ジュースとスポーツ飲料

年度末もいよいよ佳境にさしさかり、忙しさはピークに。なのに学会出席、セミナーのために出張中です。いや、予定ではもう余裕ができているはずだったのですが・・。
リキッドフィーディングプラントの工事もだいたい終わって、試運転調整を行っていますが、案の定不具合がぼちぼち出ています。なかなか落ち着かない状態です。
プラントを増強してリキッドフィーディングの生産を増やすので、受入も増強すべくいろいろな原料を調査しています。最近引き合いがあったのはスポーツドリンクと炭酸飲料です。
スポーツドリンクとか炭酸飲料って高カロリーなイメージがあったのですが、飼料として受け入れるに当たって原料の成分を確認したところ思ったより低濃度で驚きました。
製品となった食品や飲料の場合、リサイクルする際に成分分析をするのではなく、製品のパッケージを見て成分を確認するケースが多いです。たとえば、某スポーツ飲料の場合成分の表記は
原料100gあたり
タンパク質・脂質:0g
炭水化物:6.2g
ナトリウム:49mg
カリウム:20mg
カルシウム:2mg
マグネシウム:0.6mg
となっており、原料は
砂糖
果糖ぶどう糖液糖
果汁
食塩
酸味料
香料
塩化K
乳酸Ca
調味料(アミノ酸)
塩化Mg
酸化防止剤(ビタミンC)
となっています。成分表記と原料表記から類推するに、タンパク質やアミノ酸の量はほとんど無視できる程度の量で、おそらく成分のほとんどは砂糖と果糖ブドウ糖液糖であると考えられます。炭水化物6.2%がほぼ糖だとすると、スポーツ飲料は6.2%の糖液と見なしていいと思われます。
果汁の糖度は11度~15度くらいだと推測されます。12度だとすると、スポーツ飲料は果汁の半分の濃度しかないことになります。
さらに、炭酸飲料は最近「カロリーゼロ」のものが多いです。これは糖液を全く添加せず、甘みはあっても消化できない甘味料を添加しています。
リサイクルして飼料として利用するには、成分がすくなければ飼料としての価値が少ない、ただの水代わりになってしまいます。逆に、濃度が高い糖液でしたら価値が高く、処分費用を頂かないで飼料原料として買取するばあいもあります。
 
リサイクル飼料の製造を始めてから、いろいろな食品の成分に詳しくなりました。見た目や感覚ではなかなか成分が予測つかないのが食品リサイクルの難しいところですね。

夕飯

昨日の夕飯です。


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メインディッシュはホタテのバター醤油焼き
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イカとジャガイモの煮付け
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菜の花の辛子和え 辛子は和辛子を使っています。香りが違いますね。
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ご飯。山形産はえぬき。
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味噌汁はネギとわかめ
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晩酌は芋焼酎

これで700kcalぐらいだと思います。こういうご飯が食べられて日本に生まれてよかったなと思いますね。
我が家の夕飯は一汁三菜、メインは肉と魚を交互に、揚げ物は食べないって言うのをルールにしています。
中小企業における経営の一番のリスクは健康ですので、バランスのよい食生活を心がけています。

お疲れモード

忙しい日々が続いてげっそりしています。来月になれば少しは時間が取れる・・はず。
今日は久しぶりに音楽ネタ。

この曲は亡くなった母がよく聴いていた記憶があります。
震災から1年経ちますが、こういう曲を聴くと心に染みるものがあります。

リキッドフィーディングプラントの工事

ちょっと更新を怠っていました。工場の設備の導入で先週よりばたばたの毎日です。経営者は忙しいのは苦にならないものですが、今年に入ってずーっとほぼ休み無しなのでさすがに体力的に疲れてきました。
今回導入した設備はリキッドフィーディング製造施設です。零細な当社にしては非常に大きな投資なのでいろいろと悩みながら設備を導入しました。今までの経験を活かし使いやすい設備になるように心がけています。
設備導入に当たって重視したのは「壊れないこと」です。プラントメーカーに設備設計を依頼するととかく自動的に動作するような設計になりがちです。ですが、リサイクルプラントでは入ってくる原料は一定ではありませんし、異物の混入も多いので自動的に制御すると故障の原因になります。とにかく壊れないことを重視して設計を行っています。
 
今回の工事では既存のラインを止めずに行なっていますので、調整することが多く大変です。狭い工場で製品と原料の置き場を変えながら工事をしたので本当に疲れました・・。ようやく目処がついてきたのでホッとしています。


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工事の様子
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据え付けられたタンク

今回の設備改修では図面作成から発注先の選定や工期管理まで全部やったのも大変だった理由の1つです。色々経験にはなりましたが、しばらく工事はこりごりですね。

遺伝子組換えとゼロリスク

この前、農業関係のセミナーがあり、農業事業者の講演者に「遺伝子組換えの作物はどう思いますか」という質問がありました。「安全性が完全に証明されていないので自分は作ることはない」という答えをされていたのですが、ちょっと気になったのでブログのネタにしてみます。
安全性が完全に証明されていないのは事実ですが、安全性を完全に証明することはどんなものでも不可能です。例えば、海に恐竜が住んでいないことや、宇宙人が存在しないことを証明するようなものです。宇宙人は1人でも発見できればいることが証明できますが、いないことの証明はできません。同様に、危険性の証明はできますが、安全であることを証明するのは不可能です。
そもそも、我々が普段食べている食べ物が危険でないという証明がされているわけではありません。今まで継続して食べてきたのでおそらく問題無いだろうということが言えるだけで、安全であることが証明されているわけではありません。ゼロリスクを言ったらあらゆるものを食べることができなくなってしまいます。
そもそも、遺伝子組換えトウモロコシは日本に年間1000万トン以上輸入されており、その約半分は加工食品の原料として利用されています。本当に影響があったらなにかもう発覚していると思いますし、これだけの量が輸入されているので日本人は確実に遺伝子組換え作物を食べずに生活するのはほぼ不可能でしょう。
遺伝子組換えというとすごく恐ろしい響きがありますが、農学部的な見地で言うとたいした技術でもなく組み替えると言っても未知の生物を作っているわけではなく、タンパク質を生成したりする程度なので「おそらく安全である」とは思います。遺伝子組換えなんて大学の研究室で学生が簡単にできる程度のものですし、遺伝子なんてどんどん変異するものですから突然変異でもっと危険なものができている可能性だって十分あるわけです。
遺伝子組換え作物は生産コストを下げることができます。世界で多くの人たちが飢えており、その多くの人がお金がないから食べ物を買うことができないのが原因である以上、食料生産コストの引き下げは不可避だと思います。遺伝子組換え作物は実は高コストだという主張を時々見かけますが、本当にコスト高なら収支にシビアなアメリカの農民が高く売れるNON-Gを作らず遺伝子組換作物を作るはずがありません。
 
ただ、遺伝子組換作物が人体に影響が無いとしても、アメリカから穀物を大量に輸入している現状には憂慮すべきものがあると思っています。自由貿易論者は自国で食料を生産しなくても海外から輸入すればいいという主張をしばしば行いますが、人口増というファンダメンタルの元では食料価格の上昇は避けて通ることができません。国際価格の乱高下は少なからず国内の経済、市民生活に影響を与えることとなります。リスクヘッジのためにもアメリカの穀物に依存する現状は変えていく必要があると思います。
ので、私は「NON-GMOのアメリカ産トウモロコシ」というものに疑問を持っています。そもそも、飼料などでアメリカ産トウモロコシを利用している一番の理由は価格が圧倒的に安いからです。遺伝子非組み換えのものは価格が高く、使用するメリットが薄れてしまいます。また、国際相場に依存しているという立場から見ても利点はありません。
たとえば、飼料分野から見たら遺伝子組換えを使用しないことより、輸入飼料を使用しないこと、自給飼料を利用していることのほうが食糧自給率や環境保全の面から見てずっと重要だと思います。遺伝子組換え作物を使用しなければいいと言う行動には疑問を感じますし、またNON-GMOだからといってそのコストに見合った対価を支払う消費者が少ないことにも事実です。結局、「遺伝子組換え作物使用」っていうおどろおどろしい言葉がパッケージに書かれているのが嫌なだけなんじゃないかと邪推してしまいますね。