不法投棄と一般廃棄物

ここ数日暑さが戻ってきた東三河です。今日も本当に暑かった。だいたい朝はリフトに乗って当日出荷する物を段取りしたりしているのですが、リフトに乗っているだけなのに朝から大汗かきました。昼間の工場は更に暑くて、現場の人たちにはご苦労をかけています。

 

先日、こんな記事を見かけました。

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【8/5朝日新聞

髪の毛33キロを海岸に投棄容疑 愛知のウミガメ産卵地

アカウミガメの産卵地として知られる愛知県豊橋市の表浜海岸に、ごみ袋約10袋分(33キロ)の髪の毛を捨てたとして、豊橋署は5日、市内の美容室経営会社と、従業員の女(20)=豊川市=を廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで書類送検し、発表した。

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この手の不法投棄はちょこちょことありますが、あまり新聞紙面に載ることは無いようにも思います。表浜海岸という景勝地だったからかもしれませんね。

この中で、《女は「店長から(髪の毛を)捨てて、と言われたが、朝早く家庭ごみの収集場所に持って行くのが面倒だった」と話した
》と記事にあります。仮に家庭ゴミの収集場所に持っていくとしたら、それも実は不法投棄になります。

廃棄物は産業廃棄物と一般廃棄物という区別があります。産業廃棄物は事業から発生して指定されたものだけが該当します。それ以外の物は一般廃棄物になります。ここで、よく誤解があるのですが一般廃棄物の中には事業から発生するものと家庭のものがあり、事業活動から発生した物は事業者自らの負担により処理しなければいけません。豊橋市も含め多くの市町村では市町村は事業から発生した一般廃棄物の回収業務を行っておらず、発生事業者が民間の事業者に委託することがルールとなっています。このようなゴミの種類の区別に従わず処理=不法投棄という扱いになります。場合によっては逮捕者も出るような違法行為です。

同様に、産業廃棄物を一般廃棄物として処理した場合も不法投棄という扱いになる訳です。

 

本来は、市町村がこの区別について指導しなければいけません。ところが、市町村によってはこのような指導をあまり行っていないのが実情です。当社のお客様でも、相当の大企業にもかかわらず本来は産業廃棄物として扱わなければいけない廃棄物を一般廃棄物として処理していたケースがありました。これは、私が現場を見ていての想像ですが、おそらく年商1億円以下の企業では半分以上が産業廃棄物を一般廃棄物として扱っていたり、家庭ゴミの集積場に出していると思います。

最近は、自治体によってはこの区別の周知徹底を行っているケースも増えてきていますが、まだまだ少ないのが実情です。今回のような事件が起きたのは、豊橋市の指導が不十分であった証左ではないかと思います。

ちなみに、豊橋市の相場ではこの33キロを事業系一般廃棄物として民間業者に委託した場合の費用はだいたい1、2千円です。事業を営む以上、この程度の費用負担は相応かと思いますが、残念ながら中小企業ではゴミの処理費用は完全な捨て金という認識が大多数であり、少しでも安ければいいという姿勢が横行しています。行政も実体を見て見ぬふりをしているので、このような不法投棄事件を誘発することになるのだと感じますね。

豚肉の歩留りとエコフィード

昨日、ブログを書いていたらブラウザが落ちて怒り心頭で、ブログ書くのやめて寝ました。同じ作業を2回するのは辛いですね。賽の河原状態です。Operaなんてマニアックなブラウザを使っているせいなのかもしれませんが・・。

 

今日のネタも豚肉の話です。前回の記事で山梨のと畜場見学の記事を書きましたが、その中で印象的だったことの1つに内臓の処理方法があります。こちらのと畜場では、と畜のラインで内臓を取り出した後、すぐ横の加工室で内臓の処理を行っていました。1頭ごとにまず内臓をパーツ毎に分別を行い、それぞれのパーツで洗浄作業を行っています。消化管などには内容物が入っていることもありますので、パーツ毎の担当者が手早く掃除を行っています。

長く時間をおけばおくほど細菌汚染の心配や鮮度の劣化がおきますので、すばやく処理を行うことが重要です。

 

実は、エコフィードと内臓には案外関係があります。エコフィードを給与すると、生体重に占める内臓の重量の割合が下がります。これは養豚農家の売上に影響してきます。

豚をと畜場に出荷すると、農家には当然売上があがります。このとき、枝肉は今の相場で1kg500円程度の価格がつきますが、内臓や皮に関しては1頭当たり一律数百円が売り上げられるに過ぎません。内臓が大きいほどおなじ生体重の豚を出荷しても手取りが下がってしまう訳です。

エコフィードはトウモロコシ主体の配合飼料と比較して消化がよいため、内臓があまり発達せず内臓の重量が軽くなります。通常の豚肉の歩留り(枝肉重/生体重)は65%程度ですが、エコフィードを使用するとこの値が2%ぐらい上がります。つまり、内臓が2kg小さくなると言うことです。今の枝肉相場では2kgでは1頭当たり1000円手取りが変わってきます。

愛知県のちょっと大きな養豚農家では、年間出荷頭数は7000頭ぐらいです。年間で売上が700万円も変わってくることになります。これが、エコフィード使用の隠れたメリットです。

 

養豚農家に限りませんが畜産農家は売上規模が大きいので、ちょっとしたことで利益が大きく変わります。面白くもあり、怖いところでもありますね。

と畜場の見学

今日はちょっと知多半島のお客さんのところまで出かけていました。お客さんのところで荷物を引き取る予定があったのでトラックで出かけたのですが、東名の岡崎インターを過ぎた辺りでタイヤがパンクして大変でした。朝から運転していると妙にハンドルががたがたするなぁと思っていたのですが、まさかいきなりパンクするとは・・。大事にならなくてよかったです。

本線上でタイヤ交換するのはちょっと怖いのでロードサービスを呼んだのですが、道が混んでいたとかでなかなか来なくて退屈していました。お客さんのところには遅れるし、散々です。

 

先日、事務局をやっています三河トコ豚極め隊の活動の一環として、山梨県のと畜場の見学へ行ってきました。長野県のお客さんの養豚農家がこちらへ出荷しており、紹介して頂きました。なぜ、ブランド化勉強会である「三河トコ豚極め隊」でと畜場の見学をするかというと、と畜場での取り扱いがブランド化に大きな影響があるからです。

畜産農家が生産した動物はそのまま消費者に販売することができません。と畜場でと殺する必要があります。しかし、と殺しただけでは枝肉という状態であり、一般消費者はもちろん、スーパーやレストランにも販売することはできないです。

豚肉は枝肉になった段階で「格付け」と呼ばれる評価を受けます。この格付けというのは野菜や果物で言うところの規格のようなもので、一定の大きさや脂の厚さであることが求められます。

たとえば、格付けが悪くなる一番多い理由は「厚脂」です。これは読んで字のごとく脂が厚いということで、肉として使用する部分が少ないので格付けが悪くなり、結果として取引価格が下がります。ところが、この厚脂の肉の方が、実は味がよいことが多いのです。

 

また、枝肉はたいてい肉屋さんが購入します。そのため、どうしても赤身の割合が高い肉の評価が高くなる傾向になってしまいます。山梨のと畜場は、場内で肉の加工を行っており、しかもその費用が非常に安価です。このため、生産者が自らの肉をと畜場で精肉まで低コストで加工することができ、自ら販売することのハードルが低くなっています。

そのほかにも、細かい注文もいろいろと受け付けていたり、搬入時間の縛りがすくなかったり等々、いろいろと優れた点がたくさんありました。

 

私もと場見学は2回目なのであまり詳しいことはわかりませんが、と場によってさまざまな違いがあることはよくわかりました。百聞は一見にしかずです。本当なら会のメンバーにこちらへ試しに出荷して欲しいと思うところですが、1つの問題は、愛知県からは結構遠いという点です。4時間近くかかると気軽に持ち込むことができないですね。

名大農場でのトウモロコシ収穫

土曜日は実験をしている名大農場でのトウモロコシ収穫調査でした。今年は春先からの天候が不順のためどの処理区も生育が悪かったです。トウモロコシなんて気候にかかわらずそんなに収量が変わらないのかと思っていたら、そんなことはないんですね。

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当社の「ゆうきのススメ」処理区

今年は大学の先生が忙しくて日程の都合がつかず、収穫がだいぶ遅れてしまいました。適期から相当遅れていますので、トウモロコシの実もかりかりになってしまっています。

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収穫したトウモロコシ

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収穫した後は調査を行います。全重と雌ずい(果実重です。要は実)重を量ります。

重量を測定したところ、やはり今年は例年の半分くらいの収量でした。しかし、有機肥料中心に施用している処理区では、収量減は比較的少なくて済んでいます。有機肥料は悪条件下で威力を発揮しますね。

産業廃棄物の講習会

台風が来た後しばらく涼しい日が続きましたが、また暑くなってきた東三河です。

木曜日、金曜日は名古屋で講習会でした。産業廃棄物に関する講習会です。当社は産業廃棄物処分業の許可があります。この許可は5年で有効期限が切れ、更新手続きをしないといけません。新規申請と更新手続きの際には、この講習会へ参加して修了試験の合格証を添付する必要があります。ので、許可業者は5年に1度の講習会が必要となります。

 

この受講をうける人は、法人の代表者、役員、または事業所の代表者です。当社は他に人間がいませんので私が自ら受講しないといけない訳ですが、割と大きい会社でも社長自ら受講しているケースもあるようです。講習会の内容は、産業廃棄物の処理に関する行政概論と技術的な話もあります。産業廃棄物処理といっても当社のような肥飼料を製造している会社からプラスチックの焼却処理をしている会社まで非常に広範囲ですので、短い時間では通り一遍の話になってしまいがちですが。

今回の講習は200人ぐらいの受講者がいました。愛知県で産業廃棄物処分業の許可を持っている会社は1000社弱あり、5年に一回受講すると考えるとそれぐらいの数になりますね。

2日間の講習会の後には修了試験があります。更新の講習会では問題数の少ない試験ですが、新規の公衆の際にはかなり試験の時間も長く、問題もたくさん出ます。で、この試験、○×の二択で70%正解で合格です。確立から言うと合格しそうな感じなのですが、特に新規講習では結構不合格者がいるらしいです。問題も結構ひねってあります。とはいえ、講義の最中に試験が出る部分を講師が「ここは試験に出ますよ」っと言っているので、寝ていなければ受かるとも言えますが。

 

講習の内容としては業務を行う上で決して無駄になる訳ではないのですが、日本産業廃棄物処理振興センターという外郭団体がこれを独占業務として行っているのはちょっとアレですね。産業廃棄物を処理している会社が5年に一度かならず高い講習料を払わなければいけないようになっている仕組みが嫌ですね~。この講習料で年間10億円売り上げていますから。

とりあえず、2日間ずっと座っていたのは疲れました。しかも、このご時世なのに妙にエアコンが効いていて寒かったです。どうなっているんでしょうね、名古屋国際会議場。

汚泥乾燥のランニングコスト

最近すっきりしない天気が続く東三河です。稲の花が咲く時期に天気が悪いと秋の収穫が心配ですね。
最近、よく新聞を賑わせているセシウム。当社にも農水省から汚泥肥料の取り扱いに注意するようにとの文書が。そもそも、浄水場や下水処理場の汚泥からセシウムが検出されているのは、汚泥の由来に依存します。浄水場や下水処理場は都市の土砂が最終的に行き着く場所です。セシウムがフォールアウトすればそれは水と一緒に流れていき、下水処理場へ行きます。その際に、下水処理のプロセスというのは濃縮のプロセスでありますので、セシウムも濃縮されてしまう訳です。
しかし、当社で原料にしている汚泥は食品工場の排水処理から出てくる物ですので、食品が汚染されていない限りそのようなことが起こりません。とはいえ、注意しておく必要はあると思いますが。
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汚泥と言えば、最近、乾燥菌体肥料を製造する件の相談をよく頂きます。肥料としての価値は悪くないのですが、導入に際して問題になるのが、乾燥させるランニングコストです。
乾燥させるコストの計算は実は案外簡単です。水分を蒸発させるのに必要な発熱量を計算し、そのカロリー分の燃料のコストを計算すればいいです。
例えば、減圧乾燥機で1kgの水を蒸発させるのに必要なコストを計算してみます。
昇温(20℃→70℃) 1.0kcal/kg×50℃=50kcal/kg
水の蒸発潜熱=557kcal/kg
合計 607kcal/kg
のカロリーが必要です。これをA重油8670kcal/Lを使用すると
607kcal/(8670kcal/L×0.9×0.8×0.8)≒0.12L
A重油が80円/Lとすると
0.12×80=9.6円/kg
というわけで、1kgの水を蒸発させるのにだいたい10円ぐらいかかると言うことになります。
その他に必要なのは主に減価償却費ですが、1トン/日の乾燥機は1000万ぐらいします。5年償却とすると200万/年です。年間200トンの汚泥を乾かせば、減価償却は10円/kgというわけです。
汚泥に限りませんが、食品系廃棄物を乾かしてもそんなに高価なものができる訳ではありません。1kg20円かけて乾燥させるとたいていはコスト割れしてしまいます。この燃料が高い時代に油を燃やしてゴミを乾かすというのはちょっとナンセンスですね。
 

有機農業のカルチャースクール

台風が過ぎてしばらく涼しかった東三河ですが、今日は日差しも強く暑いです。会社の事務所の外に植えたゴーヤが2m以上に生長していい感じに緑のカーテンになっています。

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今日は有機農業のカルチャースクールの先生をしてきました。前回は初級編でしたが、今回は中級編と言うことで盛りだくさんの内容です。

今回のテーマは肥料についてということで、様々な種類の有機肥料と、有機肥料の効果について説明しました。特に、有機系肥料を使うに当たって重要なC/N比については詳しく説明を行いました。ただ、肥料について説明し出すと1時間半ではちょっと足りないですね。

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有機肥料はすぐ効く物とそうでない物があります。その働きは微生物に依存します。微生物の働きまで説明し出すと結構な分量になってしまいます。でも、土壌の生態系って農業にとってとても重要なことなんですよね。

にしても、このごろ別の書類作成の仕事もあったので今回の資料を作り始めたのがぎりぎりになってから。実質2日ほどで1時間30分のスライドを作るのはかなり大変でした・・。おかげで仕事がだいぶ溜まってしまいました。

思えば農学部の学生の頃、授業をあんまりまじめに受けていなかった気がします。欠席はほとんどしませんでしたが、寝てばかりいたような記憶が。もう少しまじめに授業受けていれば資料作るのも楽々だったのかなと反省しています。

酵母の力

というわけで、旅行から帰ってきました。すっかり日焼けしてリフレッシュできました。たまには旅行も必要なものですね。

 

それにしても、帰ってきて実感するのは愛知は暑い。日差しは石垣の方が強いですが、なんというか空気が重いですね。中部空港で電車の時間がぎりぎりだったので走ったら滝汗です。幸い、会社と家は東三河にあるので名古屋よりも最高気温が4~5℃も低いのが助かっています。

暑いと食中毒が心配になります。一月ぐらい前には家でカボチャの煮付けを作って昼間一日放置しておいたらカビがすっかり生えていたことがありました。でも、実はカビや酵母ってあまり暑いと増殖が抑えられます。

ちょうど最近入荷している飼料原料に「缶詰」があります。なぜか賞味期限が切れていない缶詰が廃棄されて、当社で受入をしています。それも結構な量が毎年毎年廃棄されれるのが不思議です。さて、この缶詰、ほどよい糖分があるため酵母発酵しやすいっていう問題があります。早い話、酒になってしまう訳です。缶詰の状態では無菌状態なのですが、酵母というのは実はどこにでもたくさんいますので、当社で缶詰を開けた瞬間から酵母が混入してしまう訳です。

酵母発酵自体はむしろ嗜好性がよくなったりすることもあるので問題がある訳ではないのですが、発酵が進むと糖分が一部二酸化炭素として放出されてしまいますので若干飼料カロリーが下がってしまうのが問題です。それ以前に問題なのがあまりに急激に発酵するのでタンクからあふれたり、タンクが壊れたりするという問題があります。当社で普段使っている1m3入るポリタンク、これはUN規格という海上輸送の基準を満たしたかなり丈夫なタンクですが、これが酵母発酵の炭酸ガスの圧力によって破損するって言う事件がありました。驚くほどの力です。

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酵母の発酵で壊れたタンク

酵母発酵を抑えるためにギ酸を入れてpHを抑えているのですが、本当に発酵しているときには効きは正直微妙なところです。で、発酵が一番盛んなのが春先、秋口の20~25℃ぐらいの時です。それが過ぎて今の時期になるとほとんど発酵しなくなります。パンの発酵だと35℃ぐらいにするのですが、酵母の種類が違うからではないかと睨んでいます。本当は酵母の種類を調べたら面白いのでしょうが、趣味でそこまでの分析をする訳にはいかないですね。なんか美味しいパンやうまい酒が造れる酵母が混ざっているような気もしますが ^^;

焼肉の話

昨日からお休みを頂いて石垣島に来ています。シュノーケリングでマンタを見ることができて感激です。

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今日は焼き肉を食べてきました。石垣島は畜産、特に肉牛の生産が盛んで焼き肉屋さんもたくさんあり、観光客で繁盛しています。でも、実は石垣でたくさん飼われている牛は繁殖のための牛であり、肉となるために育てる牛は少ないです。生まれた仔牛の大多数は内地の肥育農家に出荷されます。

もともと、石垣で肉牛の生産が盛んなのは、温暖な気候で牧草がよく育つために飼料が自給できることが背景にあります。仔牛を産ませる母牛には牧草を与えますので、適した環境です。ところが、サシ(霜降り)を入れるためにはエサからビタミンAを減らす必要があります。また、しっかりと脂を載せるためには濃厚飼料といわれる穀物をたくさん食べさせなければいけません。

というわけで、せっかく石垣で生まれた仔牛も、「石垣牛」として育てるためには海外から輸入したエサを使わなければいけない訳です。なんか、こんなに牧草地が広がっているのに・・って不思議な感じもします。離島ですので海外からの飼料はコストがとても高くなってしまいます。ので、仔牛として出荷することが多く、肉となるまで育てることが少ない訳です。

そもそも、サシが芸術的に入った牛肉はかなりの技術と海外の飼料で「創り上げられている」ってことです。でも、石垣牛は確かに美味しいですが、個人的にはサシがこれでもかって入った牛肉はちょっとくどすぎて一口二口でもうおなかいっぱいって感じです。オージービーフみたいな肉が好きな人も少なからずいると思うので、そういう国産牛がもっとあってもいいのにと感じますね。

 

 

廃棄物業界の原価管理

今日は東京へ出張しています。新宿のホテルからブログを書いています。東京は蒸し暑いですね。最近はノーネクタイがすっかり定着したと見えて、行きの新幹線もほとんどネクタイをしている人がいませんでした。暑がりの自分としてはネクタイしなくてもいいのは嬉しい限りです。

 

昨日は埼玉の同業を訪問してきました。施設の見学も勉強になることが多いですが、社内管理体制について話を聞いたのがすごく参考になりました。

廃棄物業界はまだまだ未成熟な部分があるわけですが、その1つに原価管理がきちんとできていないと言う点があるかと思います。廃棄物業者はいろいろな現場を抱えているのですが、それぞれの現場での原価管理をしていないケースが多くあります。

例えば、事業系一般廃棄物の回収をしている場合。原価はおもに運搬費と処分費からなります。運搬費は人件費と燃料費、車両の減価償却費などです。一台の車で一日何件の現場を周り、それぞれの現場にどれくらいの時間がかかっているかを把握すれば運搬費は算出できます。処分費は市町村の処理施設に持ち込んだ時の単価×重量です。と、把握する気になれば原価算出はできるのですが、そもそも事業系一般では重量もろくに量っていないケースが多いです。

昨日お話しを聞いた会社では原価管理を現場毎にきちんと算出して、予実管理もきちっと行っているとのこと。伸びている会社は違うなと感心しました。

 

新規顧客のところへ営業に行くとよくあるケース。管理者の方と話していて「今は1日○○キロ、単価○○円で契約している」置き場へ行ってみてみたら、聞いていた量の3倍くらい山積みになっていたりします。いかに既存の業者が適当に管理しているかがよくわかりますね。

 

廃棄物業界って世間からは儲かるイメージがあるのですが、一昔前までは実際かなり利益率もよかったのが今はマーケットも縮小してきてかなり厳しい状態です。儲かっていたときには原価計算もろくにせずざっくりとした管理でよかったのかもしれませんが、今は細かく管理をしていくことが必要なんですよね。これはどの業界でも共通の状態だと思いますが。