汚泥堆肥の即効性

火曜日から東京ビッグサイトで行われる環境展に出展します。
相変わらず営業が私だけなので、1週間東京貼り付けです。会社に来ても会えませんので、売り込みその他は来週以降にお願いします

だいぶ前ですが、こんな記事がありました。

http://mainichi.jp/select/news/20140430k0000e040157000c.html

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下水処理:汚泥を「うまみ」に…食料生産に利用、全国で

毎日新聞 2014年04月30日 12時03分(最終更新 04月30日 14時52分)

下水処理施設の一角で収穫期を迎えたトマト。苗の間のビニールダクト(左)から汚泥由来の二酸化炭素を送ることで収量は3割増という=愛知県豊川市の豊川浄化センターで、町田結子撮影

下水処理施設の一角で収穫期を迎えたトマト。苗の間のビニールダクト(左)から汚泥由来の二酸化炭素を送ることで収量は3割増という=愛知県豊川市の豊川浄化センターで、町田結子撮影

 

下水処理場から出る汚泥や処理水を食料生産に生かす取り組みが全国に広がっている。トマトの収穫量を増やし、ノリのうまみを増すなど新技術も目を引く。処理技術と農業利用のセットで海外への売り込みを図る国は、汚水と美食のかけ離れたイメージを逆手に取り「ビストロ(庶民的な料理店)下水道」と銘打つ。その“うまみ”やいかに。【町田結子】

◇トマト、ノリ、スッポンも…

愛知県東部の豊橋市など4市の下水を処理する県豊川浄化センターに、場違いな農業用ハウス(約500平方メートル)が建ち、トマトが丸々と育っている。普通の水耕栽培に見えるが、下水汚泥由来のガスによる発電の過程で出た二酸化炭素(CO2)を、ビニールダクトから苗に吹き付けている。苗の周囲のCO2濃度を高め、光合成を促す。世界初の試みといい、通常に比べ収量は3割増した。苗にはリンなどを含む処理水も吸わせている。

試食した大村秀章知事は「しっかりした味でおいしかったよ」。昨年からこれらの実証実験に取り組む豊橋技術科学大の大門裕之教授(48)は「複合技術として下水処理場の存在価値を高める」と自信を見せる。

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排水処理を行うと、汚泥と呼ばれるものが発生します。「汚」泥というと印象が悪いですが、基本的には微生物の菌体の固まりです。下水道や食品工場などの排水処理施設から発生する汚泥の量はとても多く、産業廃棄物の発生量の中で一番多い割合を占めています。小さな食品工場で数十㎏~数百kg、大きな食品工場だと数トン、下水道の大きな施設では数十トン単位で毎日発生します。

これを有効活用できないかと言うことで以前より様々な研究が行われており、上記のような記事は決して目新しいものではありません。以前より研究が行われていたのにもかかわらず利用が進んでいないのにはいくつかの理由があります。下水道由来の汚泥では重金属の汚染が問題になります。これは、下水道が一般家庭や食品工場だけではなく金属加工などの工場からの排水も受け入れていることが大きな要因です。

また、汚泥はそのままでは腐りやすく取り扱いがしにくいので、肥料として利用するためには一旦発酵させることが多いですが、きちんと発酵させ堆肥にするには高い技術レベルが要求されます。

また、汚泥という名前、下水道の場合屎尿が入ることなどにより印象が悪いことも利用が進まない理由の1つです。

当社でも食品工場由来の汚泥を発酵させて堆肥を製造していますが、堆肥を作って使用してみると、かなり面白い効果があることがわかってきました。

まず、汚泥は易分解性の有機物が少なく、発酵温度を維持することが難しいです。しかし、易分解性有機物が少ないと言うことは、窒素の分解が進みやすくなります。有機物が多いと窒素が微生物の菌体として利用されてしまいますが、有機物が少ないため微生物増殖が抑制されます。
また、上記記事にもあるように、リン酸含有量が非常に高く、しかもそれが非常によく効きます。果樹に施用すると開花が良くなるように思います。

ところが、汚泥堆肥の多くは木くずなどの比較的分解の遅い有機物を混合して製造しています。有機物を混合することで安定した発酵が実現できますが、汚泥由来の堆肥の特徴が薄まってしまうことも事実です。

堆肥と言っても原料のちょっとした組成で驚くほどその特性が変わってきます。それが面白くもあり、難しくもある点です。堆肥にどのような効果を期待するかによって適切な堆肥を選択する必要があると言えます。

 

というわけで、当社の堆肥も絶賛発売中です。(宣伝)

一般貨物と産業廃棄物収集運搬業

世間はゴールデンウィークとやらに入っているようですが、当社は絶賛営業中です。当社は土日は完全週休二日で祝日は出勤という業務体系ですので、連休は関係ないです。私は土日も出勤のことが多く、今日も出勤しておりましたが風邪気味で仕事にならず・・。このところ忙しかった疲れがたまっているようです。

連休に仕事をすると問題なのが運送です。運送屋さんは日曜祝日休みが多いため、できあがった飼料の配送トラック確保に苦労します。これに限らず、飼料を取り扱っていると配送をどこに依頼するかはとても重要な要素です。

飼料は価格が安いため、運送コストの比率が非常に高くなります。たとえば、含水率が80%程度あるサイレージは販売価格は数円/kgに過ぎません。運賃は乾燥物であってもそうでなくても価格は変わりませんので、販売価格に占める運賃が半分以上ということも珍しくありません。

当社は全国で食品工場にて食品廃棄物を飼料に加工してもらうオンサイト処理と呼ぶ取り組みを実施しています。そのままでは飼料にならなかった廃棄物も、少し加工することにより飼料として利用することができるような仕組みをご提案しています。

飼料として利用することができる形態にすることにより、コストの低減や衛生環境の向上などのメリットが出ます。

オンサイト処理のもう一つの隠れたメリットとして加工を行い、有価物となると産業廃棄物収集運搬業ではなく、一般貨物運送業の車両で運ぶことができます。

産業廃棄物収集運搬業と一般貨物運送業は同じような車両を利用していても運賃相場が大きく異なります。これは帰り便が埋まらないことが多い産業廃棄物収集運搬業に対し、一般貨物では帰り便を積極確保していることなどにより、トラックの稼働率が違うことが大きな理由です。

とはいえ、一般貨物運送業もそれぞれ得意としているエリアがあり、また保有している車両もそれぞれ異なっています。全国展開しているとそれぞれの地域が得意な運送会社を探すのに毎度毎度苦労しています。道行く運送会社をチェックする日々が続いています。

リキッドフィードの保存性

忙しいさのピークは過ぎましたが相変わらずばたばたとしています。関東で大きな仕事を頂きましたのでしばらくは出張が多くなりそうです。普段会社にいることのほうが少ないのですが、たまに会社にいると来客が多く予定がびっちり埋まります。

来社されると工場見学される場合が多く、いろいろな原料が入荷しているのをご覧になり驚かれることが多いです。

また、製造されたリキッドフィードを見て「こんな液体のエサを豚が食べるんだ」と感心されることもしばしばです。

その中でよく質問があるのは、「リキッドフィードは腐らないのか」というご質問です。水分が多く、高栄養であるため腐りやすいことは事実です。そのため、リキッドフィードでは腐敗を抑えるためpHをコントロールします。乳酸発酵や有機酸の添加によりpHを下げることにより細菌の繁殖を抑制します。
リキッドフィードには糖が多く含まれているため、嫌気性条件下に置くと比較的容易に乳酸発酵します。しかし、当社ではより安全を期するために有機酸の一種であるギ酸を添加し、pHを低下させています。
今までの経験と分析値から、pHを4.0以下にすると細菌の繁殖を抑制でき、腐敗を抑制できています。多くの文献ではpHは4.5程度でも問題無いような記載が多いですが、安全を見るとpH4.0以下に維持した方がいいようです。

一方、乳酸発酵が進みすぎてpHが3.0を下回ると嗜好性が落ちる傾向にあります。ジュースやヨーグルトがpH4程度ですから、やはりそれより低くなると豚も酸っぱさを感じるようです。

もう一つ保存性で重要なのは嫌気性下で保存すると言うことです。酸素が少ない条件では含まれているアルコールなどの働きもありカビや腐敗が起こりにくい状態になります。このため、運搬容器、保管容器は蓋を極力開けないようにしています。

pH4.0程度になったリキッドフィードは常温で2週間程度の保存が利きます。実際は最大でも1週間程度で使い切ってしまいますが、保存性を高めることは飼料としての利用の利便性を維持する上で重要です。安全性を担保するためにpHは常に計測すると共に、細菌数のチェックなども定期的に実施しています。まあ、いろいろやってみて思うのは、要するに「酸っぱければたいてい大丈夫」ってことですヽ(´▽`)/

こういう仕事をしていると、自分が食べる物のpHや細菌数が気になってしょうがないのは職業病かもしれませんね。

何のために経営をするのか

年度末、年度初めの怒濤の書類作成もおおむね終わりました。書類作成だけならいいのですが、打合せに北関東から関西まで行ったり来たりしていたので疲れました。ロングスリーパーなのに睡眠時間が短い日々が続いて辛かったです。

そんな年度初めのさなか、先週末は愛知中小企業家同友会の経営指針作成講座に泊まりがけで参加してきました。

中小企業家同友会では経営指針作成を強く求められます。中小企業家同友会では「経営理念」「経営方針」「経営計画」の三つを総称して「経営指針」と呼んでいます。
これらの計画をまとめ、従業員他のステークホルダーにたいして公表すること、それが経営の基本だと教わります。

会に入る前にはあまり意識したことがなかったのですが、周りの中小企業の経営者を見渡していると、なにを目標として、どういう戦略を立てていくかが全くなく場当たり的に経営をしているケースが多くあります。どういう会社にしていくかがはっきり見えることにより確固たる経営が初めてできる訳です。

今の日本の閉塞感も日本の政治が確固たる理念が欠落しており、目標と計画がないことが大きな原因ではないでしょうか。将来どうなるかという未来像が見えなければ安心して日々を過ごすことはできません。このことは日本全体も中小企業も同じではないかと思います。

当社はおかげさまで(利益はともかく)売上は増えていますが、今のままの個人商店では早晩行き詰まるのは目に見えていますから、今のうちに組織としての形態を確立し、将来への道筋を打ち立てる必要があると思い経営指針の講座に参加したわけです。

半年にわたる経営指針講座のうち、最初の3日間は経営理念について考える時間となっています。とくに、2日目、3日目は泊まりがけで「何のために経営するのか」ということを討議します。
2日間にわたって創業まで至る経緯、これまでやってきたこと、今後どうしたいかということを生い立ちから掘り下げて話しているうちに、自分の考えが整理できてきました。

思えば今までは日銭を稼ぐことに汲々としてきましたし、おもしろ半分のゲーム感覚で経営をしてきたようにも思います。これから企業として発展していくためには、確固たる目標をもち計画を打ち立てて進めていくことが重要である、そう気付かせてくれた2日間だったように思います。

有意義な時間でしたが、寝不足が続いていたところに朝の10時から夜中2時まで経営理念について考えるのは相当疲れました。

講座は秋まで続きます。しっかりと勉強して未来像の見える経営指針を作成し、企業発展につなげていきたいと思います。

農産物の売り方

超久々のブログ更新となりました。
年度末で大変多忙でした。補助金の申請&報告書が大量にあったので一時はどうなるかと思いましたが、なんとか山は越えました。風邪をひいたりせず乗り切れたのはよかったです。

今回は農林水産省の補助金をいくつか申請しました。農林水産省の補助事業は最近6次産業化関連のものが中心となっていますが、今回の6次産業化ではなくエコフィード関連のものを申請しました。

6次産業化とは、「第一次産業である農林水産業が、農林水産物の生産だけにとどまらず、それを原材料とした加工食品の製造・販売や観光農園のような地域資源を生かしたサービスなど、第二次産業や第三次産業にまで踏み込むこと」というもので、私の周りの農家も販売に力を入れているひとが多くいます。

そんな中、この前、近所のスーパーでお米を買ったときにちょっと気になることがありました。最近はスーパーも様々な産地、品種のお米を販売しているのですが、米の品種名は書いてあってもその品種がどんな味なのかが全く書かれていないし、どんな栽培方法をしているかも書かれていないのです。

今回買ったのは北海道産の「ゆめぴりか」。仕事でよく北海道へ行き何回か食べたことがあり印象がよかったので購入しましたが、そうでなければおそらく購入しなかったのではないかと思います。ゆめぴりかは評判がたかいようで、なんと新潟県産コシヒカリより高い価格で販売されていました。ただ、愛知県の一般消費者にそこまでの知名度があるとは思えません。もちろんスーパーがポップなどで説明を書けば一番いいのでしょうが、米袋にスペースがあるのにもかかわらずそこに書かれているのは米の炊き方などのたいして意味のない情報ばかりです。

極めつけは「北海道産米の新たなブランド形成協議会認定」という消費者にはまったく役に立たないロゴが[E:sweat02]名前をつければ売れると勘違いしているのかと思いますが、せっかくの良食味米をなぜPRしないんでしょうね。

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ちなみに、米の販売元はあいち経済連でした。優秀な人材が揃っている経済連ですらこの体たらくでは普通の農家の6次産業なんて夢のまた夢ではないかと思います。

日本の農業の強みは品質であると思います。特に、日本人は食に対してのこだわりは世界有数であると思います。そんな日本で揉まれた日本の農産物は美味しいものがたくさんありますが、伝える努力を怠っているのではないかと思います。

米はまだ品種と産地が表示されますが、そうでない農産物もたくさんあります。キャベツやタマネギで品種の名前が書かれて販売されているもの見たことがある記憶がありません。複雑な流通も原因の一端ではありますが、生産者の伝える努力が足りないのも間違いない事実であると思います。これだけ情報発信が容易になっている中、積極的に発信している農家はごく一部に留まっています。6次産業化の補助金で加工設備を作るのも結構なことですが、それ以前に消費者への目線がなければ加工も販売も茨の道となってしまうのではないでしょうか。

エコフィードによる特徴のある畜産物の生産

飼料と肥料を製造するという仕事を生業にしているため、お客様から農産物を頂く機会が多くあります。美味しい農産物を食べることができるのは役得だと思います。

そんな中、飼料は豚向けが多いため豚肉を食べる機会が多くあります。当社のお客様は銘柄豚として美味しい豚肉を生産し販売している方が多く見えます。
実を言うと、私はこの仕事を始めるまで豚肉の味なんてどれもあんまり差がないと思っていました。それが美味しい豚肉を食べ、豚肉の味には大きな差があることを知りました。

当社のお客様はエコフィードを使用しているため、様々な原料を飼料として利用しています。当社が供給しているものとしてはじゃがいも、酒粕、ラーメンくず、小麦粉などがあり、その他にもお客様が調達したパンやうどんなども飼料として利用されています。

豚肉の味を決める大きな要因として飼料の組成があります。もちろん品種や育て方も重要ですが、飼料が与える影響はもっと大きいものです。おなじ血統の豚でも飼料を変えると全く違う肉質になります。農水省の補助事業の実証試験で飼料の変化による肉質の違いを調査したのですが、驚くほどの肉質の変化でした。

逆に言うと、おなじ飼料を使っている限り同じような肉質になってしまうと言うことです。配合飼料は多くはトウモロコシを主体としているため、どうしても肉質に差がつきにくい状況にあります。一部の配合飼料では芋や麦を配合することで肉質の向上を図っているものもありますが、そういった種類はごく一部に留まっています。

エコフィードを使用すると、配合飼料とは原料配合が大きく変わっていくため肉質も大きく変化します。一歩間違えば肉質が悪化することもありますが、逆に上手く使えばコストも下げつつ肉質の向上や特徴のある肉質とすることもできます。

ブランドをつけて販売する以上、特徴のある味であることは当然ながら重要なことです。エコフィードを使用する意義はそんなところにもあると思います。

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有価物と総合判断説

相変わらず多忙な日々が続いております。40歳になったせいかどうかはわかりませんが、最近睡眠時間が短くても平気になってきたので夜なべしてなんとか仕事をこなしている状態です。

忙しい中もセミナーなどは割とマメに参加しているのですが、先日とあるセミナーで県の職員の方が廃棄物の定義についてお話しをされていました。その中で「総合判断説」についても触れられていました。

総合判断説には以前の記事にも書きましたが、重要なのであらためてまとめてみたいと思います。

総合判断説とは、廃棄物か有価物は「総合的に判断する」というものです。

ちょっと長いですが環境省の通知を引用します。

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廃棄物とは、……占有者が自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができないために不要となったものをいい、これらに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべきものであ

る。

また、本来廃棄物たる物を有価物と称し、法の規制を免れようとする事案が後を絶たないが、このような事案に適切に対処するため、廃棄物の疑いのあるものについては、……以下のような各種判断要素の基準に基づいて慎重に検討し、それらを総合的に勘案して、その物が有価物と認められるか否かを判断し、有価物と認められない限りは廃棄物として扱うこと。

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とあります。
その中でいくつかの判断の基準の中の1つとしてに以下のようなものがあります。

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取引価値の有無……占有者と取引の相手方の間で有償譲渡がなされており、なおかつ客観的に見て当該取引に経済的合理性があること。

実際の判断に当たっては、

・名目を問わず処理料金に相当する金品の受領がないこと.

・当該譲渡価格が競合する製品や運送費等の諸経費を勘案しても双方にとって営利活

動として合理的な額であること.

・当該有償譲渡の相手方以外の者に対する有償譲渡の実績があること.

等の確認が必要である。

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ここに、「占有者と取引の相手方の間で有償譲渡がなされており」とあります。ここに重きをおくと有価物としての取引は売買の際に完全な無償ではなく、0.1円でもいいから対価を支払うことを求められるケースがあります。

ところが、この通知には以下のような記載もあります。

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なお、占有者と取引の相手方の間における有償譲渡の実績や有償譲渡契約の有無は、廃棄物であるか否かを判断する上での一つの簡便な基準にすぎず、 廃プラスチック類、がれき類、木くず、廃タイヤ、廃パチンコ台、堆肥(汚泥、動植物性残さや家畜のふん尿を中間処理(堆肥化)した物)、建設汚泥処理物(建設汚泥を中間処理した改良土等と称する物)等、場合によっては必ずしも市場の形成が明らかでない物については、法の規制を免れるため、恣意的に有償譲渡を装う場合等も見られることから、

当事者間の有償譲渡契約等の存在をもって直ちに有価物と判断することなく、上記のア.からオ.までの各種判断要素の基準により総合的に判断されたい。

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とあります。つまり、いくら有価物としての売買契約があったとしても関係ない・・と述べられているわけです。
対価としてかなりの金額を支払う場合はともかく、0.1円/kg程度の金額での取引では上記通達から言ってその契約の有無が判断基準を左右することがあるとは言い難いわけです。むしろ、売買契約などで継続的に引取を行なう事や引き取った際に排出事業者が費用負担をしていないこと明確化することの方が重要ではないかと考えられます。

当社ではこのような背景の元、有価物として取引させて頂く場合には取り扱い方法や保管方法などを細かく指導させていただき、商品としての間違いない価値を維持するように努めています。質の高いリサイクルにより確実な有価物として認識させるものとすることが重要だと考えています。

自給飼料と堆肥

当社が取り扱っているエコフィード、以前は豚向けが中心でしたが最近は牛向け飼料の取り扱いが増えています。その結果として牛屋さん(主に酪農)へ行く機会が増えています。

初めて農場へ行ったら、買っている牛の頭数、牛乳の生産量、使っているエサの種類、エサの配合をどうやって設計しているかを聞きます。

牛の頭数・・エサの飼料量がわかります。
牛乳の生産量・・1頭あたりどれぐらい牛乳が出ているかによってエサの配合が変わってきます。農場によって量はかなり異なります。
使っているエサの種類・・濃厚飼料(配合飼料)と牧草の組み合わせを聞きます。
エサの配合・・今の酪農は栄養バランスを綿密に計算してエサの組み合わせを決めています。配合設計は人間で言うと栄養士のような仕事です。農家自身が設計をしているケースは少なく、主に飼料メーカーや獣医の先生が担当することが多いです。

この配合設計をしている人がエコフィードに対して理解が無いとなかなか当社の飼料を使ってもらえないという事態が発生します。

当社は「お客様の利益が出ること」を経営理念にしていますので、当社の飼料は価格設定、品質を含め大なり小なり使用することによるメリットがあるのですが、それをうまくお伝えできないことがあるのは残念です。

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最近の営業アイテム 脱水モヤシ

と、あわせて農家でお聞きするのは自給飼料(牧草)を作っているかどうかです。「え、牛屋さんなんだから牧草を作るのは当たり前でしょ?」と思われるかたが多いかもしれませんが、実はここ愛知県では牧草を作っている農家さんの方が少ないです。多くは牧草を作らずに海外の輸入乾草を購入しています。

ここ数十年為替が円高になる傾向にあったため輸入の牧草が安くなってきたこと、現在の酪農では上記のように細かく飼料の栄養バランスを整えているため成分が不安定な自給飼料が敬遠されることが主な理由です。

ところが、牧草を育てないということは、牛舎から発生した堆肥の利用先に困ることになります。飼料を完全自給した場合、牛乳を出荷するのですからその分物質収支から見ると不足が発生します。牛糞由来の堆肥だけでは物質、すなわち肥料成分不足するため、そのため肥料を飼料畑に投入する必要が出てきます。
ところが逆に飼料を自給しないと堆肥(=肥料成分)が過剰となります。あまった肥料分を処理するために排水処理のためのエネルギーを投入する必要が出てきます。

エコフィードを使うと言うことは換言すれば日本全体での物質循環を高めるという行為です。海外からの輸入飼料を使うと言うことはそれだけ物資が過剰となります。牧草を自給すると言うことは農場内での物質循環ができるということです。

私は物質循環の不均衡を是正していくことには合理性があり、食品リサイクルも飼料の自給も合理性にもとづいた重要な存在だと考えています。農業とは本来物質循環行為そのものであるわけです。今の日本の農業、とりわけ畜産はそこから乖離していることについて自覚を持っていく必要があると思います。

見積合わせの重要性

遅ればせながらあけましておめでとうございます。多くの会社は今日まで年末年始の休暇かと思います。明日はたくさん電話が鳴るのではないかと予感しています。
当社はいつものように元旦以外は仕事でした。食品リサイクルは因業な商売だと思います。

会社は営業していましたが、電話もメールも無いので一生懸命書類作成などしていました。見積書の作成などもあるのですが、工場の治具や工具の図面を書く仕事もあります。
現場で使用する治具はたいてい私が図面を書いて鉄工所に頼んで作ってもらっています。

いまお付き合いしている鉄工所が数カ所あり、なにか作成するときにはそれぞれ見積もりを出してもらっています。出てきた見積をみて発注をかけています。
余程急いでいる場合、特殊なもので発注先が限られるもの以外は複数見積を取るようにしています。

見積合わせをするのは前職の上司からしつけられたたまものです。上司はトヨタ自動車出身で経営のこと、人事管理のこと、その他いろいろと教えて頂いたのですが見積合わせの重要性についてもその1つです。

見積合わせをするのは価格を競争させるという意味もあるのですが、適正な相場を知るという意味もあります。何が適正な相場かしらなければ交渉もできません。

また、安い価格を提示できるのは無理をして安値を出していることもありますが、往々にして得意なものは安くできることが多いです。
たとえば、鉄工所と行っても実は業務の幅は広く、持っている機械の種類が違い作業者の得意分野も異なります。このため、得意な分野だと安い上に仕上がりがよく短納期だったりします。

私は何かを発注するときに見積合わせを取ったら基本的には一番安い金額の会社と交渉することにしています。これは安い方がいいということももちろんありますが、安値を提示したにもかかわらず交渉ができないとことが続くと次回の見積の依頼が難しくなるということもあります。無論、価格以外の要素があればそれを加味することも行っています。なんにせよ取引先とはきちんとルール付けを行い公正な取引をすることが重要と考えています。

ビジネスを行う上でお客様との関係が大事なのは言うまでもありませんが、仕事を頼む先との関係というのもとても重要だと思っています。
と言いつつ、当社もお客様とお話ししていて「よそからも見積とっているから」というととてもドキドキするのは立場変われば・・ってやつですね ^^;