廃掃法について:産業廃棄物処分業の許可要件

急に暑くなりました。つい先週くらいまでフリース着ていたのが嘘みたいですね。
暑がりなのでこれからはつらい時期です。
当社は産業廃棄物処分業の許可があります。最初の許可申請、その後の変更の申請などを自社で行いましたので、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(いわゆる廃掃法)についてもだいぶ勉強しました。業界の人や行政担当者と比較しても法に関しては詳しい方だとは思います。
この廃掃法、いろいろと変なところがあります。先日から繰り返し書いている事業系一般廃棄物と産業廃棄物の区別もですが、処分業の許可要件などでもおかしなところがあります。
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廃掃法の第十四条 5
都道府県知事は、第一項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
 一 その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。
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とあります。
「業」の許可なのになぜか施設がないとダメなんです。一見当たり前のようですが、これがくせもの。施設っていうのは箱や土地、人ではなく、機械などを指すわけです。
たとえば、養豚農家が食品廃棄物の受入を行うために許可を取ろうとするとき、豚に食べさせるから豚を施設として許可を取ろうとすると(よくあるケースです)、許可はおりません。
また、産業廃棄物、とくに建設系の廃棄物って、だいたいは重機や人手で分別することにより処理されています。でも、同様の理由で分別だけでは許可が下りません。ので、選別をするラインを作ったり、破砕機を入れることにより許可を取得しているケースが多いです。破砕機は実際あまり使わず横で重機を使って分別しているだけ・・っていうところをよく見かけます。
先の養豚農家のケースでも、養豚農家に機械が無いわけでもないので、その機械で許可を取得する方法もあります。まあ、この辺がノウハウなんですが。
もっとも、産業廃棄物の処分業の許可は施設さえあれば取れるものでもないのが難しいところです・・・。

引っ越しと一般廃棄物の許可

今日は出勤でした。堆肥の切り返しと書類整理をしていました。さすがに会社の周りの工場もみんな休み。静かな一日でした。土曜日はお客さんからの電話があったりしたのですが、今日は電話もまったくありませんでした。
私事ですが、自宅を引っ越すことになりました。昨日は引越業者を3社呼んで相見積もりを取りました。引越って見積をぶつけると恐ろしく安くなります。なんですが、見積を取るために営業マンの相手をするのが面倒と言えば面倒です。見積自体は15分ぐらいででるのですが、営業マンの話が長いこと、1人1時間×3で3時間も相手する羽目に。
しかし、引越業界って大変ですね。差別化が難しいので結局値段勝負。他所がいくらならうちはいくらっていう世界です。廃棄物業界もその傾向が強いですが、引っ越し業界はもっと過酷かもしれません。今回のお願いすることになった会社が提示した金額も普通に計算するとどう考えても原価以下です。
ところで、引越会社が持ってきたパンフレットを見ていたら気になることがありました。「引越の時に出たゴミを有償で処分します」って書いてあります。家庭から出るゴミは一般廃棄物になります。これを処分費をもらって処分するためには一般廃棄物の運搬業の許可が最低必要です。これを許可がない引越業者が処分を行うことは違法行為になります。許可があればいいのですが、まず無いですから。
今回見積取った3社のうち、不要品処分のことが書いてあるのは1社だけでした。引越業者はよく不要品処分を頼まれるのですが、以前某大手運送会社が無許可営業でおとがめ受けているので、引越業者も慎重になっているんだと思います。今回パンフに記載があったのは新興の会社なので、多分知らないのでしょう。
これと似たような事例で、便利屋のケースがあります。便利屋のポスティングチラシを見ると、よく「不要品処分します」みたいなことが書かれています。これもほとんどが違法です。こういう業者は、だいたい集めたゴミを産業廃棄物として処理しているようです。
引越の時にでるゴミは市町村で処理してもらうのが基本です。ただ、ゴミ出しの日が合わなかったり、粗大ゴミの手続きが煩雑だったりするのも事実。お金出しても処理お願いしたくなるものです。ところが、多くの市町村は一般廃棄物の収集運搬許可を持っている業者でも一般家庭から出るゴミの回収を代行することを認めていません。ということは、遵法の方法は自分で市町村に頼んで処理するしかないわけです。
無許可の業者に委託すると、法外な料金を取ったり、不法投棄につながったりする恐れもあります。実情にあっていない硬直した廃棄物行政が問題を生んでいるんだと思います。

バイオエタノールとボツリオコッカス

今日は休日出勤です。ゴールデンウイークもほぼ出勤です。
出勤はべつに問題ないのですが、道が混むのが困りもの。運送をお願いしている会社から泣きの電話が入りました。会社近くの東名音羽蒲郡インターあたりは休みの日ものすごく混むんですよね。
閑話休題
木材や食品廃棄物からバイオエタノールを作る試みがあちこちで行われています。大阪府には結構大きな実証プラントが出来ています。愛知県内にも食品廃棄物からバイオエタノールをつくる試みが行われています。
私の個人見解としては、コスト&エネルギー的に見合わないと思います。
木材はそのままで燃料として使用可能です。わざわざエネルギーをかけてまでエタノールを作る意味があるのやら。エネルギー収率が90%ぐらい確保できればまだ道があるとは思いますが、そこまで行くことはないでしょう。
食品廃棄物からバイオエタノール作ることに関しても懐疑的です。そもそもバイオエタノールに適したデンプン質の食品廃棄物はそんなに量が多くない上に、飼料として適しているものばかりです。また、エタノールを作るためにそれなりに外部からエネルギーを投入しなければいけません。水分が多い食品廃棄物は見かけのエネルギー密度が低いため、相対的に外部からの投入エネルギー量が多くなってしまい、エネルギーが全く回収できないというオチがあったります。
うろ覚えですが、トウモロコシからつくるバイオエタノールでエネルギー収支は石油と比べてぎりぎりプラスだったかと思います。
この前、知人と雑談していたところ、ボツリオコッカスの話になりました。これ、石油(正確には炭化水素)を作る藻類です。世界中で注目を浴びているようです。
これの培養をするのに、太陽光だと生育が不安定なため、糖類を供給して培養する方法があるそうです。
クロロフィルを持つ植物は太陽光と二酸化炭素を使って炭水化物を作りますが、炭水化物を外部から供給してそれをエネルギーとすることも可能です。
ただ、これも収支的にはちょっと怪しい雰囲気です。
前から書いていますが、クリーンエネルギーとか廃棄物のリサイクルとかは、なんかすごい技術ですごいものを作り出すのではなく、素朴な技術で少しだけ良いものを生み出すことが本当は環境に優しいのだと思いますね。

リサイクルループと食品廃棄物

ここ数日忙しくて更新が出来ませんでした。もちろん週末も仕事でした。
日曜日、アースデイはままつへ行ってきました。
先日書いたアースデイの関連のイベントです。
取引のある山本エコロジーサービスも出店されているので遠路浜松まで。
なんか良い意味でゆるいイベントでした。最近、こういうイベントに人が集まるようになっていますよね。
環境関連のマーケットの広がりを感じます。
先日、うちのお客さんの群類畜産さんと肉の営業に出かけてきました。群類畜産さんでは、当社で製造している食品工場からでてくるジャガイモを加工した飼料を使って頂いております。こちらの食品工場(総菜製造工場)で群類畜産の肉を使って頂き、リサイクルループを構築しようという狙いです。
個人的にはリサイクルループを作ることに固執しすぎてはいけないと思っています。リサイクルすることももちろん重要ですが、やはり食品というのは味が良いことが重要だと思います。
私は食品副産物や食品廃棄物をエサに使う一番のメリットは肉質がよくなる可能性があることだと思います。今回のジャガイモもそうですが、パン、うどん、焼酎粕などの小麦や芋、米などのデンプン質主体の飼料を使うことにより、非常に美味しい肉となります。肉が美味しいから採用頂き、それにおまけでリサイクルループがついてくるぐらいのことであって欲しいと思います。
群類畜産さんの肉はホントに美味しいですよ。お客さんにも自信を持って勧められます。

アースデイ

今日は世界的にアースデイという日でした。
今朝、ラジオを聞いていたら、アースデイについての話題が出ていました。
アースデイのことは上のリンクを見て頂ければと思いますが、ラジオではアースデイの紹介の後、マイケルジャクソンのHeal The Worldが流れていて、なんかしみじみとした気分になりました。

なんか亡くなったら急に偉人になるみたいなのは正直あんまり好きじゃないんですが、それはそれとこの曲とかWe are The Worldとかはホントにすばらしいですよね。高校生の頃は「マイケルジャクソンか、けっ」って思っていましたが、今は反省していますw
しかし、最近の自分の英語力の低下は著しいですね。歌詞の意味がなかなか理解できません。これでも高校の頃は英語はまずまず得意だったのですが。英語力の低下と言うより、記憶力が低下しているかも。
ま、ともかく
「Make A Better Place For You And For Me」

養豚と産業廃棄物の許可

今日は客先から直帰したので珍しく早く家に帰ってきました。
最近精神的に疲れているので寝酒飲みながらブログ書いています。
私もこの仕事を始めて知ったことですが、養豚農家は食品副産物、廃棄物をかなりたくさん受け入れしています。とくにここ愛知県は大都市近郊と言うこともあり、昔は残飯養豚が盛んでした。今は残飯で養豚というのはほとんど無いのですが、その流れをくんで食品副産物をうまく使っているケースがよくあります。当社のお客さんもそういった養豚農家の方が多いです。
なお、食品廃棄物といっても、主に製造時に出る副産物や廃棄製品などなので非常に品質は高いです。肉質を考えると残飯を使うのは難しいのが本当のところです。
そういった食品副産物を使った養豚農家と話していると、「産業廃棄物の処理の許可を養豚農家に与えるべきだ」って言うようなことをよく言われます。許可を取得すると、今まで買っていたエサが逆にお金がもらえるようになってバラ色みたいな印象を持たれているようです。でも、私個人の意見では、養豚をしっかりやろうとするなら、あまり許可を取得することに固執しないほうがいいのではないかと思います。
処分費をもらうと言うことは、責任を持って廃棄物を処理すると言うことです。ので、発生した廃棄物を必ず処理する義務が出てきます。量が不安定な食品廃棄物では、これが結構大変なことなのです。
お金を出していたら、好きな量だけ買うことが出来ます。でも、処分費をもらう以上、量は成り行きです。エサに向かないものも出てきます。
養豚農家が処分費をもらうと、こういったものの対応に苦労することになったりします。
結局のところ、ビジネスの組立方です。処分費をもらって豚を処理機として見なすのか、それとも良い豚を育てるために高品位な食品副産物を使うのか、バランスをどこに取るかというところです。もちろん、完全な安定供給などを求めるとそれは飼料価格が高くなる要因ですので、コストを下げようとするとある程度の量変動は許容する必要がありますが。
要は、肉の品質を重視するならば処分費をもらえるようなものはあまりないっていうことです。ま、許可があればあるで価格の幅が広がるので決して無駄にはならないですが。

肥料の配達

昨日は休日出勤して肥料の配達をしてきました。渥美の江比間にあるどろんこ村という農業体験、有機野菜の栽培をやっているお客さんです。
ダンプで畑に入ったところ、亀になって出すのに苦労しました。一応四駆なんですが、肥料を積んでいるとなかなか抜け出すのは大変です。
肥料を広げた後、どろんこ村のお店へ行きシフォンケーキを食べてきました。ここのシフォンケーキはほんとうに美味しいです。シフォンケーキは自宅用にも買って帰りました。
最近肥料の売れ行きがよく、すっかり在庫が無くなってしまいました。リサイクルの仕事は在庫調整が難しいのが難点です。うちの工場は小さいのでストックヤードがあまりありません。
ところで、どろんこ村の若い人に「環境テクニカ」さんと言われてしまいました。新しいバージョンです_| ̄|○

名大農場

なんか寒い日が続きますね。風邪ひかないように注意しています。
名大農学部の附属農場で当社の肥料の実験を行ってもらっています。この前、実験に使う肥料を配達してきました。今月中に施肥し、マルチを貼って来月初旬にトウモロコシを定植する予定になっています。3年目で当社の実験区も少しずつ良い感じに色が変わってきました。
配達ついでに旧知の技官さんと会っていろんな話をしてきました。私の所属研究室が附属農場の中にあったので、4年生の時1年間毎日農場に行っていました。技官さんもその頃から15年来のつきあいですね。
技官さんと話していたら、実験で余ったバラの花を分けてくれました。家に花があると華やぎますね。
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エコフィードと食糧自給率

食糧自給率に関するこんな雑誌の記事が載っていました。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100413-00000000-rnijugo-soci
この記事で筆者はカロリーベースの食糧自給率に疑問を示しています。畜産物は飼料の自給率が低いため、自給率は低く計算されますが、実際は国内で生産されているのにおかしいのではないかという主張です。
結局、食糧自給率を算出する目的がなにかが重要だと思います。色々と批判の多いカロリーベースの自給率ですが、国の安全保障を重視するならば採用も間違っていないと私は考えます。
実際、畜産関連の仕事をしていると、日本の畜産が海外の安価な飼料に依存していることを痛切に感じます。牧草やワラなどの粗飼料もトウモロコシや魚粉などの濃厚飼料も、みな海外産です。みなさんが飲んでいる牛乳は海外から輸入された牧草で作られ、卵も輸入トウモロコシに依存しています。
豚肉も鶏肉もここ数十年ほとんど値段が変わっていないのは、海外の安価な飼料を利用して効率的な生産が行われてきたからできたことなのです。逆に言うと、もしこの海外から調達する飼料の価格が上がったら成立しなくなるのが日本の畜産です。
そこで、エコフィードの出番ですと言いたいところですが、私はエコフィードで食糧自給率を上昇させるのはかなり難しいのではないかと常々思っています。廃棄食品を有効にリサイクルすることは非常に重要だと思っていますし、だからこそこの仕事を行っています。でも、畜産農家が使う余りに多くの飼料を目の当たりにすると正直なところ無力感があります。
当社のお客さんはエコフィードを活用しているのですが、そういった農家はごく一部。規模と効率化を優先するとなかなかエコフィードという選択がとることができません。例えば養鶏農家は非常に大規模化、効率化が進んでいるため、ほとんどエコフィードを活用することがないのが実情です。
逆に言うと、当社のターゲットとなる市場は未開拓で非常に大きいということでもありますが、国家の安全保障を考えると非常に複雑な心境であります。

注文

今日は名古屋の展示会などを回りました。風がすごい強かったですね。暑かったり寒かったりで服装を選ぶのにも困ります。
先ほどお客さんから電話があり、肥料の注文が入りました。空いている日が日曜日しかないので、日曜日出勤決定です。
当社のお客さんの農家は、有機肥料を買って頂いている方、エコフィードを買って頂いている方どちらも相当なこだわり農家ばかりです。
やっぱり、特にこだわり無ければ化成肥料を使い、配合飼料を使った方が正直ラクですからね。なんらかの目的、信念があってこそ新しいものに挑戦を続けているんだと思います。
特にうちのお客さんを見ていますと、養豚農家は政府からの保護がすくないため、逆に経営というビジョンをしっかりと持っているのを感じます。持っていない人は淘汰されていったということもあるのでしょうが。
畜産農家、とくに養豚農家は経営規模が大きいので、経営概念がないととてもやっていけないんだと思います。養豚の場合、夫婦二人の場合、母豚100頭強程度まで管理できます。すると年間出荷2000頭以上、売上げ5000万以上となります。夫婦二人でやって5000万円の売上げがある農業は他にあまりないんじゃないかと思います。
もっとも、当然ながら売上げと利益は全く別物ですが。