食品リサイクル法の定期報告

いつになっても暇にならずばたばたしています。自宅の引越の影響も大きいですが。

食品リサイクル法の定期報告の時期がやってきました。このブログをご覧になっている食品排出事業者の方は報告書完成していますでしょうか?

食品リサイクルでは年間100トン以上の食品廃棄物を排出している事業者に報告を義務づけています。年間100トンというと相当量に感じられるかもしれませんが、結構小さい事業者でも100トン簡単に超えます。

スーパーですと、町中の小さいスーパーでない限りだいたい超えます。野菜のカット工場なども町工場で一日1トンぐらいは出てしまいます。豆腐屋さんは法人になっているようなところですとおからは一日1トン以上出ます。

ということは、報告が必要な会社は相当多くなるはずですが、報告を行わなければいけないのに行っていない会社はかなり多いのではないかと思います。

・そもそも食品リサイクル法なんてものがあるを知らない

・ゴミの量を量っていないのでどれくらいの量なのかしらない

・報告が面倒なのでしていない

ぐらいの理由が多いかと思います。さすがに大手食品スーパーなどは食品リサイクル法を知らないことはないですが、小さい会社では「食品リサイクル法ってなに?」って言われることはよくあります。

農水省(農政局)では、めぼしい事業者には立ち入り、聞き取りをして食品リサイクル法への対応状況を確認しています。でも、報告がなければどれくらいの排出量なのか知るよしもないわけです。スーパーなどは売上げ規模からだいたい推察できますが、野菜のカット工場はそんなに目立たないので調査が及んでいないようです。

廃棄物関連は情報を収集するのが難しいですね。

 

リサイクルループと食品廃棄物

ここ数日忙しくて更新が出来ませんでした。もちろん週末も仕事でした。
日曜日、アースデイはままつへ行ってきました。
先日書いたアースデイの関連のイベントです。
取引のある山本エコロジーサービスも出店されているので遠路浜松まで。
なんか良い意味でゆるいイベントでした。最近、こういうイベントに人が集まるようになっていますよね。
環境関連のマーケットの広がりを感じます。
先日、うちのお客さんの群類畜産さんと肉の営業に出かけてきました。群類畜産さんでは、当社で製造している食品工場からでてくるジャガイモを加工した飼料を使って頂いております。こちらの食品工場(総菜製造工場)で群類畜産の肉を使って頂き、リサイクルループを構築しようという狙いです。
個人的にはリサイクルループを作ることに固執しすぎてはいけないと思っています。リサイクルすることももちろん重要ですが、やはり食品というのは味が良いことが重要だと思います。
私は食品副産物や食品廃棄物をエサに使う一番のメリットは肉質がよくなる可能性があることだと思います。今回のジャガイモもそうですが、パン、うどん、焼酎粕などの小麦や芋、米などのデンプン質主体の飼料を使うことにより、非常に美味しい肉となります。肉が美味しいから採用頂き、それにおまけでリサイクルループがついてくるぐらいのことであって欲しいと思います。
群類畜産さんの肉はホントに美味しいですよ。お客さんにも自信を持って勧められます。

事業系一般廃棄物(その3)

事業系一般廃棄物の話しの続きです。
最近、大手スーパーなどでは食品リサイクルに熱心に取り組まれているところがあります。そういったところでは、食品廃棄物を単にリサイクルするだけではなく、リサイクルループの構築までを行っているケースがあります。
しかし、リサイクルする立場から言うと、一般廃棄物は産業廃棄物と比べて適しているとはあまり言えません。産業廃棄物となる食品廃棄物は食品工場や製薬工場から出るものですので、製造に際して発生した副産物が多いです。成分も安定していますし、ロットもまとまります。しかし、スーパーや飲食店などからの一般廃棄物は食べ残しなども多く、塩分や油分が多かったりして堆肥や飼料にはあまり向いているとは言えません。
ですが、事業系一般廃棄物を受け入れると違ったメリットがあります。リサイクルループを作るためにリサイクル肥料、飼料を使ってできた農産物をスーパーなどが買い上げます。買い上げてもらえるために農家がリサイクル肥料、飼料を積極的に購入してくれるので、リサイクル肥料、飼料の販売が容易になるというメリットです。
ただ、事業系一般廃棄物を受け入れると、リサイクル品の品質は下がる傾向にあります。品質が下がったほうがよく売れるというのも皮肉な話です。
当社では今のところ事業系一般廃棄物を処理する許可がありませんので受入はできませんが、受け入れできるようになってもきちんと分別が出来て品質が高いリサイクル品が出来るものだけにしたいと思っています。リサイクルすることが目的ではなく、リサイクルによって高い品質の商品が安い価格でできるということを目標にしたいと思っています。

事業系一般廃棄物(その2)

昨日はお客さんと一緒に静岡のリサイクル関連の工場見学へ行ってきました。
今日は午前中お客さん訪問、午後は家で書類作りです。
明日も仕事の予定で、結局3連休は完全に仕事。まあ、世間が休みですと電話が少なくて仕事がはかどるので、連休というのも違う意味でありがたいです。
というわけで、事業系一般廃棄物の話の続きです。
お客さんのところに行って思うのが、排出事業者も一般廃棄物と産業廃棄物の違いをわかっていない人が多いと言うことです。結構たくさんゴミを出している会社でもあまり知らなかったりします。当社にはよく「スーパーの生ゴミをリサイクルしてほしい」という問い合わせがあります。その時に、「一般廃棄物の処理をする許可がありませんので」と説明してもなかなか理解してもらえないことが多いですね。
前回書きましたように、本来産業廃棄物となるべきものが事業系一般廃棄物と処理されることがよくありますが、これは市町村によって結構対応が違ってきます。今、大阪などでは事業系一般廃棄物に対する産業廃棄物の混入を厳しく取り締まっています。当社のあります豊川市などもかなり厳しくチェックされる傾向にあります。しかし、周りの市町村ではほとんどノーチェックのところもあるようです。
市町村によって対応が違っている理由として、処理能力に余裕があるかどうかという点があります。焼却炉や最終処分場に余裕がない場合、受入が厳しくなります。逆に、市町村が過大な需要予測に基づいて巨大な焼却炉を建設した場合、見かけの稼働率を上げたいが為にゴミの受入を甘くしている傾向があるようです。
一般廃棄物として処理されていた場合、分別などは必要ありません。これを本当は産業廃棄物だからということで当社で受け入れした場合、異物が多くて非常に苦労することがあります。市町村の一般廃棄物の処分費用は安く、その上分別不要と言うことになれば排出事業者としては一般廃棄物として処理したくなるのも気持ちはよくわかります。
というわけで、続きは後ほど。

事業系一般廃棄物

ちょっと忙しくて更新怠り気味です。
この前会った方から、「こんなに裏話書いて大丈夫ですか?」って言われましたが、自分は結構抑制しているつもりだったりします。思っていること全部書いたらもっと物議を醸すのは間違いないでしょう。
今日は一般廃棄物のネタです。
ゴミは法律的には産業廃棄物と一般廃棄物に分かれます。家庭のゴミは一般廃棄物です。でも、事業者が出すゴミでも一般廃棄物に分類されるものがあります。
事業者が出すゴミのうち、法律で指定されたものが産業廃棄物になるのですが、それ以外は一般廃棄物です。
例えば、プラスチックゴミは事業者から出るとすべて産業廃棄物です。
しかし、食品廃棄物は「食品製造業、医薬品製造業、香料製造業」から出てきたものは産業廃棄物ですが、それ以外の業種、例えばスーパー、飲食店、ホテルなどから出てくると一般廃棄物になります。
一般廃棄物に分類されるとどうなるのかというと、行政(市町村)が処理することになります。従って、基本的には許可を受けた業者(一般廃棄物収集運搬業)によって運ばれ、市町村の焼却場などで処理することになります。
かたや産業廃棄物になりますと、許可業者(産業廃棄物収集運搬業)によって運搬され、当社のような民間の処理施設で処理することになります。
ここで問題になるのは、全く同じ種類のゴミでも産業廃棄物と一般廃棄物に分かれると言うことです。たとえば、スーパーの総菜売り場で調理して出た野菜屑は一般廃棄物です。でも、同じゴミが総菜工場からでると産業廃棄物になります。
また、たとえば町のうどん屋さんから出たうどんの切れ端は一般廃棄物です。麺工場から出ると産業廃棄物。でも、麺工場に食堂が併設されていたらどうなるのか。食品製造業なのか外食産業なのか。非常に曖昧です。
実際のところ、その区別は市町村によって判断が大きく分かれます。例えば野菜のカット工場から出る野菜屑。愛知県ですとおおむね産業廃棄物ですが、三重県、静岡県ですと一般廃棄物になる場合が多いです。
一般廃棄物と産業廃棄物の許可は全く別です。たとえば、当社は産業廃棄物の許可しかありませんので、事業系の一般廃棄物を受け入れることが出来ません。でも、その基準となるゴミの判断が非常に曖昧にされています。
たいていは産業廃棄物の処理費用より市町村の処分費用が安いです。これは税金が相当投入されているからですが、そのために本来は産業廃棄物として処理されるはずのゴミが一般廃棄物として処理されているケースが相当あります。一般廃棄物の運搬している業者はそのあたりよく知っているのですが、まあ多少のことでしたら目をつぶっているケースが多いですね。
私が営業をしている感じでは、だいたい小さな食品工場の何割かは本来産業廃棄物として処理しなければいけないものを一般廃棄物として処理しているように感じます。また、プラスチックも可燃ゴミに混ぜて出してしまっていることもよくあります。
一般廃棄物の処理を行うのは基本的に行政ということになっているため、民間ではなかなか処理をする許可をいただくことができません。と、許可に関しては厳密に分かれているのに、ゴミには名前が書いてあるわけではないのでその区別は曖昧になっているというところに廃掃法の最大の矛盾点があると思っています。
この話は長くなりますので、続きはまた後ほど・・。

廃棄物の量

前のエントリーでも書きましたが、産業廃棄物っていうのはすごい量が発生しています。日本全体で1年で4億トンということは、1人当たりで直すと4トンです。主婦も赤ちゃんもおじいさんも含めて1人4トンです。
普通の生活をしていると、1年間で4トンもゴミ出していないよ、って思う人も多いと思いますが、工場や建築現場では驚くほど多量のゴミが出ます。
当社はこの業界ではまだ零細なベンチャーですが、それでも月に数十トンの廃棄食品を扱います。法的に言うと廃棄物に含まれないもの(有価物)も多いですが。
1つの工場から毎日数トン廃棄品が出るのはごく普通です。町中にある町工場のような豆腐屋さんからも毎日おからが何トンも発生します。
食品リサイクル業界の感覚で言うと、
1日10トン・・多いなぁ
2トン・・結構出ている
1トン・・まあまあの量
500kg・・結構少ない
100kg・・少なすぎてリサイクルできない
ってところでしょうか。
当社の最近の研究テーマは、「1日100kgの廃棄食品をリサイクルするにはどうしたらいいか」ということです。
流行の言葉で言うと、ロングテールのビジネス展開っていうやつです。

地方の元気再生事業

今、内閣府の地方の元気再生事業という補助事業で再委託を受け、豚肉のブランド化の取組を実施しています。先日はその一環でホテルアークリッシュ豊橋にて試食会を実施しました。朝から会場に張り付き、プレゼン2回で昼飯の時間もなくちょっと疲れました。
で、夕方少しだけ担当者でささやかな試食をしたのですが、やはり三州ポーク美味です。特にハムが衝撃的に美味しかったです。自分はロースハムそんなに好きではないのですが、これはうならせるものがありました。
一緒に再委託を受けているイシグロ農材さんは機能性野菜を作っているのですが、こちらも美味しかった。フレッシュな野菜ってなんか大地の力を感じます。

リキッドフィーディングのコスト試算

なんか寒い日々が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
リキッドフィーディングでは水分が多いため、配合飼料より与える量が増えます。
では、採算に乗るためにはどれくらいのコストに抑える必要があり、原料コストはどれくらいになるのでしょうか。
今、配合飼料の価格を仮に40円/kgとします。リキッドフィーディングですと、いろいろと手間もかかりますので許容できる価格は30円(乾物あたり)と設定します。
リキッドフィーディングは水分20~22%程度です。水分20%ですと、乾物あたり30円の飼料は30/(100/20)=6円/kgになります。この金額が農家への納入価格となります。
農家への運賃が2円/kg、飼料問屋の管理費が2円/kgかかるとすると、当社の出荷価格は2円/kg。
当社の飼料製造コストが仮に10円/kgとすると、-8円/kgです。
この計算はあくまで一例ですが、とりあえず原料(特に水分が多いもの)を購入しているとリキッドフィーディングはなかなかコスト的に厳しいです。また、配合飼料の市況も変動が大きいため、配合飼料が安くなるとメリットが少なくなります。
もともと飼料の値段は安いので、それと競争するのは結構大変です。1kg40円のものってなかなかありません。ミネラルウォーターよりも安いわけですから。1円、2円/kgの世界でせめぎ合っていると、なんか感覚狂って来そうな気もします。

生ゴミ処理機

今日、税務署へ行って納税証明書を発行してもらったのですが、20分以上かかりました。
混んでいたわけでもないのにデータベースから印刷するだけでなんであんなに時間がかかるんでしょうね。
そういうシステムができていないのにe-TAXとかちゃんちゃらおかしいです。
閑話休題
今日はスーパーに設置してある生ゴミ処理機で作った乾燥した生ゴミ(野菜)を回収してきました。
いま、これを養豚の飼料として使う実験を行っています。思ったよりタンパク質が多く含まれており、価値は高そうです。
その時に店長さんとお話ししていたら話が盛り上がって2時間近く長居してしまいました。しかも帰りに土産で焼酎までもらって・・・。ありがとうございました、w店長。