リサイクル業界と電力

ホームページの方にも載せてありますが、明日セミナーの講師を行います。「エコフィードの経済性と品質」という壮大なお題を掲げて1時間半。パワーポイントは60P作りました。やれやれと思ったら来週もプレゼンがあるので、またパワーポイントと格闘しなければいけません。その次はその1週間後に打合せがあり、それも講師をする話なのでまたパワーポイント。使い回しが効かない内容のものは結構大変です。

 

今日はリサイクル業界のエネルギー消費、特に電力についての話です。

東京は停電でいろいろな会社に影響が出ているようですが、リサイクル業界でも影響が出ています。実は廃棄物処理の業界はかなり大きな機械を動かすので電力使用量が大きいです。建設系の廃棄物(木くずや廃プラスチックなど)を処理する会社の多くは破砕機を持っています。破砕することによってリサイクルしやすくしたり嵩を減らして運搬効率を上げる訳ですが、この破砕機が電気食いなんです。ちょっとした破砕機ですぐ50馬力、75馬力、大きくなると100馬力超えるモーターを使います。使用電力が50kwを超えると、高圧受電(6600vで受電してこちらが用意したトランスで電圧を落とす)をしなければ行けません。トランスをいれる箱をキュービクルというのですが、多くの産廃業者のところにはこのキュービクルがあります。

破砕をするのは食品リサイクルでも同じですが、食品系の場合そこまでの大きな破砕機は必要ありません。それでもコンベアやポンプ、分別機などを動かすと電力消費はバカにならない量となります。

 

今回の停電で、改めて今の日本社会は電力を大量に消費して成り立っているんだなと思いますね。リサイクルに大量のエネルギーを投入するのは矛盾しているように思いますので、当社ではできるだけ省エネルギー、省投資に努めています。

エコフィードの施策

ようやくちょっと忙しいピークを過ぎたと思ったら、風邪引きましたorz

悪寒→発熱→胃痛→食欲不振(今ココ)です。胃の消化能力が落ちているらしく、普段はやせの大食いなのに全く腹が減りません。さっき、自販機で買ったミルクティーを飲んだら胃がもたれました。かなりの重症です・・。

幸い明日もそんなに予定がないので、しっかり休んで体力回復させる予定です。しかし、せっかく溜まっていた仕事をこなすはずだったのに困ったものです。

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最近、エコフィード関連の補助金が色々出ています。例えばこんなのがあります。→エコフィード緊急増産対策事業

ただ、この手の施策は利用できない場合が多いですね。というのも、非常に要件が細かく決められていることが多く、使いにくい上に、急に公募があり締め切りまでの時間が短いからです。

今回の案件では、ハード(施設等)の補助は「農協」か「配合飼料メーカー」にしか出ません。というわけで、当社のような一介の民間事業者ではもらうことができない訳です。農水省の補助金はこういう特定業界向けのものが多いですね。

まだ、公募期間も短いので、準備するのが大変です。だいたい応募する事業者は事前にある程度情報を得ていて応募するケースが多いですね。半額補助なので自己負担もある訳ですが、普通の民間企業で稟議書が必要な金額のものを見積→稟議を通し必要な書類をまとめるのを2週間でやるのはなかなか困難です。

そもそもなんですが、私はこの手の「施策」を非常に疑問視しています。いや、本当にこういう施策で農業が活性化するなら日本の農業は今みたいになっていないと思いますね。ウルグアイラウンド対策費として投入された膨大な予算によって競争力が増したのでしょうか?

以前より再三再四書いていますが、エコフィードの普及が進む一番のポイントは飼料価格です。配合飼料や輸入牧草の値段が上がるとてきめんに当社の引き合いが増えます。また4月から配合飼料価格があがりますので、間違いなくエコフィードの需要は増すものと思います。

経験上、細かい施策よりも価格を政策誘導することのほうがずっと効率的であり、効果的です。エコフィードの普及に関していえば、本当なら輸入飼料に関税をかけるのが一番強力ですが流石にそれは難しいのでエコフィード使用に際して価格補填するとかしたほうが今の役に立たない施策よりは有効だと思います。このブログ、農水省の方も見ているようなので強く主張しておきます。

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ちょっと話変わりますが、「雇用対策」の施策も本当につまらないのが多いですね。ハローワークの仕事だけが増えるようなものばかり。会社経営者から見ると雇用を増やそうとする気にならない施策です。そういうものに税金使うよりも、社会保険料の会社負担割合を引き下げた方がまちがいなく雇用対策になります。これは自信を持って言えます。法人税下げるならその分を社会保険料の会社負担率引き下げに使った方がいいと思いますね。

まあ、うちの会社は法人税かかっていませんのでこんなことを言っている訳ですがw

農業体験の会

最近忙しいため休日出勤が増えています。今日も午前中は会社で書類の整理をして、お客さんにメール書いて、と溜まった雑用をこなしていたのですが、週末毎に積み残しが増えている気がします。困ったものですね。午後は休みを取って豊橋駅前に行き、ちょっと買い物をして髪を切りに行きました。美容院、予約していったのですがなぜか1時間半もかかりました。実質の時間は20分ぐらい、待ち時間が長かった。貴重な休みをスポイルしてしまった気がしますね。

昨日は知人の中村君が運営している貸し農園にて農業体験があったので行ってみました。ジャガイモの植え付けをしたのですが、畑の土が重かったので、今も腰が痛いです。

Imgp4284 植付けの種芋を干しています。我ながらいい写真[E:good]

農業体験で意外だったのは、ほとんどの人があまりクワを持ったことがない程度の人だったこと。いろんな人が興味を持っているんだと感心しました。なぜか自分は先生呼ばわりされていたのですが、肥料のことはともかくクワの使い方はそんなに上手い方ではないのでやや心苦しくもあり。それにしても盛況なので驚きました。

そうそう、農業体験といえば、Webサイトの方には以前から載せていますが、4月から豊橋のサーラプラザで行われる有機農業のカルチャースクールにて植物栄養、肥料の講座の先生をやることになっています。こちらもどれくらい人が来るかちょっと楽しみですね。

この講座の中では、家庭から出た生ゴミで堆肥を作るっていう講座もあります。昨日の農業体験でも、「生ゴミを堆肥にしたいんだけどどうやったらいいですか?」と聞かれました。そういう声にこたえるべく堆肥を作る講座を設けた訳です。もっとも、堆肥が出来上がるまでには時間がかかりますので今回の講座の中では堆肥の完成までは見ることができないのですが。

梅酒の梅の実

 今日はやたらに風が強いですね。会社のあるあたりは年中風が強く、近くに風力発電もあります。今日は特に風が強いので飛んでいきそうなコンテナのふたを会社の中に入れておきました。プラスチックコンテナのふたは作りもよくないし、密閉もできないのですがとても高い。1m3のプラスチックコンテナだとふただけで1万円以上しますが、値段を言うとみんなびっくりするぐらいの作りの悪さです。その高い蓋が飛んでいったら目も当てられないので・・。

 今日は現場では梅酒の梅の破砕作業をしていました。梅酒の梅は全国的に処理に苦慮しているようですが、実は豚のエサにも使えます。さすがに種そのままだと噛めないので、破砕するわけです。ただ、思ったより固くて破砕に手間取り予想以上に時間がかかりました。スポットの仕事なので事前テストもあまりできず、危うく原価割れするところでした。食品残さは品目によって性状が全く異なりますし、同じものでも排出される食品工場によっても性状が変わることもあります。非常にやっかいですね。

破砕した後、豚が食べるときに種が気になるかなと心配でしたがすこし味見してみたところいい具合に細かく粉砕されていて非常に美味しい感じに仕上がっていました。二度破砕した甲斐があります。これなら大丈夫そうだと一安心です。

当社の扱っているエサの原料はホントに美味しそうなものが多いです。逆に、味見することに抵抗がないくらいのものでないと、よいエサにはなりません。美味しいエサは美味しい肉を作るわけです。

食品副産物と食品リサイクル法と食糧自給率

最近、新規の仕事が決まりました。みりん粕のリサイクルです。みりん粕は乾物50%、つまり水分が50%ですが、非常に高タンパクです。現物当たりでタンパク質が30%、つまり乾物換算すると60%がタンパク質です。当社が扱っているものの中で一番高タンパクです。非常にいいものですのでもちろん有価物として取り扱っています。

ところで、この仕事頂いたときにお客さんが「食品リサイクル法の報告しないと」と言われていました。はて、食品リサイクル法でみりん粕まで報告する必要あったっけ?と思い条文を確認したら、食用にできないものは全て食品リサイクル法でいう食品廃棄物に該当するんですね。不勉強なことがまだまだたくさんあります。反省する次第です。

そうすると、米ぬかや大豆油かす、コーングルテンフィードなど一般的に飼料に使われているものも該当してしまうことになります。いままできちんとリサイクルされているにもかかわらず報告義務が発生することになり、結構大変なんじゃないでしょうか。

今、飼料の自給率が低いことが食糧自給率を引き下げている原因として言われています。その低い飼料の自給率ですが、一応国産原料とされている大豆かすやコーングルテンフィードは元をたどれば海外原料です。こういったものを除外して真の自給飼料だけを見ると本当に低い割合しか供給できていないと思われます。

もし食糧危機が起きたら海外原料に頼った食品製造業、たとえばデンプンや砂糖、植物油などの工場は立ちゆかなくなります。そうすると、当社の仕事も無くなってしまう訳です。いくら食品リサイクルをしても自給率向上には寄与しない計算です。食品リサイクルの目的を鑑みると難しい問題ですね。

食料価格の高騰と炭素税

最近、食料価格の上昇に関するニュースをよく見かけるようになりました。エジプトの混乱の原因の1つは食料価格の上昇もあるようです。

ただ、不謹慎なようですが食料価格の上昇はリサイクルビジネスにとっては追い風です。当社が扱っているエコフィードの分野でも飼料価格が上がるほど引き合いが増えます。いくら製品の質に自信があっても、結局お客さんから見ると所詮は再生品なんですよね。プラスチックでも鉄でも燃料でもリサイクル品がありますが、ヴァージンのものよりも高くなることはありません。

日本は資源が少ない国ですので、リサイクルに対する気運は高いですが、現代社会はグローバル化が進んでいて海外から非常に安い資源がたくさん流入してきています。海外から資源が入らなくなれば自ずからリサイクルが進みます。つい数十年前まで人糞が有価物としてリサイクルされていたわけです。江戸時代は火事があると燃え残りからみんな競って釘を集めたそうです。暴言かもしれませんが、リサイクルに必要なのは資源高です。

そういう意味でリサイクルに対する各種施策が行われていますが、そういった施策よりも海外からの資源に対して課税すれば間違いなくリサイクルは進みます。燃料分野で言えば例えば炭素税などは有効な施策だと思います。

ただ、新しい課税は今の世の中難しい部分もあるかと思います。ここで大胆に政策提言をしてみたいと思います。たとえば、燃料分野で言うと、今はガソリン税や軽油引取税など様々な税金がありますが、これを全部炭素税に一本化してしまい、更に消費税もやめて、廃止した税収=炭素税の税収となるように炭素税の税率を決めるべきです。エコカー減税でCO2排出量が減る可能性はほとんどありませんが、こういう税制を行えばリサイクルだけではなくリデュースが進むのは間違いないでしょう。本気でCO2を25%削減する気があるならこれぐらいのことをやらないと無理でしょうね。

多分、今後資源高が進めば新しい税金をかけなくても同じ事にはなると思います。でも、資源高になってから対応するよりも高くなる前に耐性をつけておくことが必要だと思いますね。

2.11追記

私は何でもリサイクルすればいいという考えを持っているわけではありません。でも、日本はガソリン税が高かったから数年前の燃料高騰の時のガソリンの上昇率はアメリカより低かったわけだし、ガソリンが高いから燃費の良い車も多いわけです。中長期的に見ると資源の上昇トレンドは揺るぎないわけですので、今から値段を上げておくことが吉だと思います。トータルの税負担が変わらなければ、資源を浪費している人が負担することになる訳なので公平ですしね。

はままつメッセ二日目

はままつメッセはまずまず盛況でした。ひまな展示会だと眠くてしょうがないのですが、昨日はそんなひまもなく応対に追われました。お客さんだけではなくて売り込みもあるのですが、売り込みの営業マンの話も参考になることがあるので私はできるだけ聞くようにしています。テレアポは鬱陶しいのであまり聞きませんが。特にSEO対策と電話回線、先物。

昨日は容器メーカーの人が来てました。今、容器で一番困っているのはスラリー状のものです。スラリーと言っても廃棄物関連の業界人以外はあまりピンと来ないと思いますが、要は水と固体の中間です。↓ではありませんのでご注意を。

粘りのあるもの、例えばヨーグルトや柔らかい酒粕などはタンクに充填するとバルブから排出することができません。かといって、オープンのコンテナに入れると運送中にはねてしまいます。本当はコンテナに密閉できるふたがあればいいのですが。ってことを容器メーカーの人に言っておきました。作ってくれると助かるのですが。

今回の展示会では当社の話を聞くためにわざわざ参加したと言われるお客さんが何人かいらっしゃってとても嬉しく思いました。地道なPRが少しずつ実を結んでいるようです。

食品リサイクルの解説本

今日は日差しもあり、暖かな一日でした。といっても最高気温は10℃行かなかったみたいですので、平年並みなんでしょうね。最高気温3℃とかの日があると10℃でも暖かく感じますね。

先日、食品リサイクルの解説本を買いました。恥ずかしながらこんな本があるって知りませんでした。

今まで知りたかったことがいろいろと解説されています。たとえば、社員食堂の受託をしている場合の扱いです。ただ、解説はされているのですが、「総合的に判断する」って書いてあるので結局結論は曖昧なのには笑ってしまいます。まあ要するに適当と言うことで。食品リサイクルに関わる人は買って損はないと思います。ただ、役所の人が書くならWebサイトで公開するべきだと思います。こんなところで印税稼がないで欲しいですね。

私が食品リサイクルに携わっていて一番疑問に思うことが、現状の把握です。前回の改正で食品廃棄物を多量に排出する事業者は報告義務が発生しました。でも、それまでは量の把握がされていなかった訳ですし、そもそも報告もキチンとされているか怪しい上に一般廃棄物と産業廃棄物が曖昧になっている状況の中、「現在の外食産業のリサイクル率は22%」とかどっから数字が出てきているんでしょうね。大学の同級生が農水省の統計部にいるので質問(というか詰問)してみようかと思っています[E:good]

食品廃棄物の総量もおそらく発表されているよりもっと多いんじゃないかなと思いますね。

野菜汁

今日は久しぶりに休みを取りました。のつもりだったのですが、午前中は結局出勤して仕事していました。

それにしても寒いですね。愛知県でも名古屋のあたりは年に1回ぐらいは積雪があるのですが、会社がある豊川のあたり(東三河)はあまり雪が降らず、降ってもまず積もらないのですが、今は道路も白くなっています。明日どうやって会社へ行こうかと思案しています。歩いても40分ぐらいなので、危なそうなら歩いて行くつもりです。

P1160878 昼頃の写真。この時点では道路には雪はなかったです。

最近、ちょっと仕事が多くて忙しい毎日です。現場の機械の調子が悪いので、ちょこちょこ現場に入り様子を見たり手伝っています。昨日もポンプの調子が悪く現場でレンチを握って触っていたところ、出が悪かったポンプの調子が急に良くなりホースが暴れてしこたま野菜の粉砕した液をかぶってしまいました。冬の行水は寒いです・・。ま、エサの野菜汁ぐらいでよかったです。臭いも気になりませんしね。

 

コーヒー豆のリサイクル

今週はなんか忙しいです。年が明けてからずっとばたばたとしている感じです。

うちの会社は安普請な建物なのですきま風がひどいですが、忙しくしているとあまり寒さを感じないです。事務所で残業していると寒さが身にしみますが。

最近はいろいろなプロジェクトを計画していますが、そのうちの1つにコーヒー豆の抽出かすを利用した培養土の作成というものをやっています。昨日の夜、出来上がった培養土に試験のために播種しました。問題は今のところ温室が無いので事務所で栽培試験をやっているのですが、ちょっと試験を行うにしても寒すぎると言うことです。簡易温室を買った方がいいかなと思案中です。

コーヒー豆の抽出粕は多孔質で有機質に富んでいるので培養土に向いています。ただ、コーヒーのポリフェノール成分が発芽や生育に対して阻害作用を示すので、そのままでは使えません。コーヒー豆の抽出粕そのままですと雑草防除に使えるぐらいです。ので、きちんと堆肥にする必要があります。有機系のリサイクルは堆肥、飼料にかかわらず原料によって都度対応しないと行けないのが難しいところですね。