缶詰のリサイクル

今日も休日出勤です。周りの会社もやっぱり仕事のようです。みんなよく働くものだと感心します。

スポットの仕事で缶詰が入荷したのでもりもりと開けています。同業と話しているとしばしば「どうしてこんなモノを捨てるんだろうというものがよくある」という話になりますが、缶詰はその最たるモノですね。なぜ賞味期限が1年以上残っている缶詰を処分するんでしょうね。

フルーツの缶詰は適度に酸味があり糖分が発酵基質として適しているのでリキッドフィーディングの原料として向いています。問題は缶を開けるのが大変だと言うことですが、当社には半自動缶開機があり、最近は慣れもあるので1日で数トンは開けることができます。容器分別機で分けることも可能ではありますが、やはり手作業のほうが品質は高いです。開けた後、異常発酵を抑えるためギ酸も添加しています。実のところギ酸はあんまり効いていない気もしますが・・。

秋と堆肥

今日は世間では3連休の最終日のようですが、当社は出勤日でした。周りの会社もおおむね仕事の様でしたし、お客さんから電話かかってきたりしたのであまり休みといった感じがしないですね。このブログのアクセス数が極端に少ないのを見るとやっぱり休みなんだなぁと感じますが・・。

今日は堆肥の切り返しをしていました。このところ晴天続きでしかも空気がずいぶん乾いています。作業をして汗かいてもすぐに乾きますね。でも、堆肥も乾きすぎてしまいホコリがすごくて大変です。JIS検定品のマスクがあっという間に詰まります。ホイルローダーのラジエターも詰まります。おかげでアレルギー性鼻炎が悪化しているような気がします。

堆肥造りではこういう季節の変化に応じていろいろと対応しないといけないのが難しいところです。製品のロットによるばらつきをできるだけ抑えようとしているのですが、どうしても水分量などは若干ぶれがあります。生き物相手は難しいです。

秋の夜長につらつら思うこと

今日は久しぶりの大雨でした。おかげですっかり涼しなりました。いきなり気温が10度も下がると風邪引きそうですね。
リサイクルビジネスを始めて驚いたことがいろいろありますが、その1つに食品メーカーのとても厳格な基準です。受け入れたものを見ると賞味期限などが原因で廃棄されるものがたくさんあります。乾燥物や酒粕、はたまた缶詰までが賞味期限が理由で捨てられています。
赤福の事件などを見ていると、マスコミがセンセーショナルに騒ぎ立てたことが食品メーカーを非常にセンシティブにしているのではないかと思います。もちろん偽装はよくないですし、健康被害は論外です。ただ、食べられる「ゴミ」の山を見ているとなんとも複雑な気分になりますね・・。
エサにするのは悪いことではないのですが、食糧危機の足音が聞こえている現在、これでいいのかという思いはあります。自分の仕事を否定するようですが。

一般廃棄物の処分単価

週間予報で涼しくなる予定でしたが、なんか期待したほどには気温が下がらないですね。もう9月も半ばなのに。
今日は事業系一般廃棄物についてすこし語ります。
食品リサイクルの推進と言われて久しいですが、外食産業、食品小売り業の食品リサイクルはあまり進んでいないのが現状です。この原因は色々ありますが、一番はこういった業種からの食品廃棄物は一般廃棄物に分類されるからです。いわゆる事業系一般廃棄物の場合、多くの市町村では許可業者が収集し、市町村の焼却処理にて処理されます。
以前も書きましたが、市町村の焼却処理は愛知県の場合10円~20円/kg程度が多いです。一般的に事業系一般廃棄物をリサイクルする場合は20円程度かかります。20円/kgの自治体でしたら同価格ですが、10円/kgの自治体ですとリサイクルする方が高くなります。また、食品廃棄物だけ分別回収するコストもかかります。ので、コストアップになるためリサイクルがなかなか進まない訳です。
市町村の焼却処理の費用ですが、実は原価ベースですと40円~50円/kgかかっていると言われます。それを税金で補填して安い料金で処理を受託しているわけです。
かたやリサイクルの推進をうたいながら、一方では税金を使って焼却処理を安価に請け負う・・・矛盾です。
これは常々持論なんですが、各種政策を推進するにあたって様々な方法がありますが、細かい補助、助成措置や啓発を行っても効果は少なく、税制などを利用して金銭的なインセンティブを与えることが効果的だと思います。今回の例で言えば、リサイクルの推進を本気で考えるなら市町村の焼却処理の単価を原価まで引き上げれば簡単にリサイクルに回ります。
例えば東京の多摩地区などではゴミ処理が逼迫しているため市町村の処分単価が40円以上するところもあります。そういった地域では非常にリサイクルが推進されています。
ただ、市町村の焼却処理の単価はいろんなしがらみが多く簡単には変えられないのが難しいところですが・・・。

食欲の秋

昨日は台風の影響で久しぶりの雨でした。今朝、家を出たら秋の風がさーっと吹いてきました。日中は結構暑かったですが、先週までのような気候ではなく過ごしやすくなりました。
季候がよくなると食欲が増してきます。何回か書きましたが、私はかなり暑がりで暑いと食欲が落ちます。も少し若い頃は体重が何キロも落ちたりしましたが、この頃はさすがに体重は落ちませんが、食べる量はかなり減っている気がします。今日はちょっと現場仕事もあったこともあり、いますごく空腹です。
動物も季候がよくなると食欲が増えます。でも、この季候によるエサの摂食量変化はリサイクルビジネスにとって大きな問題です。エサはあまり日持ちしないものも多く、夏場など食欲が落ちて飼料の使用量が減ってしまうと入荷したものがだぶついてしまう場合もあります。ので、当社のお客さんはバイプロ由来の飼料と配合飼料やその他の保存性がよい飼料を併用しているケースが多く、そちらの方で量の調整をしています。調整代が無い場合は入荷した飼料原料を処分しなければいけなくなってしまいます。
需給バランスの調整が難しいところがエコフィードの難しいところですね。

マニュアル車のすすめ

毎度毎度同じ事を書いて恐縮ですが、暑いですね~。9月になってこの暑さはこたえます。
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私が乗っている車はスズキのスイフトというコンパクトカーです。排気量1300CCのマニュアル車です。マニュアル車に乗っていると結構驚かれることが多いですが、私はマニュアル車こそエコだと信じています。
まず、構造がシンプルで重量が軽いこと。オートマと比べるとだいたい重量が20~50kg程度は違います。それだけ製造に関わるエネルギー消費がすくないと言うことです。
また、それに伴い、価格も安いことが多いです。最近はMTもATも同価格という車が増えましたが、スイフト買ったときには10万円違いました。
あと、伝達効率がよいと言うことも重要です。トルクコンバーターやCVTはすべりや油圧のため伝達ロスが多くなりますが、歯車のかみ合いであるマニュアルトランスミッションは伝達効率がよいです。
カタログ燃費ではオートマの方がよい場合も多いですが、燃費サイト(ex.e燃費)などを見ると、MT車がランキング上位を占めています。これ見ると軽のマニュアル車は本当に燃費がいいです。プリウスなんか乗るよりミラやワゴンRのMT車に乗った方が間違いなくエコなんですが、デカプリオがミラに乗ると言うことは無いだろうなぁ・・・。
ちなみにスイフトの燃費ですが、名古屋から遠距離通勤していたときは15km/Lでしたが、通勤距離が2kmになったら12km/Lになってしまいました。ただ、スイフトのCVTでは10km/Lを割るようなこともあるようですので、それに比べて良好だと思います。
マニュアルはめんどくさいと言われることが多いですが、慣れです。歩くときに右足の次に左足を出すように勝手に左手左足が動くようになります。
残念なのは日本ではオートマ全盛でマニュアル車の設定がどんどん減って行っていると言うことです。エコのためマニュアル車に乗りましょう。

学生の時の話(その2)

9月だというのに暑い日が続きますね。この前、家の体重計で体脂肪を計ったら夏前に比べて3%ぐらい低くなっていました。汗をすごいかくのでボクサー状態になっているようです。工場はホントに暑いのでリフトに乗っているだけで汗だくです。
今日は以前書いた学生の時の話の続きです。
卒論のテーマは「食品廃棄物を利用した肥効調整肥料の開発」(正式な名前は忘れました。どっかに卒論はあるはずですが)でした。これは、食品残さと化成肥料を一緒に混ぜ合わせることによって窒素飢餓をおこして肥効を調整するというもくろみです。詳しい内容はややこしいので省略しますが、要するに学生の頃から扱っているものが変わらないと言うことです。
ポットにふるった土といろんなサンプルの肥料を入れて牧草の種をまき、まず1回目の実験開始です。そのあとは水やりをひたすらしていたのですが、水やり以外何をしていたのかほとんど記憶が無いwいや、毎日研究室へは行っていたのですが・・。
で、数ヶ月経つと牧草も大きくなってくるのですが、見事に食品残さと化成肥料を混ぜた処理区は肥料の効きが遅くなっていました。肥料の試験ってやってみるとよくわかるのですがきれいに結果が出ることが多いです。結果を数値化するために、牧草を刈り取り、重さを量って分析を行います。ここまでが夏までの実験です。
ふと気がつくとあれから15年も経つんですよね。年が経つのは早いものです。というわけで、このシリーズ続きます。

不法投棄と排水処理

もう一ヶ月近く前ですがこんな事件がありました。
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名糖産業:不良品あめ下水に 不法廃棄の疑いで調査
 あめ「ホールズ」などを製造する名糖産業(名古屋市西区)の名古屋工場(同区)で、不良品のあめの一部を水に溶かして下水道に流していたことが分かった。市廃棄物指導課は28日午前、廃棄物処理法違反の疑いもあるとみて立ち入り調査した。同社は「問題はないと考えていた。市の判断を仰ぎ、今後は産廃業者に処理を委託したい」としている。
 名糖産業によると、包装不良のあめの一部を砕き、網状の袋に入れて釜に投入。水を注いで加熱してあめを溶かし、下水道に流していた。約3年前から1日約数十キロを廃棄していたという。名糖産業は自社製品のあめのほか、東京のキャドバリー・ジャパンのブランド「ホールズ」を製造している。【稲垣衆史】
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100728k0000e040075000c.html#

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「廃棄物処理法違反の疑い」とありますが、私の見解から言うとこれは微妙だと思います。
下水道の放流基準は超過していなかったようなので、こちらの規制には引っかかりません。ので、産業廃棄物処理法に抵触するかが問題です。
アメが産業廃棄物かどうかと言えば産業廃棄物に該当します。(動植物性残さ)ただ、産業廃棄物を下水や排水処理に流すことは珍しくありません。
例えば食品加工業などでは煮汁などの濃厚な廃液がしばしば発生します。廃液は産業廃棄物として処理されることもありますが、下水の放流基準を超過しなかったり排水処理に余裕があれば通常流します。これが問題になることはありません。
当社でも「最近排水処理の負荷が上がり処理が追いつかなくなってきたから今まで排水処理に流していた廃液を産廃として処理して欲しい」という依頼が時々あります。ちなみに、こういう廃液は廃酸または廃アルカリとなります。
今回の理屈で言うと、今までは廃掃法違反だったのかということになります。
固形物を流したからいけなかったのかというと、固形物を排水処理に流しているケースも結構あります。機械の洗浄などでは相当量の固形分が排水処理に流れます。固形分を流していけないなら、下水道放流基準のSS(浮遊物質)はゼロでなければいけないはずです。機械に付着していたアメを洗浄したものは流してよく、包装不良品は不良品は流してダメというのもおかしな話です。
だいたい、下水道ではそんなに細かなとこまでチェックしていないので基準に違反して流していることがよくあります。工場地帯の下水道では相当な重金属が検出されるのですが、これは工場が本来流していけない廃液を流しているからです。また、夜中に濃厚な有機排水を流したりして下水処理場の夜間流入濃度が極端に上がったりすることもあったりします。今回の例では排水基準は超えていなかったので、こういった例に比べれば新聞沙汰にするほどのものでもないようにも思います。
廃掃法自体が非常に曖昧模糊としているので、厳密に解釈するとほとんどの食品工場が違反になってしまいます。例えるなら、今回の問題は速度制限を5kmオーバーして白バイにつかまったようなものでしょう。行政はもうすこし明確な基準を提示して欲しいものです。
ちなみに、当社でもアメのリサイクルを行いますので、お困りの皆様方よろしくお願いいたしますm(_ _)m

食品リサイクルとカビ

まだまだ暑いですが、ここ東三河は名古屋に比べるとだいぶましです。今日も木陰に入るとわりに爽やかな風を感じました。
飼料を取り扱っていると夏場に悩まされるのがカビです。食品副産物であるパン、お菓子などは非常にカビが生えやすいです。給食のパンを残して机の中に入れっぱなしにしてカビだらけ・・なんて言うことが私の小学生の頃はクラスのだれかが年に1回ぐらい起こす風物詩でしたが、最近の小学生はどうなんでしょうね。
カビを防ぐのに一番有効な方法が乾燥です。水分が10%程度になりますとまずカビが生えません。当社では簡易乾燥機なるものを開発しており、食品廃棄物の排出元で乾燥処理をすることにより食品リサイクルを推進しています。
しかし、一旦乾燥したものでも梅雨時の湿度が高い時期では吸湿してカビが生えたりします。小麦粉なども吸湿するとカビが生えます。ので、当社が生産するエコフィードも吸湿しやすいものはビニール袋を入れて湿気らないようにしています。
もう一つ、カビを防ぐよい方法がアルコールです。最近よくコンビニで売られているバームクーヘンなどの焼き菓子のパッケージに入っているのがこのアルコールを使った保存剤です。乾燥剤と思われているのですが、よく見るとアルコール製剤と書いてあるのでそれとわかります。とはいえ、食品リサイクルでは高価なアルコール製剤はなかなか使用できませんが。
バームクーヘンは水分20%強程度です。大して水分が入っているわけではないのですが、カビが生えます。これを水分10%程度にするとカビが生えなくなりますが、ぼそぼそとしてお菓子としてはいまいちな状態になってしまいます。目的とコストによって使用方法を使い分ける必要があるわけです。

夏場のリキッドフィーディング

今日も相変わらず暑かったです。ただ、昨日と比べるとすこし風があるのと夕方曇ってきたので若干マシでした。夕方外にいると結構気持ちよかったりします。縁側でエダマメとビールと行ければ最高なんですが。
暑がりなので暑くなると食欲不振です。もともと基礎代謝量が多いせいか、熱の放出が追いついていない気がします。おかげで夏は結構痩せます。痩せるというか、やつれているという話もありますが。齢90何歳(正確な年齢不詳w)の祖母が梅干しを作ってくれるので、ご飯の友としています。梅干しがあるとご飯が進みますね。
暑くなると食欲不振なのは動物も一緒です。ウシ、ブタ、トリ、みんな食欲不振になります。お客さんの養豚農家と話していると夏場はみなさん苦労しています。
こういう暑いときにリキッドフィーディングが威力を発揮します。ヨーグルト状で適度な酸味があるため、夏場の食欲不振の時期でもあまり食べる量が減りません。ブタの場合、夏場食欲不振となり増体(体重の増加)が低くなるため出荷のペースが落ちたりするのですが、リキッドフィーディングの場合は影響が出にくいわけです。
ただ、リキッドフィーディングでも農場によっては嗜好性が落ち増体に影響が出ているところもあるようです。単に乳酸発酵させればいいと言うわけでも無さそうです。発酵は奥が深いです。