野菜とリキッドフィーディング

今日はひまわり農協での打合せでした。先日書きましたように愛知県農業試験場で実験を行っており、その結果報告が行われました。

今回の試験はリキッドフィーディングで野菜をたくさん混ぜるとどうなるかというものです。野菜はほとんど水ですので、たくさん混ぜると見かけ上濃度が薄くなります。薄くなるとたくさん食べることが出来なくなるので、成長が遅くなる可能性があります。

試験の結果、野菜を多量に混ぜるとやはり増体に影響があることが判明。しかし、水で薄めた対照区はそうでもありませんでした。野菜が多いと繊維分のせいであまり食べられなくなるみたいですね。やっぱりダイエットには野菜ということですね。りんごダイエットなんてものありましたよね。

トコ豚極め隊の見学会

土曜日は事務局をしている三河トコ豚極め隊の見学会を行いました。半田にあるブリオという肉屋さんへ行きました。ここは、養豚生産者が直接経営している肉屋さんです。実は、養豚生産者が肉屋を経営して、そして軌道に乗っているのはとても珍しいかったりします。というわけで、我が極め隊でもブランド化、販売戦略の参考にすべくお邪魔した次第です。

いろいろとお話しして印象的だったのは、

1.経営についてきちんと考えている。投資をするときには投資回収を考えて行い、売上増をどうやって行うかを常に検討している。

2.利益率をどうやって上げていくかを常に考えて行動している。

ということです。具体的には、肉を売るときにロスになりがちな部分を、食べ方をきちんと説明することによってきちんと売り切る。対面販売を活かしてお客さんの要望に答える、マスコミに積極的にアピールを行う等々です。

どれも当たり前のことですが、中小企業の経営者の皆さん、ちゃんとできていますか?PLだけでなくBSを見て、減価償却をちゃんと引き当てていますか?

えらそうなこと書いてしまいましたが、自分も思い当たるところ多々、反省をする毎日です。

養豚農家は平均的に経営規模が大きく、回すお金が多いです。愛知県で一般的な規模の養豚農家は母豚飼育頭数300頭ぐらいですが、年間出荷頭数になると6000頭、売上では1億以上です。これでも家族+パート数名でこなせてしまいますが、投資金額が大きいので一歩間違うと大事です。経営はどうあるべきか、いろいろ考えさせられる見学会でした。

ロッセ牧場

なんか急に寒くなりましたね。1月前まで半袖でも暑い位だったのが嘘のようです。

今日は高山市にあるロッセ農場へ行ってきました。ここはその筋(どんな筋?)には有名なところで、食品リサイクルして豚を飼育しています。

Pb030661 農場の景色

第一印象ですが、高原にあるのでとても寒かったです・・。紅葉がきれいでした。

今回は豚舎内へ入れませんでしたので、エサの工場だけの見学です。農場内へ立ち入るためにはシャワーを浴びて服を全部着替えなければ行けません。この時期のシャワーは寒いです。

Pb030660 エサのタンクです

システム自体は当社のお客さんとおなじドイツ製の機械ですので、良く理解できました。エサの情報について意見交換をして今日の見学は終了です。

しかし、高山の更に奥にあるので結構な距離ですね。今回は車で行ったのですが、ほぼ休み無しで3時間半です。時間的には東京や金沢と同じくらいの感覚です。しかし、「エコ」の見学に行くのに1人でガソリンを消費して行って良かったものだろうかとつらつら考えながら運転していました。例の高速1000円乗り放題のせいで車のほうが全然安いんですが、やっぱり1人で荷物もたいしてないと罪悪感がありますね。ま、帰りは高山で日本酒一升瓶で買ってきたので荷物は増えましたがw

pH計の校正

今日は台風が近づいてたくさん雨が降りました。8月、9月は雨が少なかったのですが、このところ雨が多い東三河です。

雨の中休日出勤して雑用をちょこちょこしていました。土曜日は電話もお客も少ないので、仕事がはかどります。

今日はpHセンサーの校正もしました。リキッドフィーディングではpHはとても重要です。pHが低すぎると嗜好性が落ちます。pHが高いと大腸菌などの増殖の原因となります。だいたい、pH3~4ぐらいが適正です。いまリキッドフィーディングの原料として中心に扱っているジャガイモの皮(ポテトスチームピーラー残さ)は排出元工場でギ酸を添加してpHを下げているのですが、緩衝能が微妙に変わるらしく添加した後のpHが若干変動します。当社で処理する際にもpHを再度測定して、もしpHが高いようならギ酸を追加で添加しています。

最近入荷したもののpHが高かったのでpHセンサーの校正をしたら少しずれていました。このためpHが若干高い値を示していたようです。もう少しまめに校正しなければと反省した次第です。計量証明事業所などでは毎日校正していますが、当社ではとくに証明書出すわけでもないのでなおざりになっていました。本当は品質管理をしっかり行わなければ行けない現場でこそ校正をマメにしないといけないんですけどね。ISO9000ではこういう計量器の管理にはうるさく決まりがありますが、それなりに意味があるものだと改めて思いました。

飼料米について

急に寒くなりましたね。今まで暖かかったので寒さが身にしみます。寒くなってくると水や肥料を扱う仕事では手荒れが多くなります。前職では下水を扱っていたのですが、あれが手に付くとホントにあれるんですよね。もちろん普段はゴム手袋していたんですが。

今日は飼料米の話です。当社でも飼料米を取り扱っています。とは言っても、流行の減反に対応して作っている飼料米ではなく、流通倉庫などの不良在庫などで廃棄されるものなどを買取しています。世間ではあまり知られていませんが、こういった商品はかなり流通しています。米だけではなく、小麦、コーンスターチ、米粉等々。変わったところでは大豆タンパクとか。

ただ、こういった商品の価格は非常に安いです。そもそもトウモロコシの値段が末端で30円/kgしないわけですから、それより高くてはまず売れません。飼料米も同様です。1kg30円ぐらいが限界です。

一般的な米は、生産者が販売する価格で1kg200円です。これをコストダウンすると言ってもいくら多収米でも限界があります。いまの穀物市況からいうと、飼料米が採算に乗るためには生産した米を一旦買い上げて、買い上げ金額を無視して30円/kgで販売する・・ぐらいのことをやらないと無理でしょう。

また、米はエサとしてあまり扱いがいいものではありません。豚の場合、生の米粒では消化できませんので、破砕処理や加熱処理が必要です。鶏は消化できるのですが、卵の黄身の色が白くなります。黄身の色は黄色くないと売れませんので、飼料米を使ったときはパプリカなどの色素を入れてやる必要があります。そんな手間をかけるなら・・となかなか米を使ってもらえません。

以前より何回か書いていますが、日本の(カロリーベース)の食物自給率が低い一番の理由は、日本の畜産が海外の安い穀物を使って育てる仕組みになっているからです。農水省もそれはよく知っているので食品リサイクル法では飼料化を優先すると言うことになっているのですが、従来採算ベースに乗っている部分は既に食品リサイクルが進んでいるわけであり、ちょっとぐらい施策を行っても価格競争力がないためエコフィード普及が進むはずないですね。

愛知県農業試験場

今日は長久手にある愛知県農業試験場へ行ってきました。今、地元のひまわり農協と実施しているリキッドフィーディングの実験を試験場で行っているので、豚の様子を伺いに行ってきました。

Ca360058 実験中の[E:pig]

非常に調子は宜しいようでした。美味しそうにもりもりエサを食べていたので嬉しかったですね。

来月ぐらいから当社の分担分が増える見込みです。忙しくなりそうですが、がんばりたいと思います。

缶詰のリサイクル

今日も休日出勤です。周りの会社もやっぱり仕事のようです。みんなよく働くものだと感心します。

スポットの仕事で缶詰が入荷したのでもりもりと開けています。同業と話しているとしばしば「どうしてこんなモノを捨てるんだろうというものがよくある」という話になりますが、缶詰はその最たるモノですね。なぜ賞味期限が1年以上残っている缶詰を処分するんでしょうね。

フルーツの缶詰は適度に酸味があり糖分が発酵基質として適しているのでリキッドフィーディングの原料として向いています。問題は缶を開けるのが大変だと言うことですが、当社には半自動缶開機があり、最近は慣れもあるので1日で数トンは開けることができます。容器分別機で分けることも可能ではありますが、やはり手作業のほうが品質は高いです。開けた後、異常発酵を抑えるためギ酸も添加しています。実のところギ酸はあんまり効いていない気もしますが・・。

食欲の秋

昨日は台風の影響で久しぶりの雨でした。今朝、家を出たら秋の風がさーっと吹いてきました。日中は結構暑かったですが、先週までのような気候ではなく過ごしやすくなりました。
季候がよくなると食欲が増してきます。何回か書きましたが、私はかなり暑がりで暑いと食欲が落ちます。も少し若い頃は体重が何キロも落ちたりしましたが、この頃はさすがに体重は落ちませんが、食べる量はかなり減っている気がします。今日はちょっと現場仕事もあったこともあり、いますごく空腹です。
動物も季候がよくなると食欲が増えます。でも、この季候によるエサの摂食量変化はリサイクルビジネスにとって大きな問題です。エサはあまり日持ちしないものも多く、夏場など食欲が落ちて飼料の使用量が減ってしまうと入荷したものがだぶついてしまう場合もあります。ので、当社のお客さんはバイプロ由来の飼料と配合飼料やその他の保存性がよい飼料を併用しているケースが多く、そちらの方で量の調整をしています。調整代が無い場合は入荷した飼料原料を処分しなければいけなくなってしまいます。
需給バランスの調整が難しいところがエコフィードの難しいところですね。

食品リサイクルとカビ

まだまだ暑いですが、ここ東三河は名古屋に比べるとだいぶましです。今日も木陰に入るとわりに爽やかな風を感じました。
飼料を取り扱っていると夏場に悩まされるのがカビです。食品副産物であるパン、お菓子などは非常にカビが生えやすいです。給食のパンを残して机の中に入れっぱなしにしてカビだらけ・・なんて言うことが私の小学生の頃はクラスのだれかが年に1回ぐらい起こす風物詩でしたが、最近の小学生はどうなんでしょうね。
カビを防ぐのに一番有効な方法が乾燥です。水分が10%程度になりますとまずカビが生えません。当社では簡易乾燥機なるものを開発しており、食品廃棄物の排出元で乾燥処理をすることにより食品リサイクルを推進しています。
しかし、一旦乾燥したものでも梅雨時の湿度が高い時期では吸湿してカビが生えたりします。小麦粉なども吸湿するとカビが生えます。ので、当社が生産するエコフィードも吸湿しやすいものはビニール袋を入れて湿気らないようにしています。
もう一つ、カビを防ぐよい方法がアルコールです。最近よくコンビニで売られているバームクーヘンなどの焼き菓子のパッケージに入っているのがこのアルコールを使った保存剤です。乾燥剤と思われているのですが、よく見るとアルコール製剤と書いてあるのでそれとわかります。とはいえ、食品リサイクルでは高価なアルコール製剤はなかなか使用できませんが。
バームクーヘンは水分20%強程度です。大して水分が入っているわけではないのですが、カビが生えます。これを水分10%程度にするとカビが生えなくなりますが、ぼそぼそとしてお菓子としてはいまいちな状態になってしまいます。目的とコストによって使用方法を使い分ける必要があるわけです。

夏場のリキッドフィーディング

今日も相変わらず暑かったです。ただ、昨日と比べるとすこし風があるのと夕方曇ってきたので若干マシでした。夕方外にいると結構気持ちよかったりします。縁側でエダマメとビールと行ければ最高なんですが。
暑がりなので暑くなると食欲不振です。もともと基礎代謝量が多いせいか、熱の放出が追いついていない気がします。おかげで夏は結構痩せます。痩せるというか、やつれているという話もありますが。齢90何歳(正確な年齢不詳w)の祖母が梅干しを作ってくれるので、ご飯の友としています。梅干しがあるとご飯が進みますね。
暑くなると食欲不振なのは動物も一緒です。ウシ、ブタ、トリ、みんな食欲不振になります。お客さんの養豚農家と話していると夏場はみなさん苦労しています。
こういう暑いときにリキッドフィーディングが威力を発揮します。ヨーグルト状で適度な酸味があるため、夏場の食欲不振の時期でもあまり食べる量が減りません。ブタの場合、夏場食欲不振となり増体(体重の増加)が低くなるため出荷のペースが落ちたりするのですが、リキッドフィーディングの場合は影響が出にくいわけです。
ただ、リキッドフィーディングでも農場によっては嗜好性が落ち増体に影響が出ているところもあるようです。単に乳酸発酵させればいいと言うわけでも無さそうです。発酵は奥が深いです。