動などを通じて農業生産者のお手伝いをさせて頂いています。そんなようなことをお話ししました。

最近、農商工連携とか6次産業化なんてことがもてはやされていています。農業者が販売加工をおこなっていくことがあまり進んでいかない一番の理由は商取引になれていないことではないかと思います。
三河トコ豚極め隊では畜産農家のお手伝いをしていますが、畜産農家(に限りませんが)は市場(畜産農家ではと畜場)へ持って行きさえすればお金になったわけです。これを自分で販売するためには、問い合わせの電話を受けて、見積もりを出して、サンプルを送って、納品して、請求する・・この一連の流れができなければいけません。普通の商取引では当たり前のことではあるのですが、農家ですとまず「問い合わせの対応」ができないことが多いです。そもそも電話をかけても出なかったり、せっかくホームページがあるのに問い合わせフォームもメールアドレスも書いていない、なんてことはよくあります。

産直に出荷したり朝市に出したり・・ってことはハードルが低いのですが、特にBtoBの取引では対応がきちんとできることが当たり前ですのでハードルが高くなります。肉の場合、生産規模が大きいこともありどうしても販売はBtoBが中心になります。

販売あたって肉が美味しいことはもちろん重要ではありますが、必要条件たる取引の手順ができなければ取引ができません。むしろ、肉の質は並でも取引がきちんとできたら商売が成立するような気もします。

農水省、県etc.で6次産業化のセミナー等々がたくさん行われていますが、実際のところそういう成功事例よりも商取引の練習、たとえば見積書の書き方とかをやったほうが効果的ではないかなと思ったりもします。せっかく良いものを作ってもビジネスの取引ができないがために商売が成立しないってもったいない話です。

ちなみに、セミナー講師とかではこういう話はあんまりしません。講師依頼の趣旨を踏まえてお話しするのを原則としていますが、農家のためを思ったら突っ込んだ話をした方がいいのかもしれませんね。

展示会と決算書の読み方

先週の金曜日、土曜日と地元信金の展示会に出展していました。基本的に出られる展示会には全て参加しています。今年は東京での展示会も含めてすでに4回ほど出展していて、年内にあと3回出店する予定です。そのうち2件は名古屋と東京でしかも期間が長いので準備と出展時の対応が結構大変です。今回の展示会は会社から15分のところで行われたので出展準備も楽です。

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出展すると当然ブースにて対応しなければ行けないのですが、当社は営業として外に出られるのは私1人なので、普通に行くとブースの店番を1人でしないといけません。お客さんが多い展示会だと昼ご飯も食べられなくなってしまいます。今回は信金の担当の方にブースの対応をお願いして、2人で店番をしていました。2人いると昼飯も安心して食べに行くことができ、展示会終わった後の疲労度が全然違います。

そんな中、お客様が途切れたときなどにちょっと雑談をして決算書の話になりました。当社は会計ソフトに自社で記帳しているので、(記帳が終わったら)リアルタイムに月次決算が出るのですが、世の中の中小企業の社長の中には決算書は税務署と銀行に提出するために作るだけで、月次はおろか決算終了後にもろくに見ない人も多くいるってことです。

時々月次の数字を見ていると、使いすぎているお金や売上の変動、利益率の変化なども見えてきますし、キャッシュフローも頭に入ります。現在の経営状態がわかれば次の投資の戦略も考えられます。普段から決算書を見ていなければ今後の方針なんて立てることはできないと思うのですが、数字をみない社長はどうやって判断しているのかが気になります。

と、えらそうなことを書きましたが私も起業するまでは決算書なんてちんぷんかんぷんでした。事業を始めて会計ソフトへの記帳をしてみて初めて決算書というものの仕組みがわかるようになった気がします。
昔と違ってパソコンもソフトも安くなっているので会計ソフトへ自社で記帳するのは簡単になっています。記帳さえすれば仕訳を変えたり実際のお金の動きと比べたりして決算書の仕組みを勉強することができるようになります。私も会計ソフトが無く手書きだったら決算書の読み方がなかなか覚えられなかったのではないかと思います。

にしても、これだけソフトが便利になっているのだから税理士報酬はもっと安くなってもいい気がするんですけど、どうなんでしょね~。記帳のミスさえなければソフトちょっと操作すれば決算書が印刷されて出てくるはずだと思うんですけどね。

パソコンの購入頻度

最近ブログ更新が週末になるのが定番になってきたようです。毎月、来月はもう少し暇になるかも~とスケジュールを見ているのですが、結局ほとんど予定が埋まってばたばたと過ごしているのが実情です・・。
そんな忙しい中、先日普段使っているノートパソコン(レノボのThinkPad X200s)の修理をしてもらいました。といっても重篤な不具合ではなく、HDDや電源のLEDインジケーターがなぜか点かなくなったのでその修理です。
修理と言っても保守契約(オンサイト保守)をしているので、サポートが無償で来てくれます。正味1時間かかって無事修理完了です。今は問題無く使用できています。今回、電源ランプって点灯しないと案外不便だと言うことがわかりました。
保守契約は数万円程度とあまり安いとは言えませんが、1回来てもらえば人件費分で間違いなく元は取れます。当社ではパソコンの耐用年数は3年と見ているので、その間に1回壊れるかどうかですが私の使用頻度だとほぼ間違いなく壊れると思っています。
私の毎日の流れはだいたい
朝起きるとパソコンの電源を入れ(うちにはテレビがない)、ニュースをチェックし(新聞も取っていない)、30分ぐらいいろいろなサイトを見ます。

その後ノートパソコンを持って出勤し、会社でネットワークにつないで会社のアカウントにログイン、メールチェックをします。

会社にいるときはだいたい書類作成の仕事をしているのでそのままパソコンを使っています。

外出するときはパソコンを持って外出し、電車に乗っているときはパソコンを使って書類作成しています。車ではさすがにパソコンを触ることはないですが、昼ご飯食べるときにはネットにつないでメールチェックと書類作成。

夕方会社に帰ってきたら再びネットワークにパソコンつないで書類作成。

帰宅するときもパソコン持って帰って自宅でもネットサーフィン。
こんな感じなので、多分平均で1日8時間ぐらいパソコンを使用している気がします。まあ、1日デスクワークの人はこれ以上にパソコン使っているわけですけど。
今の仕事ではパソコン無しでは何もできない状態ですので、パソコンのダウンタイムは許容されません。3年間は保守に入っているのですが、3年以上の保守は非常に高額ですので3年保守に入り、保守が切れたら自宅用に格下げするようにしています。
最近はパソコンの価格も安くなってきています。ので、頻繁に買い換えてもたいした出費ではありませんし、性能もよくなるため快適です。中小企業では時々業務で使うパソコンを中古で用立てている人とかいますがちょっと信じられないです。ITは必要な投資ですし、止まるリスクを考えたら新品+保守というのは必須だと思いますね。
にしても、最近は本当にパソコンが安くなりました。始めてまともなパソコン買ったのが大学の3年生の頃なので18年ぐらいまでになりますが、当時30万円ぐらいでHDDもモデムもついていなかったことを覚えています。5万円でパソコンが買えるのですからすごい世の中になったものです。

アルコールの原価計算

この前飲みながら話していた与太話が受けたのでブログにも書いてみることに。
私は食べることが非常に好きなのですが、酒もそれなりに好きです。もっとも、そんなに強くないので晩酌を毎日軽くたしなむ程度です。
飲む酒はビール、焼酎、日本酒、ウィスキー、ワイン、ウォッカ、ジン、ラムと多岐にわたりますが、なぜかブランデーとテキーラはあまり飲まないです。
で、酒屋に買いに行くのはだいたい私なのですが、その時に価格だけではなくアルコールあたりの単価を計算して酒を選びます。
例えば、350mlの缶ビールはだいたい200円ぐらいです。ビールはアルコール度数5%ぐらいなので、350mlだと17.5mlアルコールが含まれていることになります。つまり、アルコール100mlあたり約1,150円という計算です。
同様に計算すると
ワイン 750ml   15% 1,500円 →アルコール100mlあたり 1,300円
日本酒 1,800ml 20% 2,000円 →アルコール100mlあたり 550円
スコッチ 750ml 40% 2,000円 →アルコール100mlあたり 670円
ウォッカ 750ml 60% 1,000円 →アルコール100mlあたり 222円
焼酎 1,800ml 25% 2,000円 →アルコール100mlあたり 450円
といった感じで、スピリッツの割安感が際立ちます。我が家ではビール、ワインは高級品として取り扱っています ^^;
これはかねてからの持論なんですが、酒税はアルコール含有量に応じて課税すべきだと思います。国民健康のためにも理にかなっていますし、複雑な税制を引いても第三のビールみたいな抜け道が次々とできるだけだと思いますね。
私がこう言ったこまかな計算をするのは前職で製造業に携わっており原価計算をよくやっていたことも関係あるかと思います。しかし、単に性格かもしれませんw
ただ、会社を経営するにも当然ながら原価計算は非常に重要です。リサイクル業界は原価計算が甘い会社がとても多いです。昔は儲かっていたらどんぶり勘定でもよかったのかもしれませんが、現在のシビアな経済情勢ではコスト把握ができてなければ事業の継続がおぼつかないことになります。我が家も家計の継続性を鑑みて酒類のコスト計算をしているわけです。
 

うなぎの住む田んぼ

三河地方の暑い夏もそろそろ終わりそうです。今年の夏は西瓜をたくさん食べました。でも、鰻はあまり食べなかった気がします。どこの鰻屋さん行っても値段が張り替えてあって、庶民が食べるものでは無くなりつつありますね。
というわけで、今日は専門を離れて鰻の話をば。
最近は鰻(とシラス)の漁獲規制に関する記事もちらほらみかけるようになりました。
親ウナギの漁獲規制を検討 水産庁、3季連続の不漁で
http://www.asahi.com/national/update/0322/TKY201203220546.html
私も鰻の漁獲規制には賛成です。今の状況では早晩もっとひどい状態になるのは目に見えています。それにしても、シラスうなぎがなぜ捕れなくなったのか、私は環境の改変の影響も大きいと思います。
ご存じのとおり、鰻は普段淡水の川や湖沼に住んでいます。その鰻が降海して海で産卵し、生まれた鰻はレプトケファルス→シラスうなぎと変態を行い、また川から遡上するわけです。
というわけで、親鰻が川から海に下らなければシラスうなぎは登ってこない訳です。ので、上記のような親鰻の漁獲制限が必要になってきます。でも、私は親鰻が減ってきているのは河川改修の影響も非常に大きいと思います。
例えば、私の自宅の裏には音羽川という二級河川があります。見たところ、水質はかなり良好そうですが泳いでいる魚は鯉ばかりです。以前、音羽川沿いに自転車で海まで行ったことがあります。海まで10キロ弱なのですが、小さな堰がたくさんありました。魚道も設置されていない堰なので、当然魚が遡上することができません。堰が設置されていなかったときにはシラスうなぎが遡上していたとしても、今では遡上できなくなっています。
また、川を鰻が遡上できても、その先の川とため池や側溝と田んぼとの間を魚が行き来できないために、鰻が生息できる場所が減ってきています。昔は田んぼに普通に鰻が住んでいたそうですが、最近そんな話はほとんど無くなりました。
愛知県農業試験場では、水路と田んぼを魚道でつなぐという試みを行っています。試験結果をみると、いろんな魚が水田魚道を登ってくるみたいですが、鰻は確認できていないようです。水田魚道はとてもおもしろい試みだと思いますが、水田魚道だけではなく川にも魚道がなければ鰻が田んぼを泳ぐようなことはないでしょう。
生物多様性を維持するためには、海から田んぼまで魚が行き来できることが必要だと思います。
昔は琵琶湖や諏訪湖にも天然鰻がたくさんいたそうですが、どちらも本流に大きなダムができたため鰻が生息しなくなってしまっています。全国規模でそういう河川が増えているので、そもそも親となる天然鰻が減っているのだと思います。
結局、自然環境の改変により鰻の再生産キャパシティーが低下しており、にもかかわらず漁獲量が減らなかったため再生産能力を上回った状態が続いて結局資源の低下を招いているのだと思います。
今のままでは漁獲制限することはやむを得ないと思いますが、抜本的には鰻が生息できるような環境を整えていくことが必要でしょう。生物多様性ってまったく経済的には寄与しないような印象がありますが、実は我々の生活は自然環境の上に成り立っており、生物多様性を維持することは結果的に経済活動の発展にもつながっていくのだと思います。とりあえず、全国有数の養殖鰻の生産地である愛知県は管理している河川の魚道設置をすすめて、シラスがたくさん遡上できる環境作りをしていくことが必要なのではないでしょうか。

廃棄物の管理会社

リサイクル・産業廃棄物業界に足を踏み入れてはや5年が経ちました。最初は業界の習慣とか雰囲気に驚くこともありましたが、今はすっかり業界人?です。
驚いたことの1つに、管理会社の存在があります。産業廃棄物の許可を取得するためには講習会に行く必要があります。講習会では「ブローカー行為の禁止」と習います。ところが、業界では普通に管理会社というものが存在しており、仲介を行っているわけです。
もっとも、ブローカー行為とはなんぞやという定義が曖昧ではあります。産業廃棄物の処理に関して仲介行為が禁止されているのは、仲介によって廃棄物の処理委託先が不明確になることがその理由の1つです。処理を委託する場合、必ず排出事業者と処理業者が直接契約書を結ぶことが義務づけられています。
管理会社が仲介を行う場合、もちろん契約書は排出事業者と処分業者の間で結びます。ただし、金銭の授受は管理会社が行うケースがほとんどです。もちろん、この際に管理会社は管理手数料を得るわけです。
大手飲食店チェーンやコンビニなどでこの管理会社の仲介が行われることが多いです。また、食品製造業の会社でも全国に工場を展開している大手では管理会社がマネージメントを行っているケースがあります。なぜ費用を払ってまで管理会社に管理を委託するのか、その理由はいくつかありますが、一番は「適切な料金で適切な業者に委託するため」というものだと思います。
廃棄物の処理業者が全国展開しているケースはほとんどありません。このため、処理を委託するのは地域によって違う業者になってしまいます。その地域で事業を行っている廃棄物業者を探すことが第一のハードルです。また、廃棄物の処分費は地域によって相場が大きく異なります。廃棄物処理に関する情報が少ないため、果たして適正な価格がどれくらいなのかがわかりにくいです。たくさんの管理契約を持っている管理会社なら、適正な価格がどれくらいか把握できるわけです。
当社にも管理会社からのオファーがあることがあります。ところが、当社では食品リサイクルにより飼料や肥料を製造しています。特に、飼料は原料成分や取り扱いがシビアなため管理会社が持ってくる情報では十分な判断ができないことが多いです。結局、話が回りくどくなるだけでいいことがあまりないケースが多いです。
先日も管理会社から話があり、話がスムーズに進むか心配だったことがありました。ところが、今回の管理会社はきちんと必要な情報をまとめて記録を作成し、お客様にこちらの条件を提示してくれたので感心しました。本来、管理会社とはかくあるべきとの思いをあらたにしました。
 
私は前職で設計業務を行っており、商社との交渉をする機会がよくありました。使えない商社が多く、「見積が出るのが遅くなる以外の仕事をしていない」と思ったものです。インターネットが普及して情報が収集しやすい今日、商社や代理店、管理会社は無用の長物になりかねません。仲介をすることにより対価を得るためには、相応の仕事をする必要がある、当たり前のことですけどできていない事業者が多いのではないかと思いますね~。

ブルームレスのキュウリと食品の安全

暑い日々が続いておりますが、皆さんいかがお過ごしですか。
実験圃場でキュウリを作っているのですが、この暑さで露地植えなのに萎れています。水やりしてもなかなか追いつかない感じです。
実験圃場で作っているキュウリは、四葉(スーヨーと読む)という品種です。この品種、一瞬ニガウリと思うようなごつごつした表面で、粉も吹いているので見た目はあまりよくありませんが、ぼりぼりとした食感が気に入って毎年のように作っています。
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ピントが合っていませんね ^^;

四葉を作っているもう一つの理由は病気や虫に強いため作りやすいということです。家庭菜園でキュウリを作ったことはご存じだと思いますが、キュウリなどのウリ科の作物はうどんこ病という病気にかかりやすく、またウリハムシにかじられやすいです。四葉は他の品種と比べて病気や害虫に強いような気がします。
この病気や害虫に強い理由の1つとして、キュウリ表面に吹いている粉があります。この粉はブルームと呼ばれるケイ酸の結晶です。キュウリだけではなく、冬瓜やブドウの表面についている白い粉も同じものです。粉が吹くことにより物理的に防御するわけです。
ところが、世間ではこのブルームは嫌われます。手についたりするのが嫌われるというのもあるのですが、粉が吹いていると「農薬がかかっている」と思われたりするのです。そのため、ブルームレスという粉がふかないキュウリが多く作られています。
実際はブルームレスの方が病気に弱いため、農薬の使用量が多くなる傾向にあります。消費者が無知のため、「農薬が少ないもの選んだつもりがかえって農薬が多くなる」という事態になっているわけです。最近は常套句となりました「安全、安心」ですが、安全と安心はまったく別物だと言うことがよくわかる事例なのではないでしょうか。
科学リテラシーも重要かと思いますが、その以前の問題として「見た目や思い込みで判断しない」っていうことが重要だと思いますね。

リサイクル費用を受け取るという意味

暑い日々が続いてすっかりげっそりとなっている今日この頃です。暑いと食べ物を食べなくなるので例年痩せます。豚も一緒で暑くなると食べる量が減るため、当社の飼料出荷量もそれにともない減少します。
この前、養豚農家さんが「産業廃棄物処分業の許可がほしい」ということを言われていました。養豚は古くから残飯を受け入れていたこともあり、全国でも少なからず産業廃棄物処分業の許可がある養豚農家があります。しかし、産業廃棄物処分業の許可があるということは、「原料の受入の際に処分費用を受け取る」ということです。たしかに、お金をもらってエサを入手できるのですから、すごく儲かりそうな印象がありますが、お金をもらうと言うことはまた違った意味が出てきます。
排出事業者の立場に立つと、お金を払うと言うことはお客様になるわけです。廃棄物を確実、安定的に処理を行う対価としてお金を支払う訳なので、安定的に処理を行なう事を求められことになります。
食品工場からの廃棄物は様々な種類のものが発生し、その量も変動します。養豚農家が処分費用をもらうということは、そういったものを受け入れしなければいけないことになります。上で述べたように、豚が食べる量は年間を通じて変動がある上に、受入量が変動するためその需給調整がたいへんになります。これがエサを購入すると、必要な分だけを購入すればいいわけです。また、食品工場からの廃棄物でも飼料に向かないものもありますが、こう言ったものが発生しても引取をもとめられてしまいます。
養豚農家によっては配合飼料との併用により需給調整をうまく行っている例がないわけではありません。でも、安定的にリサイクルすると言うことは結構たいへんなことです。
当社のようなリサイクル専業業者でも需給調整は苦労しますが、当社の場合、顧客となる畜産農家の数が多くありますので、リスクをヘッジできるわけです。
飼料に向かないものは肥料としてリサイクルすることにより、飼料の品質の均質化もはかっています。
また、有価物として養豚農家が引き取りする場合もあります。この場合、購入しているわけですから必ずしも引取の義務が生じるわけではありません。ところが、こういう排出事業者から当社への引き合いが結構あります。「養豚農家さんが取りに来ていたが、時々取りに来なくて困ったのでリサイクル業者をさがしている」っていうようなお話しを頂いたりします。排出事業者は費用が発生しても安定的に処理が行われることを求められているわけです。
食品に限らず、リサイクル業界は需給調整が必要となります。そこに当社のような業者が存在する意義があるわけです。いわば、静脈ビジネスにおける商社と言うわけです。
存在意義がない事業って継続することはできません。会社の立ち位置、意義を常に考えて事業を営んでいきたいと思っています。

6次産業化とフランクフルト

昨日は昼から豊橋駅前で行われていたまちなかマルシェという地産地消イベントに行って来ました。
見に行ったわけではなく、お客様のGファームが出店されているので、そのお手伝いです。
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こういう出店の時、いつもはフランクフルトが中心なのですが今回はウズラ豚串なるものを販売していました。ウズラの周りに豚のバラ肉を巻き付けて焼いたものです。売っていて言うのもなんですが、美味しいです。ビールに非常に合います。
豚屋さんがこうい出店をしてフランクフルトを売ったりするのは、今流行の6次産業化とも言えるかと思います。6次産業化っていうのは、農林水産業(一次産業)の人が、製造(二次産業)や流通(三次産業)を行っていくというもので、1×2×3で6次産業と呼ばれています。
ただ、私が以前から思うのは、製造流通をやっている方がそんなに儲かっている訳ではないのに農業従事者が屋ったら儲かるのか・・という疑問です。以前、ネットで「6次産業化っていうのは新日鉄が車を作って売るようなものだ」と書いている人がいましたが、製造流通にも色々ノウハウが必要なのに農家が参入して簡単にできるわけではありません。むしろ、製造流通の人が農業参入する方がまだ容易かなと思います。
6次産業化が成功するとしたら、それは規格外品をうまく活用したりするなど一次産業のメリットを上手く行かした場合かなと思います。
特に、肉は6次産業化が難しいです。生産した豚を自分で肉にするわけにはいかないので(自分でと畜することは法で禁止されています)、必ずと畜場へ持ち込まなければ行けません。枝肉からパーツにするのもかなり熟練が要りますので、結局肉屋さんにお願いすることになってしまいます。
また、肉屋さんでもこれは同じ状況なのですが、パーツの量の調整が出てきます。売れ筋のバラ、ロースはいいのですが、売れ行きが悪いモモ、腕をどうやって安定的に販売するかが難しいです。売れ残ると安く販売せざる得なくなり、それが全体の足を引っ張ってしまいます。
一次産業の人って、「売る」って概念が無い人が多いのでそういう人たちが6次産業化に取り組むのは市場を見据えた生産につながって良いことだと思いますが、農水省の考えているような「6次産業化で日本の一次産業が飛躍してTPPが来てもばっちりOK(って考えているかはわかりませんがw)」みたいなのは幻想だと思いますね。