日本の未来とロストジェネレーション

もうすぐ選挙ですね。私は誰に投票すべきか、かなり迷っています。地元の選挙区は自民、民主、未来と勢揃いですが、どうも投票に値するような人はいないような気がしてなりません。

今回の選挙では景気対策が争点になってます。大学を96年に卒業して以来、景気がよかったという実感がないままずっと過ごしてきたので、「公共投資で景気対策」と言われると、非常に違和感があります。乗数効果がうんぬんとのたまう人たちがいますが、乗数効果が本当ならポストバブル時代にあれほどの公共投資をしてきたのですから、我々の世代はロストジェネレーションなどと言われなくてもすんだはずです。

公共投資の乗数効果とは、単に建築土木により建設関係に金がわたるだけではなく、インフラ整備などの効果により新たな経済価値を創出することに意義があります。たとえば、道路を作ることにより工場ができ、空港や港を整備することにより流通が盛んになり、用水を整備することにより農業が盛んになる、それが乗数効果というものです。

今のような社会情勢で道路を作っても、道路を作っている人に金が落ちるだけにとどまり、工場ができるなどそこから波及して経済が活性化していく度合い、つまり乗数効果が著しく落ちているわけです。

そもそも、現在の財政悪化の原因は社会保障費の増大によるものであるわけですから、政府支出は少なくとも国民に渡っているわけです。国民に渡った金が使われずに貯め込まれているので経済が好転しないわけで、社会保障費ではなく公共投資の形で国民に金を渡したらお金が使われるなんて事は有り得ない話です。

結局、政府の信用がないためどんな形でお金をばらまいてもみんな貯金として貯め込んでいるだけです。社会保障の信用が失墜しているから、信用をきちんと確立しない限りいくらお金を振りまいても銀行預金が増大するだけで、その預金が国債にまわるという笑えないループができるだけです。
 

企業経営をしていて思うのが、ビジョンを確立して将来像を描き、目標に向かって行程を作っていくことの重要性だと思います。50年後、100年後の国家未来像をうちたて、それに向かって戦略を立てていく、それが国家運営の基本であり、「脱官僚」「景気回復」なんてスローガンを打ち立てているのは戦略無き企業経営者が「見積数アップ」「今年度利益10%増」とか言って現場スタッフにパワハラしているようなもので、そんなことで企業体質が変わらないのと一緒で国家運営がうまくいくはずがありません。

企業でも、将来ビジョンがきちんと描けていないと従業員のモチベーションや定着率に影響します。日本の官僚は優秀ですが間違ったベクトルでその能力を発揮しているだけだと思っています。指針無き戦略が多すぎるので官僚が勝手にやってしまうのであり、将来像があれば官僚もきちんとした戦略を打ち立てていくことでしょう。
国民だって、国家像が確立できていないから将来が不安になっているわけです。

そもそも、今の選挙制度では選挙区に利益を誘導することが当選への近道である事が根本的な原因であり、またそういった政治家に投票する我々国民がこのような結果を招いている訳です。地元の選挙区でもダムを造る計画があります。国家の計画としてダムを造ることがどれくらいの意義があるのかを精査すべきところ、結局人の金(国の金)だから、作って欲しいという要望になってしまうわけです。今回の選挙公報を見ても残念ながら、国家ビジョン的なものには全くふれられておらず、「安心できる社会」「経済のたてなおし」そんなものばかり。ちょっとがっかりしてしまいますね。

ということをつらつらと書きつくっていたら誰に投票すべきかいよいよわからなくなってきました。明後日の投票日、投票箱の前で考えてしまうかもしれませんね・・。

母豚の栄養管理と繁殖成績

というわけで、また出張中にブログ更新です。来週は長期出張ですのでブログ更新がたくさんできるような予感 ^^;

この前、お客様の養豚農家のこまかなデータを見る機会があり、同じようなエサを使って同じような品種なのに、だいぶ(1頭あたりの)コストや(母豚1頭あたりの)出荷量が違うのに驚きました。養豚は本当にセンシティブで管理のちょっとした違いの積み重ねで成績が大きく変わってきます。

同じ品種でも母豚(「ぼとん」と読みます)あたりの出産頭数がかなり違ってくるのは、安定的に繁殖させる難しさの現れかと思います。

繁殖成績を左右するものに母豚の太り具合があります。太りすぎても痩せすぎてもうまく種がつかなかったり、流産が増えて繁殖成績が悪くなります。このため、妊娠中の母豚1頭ごとに超音波測定で皮下脂肪の厚さを測定し、それによりエサの給与量を変えたりします。太りすぎは禁物ですが、痩せすぎていても繁殖成績が悪化し、出産後の乳の出に影響があります。

今、人間でも若い人たちの不妊が増えていると聞きますが、今の若い女性は痩せすぎているのもその1つの原因かと思います。

また、母豚は日が短くなる秋には繁殖成績が悪化します。イノシシの繁殖期の本能が残っているからです。ので、豚舎では明かりを一定時間点灯してリズムが崩れないようにします。
人間も不規則な生活が続くと不妊の原因になっているのではないかと思います。

以前、西日本新聞に「豚にコンビニ弁当をやったら流産が増えた」という記事が載り、「コンビニ弁当は危険」「食品添加物により流産が増えた」なんていう情報となって広まっていますが、業界関係者からみるとこの記事はナンセンスです。

そもそも、栄養管理をてっていしなければいけない母豚に食品残さを給与することはほとんどありません。食品残さを使って養豚をしている農家でも、母豚と子豚は飼養管理が難しいので配合飼料を与えていることがほとんどです。特に過肥が問題となる母豚に明らかに高カロリーなコンビニ弁当を与えるなんて事は考えられません。

また、実際給与して流産が増えたとしても、おそらくコンビニ弁当の栄養バランスが原因です。食品リサイクル業から見るとコンビニ弁当は高カロリーかつ高脂肪すぎて扱いにくいです。そんなものを給与すると過肥になり、健康状態に影響が出ることは想定されます。おそらく、コンビニ弁当から添加物を抜いて与えても同じ結果になるでしょう。

食品リサイクル事業に従事し、さまざまな食品と接していると今の日本人の食生活で健康に影響を与えているのは、放射能でも添加物でもなく、栄養バランスの崩れです。少なくとも放射能も添加物も健康に影響があるというコンセンサスが得られているようなものは流通はしていません。(コンセンサスに反論する人はもちろん存在しますが)
ところが、栄養バランスの崩れに関しては「悪影響がある」というコンセンサスが得られています。コンセンサスの得られていないものより、コンセンサスが得られているものを軽視することはバランスを欠いた意見だと言わざる得ません。

飼料を取り扱つかい、食品残さを考えなしに給与してぶよぶよに太った豚を見たりすると、きちんと栄養バランスを考えて食事をすることの重要さを考えされられます。本当に食は健康の基本ですよね

ドラえもんとエネルギー代謝

相変わらず忙しい日々が続いています。ブログのネタが大量にたまっているのですが、他にもプレゼンの原稿を作らないといけない上に、業界紙の連載執筆依頼まで来ています。にっちもさっちもいかなくなっている今日この頃です。過去のブログの更新時間を見たらほとんど夜10時頃。この時間帯ぐらいしか時間がとれない証左の様な気がします。

不規則な生活がたたったのか、最近体脂肪率がじりじりと上がっています。40歳近くなって新陳代謝が低下してきているのも1つの原因なのは間違いありません。摂取カロリー>代謝カロリーが体脂肪率の蓄積となって現れているのだと思います。

一応、飼料を取り扱っているので、自分の食べるものの摂取カロリーと、栄養バランス(タンパク質、炭水化物、脂質のバランス)はそれなりに気にして計算しながら食事をしていますが、おそらく酒の分が余分なのではないかと推察されます ^^;

栄養計算をしていると人間は本当にいろいろなものを摂取してエネルギーに変えられることに感心します。もっとも、反芻動物は胃の中に飼っている微生物の力で人間では代謝できないセルロースなどの多糖類を分解吸収できるのでさらにすごいわけですが。

このエネルギーを吸収し体に必要な栄養素を合成していくプロセスが代謝なのですが、この代謝経路というものが非常に複雑かつ合理的にできていて感心します。

例えば、デンプンは消化管内に分泌された消化酵素でブドウ糖に変換され、それが吸収されます。ブドウ糖はTCA回路という代謝系でエネルギーに変換されます。

TCA回路について詳しく解説すると非常に長くなりますが、たくさんの酵素と反応系が複雑に絡み合って最終的にエネルギーになるわけです。大規模な化学プラントのような反応が体内で起きているのはすごいことだと思います。

生化学のすごさを人に説明するのに、ドラえもんの話をすることがあります。ドラえもんはどら焼きを食べて動きますが、現代の技術ではどら焼きをエネルギーに変えてパソコンに動かすことはできません。ガソリンやメタノールのようにエネルギー密度の高いものを利用して電力を生成しコンピューターを動かすことはできますが、どら焼きのようにエネルギー密度が低く、複合物質であるものを利用してエネルギーを生成することはまだまだできない訳です。メタン発酵などのプロセスを利用すればエネルギーは生成できますが、それとて生物の力に頼っているわけです。

技術進歩により生体についての理解や解析が深まっていますが、それでもまだまだ生物の神秘には遠く及ばない部分があると思います。それだけに勉強をしていくと無限の面白さがあるのが生物の世界だと思います。

私の取り扱っているのは「エコフィード」という1つの商品ではあるのですが、代謝系の話を抜きに取り扱うことはできません。それだけに、奥が深いものだとしみじみ思います。

ホームページセミナーと農家のSWOT分析

このところ本当に忙しい日々が続き、ブログの更新もままなりません。
忙しい理由の1つに、ホームページの大幅リニューアルを予定していてその準備をしているせいもあります。

実は当社はホームページからのお問い合わせでかなり受注を頂いております。柳の下のドジョウではないですが、ホームページをもっと強化すればもうすこし売上が増えないかなと期待してホームページの改訂を計画しました。そのためにはもっと勉強しようと思い、ホームページのセミナーも受講しました。ってやっていたら忙しくなったわけです。

ホームページのセミナーで最初に言われたのが、何を売りにするのかということです。ホームページのセミナーなのにSWOT分析をすることになるとは思いませんでした。ご存じの方が多いと思いますが、SWOT分析とはStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)を評価するというものです。

ホームページも漫然と作成するのではなく、自社の強みを把握し、顧客ターゲットを見据え、戦略を持って内容を構築していくことが重要だと言うことです。

と、このセミナーを受けていて農家の6次産業化のことが思い浮かびました。6次産業化がもてはやされ、農家が自ら商品開発したり、小売をしたり、といったことが増えてきています。ただ、これも「強み」、つまり農家が自ら商品開発や小売をする意義を考えなければ成功しません。

そもそも、農産物加工品や小売業務はすでに食品加工メーカーや食品スーパーで行われていることであります。これを農家がやったら成功するのか?食品加工メーカー以上の商品加工ができたり、スーパー以上の販売力があればいいのですが、そんなことはまずありません。

たとえば、養豚農家が肉の直売所を作ることが良くあります。町の肉屋さんがどんどんなくなっていくこのご時世に養豚農家が肉を売ることによりどれだけ肉屋との違いを出せるのか、そこが問題です。「農家がやること」の強みがなければ肉屋で買った方がマシと言うことになりかねません。とくに、肉は一旦と畜場でと殺して、そこから肉として商品化されるので農家と肉屋が同じ土俵に立つことになります。農家ならではの強みが出しにくいのは確かです。

思うに、農家が6次産業化をやる最大の強みは「規格にとらわれず商品化できる」ということです。どんな農産物でも規格外の商品の価格は非常にやすいものとなり、これが商品の価格の足をひっぱります。6次産業化でこう言った商品が有効に活用できれば、農業経営に大きく寄与することとなります。
残念ながら現時点では無闇に6次産業化に乗り出している農家がほとんど・・そんな気がしてなりません。

にしても、農家が6次産業化に取り組めば国内農業の活性化につながるなんて農水省の方針は甘すぎると思います。今まで販売なんて無縁だった農家がいきなりものが売れるほど商売の世界は簡単ではないです。
残念ながら農家の多くは商習慣に疎く、ビジネスの常識も持たないことが多いです。6次産業化の前に、「名刺の渡し方」「見積書の書き方」「電話の応対」なんかを学ぶことが重要ではないかと私は思います。電話の応対ができていない、というか電話にちゃんと出てくれない農家がけっこう多かったりするんですよね~。

エコフィードと刑務所の食事

今日まで4日間ポートメッセ名古屋で行われた展示会「メッセナゴヤ」出展でした。
展示会に出展していると必ず聞かれるのが、「コンビニ弁当とかレストランの残飯はリサイクルしていないのですか」という質問です。
当社は現時点でこう言ったものはリサイクル原料として受け入れていません。

受け入れしない理由はいくつかあります。

1.許可の問題

 

コンビニなどから廃棄される食品は「一般廃棄物」に分類されます。
当社は今年の春一般廃棄物処分の許可を得ましたが、それまでは許可がなかったため受入できませんでした。

 

2.分別の問題

 

コンビニ弁当など容器入りの食品は容器との分別が難しいです。当社には分別する機械があり、包装入りのお菓子などはきれいに分別できますがコンビニ弁当は分別することが難しいです。特に、飼料にする際にはプラスチックが混入すると問題になります。手作業で分けることは可能ですが、コストがかかりすぎます。

3.コストの問題

 

食品廃棄物を排出する事業者の方は「リサイクルを推進したい」と言われますが、それには条件があります。「コストアップしないこと」です。
一般廃棄物は通常は市町村の処理施設で焼却処理します。豊川市の一般廃棄物処理単価は1kg12円です。当社が処理を行う場合、この単価以下で処理をする必要がありますが、上記に述べたように分別が必要なものですとコストがかかりこの価格で行なう事は難しいです。

4.成分の問題

一般廃棄物処分業の許可は飼料化施設で取得しています。飼料化の原料としてみた場合、コンビニ弁当やレストランの残飯は油脂が多すぎます。油分が多いため豚に給与すると肉質に悪影響が出ます。

 

いろいろ食品廃棄物を見ていると、現代日本人がいかに高脂肪、高カロリーな食品を摂取しているかがわかります。一般廃棄物を受け入れしている乾燥処理プラントを見学するとだいたい最後の工程で機械を使って油を搾っているのですが、油が大量に出てくるのを見るとちょっとぞっとしますね。

というわけで、一般廃棄物、とりわけ食べ残し系はあまり受入ができないのですが、そんななかで比較的内容が良好な一般廃棄物があります。刑務所と学校給食、病院食の残飯です。どれもキチンと栄養計算されているのは伊達ではなく、残飯も比較的ヘルシーです。分別も比較的されているのでリサイクルしやすいです。

ところが、これらの事業所は食品リサイクル法の適用外になっています。このため、食品リサイクルを行う意識が非常に低いのが現状です。結局営業に行っても、「安くなるなら」で終わってしまいます・・。

当社もできるだけ低コストなリサイクルを目指していますが、税金が大量に補填されている市町村の焼却と価格競争するのはいろいろと大変です。市町村の焼却単価の問題は食品リサイクル行政の一番の矛盾点と言えるかとおもいます。

ベンチャー企業の始め方

今日はポートメッセ名古屋で行われている「メッセナゴヤ」という展示会に出展していました。今年は展示会にとてもたくさん出展しています。おかげで忙しいです。営業担当者は私1人で、1人で展示会出展すると休憩もできなくなりますので、最近はイベントコンパニオンをお願いして接客を手伝ってもらっています。

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初日の今日は割とお客様もすくなく、のんびりとした雰囲気でした。そんな中、接客をしたお客様から「創業するってすごいですね」って言われました。そう言われると私はいつも「会社を始めるのは20万あればすぐにできますよ」と答えることにしています。
会社設立は行政書士にお願いしたら20万円ぐらいであれば簡単にできます。私が事業を始めたときは今よりも少し面倒でしたが、それでも設立自体は難しいものではありませんでした。

ただ、今は会社を創業することが難しい時代になっていると思います。社会が高度化し、安定化しているとだいたいの事業というのはすでに何らかの会社で行われています。新規創業した会社がもとからやっている事業者と競合するのはとても大変です。

また、社会システムだけではなく、技術的なものも高度化してきています。このため、特にもの作りの分野では新規に事業を始めるのに必要な設備も高度化しています。昔は溶接機があれば鉄工所を始めることができましたが、現在では工作機械がなければ仕事になりません。

最近新規就農を考えている方が増えています。でも、今の農業は農業機械無しには成立しえないものです。農業機械をそろえると相当な投資が必要ですし、施設園芸でしたらさらに費用が必要となります。畜産業はそれ以上に投資が必要で、それなりの規模の畜産を始めると数億単位の費用となります。

現在、新規創業する会社がIT分野に多いのは、ITは新しい分野であり混沌としており新規の会社が入りこむ余地があること、労働集約的であるため設備投資が少なくてすむことがその理由だと思います。
そんな中、食品リサイクルというのはまだまだ完成されていない分野です。だから当社もなんとか入りこむ余地があります。

そういう状況を鑑みると日本の企業数が減り続けているのは当然の結果と言えるかもしれません。

そういう思いがありますので、私はベンチャー企業でもとりわけもの作りをしている会社は本当にすばらしいと思っています。ただ、ものを創るというのはとても楽しいことです。前の記事にも書きましたが、ベンチャー企業って非常にやりがいがあるものです。もの作りをすると、できあがった物が形になるのでさらに充実感があります。

私は基本的にギャンブルはやりませんが、企業経営はある意味ギャンブル以上に楽しいことだと思っています。サラリーマンで安穏と過ごすのも悪くないとは思いますが、男ならば勝負をかけた人生を過ごすのもいいものだと思います。

 

# 最近この手のネタが多かったので新しいカテゴリー「ベンチャー企業」をつくりました。

焼却処理施設の見学

10月が終わり今年もあと2ヶ月になってしまいました。10月は本当に忙しかったです。書類作成仕事はそれほど多くなかったのですが、とにかく出張が多かったので全然会社にいませんでした。スケジュールが埋まりすぎてやらなければいけないことが全然進みませんでした・・。

そんなスケジュールの1つに焼却処理施設の見学がありました。産業廃棄物の中間処理施設です。脱サラして静脈ビジネスに携わりまだ5年しか経っていないので、勉強のために機会があればいろいろな施設の見学を行なうようにしています。

ところで、世間では「廃棄物処理」といえば「焼却」というイメージがかなりありますが、実は焼却処分する割合はどんどん低下してきています。もちろんリサイクル推進が求められていると言うことはあるのですが、焼却というのはかなりコストがかかる処理だというのもその理由の1つです。

今の焼却炉は環境対策などのために非常に高度なシステムで構築されています。このため、焼却炉の機器コストが増えてきています。たき火をしてみるとわかりますが、ものを完全に燃やすというのは案外難しいものです。完全燃焼しなければ有害物質などの発生の原因となってしまいます。廃棄物は特に様々な種類のものが混ざっているため、これを安定的に完全燃焼させるための設計がされています。
廃棄物処理施設では機器の減価償却の比率が大きいため、このコストが大きい焼却処理はどうしてもコスト高となります。

食品廃棄物の処理はたいていは当社のようなリサイクルによって処理されているのですが、どうしてもリサイクルできないものは焼却処理されています。今回の見学はそういった焼却される食品廃棄物の状況を見ることも目的の1つでした。実際のところうまく分別ができればリサイクルできるものもかなりありそうな感じでした。

産業廃棄物の焼却炉というととかく反対運動の対象になりがちですが、今の焼却炉は安全を非常に重視して設計されていることを理解頂けたらと思います。また、無闇に焼却処理しているわけでもなく、焼却処理業者もできるだけリサイクルしていきたいという意識は常に持っています。

なによりも、実は燃やしているものはそんなに特殊なものでもなく、我々の日常生活に関連した産業から出てきている廃棄物がほとんどだったりします。

今回見学して思ったのは、本当に「どうしてこんなものを捨てるのだろう」といったものがすてられているということです。廃棄物処理施設に反対される気持ちはわからないでもないのですが、根本的な大量消費社会に生活しながら廃棄物処理に反対するというのはあまりに利己主義的ではないかと思います。大量消費社会をどう変えていくのかを1人1人がもう少し真剣に考えなければいけない時期なのではないか・・と強く思います。

6次産業化の手法

最近忙しい日々が続いていてブログの更新をまた怠っていました。今日は四国に出張しています。相変わらず出張中しかブログを書く時間が取れない状態です。(その割に飲み会にはよく行っていますがw)

先日、浜松の農商工研究会というところでお話をする機会がありました。

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当社は農業者ではありませんが、三河トコ豚極め隊の活動などを通じて農業生産者のお手伝いをさせて頂いています。そんなようなことをお話ししました。

最近、農商工連携とか6次産業化なんてことがもてはやされていています。農業者が販売加工をおこなっていくことがあまり進んでいかない一番の理由は商取引になれていないことではないかと思います。
三河トコ豚極め隊では畜産農家のお手伝いをしていますが、畜産農家(に限りませんが)は市場(畜産農家ではと畜場)へ持って行きさえすればお金になったわけです。これを自分で販売するためには、問い合わせの電話を受けて、見積もりを出して、サンプルを送って、納品して、請求する・・この一連の流れができなければいけません。普通の商取引では当たり前のことではあるのですが、農家ですとまず「問い合わせの対応」ができないことが多いです。そもそも電話をかけても出なかったり、せっかくホームページがあるのに問い合わせフォームもメールアドレスも書いていない、なんてことはよくあります。

産直に出荷したり朝市に出したり・・ってことはハードルが低いのですが、特にBtoBの取引では対応がきちんとできることが当たり前ですのでハードルが高くなります。肉の場合、生産規模が大きいこともありどうしても販売はBtoBが中心になります。

販売あたって肉が美味しいことはもちろん重要ではありますが、必要条件たる取引の手順ができなければ取引ができません。むしろ、肉の質は並でも取引がきちんとできたら商売が成立するような気もします。

農水省、県etc.で6次産業化のセミナー等々がたくさん行われていますが、実際のところそういう成功事例よりも商取引の練習、たとえば見積書の書き方とかをやったほうが効果的ではないかなと思ったりもします。せっかく良いものを作ってもビジネスの取引ができないがために商売が成立しないってもったいない話です。

ちなみに、セミナー講師とかではこういう話はあんまりしません。講師依頼の趣旨を踏まえてお話しするのを原則としていますが、農家のためを思ったら突っ込んだ話をした方がいいのかもしれませんね。

展示会と決算書の読み方

先週の金曜日、土曜日と地元信金の展示会に出展していました。基本的に出られる展示会には全て参加しています。今年は東京での展示会も含めてすでに4回ほど出展していて、年内にあと3回出店する予定です。そのうち2件は名古屋と東京でしかも期間が長いので準備と出展時の対応が結構大変です。今回の展示会は会社から15分のところで行われたので出展準備も楽です。

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出展すると当然ブースにて対応しなければ行けないのですが、当社は営業として外に出られるのは私1人なので、普通に行くとブースの店番を1人でしないといけません。お客さんが多い展示会だと昼ご飯も食べられなくなってしまいます。今回は信金の担当の方にブースの対応をお願いして、2人で店番をしていました。2人いると昼飯も安心して食べに行くことができ、展示会終わった後の疲労度が全然違います。

そんな中、お客様が途切れたときなどにちょっと雑談をして決算書の話になりました。当社は会計ソフトに自社で記帳しているので、(記帳が終わったら)リアルタイムに月次決算が出るのですが、世の中の中小企業の社長の中には決算書は税務署と銀行に提出するために作るだけで、月次はおろか決算終了後にもろくに見ない人も多くいるってことです。

時々月次の数字を見ていると、使いすぎているお金や売上の変動、利益率の変化なども見えてきますし、キャッシュフローも頭に入ります。現在の経営状態がわかれば次の投資の戦略も考えられます。普段から決算書を見ていなければ今後の方針なんて立てることはできないと思うのですが、数字をみない社長はどうやって判断しているのかが気になります。

と、えらそうなことを書きましたが私も起業するまでは決算書なんてちんぷんかんぷんでした。事業を始めて会計ソフトへの記帳をしてみて初めて決算書というものの仕組みがわかるようになった気がします。
昔と違ってパソコンもソフトも安くなっているので会計ソフトへ自社で記帳するのは簡単になっています。記帳さえすれば仕訳を変えたり実際のお金の動きと比べたりして決算書の仕組みを勉強することができるようになります。私も会計ソフトが無く手書きだったら決算書の読み方がなかなか覚えられなかったのではないかと思います。

にしても、これだけソフトが便利になっているのだから税理士報酬はもっと安くなってもいい気がするんですけど、どうなんでしょね~。記帳のミスさえなければソフトちょっと操作すれば決算書が印刷されて出てくるはずだと思うんですけどね。

生ハムの熟成

先日、三河トコ豚極め隊の活動の一環として、豊根村の廃校で作っていた生ハムの試食を行いました。

去年の11月から熟成を始めたのですが、今年の秋に関係者を集めて試食会を行う予定なのでその前に味見(というか毒味w)をするための試食です。
割と適当なレシピで作りましたので美味しくできているかどうかかなり不安でした。全体にカビも生えていてあまり見た目が良いとは言い難かったのも不安の一因です。

ところが、カビを洗い落とした生ハムはかなり美味しいそうな見た目になりました。鼻を近づけると生ハム独特の芳香がします。ちょっと期待できる感じです。

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期待に胸を躍らせて切り分けて食べると、これが予想以上に美味しい!生ハムにはかなりうるさいと自負しているのですが、どこに出しても胸を張れそうな美味しさです。

今回表面だけ切ったので実際には中の方までは熟成が進んでいないかもしれませんが、とりあえず今のやり方でおおむね行けそうな感じです。今年の秋はもう少し仕込量を増やしていきたいと思いますので、こうご期待。