先日のエコフィードシンポジウム、一番の成果は「エコフィード」の商標登録の話でした。
ご存じの方もいるかもしれませんが、エコフィードは社団法人配合飼料供給安定機構が商標の登録をしています。ですが、巷にはエコフィードの名前があふれていて、当社のWebサイトにもこのブログにもたくさん出てきます。
問題ないかなぁと思っていたら、愛知県の職員の方が質問していました。
農水省の方の答弁「エコフィードの商標は飼料に関して取得しているので、エサの名称にエコフィードを使うのはご容赦いただきたいが、それ以外の使用は特に問題ない」とのことです。
というわけで、当社のサイトも問題なしと言うことのようです。
エコフィードシンポジウム
昨日は名古屋でエコフィードシンポジウムがありました。いろいろと教えてもらっている日大の先生と小田急の人が講師をされていました。うちのお客さんの養豚農家や食品事業者さん、同業のエコフィード業者と知った顔が多く、なんか変な雰囲気です。
昨日は午前中現場で作業してそのまま会場へ行ったので、エコフィードをトラックに積んだままコインパーキングへ駐車。エコフィードシンポジウムにエコフィードを持って行っていたのはおそらく自分だけです。[E:typhoon]
ところで、昨日のシンポジウムのお題は「エコフィード普及のために」という感じのものでした。でも、エコフィード普及を一番阻害しているのは、昨日のシンポジウムを主催している配合飼料安定供給機構です。
ここは、その名前の通り配合飼料を安定的に供給するための組織で、配合飼料の値段が上がったら基金から補填金を出すという組織です。エコフィードを使うか使わないかはやっぱり結局値段です。配合飼料が安ければ、だれも手間がかかるエコフィードなんて使いません。トウモロコシに税金でもかけて、その分農家への戸別所得保障をだせばエコフィードの普及なんて難しくないと思います。
ま、こういうシンポジウムをやるっていうのは、これがホントのマッチポンプだと思いますね。
堆肥の切り返し
今日の午前中は堆肥の切り返しをしていました。
堆肥の切り返し、知らない人からは「なんか場所を動かしているだけなんじゃない?」と言われますが、結構気を遣いながらやっています。
まず、あんまり固まりができないように気をつける必要があります。
あと、切り返しながらいろいろと観察しています。
嫌気性になっている部分がないか・・嫌気性になると含まれている鉄が還元的になり色が黒くなります
品温はどうか・・蒸気の上がり方で判断します(ホントはきちんと温度測定した方がいいんですが)
含水率は下がっているか・・堆肥の崩れ方で含水率が変わります(含水率は切り返しの度に測定しています)
窒素の揮散が起きていないか・・アンモニア臭がすると窒素揮散が発生しています
微生物のフローラに変化はないか・・材料によってフローラが大きく変化します
冬場になり堆肥の品温が下がりやすく、水分の揮散が悪くなっています。ので、最近は汚泥に加える副資材の量を増やしています。
バイオディーゼル由来のグリセリンを加えると、1週間もしないうちに品温がドンとあがります。放線菌が増えて、表面が真っ白になります。こういうのを見ると、堆肥作りって本当に奥が深いなぁと思います。
ただ混ぜればいいって言うものじゃないんですよ。ホントに。
焼きそば
先日ですが、焼きそばをエコフィードの原料に使用できないかという問い合わせがありました。
結論から言うと、現状では難しい部分があります。
今、エコフィードのメインの供給先は養豚農家です。豚のエサは油が少なめです。焼きそばの麺は油がたっぷり塗ってあるので、使いにくいです。焼きそばで使っている油は大豆油などの植物油です。植物油には不飽和脂肪酸がたくさん含まれています。これが多いと、肉質に顕著な影響を与えます。例えば、脂が厚くなりすぎる、脂の融点が低くなる(肉屋に嫌われます)、脂の風味が悪くなるなど・・。
現代人の食生活は非常に脂が多く、スーパーからの廃棄食品などは油だらけです。そういったものも行く末は何らかの方法で扱えるようになりたいとは思いますが、今のところ難しいのが正直なところです。そういった理由から、当社で扱っている原料の多くは食品工場などから発生する酒粕等々の副産物です。
しかし、この仕事始めて本当に現代日本人は油を取りすぎていると実感しました。ちなみに、自分は揚げ物断ちしています。人と食事するとき以外は揚げ物食べません。おかげさまでメタボ知らずです[E:typhoon]
産業廃棄物処分業の許可
エコフィード製造のために容器分別機と破砕機を導入しました。エコフィードの原料は処分費をもらっている(=原料受入の際にお金を頂いている)ものもあるので、当社は産業廃棄物処分業の許可もあります。
しかし、産業廃棄物処分業の許可を取ると、いろいろ手間が多くて大変です。機械を入れ替えるのも、すべて許可が必要となるのです。
今回はその他にもいろいろと変更内容が多かったため、結構時間がかかりましたが無事許可の変更も完了しました。これでようやく営業をすることができるというものです。
破砕処理や容器分別を行うことができるようになると、いままで取り扱うことができなかった原料を扱うことが可能になります。また少し忙しくなりそうです。
リキッドフィーディングのコスト試算
なんか寒い日々が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
リキッドフィーディングでは水分が多いため、配合飼料より与える量が増えます。
では、採算に乗るためにはどれくらいのコストに抑える必要があり、原料コストはどれくらいになるのでしょうか。
今、配合飼料の価格を仮に40円/kgとします。リキッドフィーディングですと、いろいろと手間もかかりますので許容できる価格は30円(乾物あたり)と設定します。
リキッドフィーディングは水分20~22%程度です。水分20%ですと、乾物あたり30円の飼料は30/(100/20)=6円/kgになります。この金額が農家への納入価格となります。
農家への運賃が2円/kg、飼料問屋の管理費が2円/kgかかるとすると、当社の出荷価格は2円/kg。
当社の飼料製造コストが仮に10円/kgとすると、-8円/kgです。
この計算はあくまで一例ですが、とりあえず原料(特に水分が多いもの)を購入しているとリキッドフィーディングはなかなかコスト的に厳しいです。また、配合飼料の市況も変動が大きいため、配合飼料が安くなるとメリットが少なくなります。
もともと飼料の値段は安いので、それと競争するのは結構大変です。1kg40円のものってなかなかありません。ミネラルウォーターよりも安いわけですから。1円、2円/kgの世界でせめぎ合っていると、なんか感覚狂って来そうな気もします。
リキッドフィーディング飼料の乾物割合
通勤中、運転しながら先日の書き込みをした焼酎カスの分析値のことをつらつらと考えていました。
思ったより乾物が少なかったな~と考えていて気づいたこと。乾物測定の際に、有機酸やアルコールはカウントされないのではないでしょうか[E:sign03]
今回の焼酎カスの場合、アルコールが数%程度あり、有機酸もそれなりに含まれています。乾物測定の際、それらは揮発してしまい、見かけ上低い値が出ているのかも。揮発するとはいえ、アルコールも有機酸も消化できるので、栄養価としてはカウントできるのではないかと思います。
一度大学の先生に相談してみようと思った次第です。
リキッドフィーディングの場合、たかが数%でも影響は甚大です。もともと乾物20%強のエサなので、数%異なると何割も違っていることになります。養豚ではエサの摂取量が増体量に大きく影響を与えるので、養豚農家の経営に大きな関連性があります。
食品廃棄物の保存処理
今日は夕方機械メーカーへ行って食品廃棄物の保存処理をする機械について打合せを行いました。
食品廃棄物(ジャガイモの皮)に酸を添加して保存性を高め、飼料とするという取組です。
機械メーカーが薬品を添加するユニットを製作したのですが、なんか思った以上に大仰な機械になってしまいました。お客様の希望で制御盤までステンレスで、煌々と輝いています。
食品廃棄物を飼料にリサイクルするのに一番の障害は食品廃棄物が腐敗しやすいということです。
基本的にきちんと分別してあれば食品廃棄物は元は食べ物なので、飼料として使えるものが多いです。
でも、運搬コストを考えるとある程度のロットがないと採算には乗りません。今回の取組は食品廃棄物の保存性を上げることにより、リサイクルを推進するというものです。
この取組は愛知県の先導的リサイクルに関する事業化検討の補助の採択を受け実施しています。補助のおかげでいろいろな実験をすることができ、有意義でした。でも、これから報告書をまとめなければと思うといささか憂鬱です。